JPH0541779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、２種類の収納物を使用時まで、各
別に収納し、使用時に混合することが出来るよう
にした容器に関する。

（従来の技術） 従来、２種類の収納物を使用時まで、各別に収
納保持し、使用時に混合して使用出来るようにし
た容器は公知である。

しかしながら、従来公知の混合用の容器は、い
ずれも構造が複雑で部品点数が多く、簡単に使用
することが可能なものはなかつた。特に混合後混
合液が上方の容器に逆流して来るのを防止するよ
うにしたものがなかつた。このため、混合液が粘
稠度の高い場合、混合時の容器の揺動により逆流
した液が下方に戻るまでに時間が掛つてしまう不
便さがあつた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、機構が簡単で部品点数が少なく、
２種の収納物を簡便に混合することが出来ると共
に、特に粘性がある場合、キヤツプ容器内への液
の逆行を防止するようにせんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために、この考案が採つ
た手段は、第１の収納物２を収納した第１の容器
１の口部に外周壁を着脱自在とした円筒状の栓手
段３を取り付け、該栓手段３の外端面にシール材
７を定着して閉塞すると共に内部に開封手段９及
び開閉部材１８並びにこれらを上下方向に案内す
る案内手段を配設し、第１の容器１と栓手段３と
を液密に分離、若しくは連通し得る栓パツキン１
５を第１の容器１及び栓手段３の間に配設し該栓
パツキン１５は上下に貫通しないハーフカツト溝
１７により区画された中心孔１６を有し、開閉部
材１８は栓パツキン１５を押下しハーフカツト溝
１７より中心孔１６を開封して栓パツキン１５と
の間に通路を作出する小径の開封部１９と栓パツ
キン１５に密着する大径の栓部２０とを有し、第
２の収納物４を収納した第２の容器６を別体に形
成し、該第２の容器６の外周面を栓手段３の内周
壁内に挿着される円筒形状に形成すると共に、第
２の容器６の開口部を前記開封手段９で開封自在
なシール材１４で封塞し、該開閉部材１８を押入
し且栓手段３の開口部を閉塞し得る第２の容器６
を上方から挿入することにより第１の容器１のキ
ヤツプを構成するようにしたことを特徴とする。

（作用） 第１の収納物を収納した第１の容器の口部に、
栓手段を着脱自在に密嵌し、該栓手段の外端面の
シール材を開封し、該栓手段内の開封手段により
第２の収納物が収納された第２の容器のシール材
が開封されると同時に案内手段により支持された
開閉部材を第２の容器により下方へ押入し、第１
の容器と栓手段の間に配設した栓パツキンの上下
に貫通していないハーフカツト溝より開封し、更
に押出し栓パツキンと小径の開封部との間に通路
を作出し第２の収納物を第１の容器内へ混合させ
る。混合後、開閉部材を更に下降させて上方の栓
部と栓パツキンとで栓手段の下部開口部を閉塞す
る。第２の容器と栓パツキンと開閉部材は栓手段
内にそのまま残し第２の容器への混合収納物の逆
行を防止し、第１の容器口部を封塞する封塞手段
とすると共に、着脱自在として第１の容器口部を
開閉するキヤツプ手段を構成させる。

（考案の効果） この考案によれば、第２の容器を押入するのみ
で第１、第２の収納物の混合が出来、混合作業が
きわめて容器であると共に、手を汚したり、収納
物がこぼれたりするおそれもない。

第１の容器、栓手段並びに開閉部材は共に、一
体に組み合わされているので、これらの各容器や
開閉部材が互に分離されている場合のように、紛
失したり、包装が困難となつたりするおそれがな
い。

第１の容器と栓手段との間に挟持された栓パツ
キンのハーフカツト溝は上下に貫通していないた
め、第１の収納物は栓手段内部に逆流することが
なく、混合後、開閉部材は栓手段内の栓パツキン
に密栓する状態で押入されるため、第１の収納物
が粘度が高いものであつても、第２の容器内及び
栓手段内に逆流することなく、混合時間が短縮さ
れると共にきわめて清潔であり、美観を損なうお
それもない。

更に、開閉部材は開封後第２の容器と共働して
第１の容器のキヤツプを構成するため、キヤツプ
を別個に用意する必要がなく、構造が簡単で部品
点数が少なくなる。

（実施例） 以下に図面を参照しつつこの考案の好ましい実
施例を説明する。図において１は第１の収納物２
を収納した第１の容器、３は該第１の容器１とは
別体に形成された栓手段３である。第１の容器１
の口部には栓手段３が着脱自在に装着される。該
栓手段３はネジ等の適宜の手段で第１の容器１口
部の外周面に挿脱自在に装着する開閉筒部５を一
体に有しており、該開閉筒部５の開閉により栓手
段３は第１の容器１の口部を開閉し第２の容器６
を第１の容器１の上方より挿着させることにより
キヤツプとして機能する。

栓手段３の外端面にはシール材７が定着され、
栓手段３を上下に貫通する通路を閉塞している。
該栓手段３の内周壁には内方に向かつて環状凸部
８を形成し、該環状凸部８の上縁部から上方に延
び出た３本の腕１０は栓手段３の中心で交わり第
２の容器のシール材１４を開封するための開封手
段９として作用する。シール材１４の突き破りを
容易にするために、腕１０の上面は図面に示すよ
うに断面山形を示す。更に、開封手段の３本の腕
１０は中心部に向かつて上昇する勾配を形成する
ことにより、より一層開封作用が容易に行なわれ
るであろう。又、３本の腕１０の中心より下方に
向かつて案内棒１１が垂設されて、案内手段を構
成し、栓手段３内で後述する開閉部材１８の上下
動を案内する。又、栓手段３の内周壁上部には凹
溝１２が環状に形成される。

１５は円形状の栓パツキンであり該栓パツキン
１５の中央に中心孔１６を容易に作出するための
上下に貫通しないハーフカツト溝１７が切溝さ
れ、第１の容器１と栓手段３の間に周縁を挟持し
て保持されており、第１の収納物２と栓手段３内
部とを完全に隔離し、若しくは中心孔１６と開閉
部材１８との接触により第１の容器１から第２の
容器６及び栓手段３内部への逆流を防止する。前
記ハーフカツト溝１７は好しくは一部が欠けた円
形にして切り離れた中心部と栓パツキン１５の周
辺とを連結する形態とする。これにより、第１１
〜１３図に示すように、中心孔１６を形成する中
心部が周辺部に連結して下方に垂れ下がり、第１
の容器１内へ落下してしまうことがなくなる。

開閉部材１８は栓パツキン１５の中央部を押下
しハーフカツト溝１７より開封させて中心孔１６
を作出し、且中心孔１６との間に通路を作出する
中心孔１６より小径の開封部１９と該開封部１９
の上部において、栓パツキン１５の中心孔１６を
封止するための中心孔１６と同一の径をもつ栓部
２０とを有し、更に、該栓部２０の上部に一体に
形成された３本の押下片２１を有する。又、開閉
部材１８は栓手段３内の案内棒１１を受け入れる
ための案内孔２２を有し、該案内孔２２と栓手段
３内の案内棒１１との係合により上下方向に案内
される。

第１、第２の容器１，６にそれぞれ別個に収納
された第１、第２の収納物２，４を混合するに
は、先ずシール材７を剥離して栓手段３の口部を
開放し、該栓手段３内に上方より第２の容器６を
挿入すると同時に第２の容器６のシール材１４が
栓手段３内に配設された開封手段９により開封さ
れ第２の収納物４が栓手段３内に流出する。この
場合には第２の容器６と栓手段３の開口部が完全
に封止しない状態で嵌挿され、第２の容器６は栓
手段３の開口部を封塞すると同時に、第２の容器
６の下部外端面で開閉部材１８の押下片２１を上
方より押下し、且該開閉部材１８の開封部１９の
下端部で栓パツキン１５の中央部を押下しハーフ
カツト溝１７より開封し中心孔１６を作出し、更
に開閉部材１８を下降して、開封部１９と栓パツ
キン１５の開口部との間に第２の収納物４が流過
するためのリング状の流路を作出する。第２の収
納物４はその流路より第１の容器１内に流出し第
１の収納物２と混合する。

第２の収納物４が第１の容器１内に流出した
後、更に第２の容器６を内方へ押下して第２の容
器６の外周面の突条１３と栓手段３の内周壁の凹
溝１２とが互いに係合して第２の容器６と栓手段
３の封塞を完全なものとする。又、栓手段３の内
部に関しては第２の容器６の下降と同時に栓部２
０が栓パツキン１５の中心孔１６に嵌合して液密
となり第２の容器６及び栓手段３内への混合され
た液の逆行を防止する。

栓手段３と第２の容器６と栓パツキン１５と開
閉部材１８は全体として第１の容器１のキヤツプ
を構成し、第１の容器１の口部を閉塞すると共
に、栓手段３を回動することにより口部から外し
て開口し、混合された収納物２３を取り出すこと
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は混合前の外観斜視図、第２図は混合状
態を示す外観斜視図、第３図は栓手段のシール材
を剥離した状態を示す斜視図、第４図は混合容器
の一部を切り欠いで示す分解斜視図、第５図は栓
手段内での案内手段と開閉部材の分解斜視図、第
６，７図は栓手段内での開閉部材の作動を示す状
態斜視図、第８図は混合前の状態で一部を切り欠
いで示す斜視図、第９図は混合後の状態で一部を
切り欠いで示す斜視図、第１０〜１２図は混合過
程を示す縦断面図、第１３図は第１の容器と第２
の容器等とで構成されるキヤツプの開閉を示す縦
断面図である。 １……第１の容器、２……第１の収納物、３…
…栓手段、４……第２の収納物、５……開閉筒
部、６……第２の容器、７，１４……シール材、
８……環状凸部、９……開封手段、１０……腕、
１１……案内棒、１２……凹溝、１３……突条、
１５……栓パツキン、１６……中心孔、１７……
ハーフカツト溝、１８……開閉部材、１９……開
封部、２０……栓部、２１……押下片、２２……
案内孔、２３……混合収納物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の収納物を収納した第１の容器の口部に外
   周壁を着脱自在とした円筒状の栓手段を取り付
   け、該栓手段の外端面にシール材を定着して閉塞
   すると共に内部に開封手段及び開閉部材並びにこ
   れらを上下方向に案内する案内手段を配設し、第
   １の容器と栓手段とを液密に分離、若しくは連通
   し得る栓パツキンを第１の容器及び栓手段の間に
   配設し該栓パツキンは上下に貫通しないハーフカ
   ツト溝により区画された中心孔を有し、開閉部材
   は栓パツキンを押下しハーフカツト溝より中心孔
   を開封して栓パツキンとの間に通路を作出する小
   径の開封部と栓パツキンに密着する大径の栓部と
   を有し、第２の収納物を収納した第２の容器を別
   体に形成し、該第２の容器の外周面を栓手段の内
   周壁内に挿着される円筒形状に形成すると共に、
   第２の容器の開口部を前記開封手段で開封自在な
   シール材で封塞し、該開閉部材を押入し且栓手段
   の開口部を閉塞し得る第２の容器を上方から挿入
   することにより第１の容器のキヤツプを構成する
   ようにしたことを特徴とする２種の収納物を混合
   するための容器。