JPH0542709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のルーフレール部構造の改良
に関するものである。

（従来技術） 従来、例えば実開昭61−14170号公報に示され
るように、ルーフレールとセンタピラーとの交差
部の剛性を向上させるため、センタピラー内に配
設されたピラーレインフオースメントの上端部を
ルーフレール内に導入し、この導入部分の前後両
端部をルーフレールに沿つてルーフボウの取付位
置まで延長させてルーフレールに接合することが
行なわれている。しかし、上記の構成ではピラー
レインフオースメントの上端部をルーフボウの取
付位置まで延長させる必要があるため、その前後
方向の寸法が長くなつて材料費が高く付くととも
に、車体の重量が増大するという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記の問題点を解決するためになさ
れたものであり、簡単な構成でルーフレールとセ
ンタピラーとの交差部の剛性を向上させることが
でき、材料費を低減できるとともに、車体重量を
軽量化することができる自動車のルーフレール部
構造を提供するものである。

（考案の構成） 本考案は、ルーフレールアウタとルーフレール
インナとによつて車体の前後方向に延びるルーフ
レールが形成され、このルーフレールの下方にセ
ンタピラーが連設されてなる自動車のルーフレー
ル部構造において、上記ルーフレール内に前後方
向に延びるルーフレールレインフオースメントが
設けられるとともに、センタピラー内に上下方向
に延びるピラーレインフオースメントが設けら
れ、このピラーレインフオースメントの上端部に
はルーフレール内に導入されて上記ルーフレイン
フオースメントメントと対向する延長部が形成さ
れ、この延長部の上端部がルーフレインフオース
メントに接合されるとともに、このルーフレイン
フオースメントの下端部が上記ピラーレインフオ
ースメントに接合されることにより、このピラー
レインフオースメントの延長部と上記ルーフレー
ルレインフオースメントとからなる閉断面がルー
フレール内に形成されたものである。

上記の構成によれば、ピラーレインフオースメ
ントの上端延長部とルーフレールレインフオース
メントとからなる閉断面がルーフレール内に形成
されることにより、簡単な構成でルーフレールと
センタピラーとの交差部の剛性が向上することと
なる。

（実施例） 第１図は、本考案に係るルーフレール部構造を
備えた車体の実施例を示している。この車体は、
前後方向に延びるルーフレール１と、その下方に
配設されたシル２と、このルーフレール１とシル
２との間に配置されたセンタピラー３と、その後
方に配設されたリヤフエンダー４とを備えてい
る。

上記ルーフレール１は、第２図に示すように、
側端フランジ部５ａがルーフパネル６に接合され
たルーフレールアウタ５と、その内方に配設され
たルーフレールインナ７とからなり、このルーフ
レール１内にはルーフレールレインフオースメン
ト８が設けられている。このルーフレールレイン
フオースメント８は、フロントピラーからリヤピ
ラーの間でルーフレールアウタ５に沿つて車体の
前後方向に延び、その側端部がルーフレールアウ
タ５の側端フランジ部５ａとルーフレールインナ
７の側端フランジ部７ａとによつて挟持され、か
つ下端部がルーフレールアウタ５の下端フランジ
部５ｂとルーフレールインナ７の下端フランジ部
７ｂとによつて挟持されている。また、上記ルー
フレールアウタ５およびルーフレールインナ７の
下方には、センタピラー３のアウタパネル９およ
びインナパネル１０がそれぞれ一体に連設されて
いる。

上記センタピラー３には、アウタパネル９にド
アヒンジ取付部１１が形成されるとともに、第３
図に示すように、インナパネル１０にシートベル
トアンカ取付部１２が形成され、かつこれらを補
強するピラーレインフオースメント１３が内部に
配設されている。このピラーレインフオースメン
ト１３は、第４図に示すように、上下方向に延び
るピラー本体１４と、その上端部に形成された延
長部１５とからなつている。そして、上記延長部
１５がルーフレール１内に導入されてルーフレー
ルレインフオースメント８の内面に対向するよう
に設置され、上記延長部１５の上端部がルーフレ
インフオースメント８の内面に接合されるととも
に、このルーフレインフオースメント８の下端部
がピラーレインフオースメント１３の外面に接合
されることにより、この延長部１５とルーフレー
ルレインフオースメント８との間に閉断面１６が
形成されるようになつている（第２図参照）。

このようにピラーレインフオースメント１３の
上端部に形成された延長部１５をルーフレール１
内に導入し、このルーフレール１内に配設された
ルーフレインフオースメント８と、上記ピラーレ
インフオースメント１３の延長部１５とを相対向
させて設置するとともに、この両者を互いに接合
することにより、ルーフレール１内に閉断面１６
を形成するようにしたため、上記延長部１５の全
長Ｌおよびその板厚をそれ程大きく設定すること
なくルーフレール１とセンタピラー３との交差部
の剛性を著しく向上させることができる。したが
つて、簡単な構成で衝突時等の耐衝撃性およびシ
ートベルトアンカ部の支持力を増大させることが
できるとともに、曲げ荷重およびねじり荷重に対
して上記交差部を効果的に補強することができ
る。

なお、上記実施例ではルーフレールアウタ５お
よびルーフレールインナ７の下方にセンタピラー
３のアウタパネル９およびインナパネル１０をそ
れぞれ一体に連設しているが、これらをそれぞれ
別体に形成した後、ルーフレール１の下面にセン
タピラー３の上端部を接合するように構成しても
よい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、センタピラー内
に配設されたピラーレインフオースメントの上端
部に、ルーフレール内に導入される延長部を形成
し、この延長部をルーフレール内に配設されたル
ーフレインフオースメントと相対向させて設置す
るとともに、この両者を互いに接合することによ
り、ルーフレール内に閉断面を形成するようにし
たため、部品点数および車体重量をそれ程増大さ
せることなくルーフレールとセンタピラーとの交
差部の剛性を向上させることができ、簡単な構成
で優れた耐衝撃性が得られるとともに、シートベ
ルトアンカ部の支持力を増大させることができる
等の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のルーフレール部構造を備えた
車体の実施例を示す斜視図、第２図および第３図
はそれぞれ第１図の−線断面図および−
線断面図、第４図は本考案の実施例の要部を示す
分解斜視図である。 １……ルーフレール、３……センタピラー、５
……ルーフレールアウタ、７……ルーフレールイ
ンナ、８……ルーフレールレインフオースメン
ト、１３……ピラーレインフオースメント、１５
……延長部、１６……閉断面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフレールアウタとルーフレールインナとに
   よつて車体の前後方向に延びるルーフレールが形
   成され、このルーフレールの下方にセンタピラー
   が連設されてなる自動車のルーフレール部構造に
   おいて、上記ルーフレール内に前後方向に延びる
   ルーフレールレインフオースメントが設けられる
   とともに、センタピラー内に上下方向に延びるピ
   ラーレインフオースメントが設けられ、このピラ
   ーレインフオースメントの上端部にはルーフレー
   ル内に導入されて上記ルーフレインフオースメン
   トと対向する延長部が形成され、この延長部の上
   端部がルーフレインフオースメントに接合される
   とともに、このルーフレインフオースメントの下
   端部が上記ピラーレインフオースメントに接合さ
   れることにより、このピラーレインフオースメン
   トの延長部と上記ルーフレールレインフオースメ
   ントとからなる閉断面がルーフレール内に形成さ
   れたことを特徴とする自動車のルーフレール部構
   造。