JPH0543329B2

JPH0543329B2 -

Info

Publication number: JPH0543329B2
Application number: JP2089194A
Authority: JP
Inventors: Kazutoshi Kogure
Original assignee: Hitachi Reinetsu KK
Current assignee: Hitachi Reinetsu KK
Priority date: 1990-04-05
Filing date: 1990-04-05
Publication date: 1993-07-01
Also published as: JPH03290114A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、椎茸栽培ハウスの空調装置に係り、
特に、夏季、冬季を通じて椎茸の生育に良好な温
湿度条件を保つのに好適な、クーリングタワー
（冷却塔）を用いた椎茸栽培ハウスの空調装置に
関するものである。

［従来の技術］椎茸の原木栽培は、楢や櫟などの広葉樹の原木
を利用し、取扱いに便利な長さの１ｍぐらいに玉
切りした、いわゆるほだ木に、椎茸の種菌を植え
つけて山林や人工日陰などの下におき、原木に椎
茸の菌糸を伸長させる。このようにしておくと、
２年目には椎茸が原木上に発生し収穫ができるよ
うなるものであつた。

最近、前記ほだ木用原木が不足することから、
原木栽培に替つて、広葉樹おがくずを主体とする
苗床も用いた容器栽培（袋栽培、壜栽培）が行わ
れるようになつてきた。

椎茸の菌床栽培は、培地作り、その培地の袋、
壜詰め、殺菌、種菌接種、菌まわし、熟成等の培
養の諸工程があり、椎茸栽培ハウスの椎茸栽培室
において、管理された環境条件のもとで行なわな
ければならない。

椎茸の生育に適当な環境条件は、温度10〜30
℃、湿度80〜90％RH（湿度百分率）であり、30
℃を越える夏季の高温時、あるいは冬季の低湿乾
燥時でも、椎茸栽培室は上記の条件に保持する必
要がある。

第４図は、従来の椎茸栽培ハウスの略示構成図
である。

第４図に示すように、従来の椎茸栽培ハウス３
０においては、冬季の暖房は、一般に温水ボイラ
３１による温水を温水パイプ３２によつてハウス
内に導いて暖房を行なつていた。

［発明が解決しようとする課題］上記第４図に示す従来の温水暖房によれば、椎
茸栽培ハウス３０内が暖まつて暖房が不要になつ
ても、温水パイプ３２中に温水が残るため、ハウ
ス内の温度調節が難かしく、またハウス床に温水
パイプ３２を埋め込むため設備費が高くなるとい
う問題があつた。

夏季の冷房は、空気調和機を導入して空調して
いる農家もあるが、コスト高となるため一般に行
なわれておらず、栽培を休止している農家が多か
つた。

本発明は、上記従来技術の問題点を解決するた
めになされたもので、椎茸栽培ハウスにおける夏
季の冷房、加湿、および冬季の暖房、加湿を主と
して冷凍機を用いないクーリングタワーで行い、
栽培室内の椎茸の生育に良好な温湿度条件に保
ち、周年栽培を可能にするとともに、設備費の低
減を図りうる椎茸栽培ハウスの空調装置を提供す
ることを、その目的とするものである。

［課題を解決するための手段］上記目的を達成するために、本発明に係る椎茸
栽培ハウスの空調装置の構成は、椎茸栽培ハウス
の椎茸栽培室に隣接して、椎茸栽培室へ、夏季は
冷却加湿空気、冬季は加温加湿空気を送給する空
調手段を備え、前記椎茸栽培ハウスに、外気を前
記空調手段へ給気すべき空気の流入部を備え、前
記椎茸栽培湿に、それぞれ前記空調手段と連通す
る空調空気供給部と還気すべき空気の流出部とを
備え、前記空調手段の熱交換部に散水手段と送風
手段とを備えてなる椎茸栽培ハウスの空調装置に
おいて、前記空調手段は、冷凍機を有しない、水
と空気との熱交換を行うクーリングタワーとし、
前記椎茸栽培ハウスに排気手段を設け、その排気
された空気量に相当する外気を前記クーリングタ
ワーに吸入し、この外気と前記椎茸栽培室の流出
部から前記クーリングタワーへ戻される還気とを
混合して、当該クーリングタワーにおける散水手
段により熱交換するものである。

第１図は、本発明の椎茸栽培ハウスの空調装置
の構成と機能を示す原理図である。

第１図に破線で示す椎茸栽培ハウス１内には、
実線で示す椎茸栽培室２と、椎茸栽培室２に隣接
してクーリングタワー（冷却塔）４が設置されて
いる。

クーリングタワー４は、下部に水槽５を備え、
水槽５の上部に空気吸入口および熱交換部１１を
有し、熱交換部の上部に散水装置に係るスプレー
部１３ａが設けられ、その上部に送風手段に係る
プロペラフアン１２が設けられている。水槽５と
スプレー部１３ａとを結ぶ配水管１３には加熱手
段に係るとヒータ６と循環ポンプ１４が具備され
ている。水槽５には補給水管１６によつて水が補
給され、水槽の水位は、満水検知手段とオーバー
フロー管１８とによつて制御されている。１９は
ドレン管である。

矢印に示す２１は、椎茸栽培ハウス１へ流入す
る外気、２２は、クーリングタワー４から椎茸栽
培室２の吸気を示す。また、２３は、椎茸栽培室
２からクーリングタワー４への還気を示し、２４
は、椎茸栽培室２からの排気を示す。外気２１と
還気２３とは２５において混合され、クーリング
タワー４へ吸込まれるようになつている。

［作用］上記技術手段による働きを、第１図および第２
図を参照して説明する。

第２図は、第１図の装置による空気の流出入を
示す湿り空気線図である。

第１図に示すシステム構成において、冬季は、
クーリングタワー４に、ヒータ６により加熱した
温水を配水管１３、スプレー部１３ａを介して送
り、吸込空気と熱交換させる。そこで、適度の温
湿度をもつクーリングタワー４からの吹出空気を
椎茸栽培ハウス１の椎茸栽培室２へ送給し、室内
の加温および加湿を行う。

この操作により、例えば外気温、湿度が０℃、
40％RHのとき、椎茸栽培室内は、温、湿度が10
℃、80％RHに保持できる。

夏季は、外気２１を導入し、椎茸栽培室２から
の還気２３と混合２５し、クーリングタワー４に
吸込ませる。そしてクーリングタワー４で冷却加
湿した空気をダクト等を介して椎茸栽培室２に給
気２２し、椎茸栽培室２は取り入れた外気と同じ
量だけ換気扇８により排気２４する。

このときの椎茸栽培ハウス内の空気の状態の一
例を、第２図の湿り空気線図を参照して説明す
る。

外気２１（33℃、70％RH）と椎茸栽培室２か
らの還気２３（30℃、90％RH）とが、クーリン
グタワー４により混合２５される。混合空気は、
クーリングタワー４の水により冷却、加湿され
る。このとき、水は熱を与えられるとともに蒸発
し、そのときの蒸発潜熱により再び元の温度に戻
るため、水温は変化しない。混合空気は、等湿球
温度曲線上を左方へ上がり、給気２２（29℃、95
％RH）の状態になり、椎茸栽培室２に送給され
る。

給気２２は、椎茸栽培室２内の負荷で加熱さ
れ、還気２３、排気２４の状態になる。換気扇８
により排気２４された空気量だけ、椎茸栽培ハウ
ス１内に外気２１が入り、再び還気２３と混合２
５される。

このとき、外気２１のエンタルピi₀kcal／Kg
は、還気２３、排気２４のエンタルピi_Ekcal／Kg
より低い。そのため、椎茸栽培室２内のエンタル
ピの高くなつた空気は、一部は還気２３としてエ
ンタルピの低い外気２１と混合２５され、一部は
外に排気２４されることで室内の冷房、加湿が行
なわれる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第３図を参照して説
明する。

第３図は、本発明の一実施例に係る椎茸栽培ハ
ウスの空調装置の略示構成図である。第３図にお
いて、第１図の原理図における各部と同等部分は
同一符号をもつて示している。

第１図において、１は、合成樹脂膜１０で表面
を形成された部材よりなる椎茸栽培ハウス、２
は、そのハウス内の椎茸栽培室、３は、クーリン
グタワー装置を設置した機械室、４は、椎茸栽培
室２に隣接して機械室３に設置されたクーリング
タワー、５は、クーリングタワー４の下部に位置
する水槽、６は、加熱手段に係るヒーターであ
る。

７は、クーリングタワー４の上部から椎茸栽培
室２内に連結された空気送給路に係るダクト、８
は、椎茸栽培ハウス１に設けた換気扇で、椎茸栽
培室２の排気を行う。９−１は、外気を機械室３
内へ給気する空気流入部に係るガラリ、９−２
は、椎茸栽培室２から機械室３へ還気すべき空気
の流出部に係るガラリである。

また、１１は、クーリングタワー４の水槽５の
上部の熱交換部で、空気吸込口１１ａから吸込ま
れた空気を加湿し、冷却または加温する部分であ
り、一般に、水および空気の分布を均一にし水の
蒸発を促す充填材が設けられている。

１２は、クーリングタワー４の上部に位置する
送風手段に係るプロペラフアン、１３は、水槽５
から水を導く配水管で、前記熱交換部１１上部の
スプレー部１３ａに通じている。１４は、配水管
１３に具備され、水槽５の水を散水管部１３ａに
送給する循環ポンプである。

１５は、水槽５に水を補給するための給水バル
ブ、１９はドレン管である。

１７は、前記配水管１３に設けた紫外線殺菌装
置である。

このような第３図に示す装置の作用を説明す
る。

まず、冬季の操作を説明する。

クーリングタワー４において、水槽５に付属す
るヒーター６で加熱された温水は、配水管１３の
循環ポンプ１４の作動によりスプレー部１３ａに
送られ、空気吸込口１１ａから吸込まれ熱交換部
１１を通風する空気に撤布される。加温、加湿さ
れた空気はプロプラフアン１２によりダクト７に
送られ椎茸栽培室２内に吹き出される。これによ
つて、椎茸栽培室２内を、椎茸の生育に適当な、
温度10〜30℃、湿度80〜90％RHの環境条件に保
つことができる。

次に、夏季の操作を説明する。

ガラリ９−１から外気を、ガラリ９−２から椎
茸栽培室２の還気を、それぞれ機械室３内に導入
しクーリングタワー４の空気吸込口１１ａからタ
ワー内に吸込ませる。一方、水槽５の水を、配水
管１３の循環ポンプ１４によりスプレー部１３ａ
に送り、熱交換部１１を通風する空気に撤布す
る。そこで、細霧を含んだ空気は、プロペラフア
ン１２によりダクト７に送られ椎茸栽培室２内に
吹き出される。

これによつて、椎茸栽培室２、冬季のとき同様
に椎茸の生育に適した温、湿度に加湿冷房され
る。このとき、取り入れた外気に相当する量の空
気が換気扇８により排気される。

また、第３図の装置において、紫外線殺菌装置
１７は、クーリングタワー４の循環水および補給
水（例えば地下水）の殺菌を滅菌するものであ
る。

［発明の効果］以上詳細に説明したように、本発明によれば、
椎茸栽培ハウスにおける夏季の冷房、加湿、およ
び冬季の暖房、加湿を主としてクーリングタワー
で行い、栽培室内を椎茸の生育に良好な温湿度条
件に保ち、周年栽培を可能にするとともに、設備
費の低減を図りうる椎茸栽培ハウスの空調装置を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の椎茸栽培ハウスの空調装置
の構成と機能を示す原理図、第２図は、第１図の
装置による空気の流出入を示す湿り空気線図、第
３図は、本発明の一実施例に係る椎茸栽培ハウス
の空調装置の略示構成図、第４図は、従来の椎茸
栽培ハウスの略示構成図である。１……椎茸栽培ハウス、２……椎茸栽培室、４
……クーリングタワー、５……水槽、６……ヒー
ター、７……ダクト、８……換気扇、９−１，９
−２……ガラリ、１１……熱交換部、１１ａ……
空気吸込口、１２……プロペラフアン、１３……
配水管、１３ａ……スプレー部、１７……紫外線
殺菌装置。

Claims

【特許請求の範囲】１椎茸栽培ハウスの椎茸栽培室に隣接して、椎
茸栽培室へ、夏季は冷却加湿空気、冬季は加温加
湿空気を送給する空調手段を備え、前記椎茸栽培ハウスに、外気を前記空調手段へ
給気すべき空気の流入部を備え、前記椎茸栽培室に、それぞれ前記空調手段と連
通する空調空気供給部と還気すべき空気の流出部
とを備え、前記空調手段の熱交換部に散水手段と送風手段
とを備えてなる椎茸栽培ハウスの空調装置におい
て、前記空調手段は、冷凍機を有しない、水と空気
との熱交換を行うクーリングタワーとし、前記椎茸栽培ハウスに排気手段を設け、その排気された空気量に相当する外気を前記ク
ーリングタワーに吸入し、この外気と前記椎茸栽
培室の流出部から前記クーリングタワーへ戻され
る還気とを混合して、当該クーリングタワーにお
ける散水手段により熱交換することを特徴とする
椎茸栽培ハウスの空調装置。２クーリングタワーは下部に水槽を備え、当該
水槽の水を散水手段へ送給する配管系に、紫外線
殺菌手段を設けたことを特徴とする請求項１記載
の椎茸栽培ハウスの空調装置。