JPH0542776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）などの車両用
シート、詳しくは、従来のシート上に、このシー
トと別体の座布団を重ねた如き外観を呈する車両
用シートに関する。

（従来の技術） 従来のこの種のシートは二枚の別体からなるク
ツシヨン体を積層しているため、高級感があり一
般需要者に好まれている。

このシートは、シートクツシヨン又はシートバ
ツク製造後、そのシートクツシヨン等の着座面側
にシートクツシヨンと別体に成形したサブクツシ
ヨンを積層して形成するものであり、このサブク
ツシヨンはシートクツシヨン又はシートバツクの
パツトとの関係上、肉厚の薄い発泡体製（例えば
ウレタンフオームのスラブ材）クツシヨン体を使
用しなければならない。そして、このサブクツシ
ヨンはスラブ材製発泡体製クツシヨン体全体を表
皮で被包して形成した後、シートクツシヨン等の
着座面側に、ベルベツト式フアスナーなどによつ
て固定している。

（考案が解決しようとする課題） 従つて、前記サブクツシヨンのクツシヨン体の
肉厚が薄いため、サブクツシヨンの側面側に意匠
的に優れた皺を設けることができないし、また、
サブクツシヨンをベルベツト式フアスナーなどに
よつて固定する構造であるため、異音等が発生す
る不具合があつた。

そこで、本考案は成形性が良く、しかも意匠的
に優れた外観を呈する車両用シートを提供するこ
とを目的とする。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案は、シート
の外形形状にモールド加工してなる発泡体製パツ
トと、このパツトの表面に沿うように縫製加工し
た袋状表皮とからなり、前記パツトにはその着座
面における左右両端部の内側に、該両端部に対し
て略垂直状の側壁を有する凸部を設け、一方前記
表皮におけるパツト凸部の側壁を被覆する部分に
は皺発生加工を施して、シートの外観を向上させ
てなるものである。

以上の表皮に施こす皺発生加工手段はつまみ縫
い、寄せ縫いなどによつて行なう。

前記表皮におけるパツトに設けた凸部を被覆す
る部分と、この凸部の外側の凸部に対して低いパ
ツト部分を被覆する部分とによつて二層のクツシ
ヨン構造の如き外観形状を呈する。そして、パツ
トの凸部側壁を被覆する部分には皺が形成され、
この皺によつてシートの外観が向上する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案に係る自動車用シートを示し、
図中SCはシートクツシヨン、SBはシートバツク
を夫々示し、このシートクツシヨンSCにはその
着座面の前側に、また、シートバツクSBにおい
ては上部側に夫々凸状に形成したサブクツシヨン
部ａが形成され、このサブクツシヨン部ａの外側
面に装飾用皺形成部ｂ…が設けてある。

一方、着座面の左右両側には***状のサイドサ
ポート部ｃ…が設けてあり、このサイドサポート
部ｃ…の前端c₁又は上端側c₁の内側に、凸状に前
記サブクツシヨン部ａが形成され、サイドサポー
ト部ｃの前端c₁又は上端c₁がサイドサポート部ｃ
の後部側、下部側に対して低く形成されている。

以上の装飾用皺形成部ｂ…は、第２図に示すよ
うに、表皮２を寄せ縫い、つまみ縫い等して、縦
方向に多数の皺b₁を形成されている。

第３図は前記シートクツシヨンSCを構成する
表皮２と発泡体製パツト１とを示し、パツト１は
シートクツシヨンSCの外形形状にモールド成形
されたウレタンフオームで、図中、１１は着座面
の前部側における左右両端部の内側に凸状に形成
した凸部、１２，１２は着座面の左右に設けた隆
起状サイド部、１２は前記凸部１１及びサイド部
１２，１２に対して低く形成した尻部支持部を
夫々示し、尻部支持部１３と凸部１１の上面は段
差がない連続する傾斜面に形成されているが、凸
部１１におけるサイド部１２の前部側１２ａには
垂直状の側壁１１ａが形成されている。なお、サ
イド部１２の前部側１２ａはサイド部１２の後部
側に対して低く形成されている（第４図、第５
図）。

一方、前記パツト１を被覆する表皮２は前記パ
ツト１の表面に密接するように袋状に縫製加工
し、図中２１はパツト１の凸部１１上面を被覆す
る身頃前部、２２はパツト１のサイド部１２を被
覆する額縁、２３はパツト１の尻部支持部１２を
被覆する身頃後部、２１ａはパツト１の側壁１１
ａを被覆する小まち部を夫々示し、この小まち部
２１ａには皺発生加工手段、例えば寄せ縫い、つ
まみ縫いによつて縦方向に前記多数の皺b₁が形成
されている。

前記第１図、第２図及び第６図に示すサブクツ
シヨン部ａはパツト１の凸部１１と、これを被覆
する表皮２の身頃前部２１とから構成され、ま
た、装飾用皺形成部ｂはパツト１の凸部１１側壁
１１ａと、これを被覆する表皮２の小まち部２１
ａとから構成され、更に、前記サイドサポート部
ｃ…はパツト１のサイド部１２…と、これを被覆
する表皮２の額縁２２…とから構成される。な
お、表皮２のまち２４の端末はホツグリング等に
よつてパツト１の底部若しくはパツト１を固定す
るフレーム（不図示）側に結着される。また、以
上の表皮２は小まち部２１ａ及びまち２４を除く
部分がパツト１に接着剤によつて装着される。

（効果） 本考案は着座面の左右両端部内側に凸部を設け
ると共に、この凸部の側壁を略垂直状に形成して
なるパツトに、袋状に縫製加工し、前記パツトの
垂直状側壁を被覆する部分に皺発生加工を施して
なる表皮を被覆してなるから、パツトの凸部に対
応する部分が、あたかも従来の座布団を重ねた如
き外観になり、シートの外観が向上する。

しかも、その凸部の側壁を被覆する部分の表皮
に装飾用の皺が形成されているため、更にシート
の外観が良好となる。

更に、パツトの凸部はパツトと一体で、これを
表皮で被覆することによりシートを形成できるの
で、サブクツシヨンが別体の前記従来品の如き異
音が発生することがないし、成形性も向上し、低
原価で提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案品の斜視図、第２図は第１図のＡ
部の拡大図、第３図は分解斜視図、第４図は第３
図における−線断面図、第５図は同−線
断面図、第６図は一部分切欠斜視図である。 図中、１はパツト、２は表皮、１１は凸部、１
１ａは凸部の側壁を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートの外形形状にモールド加工してなる発泡
   体製パツトと、このパツトの表面に沿うように縫
   製加工した袋状表皮とからなり、前記パツトには
   その着座面における左右両端部の内側に、該両端
   部に対して略垂直状の側壁を有する凸部を設け、
   一方前記表皮におけるパツト凸部の側壁を被覆す
   る部分には皺発生加工を施して、シートの外観を
   向上させてなる車両用シート。