JPH0544722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えば円筒状のセラミツクハニカム構
造体のような円筒体の底面と側面との直角度を正
確にかつ容易に測定することができる円筒体の直
角度検査装置に関するものである。

（従来の技術） 円筒体の底面と側面との間の直角度の検査装置
としては、定盤の上面に直線状の基準バーを突設
するとともに該基準バーの後方に立設した柱に垂
直方向に進退動できるダイヤルゲージ等の変位測
定器を取けたものが用いられている。ところがこ
のような直角度の検査装置においては、円筒体の
側面全面に亘つて直角度を検査する場合には円筒
状の側面を正確にダイヤルゲージの測定子に押し
当てながら回転させなければならないので、正確
な検査を行うためには熟練を要するうえ、時間が
多く費やされるという欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し
て、円筒体の底面と側面との間の直角度を特別な
熟練を要することなく容易かつ正確に測定できる
円筒体の直角度検査装置を目的として完成された
ものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の課題を解決するためになされた本考案の
円筒体の直角度検査装置は、定盤上に円筒体の側
面と当接する左右一対のローラを固定するととも
に、定盤上のこれらのローラを結ぶ線分の垂直２
等分線上に、先端に円筒体の側面下部に当接され
る可動ローラを備えたロツドをローラの中心点に
向かつて進退動自在に設け、またこのロツドには
上方に延びる柱を取付けてその上部には前記可動
ローラの直上位置付近において円筒体の側面上部
と接する側定子を備えた変位測定器を取付けたこ
とを特徴とするものである。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例について詳細に説明
すると、１は一方の端部上面に円筒体載置用の台
部２を備えた定盤、３，３はこの定盤１上に回転
自在に固定された左右一対のローラであり、これ
らのローラ３，３は定盤１の台部２上に置かれた
円筒体３０の側面３１を当接させることにより円
筒体３０を定盤１上の一定位置で回転させるため
のものである。定盤１の上面のこれらのローラ
３，３の中心を結ぶ線分の垂直２等分線上には、
前後２箇所にリニアベアリング４，５が設けられ
ており、これらのリニアベアリング４，５によつ
て先端に可動ローラ６を備えたロツド７がローラ
３，３の中心点に向かつて進退動自在に支持され
ている。ロツド７の後部には圧縮スプリング８が
設けられてロツド７をローラ３，３の方向に弾発
しているので、ロツド７の先端の可動ローラ６は
図示のようにローラ３，３の中間点から円筒体３
０の中心に向かつて押圧されて、円筒体３０の側
面下部に当接されることとなる。９はロツド７の
中央部に設けられたブラケツトであり、該ブラケ
ツト９には定盤１の表面に対して垂直上方に延び
る柱１０がねじ１１によつて高さ調節できるよう
に取付けられている。そしてこの柱１０の上部に
はダイヤルゲージのような変位測定器１２が取付
けられており、その測定子１３が前記可動ローラ
６の直上位置付近において円筒体３０の側面上部
と接するようにされている。変位測定器１２とし
てはダイヤルゲージ等のほか差動トランスその他
の任意の形式のものを用いることができ、図示の
ように柱１０に対して前後方向に位置調節自在に
取付けることが好ましい。また柱１０を円筒体３
０の高さに合せて下げた場合にもその下端が定盤
１と当らないように定盤１には長孔１４を透設し
ておくことが好ましい。なお、第１図及び第２図
では定盤１の表面を水平なものとして図示した
が、定盤１の台座下面１５は表面に対して約10°
傾斜させてあり、定盤１の表面を10°程度傾斜さ
せて円筒体３０がローラ３，３間に自重により進
入できるようにしておくことが好ましい。またロ
ーラ３，３、可動ローラ６、変位測定器１２の測
定子１３となるローラ等は円筒体３０との接触に
より摩耗することを防止するための、セラミツク
製のものを用いることが好ましい。

（作用） このように構成されたものは、定盤１に設けら
れた左右一対のローラ３，３間に円筒体３０の側
面を当接させれば、定盤１上のこれらのローラ
３，３を結ぶ線分の垂直２等分線上に進退動自在
に設けられたロツド７の先端の可動ローラ６が圧
縮スプリング８の弾発力によつて円筒体３０の側
面下部は当接されると同時に、ロツド７から上方
に延びる柱１０の上部の変位測定器１２の測定子
１３が円筒体３０の側面上部と接することとな
る。そして円筒体３０の側面３１がその底面に対
して正しく直角をなし、従つて測定子１３の先端
と可動ローラ６の先端とを結んだ直線が定盤１の
表面に対して垂直となるときに変位測定器１２の
読みがゼロとなるように予め変位測定器１２を調
節しておけば、円筒体３０の側面上２が柱１０側
に傾いたあるいはその反対側に傾いたときには変
位測定器１２の読みがプラス方向あるいはマイナ
ス方向に変動することとなり、円筒体３０の直角
度を簡便に検査することとなる。また円筒体３０
をローラ３，３に押し当てながら回転させえば全
周にわたり直角度の検査が行える。しかも、一度
上記のような調節をしておけば、円筒体３０の直
径が変化してローラ３，３間への入り込み深さが
変化しても、それに応じて可動ローラ６，ロツド
７、柱１０、変位測定器１２、測定子１３等も一
体的にローラ３，３を結ぶ線分の垂直２等分上を
自動傾に進退するので、そのまま正確に直角度の
検査を行うことができ、円筒体３０の直径に応じ
て各部の調節を行う必要はない。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、円
筒状セラミツクハニカム構造体のような円筒体の
底面と側面との間の直角度を特別な熟練を要する
こともなく全周にわたつて正確かつ簡便に検査す
ることができ、検査能率の向上に有益なものであ
る。よつて本考案は従来の問題点を解消した円筒
体の直角度検査装置として、その実用的価値は極
めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図はその平面図である。 １……定盤、３……ローラ、６……可動ロー
ラ、７……ロツド、１０……柱、１２……変位測
定器、１３……測定子、３０……円筒体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 定盤１上に円筒体３０の側面３１と当接する左
   右一対のローラ３，３を固定するとともに、定盤
   １上のこれらのローラ３，３を結ぶ線分の垂直２
   等分線上に、先端に円筒体３０の側面下部に当接
   される可動ローラ６を備えたロツド７をローラ
   ３，３の中心点に向かつて進退動自在に設け、ま
   たこのロツド７には上方に延びる柱１０を取付け
   てその上部には前記可動ローラ６の直上位置付近
   において円筒体３０の側面上部と接する側定子１
   ３を備えた変位測定器１２を取付けたことを特徴
   とする円筒体の直角度検査装置。