JPH054303B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ウエブ巻取り状の壁紙、繊維生地、
あるいはフイルムなどの製品を、巻取り原反より
延反（巻き出し）して見本帳作成のために所定長
さにシート状に断裁するための延反装置に関す
る。

（従来の技術） 従来、壁紙、カーテン生地、フイルム等のウエ
ブ状製品の見本帳を作成する場合は、見本帳の頁
台紙に貼着できる所定の大きさに断裁する必要が
ある。この場合、一般的には、ウエブ製品を所定
幅に予めスリツト断裁して50〜60mに巻き取られ
た原反を、平坦に巻き出して、ある一定の長さに
シート状に断裁するための大断用あるいは小断用
延反装置が使用される。そして、一定の幅と長さ
（80〜90cm）にシート状に断裁された見本製品は、
最終的に５〜６cm角程度の見本生地として作成
し、見本帳の頁台紙に貼着して、見本帳を作成す
るものである。そして、その作成工程を要約すれ
ば、 (1) 原反を７〜8mの長さに巻出し、シート状に
断裁して積み重ねる。

(2) ある一定量積み重ねられた原反をコンベアで
搬送し、断裁機で80〜90cm長さに断裁する。

(3) 他の断裁機で80〜90cm×90cm程度のものを見
本帳貼着寸法など必要な寸法（例えば５×７
cm）に断裁する。

従来の延反装置は、原反の製品巻き出し側前端
部をグリツプにより咥えて、該グリツプは往路一
定長さだけ平坦に下側の所定台上に巻き出して、
断裁した後は、グリツプは製品を解放して往路と
反対方向に反転移動復帰して元の位置に戻るリニ
アー往復方式である。この方式では、例えば繊
維、壁紙など剛度のないウエブ製品あるいは枚葉
重量の少ないウエブ製品においては、特にグリツ
プが咥えを開放した後においても、グリツプから
の製品の離脱が円滑に行なわれない場合があり、
製品端部を往路側に折り返してしまう心配があ
る。

（発明の目的） 本発明は、延反装置のグリツプを無端チエンに
取付け、該チエンの回転によつてグリツプを循環
回転動作方式にすることによつて、原反の咥え端
部とグリツプとの開放離脱を円滑にして、各種ウ
エブ製品に対して効率的に延反操作できるように
することを目的とするものである。

（発明の構成） 本発明は、ウエブ巻取り原反の巻出し端部を咥
えて所定長さ分だけ延反を繰返す延反搬送部と、
該延反されたウエブを順次シート状に断裁する断
裁部からなる延反装置において、無端チエンに所
定間隔毎にグリツプを備えた延反搬送部と、該搬
送部に平行に相対する延反台と、該延反台の延反
方向に対して上流側に断裁部、該断裁部上流側に
原反装架台を設けたことを特徴とする延反装置で
ある。

本発明を図面に従つて詳細に説明する。第１図
は本発明装置の一実施例の側面図であり、前後チ
エンスプロケツト４，４に巻回する無端チエン２
に所定間隔（等間隔）にグリツプ１を複数備え
る。グリツプ１はチエン２にブラケツト１９を介
して取付け固定する。グリツプ１は第２図中心回
転軸５ａと偏心回転軸６ａに軸支されたローラー
５と偏心ローラー６からなり、該ローラー５，６
のニツプ圧によつてグリツプ動作する。該ニツプ
圧は、偏心回転軸６ａに軸支されるローラー６の
側面にレバー８を取付け、該アーム８と中心回転
軸５ａ側との間にバネ７を取付けることにより偏
心ロラー６は常にローラー５側にバネにより付勢
押圧することによつて形成される。尚、偏心ロー
ラー６は、ブラケツト１９に自由回転するローラ
ー６の偏心位置に取付ける偏心軸６ａに固定さ
れ、該軸６ａにレバー８を取付けるようにしても
よい。あるいは該ローラー６は、楕円形状のロー
ラーあるいは回転カム形状であつてもよい。無端
チエン２の長手走行路に平行に平坦な延反台２１
を設け、該延反台上あるいは該台と等しい高さに
ストライプ状に台を分割して排出コンベア２２を
ベルト走行するように設置する。排出コンベア２
２はその両側のプーリー２２ａに巻回されてお
り、該プーリー２２ａは前記スプロケツト４とは
それぞれ別個に、あるいは共にフレームに回転可
能に取付けられる。延反台２１側に対向するグリ
ツプ１の側方には、グリツプ１の進行方向上流側
より順に低速変換用リミツトスイツチ９、グリツ
プ１のローラー５とローラー６とを開放するレバ
ー８をエアシリンダー１１の駆動により押し下げ
動作するために上下動作するアクチユエーター１
６、グリツプ１進行停止用リミツトスイツチ１
０、及び必要に応じて安全動作用として、再開動
作速度よりも低速に速度変換するための補助リミ
ツトスイツチ１２をこの順に設け、それぞれはグ
リツプ進行路方向に沿つて設置位置を移動調整可
能である。グリツプ１の進行方向上流側には断裁
機３を、該断裁機３の上流には送り出しローラー
２３と原反装架台２４を設置するものである。そ
して原反装架台２４に原反Ａを一本乃至数本装着
して、その巻出し前端部を重合わせて引出し、送
出ローラー２３の間及び断裁機３の刃部１８と受
台２０との間を通した後、上流側に停止している
グリツプ１まで引出して前端部を咥えるようにな
つている。

第３図はチエン２の走行及び停止と、低速変換
と、グリツプ１の開放動作を行なうための各リミ
ツトスイツチ９，１０，１２及びアクチユエータ
ー６の配置を詳細に説明する側面図である。グリ
ツプ１の進行方向Ｂに順に、上流側よりグリツプ
進行低速変換用リミツトスイツチ９、グリツプ開
放用アクチユエーター１６、グリツプ進行停止用
リミツトスイツチ１０、グリツプ１のスタート位
置停止用の低速変換用リミツトスイツチ１２、を
それぞれ取付け用ステー１７に横方向にスライド
及び固定可能に取付け、該ステーに沿つて適宜位
置に移動できるようになつている。

第４図は、本発明装置の延反搬送部の斜視図で
あり、両側無端チエン２にブラケツト１９の両端
を固定して架設されており、該ブラケツト１９の
両側軸受部１９ａに、それぞれローラー５，６を
設け、該ローラー５及び偏心ローラー６のそれぞ
れ軸５ａ、偏心軸６ａが軸支されている。両側チ
エン２に対向して設けた偏心ローラー６は、偏心
軸６ａによつて連結されており、該軸６ａを介し
て同時に回動動作し得るものである。尚、グリツ
プ１のレバー８を押し下げ、該グリツプのニツプ
間を開放動作するとき、アクチユエーター１６は
エアシリンダーで下方に下止点まで下降動作する
ものであるが、下止点より上方に再び復帰する動
作が遅れると次の再開始動動作によつて進行する
次のグリツプ１のレバー８に衝突する危険がある
ため、第３図に図示するように、エアシリンダー
１１下方にブラケツト１５を設け、該ブラケツト
の孔設部内を摺動するようにアクチユエーター１
６の側方に一体に位置検出ピン１４を設け、アク
チユエーター１６が情報に復帰すると該ピン１４
の上方先端部がリミツトスイツチ１３に当接する
ようになつており、当接して該スイツチ１３が接
続動作するとチエンの回転再開始動動作回路が働
いてチエンスプロケツト４が回転始動するように
なつている。

本発明装置の全体的なフレーム構造は例えば第
５図のようになつており、延反搬送部をアーチ方
のチヤンネルで吊下げるようになつている。そし
て、該搬送部の下側に延反台あるいは排出コンベ
ア付きの延反台を設置することができる。そし
て、グリツプの循環回転は、２本の無端チエン２
をスプロケツト４に巻回し、サーボモーター等の
動力源２５により該スプロケツトに動力を伝導さ
せて回転させる。グリツプ１は通常２セツトをチ
エン２に取付けてある。グリツプ１は相対するロ
ーラー５，６によつて形成され、該ローラー表面
は滑止め用のローレツトが形成してあり、偏心ロ
ーラー６はレバー８を軽く下に押すことによりロ
ーラー５，６間に隙間が出来るが、原反Ａの巻出
し端部ａ両側を両手で持つてグリツプ１のローラ
ー５，６間に押し込むことによつても、容易に挾
み込むことが可能である。そして、外れる方向に
原反がひつばられても、グリツプ１に逆に挾み込
む方向に力が加わり外れることがない。グリツプ
１の咥え動作開始位置は、第１図の地点Ｃ又はＤ
の位置で、固定位置とする。この位置に停止して
いるグリツプ１に、原反端部ａを挾み込み固定し
た後、スタートSWを押すことによりチエン回転
速度はLOWからHIGHになり、SLOWの進行距
離はタイマーセツトにより可変であり、地点Ｅの
位置で停止する。Ｅは延反の長さによつて適宜決
定される。Ｅでの停止動作については、第１図及
び第３図に示す通り停止地点Ｅより約20〜30cm手
前にリミツトスイツチ９を設置してあり、該スイ
ツチ９をグリツプ１のブラケツト１９が接触して
動作させ、まずチエン２の回転速度がSLOWの
状態になり次にリミツトスイツチ１０を同様にし
て動作させて、チエン２の駆動が停止する。
HIGHからSLOW、SLOWからSTOPの変換を行
なつているために停止精度及び停止時のシヨツク
に対して問題が生じない。停止してから一定時間
経過させて、延反された生地のばたつき等を落ち
付かせた後、断裁機３の丸刃などの断裁刃２０に
より原反Ａを幅方向にシート状に断裁する。又
は、エアーシリンダー１１が動作し、グリツプ１
のレバー８を押し下げ、グリツプ１のニツプ圧を
開放し、原反の端部ａを下に落とした後、断裁機
３により前記と同様にして原反Ａをシート状に断
裁する。いずれも、この間に、チエン２に備える
もう１セツトのグリツプ２が地点Ｃ又はＤの近く
に所定速度で進行しつつ、リミツトスイツチ１２
を動作させ、れにより、グリツプ１は進行速度が
低速に変換して、地点Ｃ又はＤで停止する。又は
前記リミツトスイツチ１２を動作させてグリツプ
１が一旦停止し、次のスタートボタンを押すこと
により低速進行を開始して、グリツプ１は地点Ｃ
又はＤで停止するものである。次に延反する原反
Ａの生地端部ａをグリツプ１に挾み込み、再びス
タートボタンを押すと延反が開始される。この動
作を繰返して行ない、延反台２１上に、シート断
裁された原反Ａを順次積重ねていくことができ
る。そして、所定枚数積重ねられた後、排出コン
ベア２２を動作させ、延反装置の外方に排出する
ようにするものである。

（発明の効果） 本発明装置は、壁紙、繊維生地、フイルム等の
製品ウエブを巻き取つた原反を平坦に延反して所
定長さにシート状に断裁しながら延反台上に揃え
て所定放数を積重ねることができ、原反の端部両
側を両手で持つて容易にグリツプに装着すること
が可能であり、延反工程におけるグリツプオペレ
ーシヨンの能率を向上でき、また、延反製品の巻
出し端部を挾み込むグリツプが無端チエンによつ
て循環回転する構造であり、延反搬送して断裁後
に、無端チエンをそのまま延反方向と同一方向に
循環回転させることによつてグリツプからの製品
端部の離脱が円滑に行なえ、延反作業の効率化に
顕著な効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の側面図、第２図は本発明
装置のグリツプの側面図、第３図は本発明装置の
延反搬送部の変速及びグリツプ開放機構の側面
図、第４図は本発明装置の延反搬送部の斜視図、
第５図は本発明装置の全体的なフレーム構造を示
す斜視図である。 １…グリツプ、２…無端チエン、３…断裁機、
４…スプロケツト、５…ローラー、６…偏心ロー
ラー、７…バネ、８…レバー、９，１０，１２，
１３…リミツトスイツチ、１１…エアーシリンダ
ー、１４…検出ピン、２１…延反台、２２…排出
コンベア、２５…動力源、２６…コンベアフレー
ム、２７…延反搬送部フレーム、２８…装置全体
フレーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウエブ巻取り原反の巻出し端部を咥えて所定
   長さ分だけ延反を繰返す延反搬送部と、該延反さ
   れたウエブを順次シート状に断裁する断裁部から
   なる延反装置において、無端チエンにグリツプを
   備えた延反搬送部と、該搬送部に平行に相対する
   延反台と、該延反台の延反方向に対して上流側に
   断裁部、該断裁部上流側に原反装架台を設けたこ
   とを特徴とする延反装置。 ２ 前記グリツプは、ブラケツトにそれぞれ平行
   に軸止された中心回転軸と偏心回転軸とに軸支さ
   れた互いに接触及び離間する対向ローラーである
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記延反台上又はこれと等しい高さに搬出コ
   ンベアベルトを備える特許請求の範囲１項記載の
   装置。