JPH0543122Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、住宅等のバルコニーにおける床部
の桁接合構造に関するものである。

〔背景技術〕

従来、住宅のバルコニーにおいて、床部の前桁
と妻桁とにアルミの押出成形品等からなるものが
用いられている。これら前桁と妻桁とは、互いに
斜面の端面で突合せ接合している。

しかし、組立施工の誤差等により、前桁と妻桁
との突合せ部分に隙間が生じて見栄えが悪くなる
ことがある。隙間が生じないように、これら前桁
や妻桁を余分に長くしておくと、組立てが不可能
になる。

〔考案の目的〕

この考案は、若干の組立誤差等があつても、隙
間を生じることなく前桁と妻桁とをきれいに納め
ることができ、かつ簡単な施工で確実に接合でき
るバルコニーの桁接合構造を提供することを目的
とする。

〔考案の開示〕

この考案のバルコニーの桁接合構造は、前桁と
妻桁を、上面フランジとウエブの角部を上方およ
び外方に膨張して長手方向に延びた突条を形成し
た略リツプ溝形としている。前桁と妻桁の対応す
る端面を、互いに略突合される斜めの面としてい
る。前桁と妻桁の下面フランジおよびウエブの内
面に沿つた外形を有し前桁と妻桁の対応する端面
にまたがつて内嵌する本体部の上端に、互いに直
交し水平方向に延び前桁と妻桁の各突条の内側に
内嵌する一対のアーム部を上端に形成した桁コー
ナ内嵌部材を設けている。前桁と妻桁と、これら
の突条を貫通した固着具により桁コーナ内嵌部材
のアーム部に固定している。

この考案の構成によると、前桁と妻桁の対応す
る端部にまたがつて内嵌する桁コーナ内嵌部材を
設けたので、前桁と妻桁との端部が離れていて
も、桁コーナ内嵌部材により隠されて隙間が生じ
ない。そのため、若干の組立誤差等があつても前
桁と妻桁との接合部分をきれいに納めることがで
きる。また、前桁および妻桁の上面フランジを貫
通した固定具で桁コーナ内嵌部材に固定するだけ
で接合できるので、施工が簡単である。このよう
に上面フランジの固着具で固定しているだけであ
るが、前桁および妻桁が略リツプ溝形であり、桁
コーナ内嵌部材が両者に内嵌しているので、ぐら
ついたりすることがなく、確実に接合できる。し
かも、固着具を上面フランジに設けていることか
ら、固着具がバルコニーの正面から見えず、この
ことにおいても見栄えが良い。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第６図に基
づいて説明する。このバルコニーの桁結合構造
は、前桁１と妻桁２を、上面フランジ１ｂ，２ｂ
とウエブ１ｅ，２ｅの角部を上方および外方に膨
出して長手方向に延びた突条１ｃ，２ｃを形成し
た略リツプ溝形とし、これら前桁１と妻桁２の対
応する端面１ａ，２ａ（第２図）を互いに略突合
される斜面とし、前桁１と妻桁２の下面フランジ
１ｄ，２ｄおよびウエブ１ｅ，２ｅの内面に沿つ
た外形を有し前桁１と妻桁２の対応する端部にま
たがつて内嵌する本体部３ｂの上端に、互いに直
交し水平方向に延び前桁１と妻桁２の各突条１
ｃ，２ｃの内側に内嵌する一対のアーム部３ａを
形成した桁コーナ内嵌部材３を設け、前桁１と妻
桁２を、これらの突条３ａを貫通した固着具４に
より桁コーナ内嵌部材３のアーム部３ａに固定し
たものである。

前桁１および妻桁２は、アルミや合成樹脂の押
出成形品、あたは化粧鋼板のロール成形品等から
なる。桁コーナ内嵌部材３は、アルミやその他の
金属の鋳物等からなり、上端に２本のアーム部３
ａが互いに直角方向に延びて形成してある。これ
らアーム部３ａは、前桁１および妻桁２の上面フ
ランジ１ｂ，２ｂに形成した突条１ｃ，２ｃの内
側の溝部分に嵌合するものである。桁コーナ内嵌
部材３の縦断面形状は、前桁１および妻桁２に密
に嵌合する形状としてある。固着具４はビスを実
施例とし、桁コーナ内嵌部材３のアーム部３ａに
形成したねじ孔５に螺着される。

第６図は、バルコニー全体の骨組みを示す。一
対の端部片持梁７と中央片持梁８とが、建物本体
の構造体から屋外側に突設され、これら端部片持
梁７と中央片持梁８の先端間に、前桁１が桁ブラ
ケツト１０を介して接合される。端部片持梁７は
妻桁２が被せられる。一対の端部片持梁７と中央
片持梁８の後端間には根太掛け１３が掛け渡さ
れ、根太掛け１３と前桁１との間に多数本の根太
１４が掛け渡される。この根太１４上に床面材
（図示せず）を敷設して床部分が構成される。

前桁１の上方には正面手摺１６が配置され、そ
の下部が端部片持梁７および中央片持梁８に接合
される。妻桁２の上方にはサイド手摺１７が配置
される。正面手摺１６とサイド手摺１７の上方に
わたし笠木１９を設け、手摺アーム金物２０で正
面手摺１６に固定する。笠木１９の両端とサイド
手摺１７の上枠材１７ａの端部とは、鉄骨支柱２
２に接合する。鉄骨支柱２２は端部片持梁７に立
設したものである。正面手摺１６およびサイド手
摺１７は、第４図および第５図のように、化粧を
施した目隠板２３を取付ける。

この構成によると、桁コーナ内嵌部材３を前桁
１と妻桁２に結合する際に、まずアーム部３ａを
突条１ｃ，２ｃに差込み、つぎに本体部３ｂを前
桁１と妻桁２の端部開口に差込むことができる。
このため、アーム部３ａがガイドとして機能し、
組立作業性が良くなる。しかも、アーム部３ａと
突条１ｃ，２ｃの嵌合により桁コーナ内嵌部材３
の前桁１と妻桁２への結合強度が高くなり、前桁
１と妻桁２の反りに伴う隙間の発生を防止するこ
とができる。さらに、上面フランジ１ｂ，２ｂの
突条１ｃ，２ｃに上方より貫通した固着具４によ
つて前桁１と妻桁２を桁コーナ内嵌部材３に接合
できるので、迅速かつ容易に施工することができ
る。

また、前桁１と妻桁２の突条１ｃ，２ｃの内形
寸法および一対のアーム部３ａの外形寸法のみを
高い精度で寸法管理することにより、前桁１と妻
桁２を桁コーナ内嵌部材３にがたつくことなく取
付けられるので、各部材１，２，３の製造が容易
である。また、膨出した突条３ａによつて立体感
および高級感が増し、外観の見栄えを向上するこ
とができる。また、第２図に示すように前桁１と
妻桁２の端部が離れていても、桁コーナ内嵌部材
３の本体部３ｂにより前桁１と妻桁２との端部間
が塞がれるので、前桁１と妻桁２を隙間を生じる
ことなく桁コーナ内嵌部材３に接合することがで
きる。このため、若干の組立て誤差等があつても
前桁１と妻桁２との接合部分をきれいに納めるこ
とができる。

〔考案の効果〕

この考案のバルコニーの接合構造によると、桁
コーナ内嵌部材を前桁と妻桁に結合する際に、ま
ず桁コーナ内嵌部材のアーム部を前桁と妻桁の突
条に差込み、つぎに桁コーナ内嵌部材の本体部を
前桁と妻桁の端部開口に差込むことができる。こ
のため、アーム部がガイドとして機能し、組立作
業性が良くなる。しかも、桁コーナ内嵌部材のア
ーム部と前桁と妻桁の突条の嵌合によつて桁コー
ナ内嵌部材の前桁と妻桁への結合強度が高くな
り、前桁と妻桁の反りに伴う隙間の発生を防止す
ることができる。さらに、妻桁と前桁の上面フラ
ンジの突条に上方より貫通した固着具により前桁
と妻桁を桁コーナ内嵌部材に接合できるので、迅
速かつ容易に施工することができる。

また、膨出した突条によつて前桁と妻桁の立体
感および高級感が増し、外観の見栄えを向上する
ことができる。また、前桁と妻桁の端部が離れて
いても、桁コーナ内嵌部材の本体部により前桁と
妻桁との端部間が塞がれるので、前桁と妻桁を隙
間を生じることなく桁コーナ内嵌部材に接合する
ことができる。このため、若干の組立て誤差等が
あつても前桁と妻桁との接合部分をきれいに納め
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部破断斜視
図、第２図はその接合部分の斜視図、第３図は同
部分の縦断面図、第４図は同じくそのバルコニー
全体の正面図、第５図は同じくそのバルコニー全
体の側面図、第６図は同じくそのバルコニー全体
の骨組の分解斜視図である。 １……前桁、２……妻桁、１ａ，２ａ……端
面、１ｂ，２ｂ……上面フランジ、１ｃ，２ｃ…
…突条、３……桁コーナ内嵌部材、３ａ……アー
ム部、３ｂ……本体部、４……固着具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バルコニー床部の前桁と妻桁とを接合するバル
   コニーの桁接合構造において、 前記前桁および妻桁を、上面フランジとウエブ
   の角部を上方および外方に膨出して長手方向に延
   びた突条を形成した略リツプ溝形とし、 これら前桁と妻桁の対応する端面を互いに略突
   合される斜めの面とし、 前記前桁と妻桁の下面フランジおよびウエブの
   内面に沿つた外形を有し前記前桁と妻桁の対応す
   る端部にまたがつて内嵌する本体部の上端に、互
   いに直交し水平方向に延び前記前桁と妻桁の各突
   条の内側に内嵌する一対のアーム部を形成した桁
   コーナ内嵌部材を設け、 前記前桁および妻桁を、これらの突条を貫通し
   た固着具により前記桁コーナ内嵌部材のアーム部
   に固定したことを特徴とするバルコニーの桁接合
   構造。