JPH0545080U - 連続的に人工糸の撚り及びさらなる加工処理可能な加工糸装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 処理速度が増加し、処理アセンブリの出口に
おける糸の最終ガイドポイントと巻取システムとの距離
を長くでき、さらなる熱処理をするために特別な変換ま
たは付加を行なわずに仮撚り操作に必要な加熱器を使用
可能な装置を提供する。 【構成】 仮撚り加工手段６が支柱の中央部２に配さ
れ、糸供給手段７、１０が、ポジティブタイプの運搬装
置からなる。ダブルツイストスピンドル３と巻取アセン
ブリが中央部以外で上下に配される。加工手段６に送る
ためにダブルツイストスピンドル３の出口において、ま
た巻取ゾーン１１に送るために加工手段の出口におい
て、各々糸５ガイダンズがアセンブリ１３により得られ
る。アセンブリ１３は、各処理台につき装置中央で支持
された一対の糸ガイド１５、１６からなり、糸ガイド１
５は、スピンドル３の延長上にあり、糸ガイド１６は、
スピンドル３の糸玉の容積の外表面と実質的に同レベル
に設けられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、人工糸の加工処理を行なうための装置に関し、特に、糸に撚りをか けた後に所定の処理を行なう装置、さらに詳細には仮撚りの後に適当な支持体に 巻き取る装置に関する。

【０００２】 特に、本考案は仏国特許第１，１９０，６６８号に開示された方法を行なうこ との可能な改良された装置に関する。

【０００３】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

一般には、上記公報に開示された方法を実行可能な加工糸装置は、同形同大の 複数の処理台が、中央スタンドのどちらでもよい側に配置されて構成されている 。各処理台は、下方から上方へ、以下のような複数の手段を有している。

【０００４】 （１）巻糸を支持する一回撚りスピンドル（シングルスピンドル）または二回撚 りスピンドル（ダブルツイストスピンドル）と、 （２）糸の供給手段と、 （３）ダブルツイストスピンドルの軸の延長上に配置された熱処理用加熱器であ り、仮撚りスピンドルが下流側に配置されている熱処理用加熱器と、 （４）ダブルツイストスピンドルの出口における糸の供給手段と、 （５）前記処理された糸の巻取手段とを有している。

【０００５】 上記のような装置は、技術的には一応は満足できるものではあったが、その欠 点としてはよく知られているように、処理速度を増加させる場合に、加熱器から 仮撚りスピンドルまでの間における加熱器と冷却空間の長さを長くしなければな らないことである。これは、装置の基本的な構成が上下方向に配列されているこ とを鑑みれば、加工糸装置の全高が高くなることを意味する。

【０００６】 さらに、仏国特許第２，５６５，２６１号（米国特許第４，５９２，１９５号 に該当）にも指摘されているように、糸の巻き取りが、リールの全長にわたって 糸コイルを分配供給する可動な糸ガイドを具備した、一定速度で糸を巻き取る巻 取手段により行なわれるとき、可動な糸ガイドのストロークの真ん中を通過する 横断面に実質的に位置する最終ガイドポイントと、それ自身のガイドポイントと の間を、非常に長くすることが好ましい。

【０００７】 即ち、速度を増して、かつ、非常にコンパクトな装置を提供可能な装置の製造 は、これまで多く提案されており、欧州特許第１５５、２４０号に開示されてい るように、非常に複雑な糸運びのアセンブリを有し、仮撚りゾーンの種々の部剤 の配置を保つことが不可能である。この配置は、高品質な糸を得るための操作条 件の一つである。

【０００８】

【考案の目的】

この考案は、仏国特許第１、１９０、６６８号に記載されたものと類似の構造 を有する装置の優位点を保持することが可能な、改良された装置に関し、処理速 度の増加させ、処理アセンブリの出口における糸の最終ガイドポイントと、巻取 システムとの距離を長くすることが可能であることのみならず、さらなる熱処理 をするために、特別な変換または付加を行なうことなしに、仮撚り操作に必要な 熱処理部材（加熱器）を使用可能である装置を提供する。例えば、ダブルツイス トスピンドルにより撚られた糸をセットするための第１処理は、実際の仮撚り処 理の前に行なわれる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

一般に、本考案による装置は、中央支柱の中央軸のどちら側でもよい側に配さ れた複数の処理台を支持する中央支柱からなるタイプの、連続的に人工糸の撚り 及びさらなる加工処理可能な加工糸装置であり、各処理台が、 処理されるべき糸の巻糸を支持するダブルツイストスピンドルと； ダブルツイストスピンドルから離れる撚られた糸を仮撚り加工処理することが可 能な手段であり、この手段は、この仮撚り処理ゾーン、撚られた糸の供給手段、 冷却ゾーンおよび仮撚りスピンドルが続く熱処理部材、および加工処理ゾーンの 出口において糸をおくる供給システムにおいて、糸の通路が実質的に直線を保つ ように配されている、仮撚り処理可能な手段と； 処理された糸を巻き取る巻取手段とからなる。

【００１０】 本考案による装置は、 仮撚り加工処理手段が、前記装置の支柱の中央部に配され、この処理ゾーンを形 成する糸供給手段が、ポジティブタイプの運搬装置からなり、 ダブルツイストスピンドルおよび巻取アセンブリが上下に配され、中央ゾーンと は離れて同軸的にはなく、 加工処理ゾーンに送るために、ダブルツイストスピンドルの出口において、およ び巻取ゾーンに送るために前記加工ゾーンの出口において、糸ガイダンスが、ア センブリにより得られ、このアセンブリは、各処理台につき、実質的に装置の真 ん中あたりの、前記台と同レベルにおいて支持された一対の糸ガイドからなり、 ひとつの糸ガイドは、ダブルツイストスピンドルの延長上に設けられており、も う一つの糸ガイドは、外側に外れたところで、ダブルツイストスピンドルの糸玉 の容積の外表面と実質的に同レベルに設けられていることを特徴とするものであ る。

【００１１】 優位には、本考案による装置の好ましい実施例によれば、糸のガイド部が、装 置の支柱に関して垂直に調整可能な支持部に設けられている。さらに、このよう なガイド手段は、脱離検出器の機能を果たすことが可能である。また、糸のさら なる戻り部が、仮撚りゾーンの熱処理部材（加熱器）の上部に、優位には設けら れており、実際の仮撚り処理を行なう前に、ダブルツイストスピンドルから離れ た撚られた糸を予備熱処理することが可能である。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を第１図ないし第３図を参照しながら説明する。特 に図１より明らかなように、本考案による装置は、支持支柱のいずれでもよい側 に配置された同形同大の処理台からなり、この支持支柱は、基台（１）および垂 直な中央支柱（２）からなる。各処理台は、ダブルツイストスピンドル（３）か らなり、これは、処理されるべき糸（５）のリール（４）を支持する。ダブルツ イストスピンドル（３）は、糸（５）に、前記スピンドルの各回転ごとに２撚り 処理する。公知の方法で、静止糸ガイドラペット（１２）が、ダブルツイストス ピンドル（３）の上方の軸の延長上に設けられている。

【００１３】 ダブルツイストアセンブリ（３）の下流には、仮撚り加工ゾーン（６）が配さ れており、これは、糸の通路方向に於て、運搬装置（７）、熱処理加熱器（８） 、仮撚りスピンドル（９）、および出口運搬装置（１０）からなる。ガイドアイ （１８、２０）は、加熱器（８）の入り口および出口に配されている。

【００１４】 出口運搬装置（１０）の下流には、処理糸用巻取アセンブリ（１１）が配され ている。

【００１５】 仮撚り加工ゾーン（６）の入り口および出口に配された運搬装置（７）および （１０）は、ポジティブタイプの通常の運搬装置であり、プーリーブロック操作 を行ない、従って、仮撚りゾーン内の処理条件下、糸の供給速度が非常に正確に なるものである。

【００１６】 本考案によれば、図１に示されるように、処理部材は、仮撚り加工ゾーン（６ ）が装置の中心に位置し、ダブルツイストスピンドル（３）および巻取手段（１ １）が、この中心ゾーンから横に離れるように、配置されている。

【００１７】 このような装置に於ては、ダブルツイストスピンドル（３）の出口および仮撚 り加工ゾーン（６）間の糸（５）ガイダンスは、戻りアセンブリ（１３）により 得られる。このような戻りアセンブリ（１３）は、装置の支柱の中央部に、好ま しくは垂直に調節可能に設けられた支持（１４）からなる。支持（１４）の端部 に於ては、２つの糸ガイドおよび好ましくはセラミックローラからなる戻り部材 （１５、１６）が設けられている。ガイドの一つ（１５）は、ダブルツイストス ピンドル（３）の出口における糸の通路の軸に設けられており、第２のガイド（ １６）は、先のガイドと同じ高さであるが、ダブルツイストスピンドル（３）に おける糸玉（５）の容積と同じ線上で、外側に設けられている。

【００１８】 連続して撚り処理して仮撚り加工処理可能な、提案された装置の構造に関して は、このようなデザインは、矛盾する必要性を調和可能とするものである。即ち 、高い製造速度を可能とし、同時に、コンパクトなアセンブリにして、加工バン ドの出口と巻取システムとの間の距離を長くすることができるものである。さら に、図２および３に示されるように、通常の撚り処理についで仮撚り（図２）を 可能とするばかりでなく、特別な処理、例えば、図３に示すような、ダブルツイ ストスピンドル（３）から離れた撚られた糸を、実際の仮撚り加工操作の前に、 第１熱処理するために、同一の装置を用いることが可能である。実際、このよう な処理を行なうためには、加熱器（６）の上部に、糸（５）用のさらなる戻り部 材（１７）、および加熱器（８）および運搬装置（７）の入り口の間に、さらな るガイドアイ（１９）を設けることで、十分である。

【００１９】 最後に、高価となる付加部材および変換を行なうことなしに、通常の仮撚り処 理を行なう（この場合、ダブルツイストスピンドル（３）を、撚りをおこさない 静止糸供給源により置き換えることで十分である）か、適当ならば、仮撚りスピ ンドル（９）を置くことにより、ひと撚りセット操作をおこなうかのいずれかを 行なうことが可能である。このようなタイプの装置は、さらに、戻りアセンブリ （１３）の位置のシングルゾーンにおける処理中に、糸を検知およびモニタする ための部材を配置することが可能である。これにより、簡単に、仮撚りゾーンの 上流および下流の双方に、糸があるかいなかをモニタすることが可能となるもの である。このような糸検知およびモニタ部材は、戻り部材からなるものでもよい 。

【００２０】 このようなデザインの装置は、特に、種々の使用に関して多くの優位点を有す るものであり、例えば、種々の異なった糸を製造することが可能であり、これは 、種々の処理ゾーンにおける糸の張力を調整することにより、簡単に製造される 。以下、具体的に実施例を示すが、本考案はこれらに限定されるものではない。

【００２１】 実施例１： ７８ｄｔｅｘの数を有し、７０フィラメントからなる、ポリエステル糸からの、 ”加工クレープ”タイプ糸の製造

【００２２】 このような糸は、本考案による装置に置いて、以下の条件を用いて製造される 。

【００２３】 ダブルツイストスピンドル（３）の速度： １０、８００回転／分 スピンドル（３）による撚り： １、２３４Ｔ／Ｚ（１ｍあたり） 第１供給システム（７）の速度： １７.５０ｍ／分 加工スピンドル（９）の速度： ４９、０００回転／分 加工撚り：２、８００Ｔ／Ｚ 第２供給システム（１０）の速度： １７.０８ｍ／分 スピンドル（３）の出口での張力： ５５／５６ｇ 仮撚りスピンドル（９）の入り口での張力： １１／１３ｇ 仮撚りスピンドル（９）の出口での張力： ２５／２６ｇ 巻取手段（１１）の巻取速度： １６.６２ｍ／分 巻取手段（１１）の巻取張力： ５／６ｇ 加熱器（８）の温度： ２１０℃

【００２４】 実施例２： １００ｄｔｅｘの数を有し、３６フィラメントからなる、ポリエステル糸からの 、”加工クレープ”タイプ糸の製造

【００２５】 このような糸は、本考案による装置に置いて、以下の条件を用いて製造される 。

【００２６】 ダブルツイストスピンドル（３）の速度： １０、８００回転／分 スピンドル（３）による撚り： １、１２８Ｔ／Ｚ（１ｍあたり） 第１供給システム（７）の速度： １９.１４ｍ／分 加工スピンドル（９）の速度： ４５、１５０回転／分 加工撚り： ２、３５８Ｔ／Ｚ 第２供給システム（１０）の速度： １８.６８ｍ／分 スピンドル（３）の出口での張力： ７３／７５ｇ 仮撚りスピンドル（９）の入り口での張力： １５／１６ｇ 仮撚りスピンドル（９）の出口での張力： ３０ｇ 巻取手段（１１）の巻取速度： １７.８９ｍ／分 巻取手段（１１）の巻取張力： ５ｇ 加熱器（８）の温度： ２０５℃

【００２７】 実施例３： フレーム効果を有する装飾糸の製造

【００２８】 このような糸を製造するためには、１６７ｄｔｘ／４８フィラメントのポリエ ステル糸を使用し、本考案による装置に置いて、以下の条件を用いれば製造され る。

【００２９】 ダブルツイストスピンドル（３）の速度： ９、６００回転／分 スピンドル（３）による撚り： ６３０Ｔ／Ｚ（１ｍあたり） 第１供給システム（７）の速度： ３０.５ｍ／分 加工スピンドル（９）の速度： ５３、３２１回転／分 加工撚り： １、７４８Ｔ／Ｚ 第２供給システム（１０）の速度： ２５.７７ｍ／分 スピンドル（３）の出口での張力： ８５ｇ 仮撚りスピンドル（９）の入り口での張力： ５.５ｇ 仮撚りスピンドル（９）の出口での張力： １１.１２ｇ 巻取手段（１１）の巻取速度： ２５.５６ｍ／分 巻取手段（１１）の巻取張力： ７ｇ 加熱器（８）の温度： ２４０℃

【００３０】

【考案の効果】

上記実施例は、本考案による装置の多岐わたる使用を示し、設定（張力、スピ ンドル速度）を変換することにより、簡単に、異なる糸が製造可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、装置の各面に配された２つの処理台の
構造を示し、各処理台における糸の運びが図示されてお
り、通常の撚り処理の後に、仮撚り処理が行なわれる、
本考案の装置の側面図である。

【図２】図２は、糸がダブルツイストスピンドルの出口
において、いかに排出されるかを示す、拡大図である。

【図３】図３は、ダブルツイストスピンドルから出た撚
り糸が、実際の仮撚りゾーンに入る前に熱処理される、
本考案による他の実施例の拡大図である。

【符号の説明】

１、２ 中央支柱 ３ ダブルツイストスピンドル ５ 糸 ６ 仮撚り加工処理手段 ７、１０ 供給手段 ８ 熱処理部材 ９ 仮撚りスピンドル １１ 巻取手段 １５、１６ 糸ガイド

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央支柱（１、２）の中央軸のどちら側
   でもよい側に配された複数の処理台を支持する中央支柱
   （１、２）からなるタイプの、連続的に人工糸の撚り及
   びさらなる加工処理可能な加工糸装置であり、各処理台
   が、 処理されるべき糸（５）の巻糸（４）を支持するダブル
   ツイストスピンドル（３）と；ダブルツイストスピンド
   ル（３）から離れる撚られた糸を仮撚り加工処理するこ
   とが可能な手段であり、この手段は、この仮撚り加工処
   理ゾーン（６）、撚られた糸の供給手段（７）、冷却ゾ
   ーンおよび仮撚りスピンドル（９）が続く熱処理部材
   （８）、および加工処理ゾーンの出口において糸をおく
   る供給システム（１０）において、糸（５）の通路が実
   質的に直線を保つように配されている、仮撚り処理可能
   な手段と；処理された糸を巻き取る巻取手段（１１）と
   からなる、加工糸装置において、 仮撚り加工手段（６）が、前記装置の支柱の中央部
   （２）において配され、糸供給手段（７、１０）が、ポ
   ジティブタイプの運搬装置からなり、 ダブルツイストスピンドル（３）および巻取アセンブリ
   が上下に配され、中央ゾーン（２）とは同軸的にはな
   く、 加工処理ゾーン（６）に送るために、ダブルツイストス
   ピンドル（３）の出口において、および巻取ゾーン（１
   １）に送るために前記加工ゾーンの出口において、糸
   （５）ガイダンスが、アセンブリ（１３）により得ら
   れ、このアセンブリ（１３）は、各処理台につき、実質
   的に装置の真ん中あたりの、前記台と同レベルにおいて
   支持された一対の糸ガイド（１５、１６）からなり、糸
   ガイド（１５）は、ダブルツイストスピンドル（３）の
   延長上に設けられており、糸ガイド（１６）は、外側に
   外れたところで、ダブルツイストスピンドル（３）の糸
   玉の容積の外表面と実質的に同レベルに設けられている
   ことを特徴とする、人工糸の撚り及びさらなる加工処理
   のための加工糸装置。
2. 【請求項２】 糸（５）のガイド部（１５、１６）が、
   装置の支柱に関して垂直に調整可能な支持部（１４）に
   設けられている、請求項１に記載の加工糸装置。
3. 【請求項３】 糸（５）のさらなる戻り部（１７）が、
   仮撚りゾーン（６）の加熱器（８）の上部に設けられて
   おり、実際の仮撚り処理を行なう前に、ダブルツイスト
   スピンドル（３）から離れた撚られた糸（５）を予備熱
   処理することが可能である、請求項１および請求項２の
   いずれか一項に記載の加工糸装置。
4. 【請求項４】 糸ガイド部（１５、１６）が、脱離検出
   器の機能も果たす、請求項１ないし請求項３のいずれか
   一項に記載の加工糸装置。