JPH05467Y2 - - Google Patents

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JPH05467Y2
JPH05467Y2 JP1985042116U JP4211685U JPH05467Y2 JP H05467 Y2 JPH05467 Y2 JP H05467Y2 JP 1985042116 U JP1985042116 U JP 1985042116U JP 4211685 U JP4211685 U JP 4211685U JP H05467 Y2 JPH05467 Y2 JP H05467Y2
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hydraulic
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【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車両用の液圧ブレーキ装置に関するも
のであり、特に、容積増減型のアンチスキツド装
置を備えた液圧ブレーキ装置の作動特性の改善に
関するものである。
従来の技術 車両用の液圧ブレーキ装置においては、ブレー
キペダル等操作部材の操作に応じて液圧を発生さ
せるマスタシリンダと、車輪の回転を抑制するホ
イールシリンダとが主液通路によつて接続される
のが普通である。そして、車輪のスリツプ率を適
正範囲に保ち、車両を安全にかつ効率良く減速も
しくは停止させるためにアンチスキツド装置を設
けることが広く行われている。このアンチスキツ
ド装置の一種に容積増減型もしくはクローズドタ
イプと称されるものがある。これは、マスタシリ
ンダとホイールシリンダとを接続する主液通路の
途中にその主液通路を遮断するカツトバルブが設
けられるとともに、そのカツトバルブよりホイー
ルシリンダ側に設けられた液圧制御ハウジングに
液圧制御ピストンが摺動可能に嵌合されることに
よりホイールシリンダカツトバルブに連通した第
一液圧室とその第一液圧室とは遮断された第二液
圧室とが形成され、かつ、第二液圧室の液圧が電
磁液圧制御弁の制御により増減させられることに
よつて、液圧制御ピストンが前進して第一液圧室
の容積を減少させた上でカツトバルブを開き、後
退してカツトバルブを閉じた上で第一液圧室の容
積を増大させるものである。なお、電磁液圧制御
弁は、コンピユータを主体とし、車輪のスリツプ
率を検出する機能を備えたコンピユータを主体と
する制御装置によつて制御される。
このような容積増減型アンチスキツド装置を備
えた液圧ブレーキ装置においては、液圧制御ピス
トンが後退して一旦カツトバルブが閉じられた後
は液圧制御ピストンの前進、後退によつて第一液
圧室の容積が増減させられることによりホイール
シリンダの液圧が適正範囲に制御されるのが普通
であるか、第一液圧室の容積減少のみによつては
ホイールシリンダ液圧が十分な高さとならない場
合にはカツトバルブが開かれ、マスタシリンダ側
から高圧のブレーキ液が補給される。ところが、
カツトバルブが閉じられてホイールシリンダの液
圧上昇が制限された後にもマスタシリンダの液圧
は更に上昇させられるのが普通であるため、一旦
閉じられたカツトバルブが開かれた場合には高圧
のブレーキ液がホイールシリンダ側へ急激に流入
してホイールシリンダ液圧を過大な値まで上昇さ
せ、制動力を急激に増大させてブレーキフイーリ
ングを悪化させ、あるいは車輪が瞬間的にロツク
気味になる不都合が生じ易い。
実公昭50−43666号公報にはこのような不都合
の発生を回避するための手段が開示されている。
これは第一および第二のカツトバルブを用い、常
には第一カツトバルブが開く一方、第二カツトバ
ルブが閉じていて、マスタシリンダからホイール
シリンダに向かうブレーキ液は開いた第一カツト
バルブを経て十分な流量で流れるのに対して、一
旦第一カツトバルブが閉じられてそのマスタシリ
ンダ側とホイールシリンダ側とに液圧差が生じた
後は第一カツトバルブが閉じたままの状態に保た
れて第二カツトバルブが開かれ、マスタシリンダ
側からホイールシリンダ側に流入するブレーキ液
はこの第二カツトバルブとそれに直列に設けられ
た絞り通路とを経て流れるようにされたものであ
る。このようにすれば、一旦カツトバルブが閉じ
られた後ホイールシリンダ側のブレーキ液量が不
足してマスタシリンダ側から補給される場合に、
高圧のブレーキ液が急激に流入することが防止さ
れるため、前述のような不都合の発生は回避され
る。
考案が解決しようとする問題点 しかしながら、この実公昭50−43666号公報に
記載された装置においては、一旦カツトバルブが
閉じられた後はマスタシリンダ側からホイールシ
リンダ側へ補給されるブレーキ液は必ず絞り効果
を受けることとなるため、マスタシリンダとホイ
ールシリンダとの液圧差が比較的小さい場合にも
ブレーキ液は絞り効果を受けて十分な流入速度が
得られず、車両の制動距離が長くなつてしまう場
合があるという問題があつた。
問題点を解決するための手段 本考案はこの問題を解決するために、前述のよ
うな容積増減型アンチスキツド装置を備えた液圧
ブレーキ装置において、主液通路にブレーキ液の
大流量の流れを許容する非作用状態とブレーキ液
の流れを絞る作用状態とを取り得る絞り弁を設
け、かつ、その絞り弁を常には非作用状態に保
ち、マスタシリンダの液圧とホイールシリンダの
液圧との差が一定値以上である状態においてカツ
トバルブが開かれる際には絞り弁を作用状態とす
る絞り弁制御装置を設けたものである。
本考案の望ましい態様においては、絞り弁制御
装置が、(a)前記主液通路の一部を成す液通路を備
えたバルブハウジングと、(b)そのバルブハウジン
グ内に移動可能に設けられ、バルブハウジングと
共同してマスタシリンダに接続されたマスタシリ
ンダ側室とホイールシリンダに接続されたホイー
ルシリンダ側室とを形成するとともに、それらマ
スタシリンダ側室とホイールシリンダ側室とを連
通させる連通路を備えたバルブ制御ピストンと、
(c)そのバルブ制御ピストンをマスタシリンダ側室
側へ付勢するスプリングとを含み、絞り弁が、
()バルブハウジングに形成された弁孔と、
()バルブ制御ピストンがマスタシリンダ側室
側にある状態では弁孔から離れてブレーキ液の大
流量の流れを許容する非作用状態にあり、バルブ
制御ピストンがスプリングの付勢力に抗してホイ
ールシリンダ側室側へ移動した状態では弁孔と共
同してブレーキ液の流れを絞る作用状態となる弁
子とを含み、かつ、前記連通路が常にはマスタシ
リンダ側室とホイールシリンダ側室との間に前記
スプリングの付勢力に抗して前記バルブピストン
をホイールシリンダ側室側へ移動させるに十分な
液圧差を発生させないが、カツトバルブがマスタ
シリンダとホイールシリンダとの液圧差が前記一
定値を超えた状態で両者を連通させた際にはマス
タシリンダ側室とホイールシリンダ側室との間に
前記スプリングの付勢力に越して前記バルブ制御
ピストンをホイールシリンダ側室側へ移動させる
に足りる液圧差を生じさせる絞り効果を有するも
のである機械的な制御弁とされる。
また、別の態様においては、絞り弁が、ブレー
キ液の大流量の流れを許容する非作用状態とブレ
ーキ液の流れを絞る作用状態とに切換えが可能な
電磁切換式絞り弁であり、絞り弁制御装置が、(イ)
マスタシリンダとホイールシリンダとの液圧差を
検知する差圧検知器と、(ロ)その差圧検知器と電磁
切換式絞り弁とに接続され、常には電磁切換式絞
り弁を非作用状態に保ち、液圧差が前記一定値以
上である状態では電磁切換式絞り弁を作用状態に
切り換える切換装置とを含む電磁制御式とされ
る。
作用および効果 本考案に係る容積増減型アンチスキツド装置付
液圧ブレーキ装置においては、一旦閉じられたカ
ツトバルブが再び開かれる際、マスタシリンダ液
圧とホイールシリンダ液圧との差が一定値以上で
あれば絞り弁制御装置が絞り弁をブレーキ液の流
れを絞る状態とするため、マスタシリンダ側から
ホイールシリンダ側へ流入するブレーキ液の流入
速度が適正な値に制限され、ホイールシリンダ液
圧が急激に過大な値まで上昇することが防止され
て、ブレーキフイーリングの悪化や一時的な車輪
ロツクの発生が防止される。
しかも、絞り弁制御装置はマスタシリンダ液圧
とホイールシリンダ液圧との差が一定値を超えな
い状態においては絞り弁を大容量のブレーキ液の
流れを許容する状態に保つため、カツトバルブが
閉じられた後にマスタシリンダ液圧がそれほど上
昇させられていなかつた場合にも、カツトバルブ
が開かれれば十分な速度でブレーキ液がホイール
シリンダ側へ補給され、一時的なホイールシリン
ダ液圧不足による制動距離の増大が回避される。
また、特に絞り弁制御装置が機械式のものであ
る場合には電気的な制御装置が不要であるため装
置コストを低減させることができる一方、電気制
御式のものである場合にはブレーキ液の流れを絞
る状態と絞らない状態との切換えが正確となると
ともに木目細かな制御を行うことが容易となる。
実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
第1図において10はブレーキペダルであり、
ブレーキブースタ12を介してマスタシリンダ1
4に接続されている。マスタシリンダ14は二つ
の加圧室を備えたタンデム型であり、一方の加圧
室は液通路16および制御弁17を経てアクチユ
エータ18に接続され、さらにそれぞれ液通路2
0および22を経て左前輪24のホイールシリン
ダ26と右後輪28のホイールシリンダ30とに
接続されている。もう一方の加圧室は液通路32
および制御弁33を経てアクチユエータ18に接
続され、さらにそれぞれ液通路34および36に
よつて右前輪38のホイールシリンダ40と左後
輪42のホイールシリンダ44とに接続されてい
る。液通路16,20,22,32,34,36
等がマスタシリンダ14とホイールシリンダ2
6,30,40および44とを接続する主液通路
を形成し、いわゆるダイアゴナル配管となつてい
るのである。なお、図示はしないが、液通路22
および36にポロポーシヨニングバルブを設ける
ことが望ましい。
上記アクチユエータ18は、ホイールシリンダ
26,40,30および44にそれぞれ対応する
カツトバルブ50,52,54および56と、バ
イパスバルブ58,60,62および64とを備
えている。カツトバルブ50はスプリング66に
よつて弁座68に着座する方向に付勢されたボー
ル状の弁子70を備え、その弁子70を弁座68
から押し離すために液圧制御ピストン72が設け
られている。液圧制御ピストン72は液圧制御ハ
ウジング73に液密かつ摺動可能に嵌合されてい
る。この液圧制御ピストン72はその両側の第一
液圧室74と第二液圧室76との液圧差によつて
作動し、後退時には弁子70が弁座68に着座す
ることを許容した上で第一液圧室74の容積を増
大させ、前進時には第一液圧室74の容積を減少
させた後、弁子70を弁座68から押し離す。第
一液圧室74は液通路78によつて液通路20に
接続されている。また、バイパスバルブ58は、
前記スプリング66によつて、弁座80から遠ざ
かり、弁座82に接近する方向に付勢されている
ボール状の弁子84と、その弁子84を弁座80
に押し付けるピストン86とを備えている。ピス
トン86は液圧室88に液圧が加えられている限
り弁子84を弁座80に着座させた状態に保ち、
第一液圧室74を前記ホイールシリンダ26に連
通させ続ける一方、液圧室88に液圧が作用しな
くなつた場合には、弁子84が弁座80から離れ
てマスタシリンダ14からのブレーキ液がカツト
バルブ50をバイパスしてホイールシリンダ26
側へ流れることを許容する。以上、カツトバルブ
50とバイパスバルブ58とについて説明した
が、他のカツトバルブ52,54および56なら
びにバイパスバルブ60,62および64も同様
な構造である。
上記液圧室88は液通路100によつて直接的
に制御弁102に接続されており、一方、第二液
圧室76は電磁液圧制御弁104、液通路106
および液通路100を経て制御弁102に接続さ
れている。また、右前輪38のホイールシリンダ
40に対応するカツトバルブ52も独立に電磁液
圧制御弁108を経て制御弁102に接続されて
いるが、左右後輪28および42のホイールシリ
ンダ30および44に対応するカツトバルブ54
および56は共通の電磁液圧制御弁110を経て
制御弁102に接続されている。
各電磁液圧制御弁104,108,110は、
それぞれ制御弁102から供給される作動液を各
カツトバルブ50の第二液圧室76等に供給した
り、第二液圧室76等から作動液が液通路112
を経てリザーバ114に流出することを許容した
りすることによつて第二液圧室76等の液圧を制
御するものであるが、よく知られたものであるた
め詳細な説明は省略する。
上記制御弁102はリザーバ114からポンプ
120によつて汲み上げられ、アキユムレータ1
22に蓄えられた作動液の液圧をマスタシリンダ
14の液圧よりやや高い液圧に制御して電磁液圧
制御弁104等に供給するものであり、そのため
に液通路124によつて液通路16に接続される
とともに、液通路126と前記液通路112とに
よりリザーバ114に接続されている。
制御弁102は第2図に示すようにアクチユエ
ータ18のハウジング130内に配設された弁座
部材132、シリンダ134およびプラグ136
を備えており、これらの内側に形成された空所内
にボール状の弁子138、ボール状の弁部を備え
た弁部材140、中心に貫通孔を備えたピストン
142、そのピストン142を液密かつ摺動可能
に貫通するロツド144、そのロツド144の一
端部を軸方向に摺動可能に受けるピストン146
等が配設されることにより、空所が四つの液室1
48,150,152および154に仕切られて
いる。そして、液室148はアキユムレータ12
2に、液室150は前記バイパスバルブ58、電
磁制御弁104等に、液室152はリザーバ11
4に、液室154はマスタシリンダ14にそれぞ
れ接続されている。
弁子138、弁部材140、ピストン142、
ロツド144およびピストン146はそれぞれス
プリング156,158,160および162に
よつて常には第2図に示す位置に保たれており、
弁子138が弁座部材132に着座して液室14
8と150との連通を遮断するとともに、弁部材
140の弁部がロツド144に形成された連通路
164を閉塞して液室150と152との連通を
遮断している。そして、マスタシリンダ14から
液室154に液圧が加えられた場合には、ピスト
ン146が前進してロツド144を介して弁部材
140および弁子138を第2図において左方へ
移動させ、液室148と150とを連通させる。
その結果、液室148から高圧の作動液が液室1
50に流入して液室150の液圧が上昇し、ピス
トン142がスプリング160の付勢力に抗して
右方へ移動(後退)させられ、ロツド144およ
びピストン146を後退させる。それによつて弁
子138が弁座部材132に着座して液室148
と150との連通を遮断する。ピストン142が
更に右方へ移動すれば、弁部材140がストツパ
170に当接して停止し、その弁部材140から
ロツド144が離れて液室150が連通路164
によつて液室152に連通させられ、液室150
からリザーバ114に向かつて作動液が流出して
液室150の液圧が低下する。
以上の作動の繰返しによつて液室154に作用
するマスタシリンダ14の液圧によつて液室15
0の液圧が制御されるのであるが、本実施例にお
いてはピストン142と146との外径が等しく
されており、かつ、ピストン142がロツド14
4を弁部材140から離れさせて液室150と1
52とを連通させるためにはスプリング160の
付勢力に抗して移動する必要があることによつ
て、液室150の液圧は液室154の液圧よりや
や高い値に保たれることとなる。すなわち、液室
150からバイパスバルブ58、電磁液圧制御弁
104等へ供給される作動液の液圧は、液室15
4に加えられるマスタシリンダ14の液圧よりや
や高く制御されることとなるのである。なお、1
66はスプリングリテーナであり、168はピス
トン142の前進限度を規定するストツパリング
である。
第1図から明らかなように、前記電磁液圧制御
弁104,108および110は制御装置180
によつて制御される。制御装置180はコンピユ
ータを主体とするものであり、前記各車輪24,
28,38および42にそれぞれ対応して設けら
れたセンサ(回転速度検出器)182,184,
186,188の出力信号に基づいて各車輪のス
リツプ率を演算し、このスリツプ率が適正範囲と
なるように電磁液圧制御弁104等を制御するの
であるが、この制御はよく知られているため詳細
な説明は省略する。制御装置180はまた、アキ
ユムレータ122に設けられた液圧スイツチ19
0の出力信号に基づいてポンプ120を駆動する
伝導モータ192を起動、停止させ、アキユムレ
ータ122内に常に一定液圧範囲の作動液が蓄え
られるようにする機能をも果たす。制御装置18
0はアクチユエータ18を制御する主制御装置と
して機能し、アクチユエータ18と共に容積増減
型アンチスキツド装置を構成しているのである。
前記制御弁17と33とは同一のものである。
制御弁17は内部に主液通路の一部を成す液通路
を有すバルブハウジング200を備えている。こ
のバルブハウジング200内には、バルブ制御ピ
ストン202が実質的に液密にかつ摺動可能に嵌
合されることによりマスタシリンダ側室204お
よびホイールシリンダ側室206が形成されてい
る。バルブ制御ピストン202には弁子208が
一体的に設けられる一方、バルブハウジング20
0には弁孔210が形成され、これらが絞り弁2
12を構成している。バルブ制御ピストン202
にはまたマスタシリンダ側室204とホイールシ
リンダ側室206とを連通させる連通路214が
形成され、マスタシリンダ14からマスタシリン
ダ側室204へ流入したブレーキ液がこの連通路
214を経てホイールシリンダ側室206に至
り、絞り弁212を経てアクチユエータ18側へ
流出するようにされている。バルブ制御ピストン
202はスプリング216によりマスタシリンダ
側室204側へ付勢されており、常には第一位置
にあたつて弁子208を弁孔210から離脱さ
せ、絞り弁212を絞り作用を為さない状態に保
つている。しかし、連通路214はある程度の絞
り機能を有するものとされているため、液通路1
6を流れるブレーキ液の流速が著しく大きくなつ
た場合にはバルブ制御ピストン202がスプリン
グ216の付勢力に抗してホイールシリンダ側室
206側へ移動し、弁子208を弁孔210に嵌
入させて絞り弁212を絞り状態とするようにな
つている。
以上の説明から明らかなように、本実施例にお
いては、バルブハウジング200、バルブ制御ピ
ストン202およびスプリング216が、弁子2
08および弁子210を含む絞り弁212を制御
する絞り弁制御装置を構成している。
次に左前輪24の系統を代表的に取り上げて作
動を説明する。
ブレーキペダル10の踏込みに応じてマスタシ
リンダ14に液圧が発生させられれば、その液圧
は液通路16、制御弁17、液通路124を経て
制御弁102に供給され、その結果、制御弁10
2はアキユムレータ122の液圧をマスタシリン
ダ14の液圧よりやや高い液圧まで減圧して液通
路100に供給する。この液圧は液圧室88に作
用してバイパスバルブ58を閉じさせるととも
に、液通路106および電磁液圧制御弁104を
経て第二液圧室76にも作用し、液圧制御ピスト
ン72を前進させてカツトバルブ50を開かせ
る。したがつて、マスタシリンダ14の液圧はカ
ツトバルブ50から液通路78および20を経て
ホイールシリンダ26に伝達される。この際、ブ
レーキ液が制御弁17の連通路214を通過する
が、その流速程度ではバルブ制御ピストン202
の前後にバルブ制御ピストン202をスプリング
216の付勢力に抗して作動させるような液圧差
が生ぜず、絞り弁212は非絞り状態に保たれ
る。
ホイールシリンダ26に液圧が伝達され、左前
輪24に制動力が加えられてそのスリツプ率が適
正範囲を超えれば、その事実を制御装置180が
センサ182の出力信号に基づいて検出し、電磁
液圧制御弁104にアンチスキツド制御作動を開
始させ、ホイールシリンダ26の液圧を第3図に
示すように制御する。すなわち、まず、第二液圧
室76を制御弁102から遮断する一方、リザー
バ114に連通させることによりその液圧を低下
させるのである。第二液圧室76の液圧が低下す
れば液圧制御ピストン72が後退し、カツトバル
ブ50を閉じるとともに第一液圧室74の容積を
増大させる。それによつてホイールシリンダ26
の液圧が低下し、左前輪24のスリツプ率が低下
すれば、制御装置180は電磁液圧制御弁104
を保持状態もしくは昇圧許容状態に切り換えて第
二液圧室76の液圧を一定に保ち、もしくは上昇
させる。第二液圧室76の液圧が上昇させられれ
ば液圧制御ピストン72が前進して第一液圧室7
4の容積を減少させ、ホイールシリンダ26の液
圧を上昇させる。それのみによつてホイールシリ
ンダ26の液圧が十分な高さまで上昇する場合に
はカツトバルブ50は開かれないのであるが、ホ
イールシリンダ26の液圧が不足である場合には
液圧制御ピストン72がカツトバルブ50を開
き、マスタシリンダ14側の液通路16のブレー
キ液がホイールシリンダ26側の液通路20に流
入することを許容する。
この際、マスタシリンダ14の液圧とホイール
シリンダ26の液圧との差圧がそれほど大きくな
ければ、すなわち、カツトバルブ50が閉じられ
てからホイールシリンダ26の液圧がそれほど上
昇させられていなければ、液通路16を流れるブ
レーキ液の速度が比較的低いため、連通路214
の絞り作用によつてマスタシリンダ側室204と
ホイールシリンダ側室206との間に生じさせら
れる液圧差はバルブ制御ピストン202をスプリ
ング216の付勢力に抗して前進させるには至ら
ない。したがつて、絞り弁212はブレーキ液の
流れを絞る状態とはならず、マスタシリンダ14
とホイールシリンダ26との液圧差が比較的低い
にもかかわらず十分な速度でブレーキ液がホイー
ルシリンダ26に補給され、ホイールシリンダ2
6の液圧は速やかに上昇させられる。
これに対して、カツトバルブ50が開いた際に
マスタシリンダ14とホイールシリンダ26との
液圧差が大きい場合には、液通路16を流れるブ
レーキ液の速度が著しく大きくなるため、連通路
214の絞り作用によつてマスタシリンダ側室2
04とホイールシリンダ側室206との間に生じ
させられる液圧差が大きくなり、バルブ制御ピス
トン202をスプリング216の付勢力に抗して
第二位置へ移動させる。その結果、絞り弁212
がブレーキ液の流れを絞る状態となるため、マス
タシリンダ14側の液通路16のブレーキ液が過
大な速度でホイールシリンダ26側の液通路20
に流入することが防止される。すなわち、マスタ
シリンダ14とホイールシリンダ26との液圧差
が一定値を超える状態においてカツトバルブ50
が開かれれば、従来は第3図に二点鎖線で示すよ
うにホイールシリンダ26の液圧が急激に上昇さ
せられ、車輪が一時的にロツク気味となつたり、
ブレーキフイーリングが低下したりすることがあ
つたのに対して、本実施例装置においてはそのよ
うな不都合の発生が回避されるのである。しか
も、制御弁17はマスタシリンダ14とホイール
シリンダ26との液圧差が一定値以上であること
をそれ自身が感知して作動し、ブレーキ液の流れ
を絞るものであるため、電気的な制御装置を設け
る必要がなく、安価に製造することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施例にお
いては機械的に作動する制御弁17が絞り弁およ
び絞り制御装置として機能するようになつている
が、これに代えて電磁切換式絞り弁を使用するこ
とも可能である。その一例を第4図に示す。ただ
し、左前輪24の系統のみを示し、他は第1図の
実施例と同様であるため省略する。
電磁切換式絞り弁230は液通路16のブレー
キ液の流れを絞らない状態と絞る状態とに切換え
が可能な電磁弁であつて、制御装置232によつ
て制御される。制御装置232は前記実施例にお
ける制御装置180と同様な機能に加えて電磁切
換式絞り弁230を制御する絞り弁制御装置の機
能をも有するものであり、そのために液通路16
の液圧を検知する液圧センサ234と液通路20
の液圧を検知する液圧センサ236とが制御装置
232に接続されている。制御装置232は、液
圧センサ234と236との出力信号の差が一定
値より小さい場合には電磁切換式絞り弁230を
非絞り状態に保ち、一定値以上である場合には絞
り状態に切り換えるようになつている。液圧セン
サ234,236が差圧検知器を構成しているの
である。
したがつて、マスタシリンダ14とホイールシ
リンダ26との液圧差が一定値以上の状態におい
てアクチユエータ18のカツトバルブ50が開か
れる際には電磁切換式絞り弁230が絞り状態と
なつており、マスタシリンダ14側の液通路16
のブレーキ液がホイールシリンダ26側の液通路
20に過大な速度で流入してホイールシリンダ2
6の液圧を急激に上昇させることが回避される一
方、マスタシリンダ14とホイールシリンダ26
との液圧差が一定値より小さい場合には、電磁切
換式絞り弁230が非絞り状態に保たれてマスタ
シリンダ14とホイールシリンダ26との液圧差
が小さいにもかかわらずホイールシリンダ26の
液圧が十分な速度で上昇させられることとなる。
なお、電磁切換式絞り弁は上記のものに限定さ
れるわけではなく、第5図に示すような固定絞り
240と電磁開閉弁242との組み合わせの採用
も可能である。
以上、本考案の二,三の実施例を図面に基づい
て詳細に説明したが、本考案はこれらに限定して
解釈されるべきものではなく、例えば容積増減型
アンチスキツド装置の構成を他のものに変えるな
ど当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施
した態様で本考案を実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である容積増減型ア
ンチスキツド装置付液圧ブレーキ装置を示す系統
図である。第2図は第1図における制御弁の構造
を示す正面断面図である。第3図は上記液圧ブレ
ーキ装置におけるホイールシリンダの液圧制御状
況を概念的に示すグラフである。第4図は本考案
の別の実施例である容積増減型アンチスキツド装
置付液圧ブレーキ装置の一部を示す系統図であ
る。第5図は本考案の別の実施例において使用さ
れる電磁弁を示す図である。 14……マスタシリンダ、17……制御弁、1
8……アクチユエータ、26,30……ホイール
シリンダ、33……制御弁、40,44……ホイ
ールシリンダ、50,52,54,56……カツ
トバルブ、58,60,62,64……バイパス
バルブ、72……液圧制御ピストン、74……第
一液圧室、76……第二液圧室、102……制御
弁、104,108,110……電磁液圧制御
弁、180……制御装置、200……ハウジン
グ、200……バルブハウジング、202……バ
ルブ制御ピストン、204……マスタシリンダ側
室、206……ホイールシリンダ側室、208…
…弁子、210……弁孔、212……絞り弁、2
14……連通路、216……スプリング、230
……電磁切換式絞り弁、232……制御装置、2
34,236……液圧センサ、240……絞り、
242……電磁開閉弁。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マスタシリンダとホイールシリンダとを接続
    する主液通路の途中にその主液通路を遮断する
    カツトバルブが設けられるとともに、そのカツ
    トバルブより前記ホイールシリンダ側に設けら
    れた液圧制御ハウジングに液圧制御ピストンが
    摺動可能に嵌合されることによりホイールシリ
    ンダおよび前記カツトバルブに連通した第一液
    圧室とその第一液圧室とは遮断された第二液圧
    室とが形成され、かつ、第二液圧室の液圧が電
    磁液圧制御弁の制御により増減させられること
    によつて、前記液圧制御ピストンが前進して前
    記第一液圧室の容積を減少させた上で前記カツ
    トバルブを開き、後退してカツトバルブを閉じ
    た上で第一液圧室の容積を増大させ、それによ
    つて前記ホイールシリンダが設けられた車輪の
    スリツプ率が適正範囲となるようにホイールシ
    リンダの液圧が制御される容積増減型アンチス
    キツド制御装置付液圧ブレーキ装置において、 前記主液通路にブレーキ液の大流量の流れを
    許容する非作用状態とブレーキ液の流れを絞る
    作用状態とを取り得る絞り弁を設け、かつ、そ
    の絞り弁を常には前記非作用状態に保ち、前記
    マスタシリンダの液圧と前記ホイールシリンダ
    の液圧との差が一定値以上である状態において
    前記カツトバルブが開かれる際には前記絞り弁
    を前記作用状態とする絞り弁制御装置に設けた
    ことを特徴とする液圧ブレーキ装置。 (2) 前記絞り弁制御装置が、 前記主液通路の一部を成す液通路を備えたバ
    ルブハウジングと、 そのバルブハウジング内に移動可能に設けら
    れ、バルブハウジングと共同して前記マスタシ
    リンダに接続されたマスタシリンダ側室と前記
    ホイールシリンダに接続されたホイールシリン
    ダ側室とを形成するとともに、それらマスタシ
    リンダ側室とホイールシリンダ側室とを連通さ
    せる連通路を備えたバルブ制御ピストンと、 そのバルブ制御ピストンを前記マスタシリン
    ダ側室側へ付勢するスプリングとを含み、 前記絞り弁が、 前記バルブハウジングに形成された弁孔と、 前記バルブ制御ピストンが前記マスタシリン
    ダ側室側にある状態では前記弁孔から離れてブ
    レーキ液の大流量の流れを許容する非作用状態
    にあり、前記バルブ制御ピストンが前記スプリ
    ングの付勢力に抗して前記ホイールシリンダ側
    室側へ移動した状態では前記弁孔と共同してブ
    レーキ液の流れを絞る作用状態となる弁子とを
    含み、 かつ、前記連通路が常には前記マスタシリン
    ダ側室とホイールシリンダ側室との間に前記ス
    プリングの付勢力に抗して前記バルブピストン
    をホイールシリンダ側室側へ移動させるに十分
    な液圧差を発生させないが、前記カツトバルブ
    が前記マスタシリンダとホイールシリンダとの
    液圧差が前記一定値を超えた状態で両者を連通
    させた際には前記マスタシリンダ側室とホイー
    ルシリンダ側室との間に前記スプリングの付勢
    力に抗して前記バルブ制御ピストンを前記ホイ
    ールシリンダ側室側へ移動させるに足る液圧差
    を生じさせる絞り効果を有するものである実用
    新案登録請求の範囲第1項記載の液圧ブレーキ
    装置。 (3) 前記絞り弁が、 ブレーキ液の大流量の流れを許容する非作用
    状態とブレーキ液の流れを絞る作用状態とに切
    換えが可能な電磁切換式絞り弁であり、 前記絞り弁制御装置が、 前記マスタシリンダとホイールシリンダとの
    液圧差を検知する差圧検知器と、 その差圧検知器と前記電磁切換式絞り弁とに
    接続され、常には電磁切換式絞り弁を前記非作
    用状態に保ち、前記液圧差が前記一定値以上で
    ある状態では前記電磁切換式絞り弁を前記作用
    状態に切り換える切換装置と を含むものである実用新案登録請求の範囲第1
    項記載の液圧ブレーキ装置。
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