JPH0540898A - 路側ビーコンを利用した車載用位置検出装置 - Google Patents

路側ビーコンを利用した車載用位置検出装置

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JPH0540898A
JPH0540898A JP19538391A JP19538391A JPH0540898A JP H0540898 A JPH0540898 A JP H0540898A JP 19538391 A JP19538391 A JP 19538391A JP 19538391 A JP19538391 A JP 19538391A JP H0540898 A JPH0540898 A JP H0540898A
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Norihisa Okada
典久 岡田
Masahiro Nishio
誠裕 西尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】路側ビーコン信号を受信して位置検出を行う車
載用位置検出装置20において、フェージングの影響を
受けず、また、予定外のビーコンアンテナからの信号を
受信しても位置の検出を行わないようにすること。 【構成】受信された信号から位置検出用のAM信号の位
相を判別する場合には、受信レベルはたとえば−65d
B〜−70dB未満の低レベルの信号はカットする。そ
して受信レベルがそれ以上のときにのみAM信号の位相
判別を行う。とともに、判別した位相の確定は、車両が
予め定める距離以上走行する間連続して同位相のときに
のみ行う。さらに、位相判別を行っている間に、ごく短
距離走行する間だけ受信信号レベルが落ち込んでも、そ
の落ち込みを無視して、位相判別を続ける。 【効果】位置検出用AM信号の位相を安定して確定で
き、それに基づいて位置および信号方向を正確に検出す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、路側ビーコンを利用
した車載用位置検出装置に関し、特に、路側ビーコンか
らの信号を受信したとき、その信号の受信レベルを考慮
に入れて正確な位置検出を行えるように改良された車載
用位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不案内な土地などにおける車両走行を支
援するためのナビゲーション装置が各種提案され、実用
化されている。従来のナビゲーション装置は、一般に、
距離センサおよび方位センサからの出力に基づいて車両
の現在位置を検出する位置検出部と、CD−ROM等で
構成された地図メモリと、表示装置と、位置検出部で検
出された車両の現在位置を含む道路地図を地図メモリか
ら読出して表示装置に表示させる制御部とを有してい
る。
【0003】ところで、このようなナビゲーション装置
においては、車速センサおよび方位センサが必然的に有
している誤差によって、走行距離の増加に伴い表示装置
における車両の現在位置が、実際の位置から大幅にずれ
てしまうおそれがある。また、鉄道線路等の近くを走行
すると、磁気作用により、方位センサに大きな誤差が生
じやすい。
【0004】このような問題点を解決する目的で、路側
ビーコンの設置が提案されている。路側ビーコンは、道
路交通網に所定距離ごとに配置されたビーコンアンテナ
を備え、このビーコンアンテナから位置データおよび道
路方向データを含む信号を、比較的狭い範囲に放射する
ものである。道路を走行する車両は、この信号を受信し
てナビゲーション装置に取込み、車両の現在位置および
方位を正しいものに較正することができる。
【0005】ところで、ビーコンアンテナから放射する
信号に位置データおよび道路方向データだけでなく、以
下のようなデータも追加することが、路側ビーコンの有
効活用の上で望ましい。すなわち、ビーコンアンテナ
が設置されている箇所の周辺における道路の混雑状況、
工事、その他の道路使用状況等の交通情報、ビーコン
アンテナが設置されている箇所の周辺における住宅配
置、個人名をも含む詳細な地図情報、ビーコンアンテ
ナが設置されている箇所を含む或る程度広い範囲にわた
る道路地図情報、等の追加データを信号に乗せること
が、路側ビーコンの活用上好ましい。
【0006】しかしながら、このような追加データもビ
ーコンアンテナから放射する場合、追加データが確実に
受信されるように信号の伝播領域を拡大して、信号を受
信可能な領域を広める必要がある。ところが、信号の伝
播領域を拡大すると、ビーコンアンテナの設置位置直下
に来た時に信号を受信して、車両の現在位置をビーコン
アンテナの設置位置に較正するという本来の機能を正確
に行えなくなるという問題点に遭遇する。
【0007】このような問題点を解消するために、本願
出願人は、既に特願昭62−154922号および特願
昭62−255569号の路側ビーコン方式を提案して
いる。先願にかかる路側ビーコン方式は、ビーコンアン
テナを、主放射方向が異なる2個のアンテナエレメント
で構成し、種々のデータ成分がPSK、FSK、GMS
KまたはASK変調等の第1の変調方式で乗せられた信
号を二分し、二分した信号に互いに逆相の振幅変調を施
すことによって位置データを乗せ、各アンテナエレメン
トに第1変調成分が同相になるように給電するように
し、車両側においては、振幅変調成分を抽出して位置検
出を行うとともに、第1変調成分を抽出して種々のデー
タの復元を行うようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、路側ビーコ
ン方式においては、一般に、ビーコンアンテナから放射
される信号がフェージングを生じやすく、車載受信機に
おける信号の受信レベルが変動するとともに位相も変動
して、位置の誤検出を招くおそれがあるという新たな問
題点が発見された。
【0009】また、ビーコンアンテナからの信号の伝播
領域が広いので、並走する高架上の道路に備えられたビ
ーコンアンテナからの電波が漏れて、高架下の道路で信
号が受信され、受信信号に基づいて誤った位置検出が行
われる可能性も見つかった。そこでこの発明は、路側ビ
ーコン信号を受信して位置検出を行う車載用位置検出装
置において、フェージングの影響を受けず、また予定外
のビーコンアンテナからの信号を受信することによる位
置の誤検出が防止された車載用位置検出装置を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、路側ビーコ
ンを利用した車載用位置検出装置であって、路側ビーコ
ンから放射される信号を受信するための受信手段、受信
手段で受信された受信信号のレベルが所定レベル以上の
ときは第1信号を、所定レベル未満のときは第2信号を
出力するレベル判別手段、受信手段で受信された受信信
号に含まれる所定の変調信号の位相を予め定める基準タ
イミングと比較して、変調信号の位相が正相か逆相かを
判定する位相判定手段、車両の走行距離を検出する走行
距離検出手段、前記レベル判別手段、位相判定手段およ
び走行距離検出手段に接続されており、レベル判別手段
から第1信号が与えられている間において、位相判定手
段が正相または逆相を判定し、その判定が走行距離検出
手段が予め定める走行距離を検出するまでの間連続した
ことに基づいて、判定された位相を初期位相として採用
する位相確定手段、ならびに前記位相確定手段で採用さ
れた位相に基づいて位置を算出する演算手段、を含むこ
とを特徴とするものである。
【0011】またこの発明は、路側ビーコンを利用した
車載用位置検出装置であって、前記位相確定手段は、レ
ベル判別手段が与えられる第1信号が予め定める短距離
未満の間第2信号になっても、位相判定手段の判定結果
を採用することを特徴とするものである。さらにまたこ
の発明は、路側ビーコンを利用した車載用位置検出装置
であって、前記位相確定手段は、初期位相が採用されて
後、前記位相判定手段が初期位相と逆の位相を判定し、
その判定が初期位相を確定するときに用いた走行距離よ
りも短い所定の距離を走行する間連続したことに基づい
て、位相の反転を確定する手段をさらに含むことを特徴
とするものである。
【0012】
【作用】ビーコンアンテナから放射される信号の伝播領
域が広い場合、車載の受信装置で受信された信号の受信
レベルはフェージングにより変動する。そこで、この発
明では、受信信号のレベルがたとえば−65dB〜−7
0dB未満の低レベルのときは、受信信号に重畳された
所定の変調信号(たとえば1kHzのAM信号)の位相
判定は行わず、受信信号のレベルがそれ以上の場合にの
み上記AM信号の位相判定を行う。つまり、レベル判別
手段から受信信号のレベルが所定レベル以上であること
を表わす第1信号が出力されている場合にのみ、所定の
変調信号の位相判定を行う。
【0013】またこの発明によれば、位相の確定は、予
め定める走行距離の間同じ位相が連続したときに行われ
る。このようにすれば、瞬間的に変動した位相に基づく
誤った位相の確定を除去できる。一方、確定に必要な走
行距離を適当に設定することにより、位相が確定され
ず、位置検出ができないという検出抜けの状態を少なく
することができる。
【0014】また、レベル判別手段から与えられる第1
信号が予め定める短距離未満の間第2信号になっても、
位相判定手段の判定結果を採用する。これにより、瞬間
的に受信信号のレベルが落ち込んでも、それに基づいて
位相の確定処理をキャンセルして方向識別を誤る可能性
を少なくできる。また、レベル判別手段の出力が第1信
号から第2信号に落ち込んでいる期間を、予め定める短
距離未満に限定し、ある程度長い距離の場合は位相判定
手段の判定結果を採用しないようにすることにより、高
架上のビーコンアンテナ等の予想外のビーコンアンテナ
からの信号を受信することによる位置の誤検出が防止で
きる。
【0015】さらにこの発明によれば、初期位相が確定
された後の位相の反転は、初期位相の確定よりも短い距
離の間反転位相が検出されることによって行われ、位相
の反転時からあまり遠ざからないうちに位置検出が行え
る。
【0016】
【実施例】図1は、路側ビーコンを利用した位置検出お
よび方向識別の概要を説明するための図である。図1A
に示すように、道路1の路側にはビーコンアンテナ2が
設置されている。ビーコンアンテナ2からは、道路1に
向けて信号が放射される。
【0017】ビーコンアンテナ2から放射される信号
は、図1Cに示すように、種々のデータが第1変調方式
(GMSK,PSK,FSK,ASK変調等)で乗せら
れた信号が二分され、二分された信号に位置データとし
て互いに逆相のたとえば1kHzの振幅変調が施された
AM信号が乗せられている。なお、位置データは、1k
Hz以外のAM信号によって重畳されていてもよい。あ
るいは他の変調方式を用いて重畳されていてもよい。
【0018】よって、AM信号の放射ゾーンは、図1A
のように、たとえばビーコンアンテナ2から右方向には
同相の信号が放射され、左方向には逆相の信号が放射さ
れる。この道路1を走行中の車両に搭載された受信機に
よって、ビーコンアンテナ2から放射される信号が受信
される。信号の受信レベルは、たとえば図1Bに示すよ
うになる。つまり、受信信号のうち、データ信号成分に
ついては、ビーコンアンテナ2を中心として広がる所定
の電界強度分布の受信レベルが得られる。一方、AM信
号成分については、同相の信号と逆相の信号との主放射
方向境界線で急激にレベル低下を生じる電界分布の受信
レベルが得られる。よって、道路1を走行する車両にお
いては、受信されるAM信号成分の受信レベルが変化
し、そのレベルが急激に落ち込んだとき、ビーコンアン
テナ2の直下になったと判別することができる。すなわ
ち受信している位置データの地点になったと判別でき
る。
【0019】また、図1Aにおいて、車両の進行方向が
aの場合には、AM信号は、先ず、同相の信号が受信さ
れ、急激なレベル低下の後、逆相のAM信号が受信され
る。一方、車両の進行方向がbの場合には、まず、逆相
のAM信号が受信され、急激なレベル低下の後同相のA
M信号が受信される。よって、AM信号の受信におい
て、受信信号の位相が同相から逆相になったか、逆相か
ら同相になったかによって、車両の進行方向を識別する
ことができる。
【0020】また、この位相の変化点を検出することに
よって、ビーコンアンテナ2の位置を検出することがで
きる。AM信号が同相か逆相かは、図1Cに示すよう
に、データ信号のデータフレームの先頭に対して、AM
信号が、立ち上がりで同期がとられているか、立ち下が
りで同期がとられているかによって判別される。
【0021】図2は、この実施例にかかる車載用位置検
出装置の構成例を示すブロック図である。車載アンテナ
11によってビーコンアンテナ2(図1参照)から放射
される信号が受信され、受信機12において検波および
増幅がされる。この受信機12の出力は、位置検出装置
20へ与えられる。位置検出装置20には、データ復調
器21、同期検出器22、1kHz基準クロック作成器
23、1kHz検出器24,位相判定器25、CD検出
器26およびCPU27が備えられている。
【0022】データ復調器21においては、受信信号の
データが復調され、復調されたデータは同期検出器22
で同期タイミングが検出される。そしてこの同期タイミ
ングに基づいて、1kHz基準クロック作成器23にお
いては、データフレームに同期した1kHzの基準クロ
ックが作成される。このクロックは、たとえばデータフ
レームの先頭に同期して立ち上がるクロックである。
【0023】一方、受信機12の出力は1kHz検出器
24へも与えられ、受信信号から1kHzのAM信号が
抽出される。このAM信号は位相判定器25へ与えら
れ、上記作成された基準クロックと位相が比較される。
1kHz基準クロック作成器23で作成される基準クロ
ックは、上述のように立ち上がりがデータフレームの先
頭に同期した信号である。よって、位相判定器25にお
いて、1kHz検出器24の出力が基準クロックと同位
相の場合は、受信信号が同相領域で受信された信号であ
ると判別される。また、1kHz検出器24の出力が基
準クロックと逆位相の場合には、受信信号が逆相域で検
出された信号であると判別される。この位相判定器25
の出力は同相のときはハイレベル、逆相のときはローレ
ベルであり、その出力はCPU27へ与えられる。
【0024】さらに、受信機22の出力はCD検出器2
6へも与えられる。CD検出器26は、受信信号の搬送
波受信レベルが、予め定める一定レベル(たとえば−7
0db〜−65dBの範囲内の任意の値、たとえば−7
0dB)以上か否かを検出するための回路である。搬送
波の受信レベルがたとえば基準レベル−70dB以上の
ときは、CD検出器26の出力はハイレベルに、逆に搬
送波の受信レベルが基準レベル−70dB未満のとき
は、CD検出器26の出力はローレベルになる。このC
D検出器26の出力はCPU27へ与えられる。
【0025】この車載用位置検出装置には、さらに、走
行距離検出センサ30が備えられていて、この検出セン
サ30の検出出力はCPU27へ与えられる。走行距離
検出センサ30は、たとえば車両の速度や車輪の回転数
などに基づいて走行距離を検出するものであり、具体的
には車輪速センサ、車速センサ等が使用可能である。C
PU27では、後述する処理が実行され、位相判定器2
5の出力、CD検出器26の出力および走行距離検出セ
ンサ30の出力に基づいて、位置および車両の進行方向
が検出される。
【0026】このCPU27の出力および前述したデー
タ復調器21で復調された各種のデータは、表示制御部
28へ与えられ、表示制御部28によって表示器29の
表示制御がなされる。図3は、この実施例における受信
信号レベル、CD検出器26の出力、位相判定器25の
出力およびCPU27によって検出される位置および方
向検出信号の関係を表わす受信データの具体例である。
【0027】図4は、CPU27における位置および方
向検出のための処理手順の概要を表わすフローチャート
である。次に、図2、図3および図4を参照して説明す
ると、CPU27では、CD検出器26の出力が一定の
走行距離“n0”以上、連続的にハイのときにCDオン
が判定される(ステップS1)。
【0028】次いで、CDオンの状態において、位相判
定器25の出力が判定され、予め定める初期位相確定距
離“n2”以上、正の位相または負の位相が続いたと
き、その位相が初期位相であると判定される(ステップ
S2)。次いで、位相判定器25の判定位相は、或る時
点において反転する。CPU27では、反転した位相が
予め定める逆位相確定距離“n3”続いたとき、位相が
反転したと判定される(ステップS3)。
【0029】そして、ステップS2で判定された初期位
相とステップS3で判定された逆位相とにより、その反
転時点がビーコンアンテナ2(図1参照)の設置位置で
あると検出され、その反転方向によって方向が検出され
る。また、上記ステップS2,ステップS3の位相確定
距離内において、CD検出器26の出力が所定の短距離
“n1”以上ローになった場合には、CDオフと判定さ
れ、ステップS1からの処理が新たに行われ、それまで
に判定されていた初期位相等はキャンセルされる。
【0030】このように、CDがオンの状態、つまり受
信信号の搬送波の受信レベルが予め定める一定レベル、
たとえば−70dB以上の範囲内においてのみ、AM信
号の位相の判定および位相反転の時点が検出される。そ
れゆえ、図3に示すように、フェージングにより受信信
号レベルが大きく変動する領域においては、CD検出器
26の出力はハイとローとに頻繁に変わり、CDオンは
判定されない。一方、CDオンが判定され、搬送波の受
信レベルが予め定めるレベル以上の範囲内においてのみ
位相の判定がされる。よって、正確な判定結果が得られ
る。
【0031】図5および図6は、CPU27(図2参
照)におけるより詳細な位置および方向の検出処理制御
を表わすフローチャートである。図7は、図5,図6の
制御を行う上で必要な4つのカウンタを表わす図であ
る。図7に示すカウンタは、たとえばプログラム(ソフ
トウェア)によって作られてもよいし、ハードウェア構
成のカウンタであってもよい。
【0032】カウンタN0は、CDオン判定用カウンタ
である。カウンタN0のカウント値が“n0”になる
と、CDオンが判定される。具体的には、カウント値
“n0”は、たとえば走行距離1〜5mに対応する値に
されている。カウンタN1は、CDオフ判定用のカウン
タである。カウンタN1のカウント値が“n1”になる
と、CDオフが判定される。一旦確定された位相がキャ
ンセルされると方向識別を誤る可能性が高くなるため、
一旦確定された位相は容易にキャンセルされないよう、
カウント値“n1”は、ある程度長い距離に対応する値
とされている(条件1)。一方、並走する高架上の道路
に配置されたビーコンアンテナから漏れてきた信号を検
出することにより、誤ってCDオン状態が判定されない
よう、上記カウント値“n1”は、上述の「条件1」を
満足する範囲内においてできるだけ短い距離に対応する
値に設定されている。
【0033】具体的には、カウント値“n1”は、走行
距離4m〜50mの範囲に対応する値にされている。カ
ウンタN2は、位相確定用カウンタである。カウンタN
2のカウント値が“n2”になると、初期位相が確定さ
れる。このカウント値“n2”は、初期位相の確定に対
する安定度を高めるため比較的長い距離に設定されてい
る。たとえば、距離2m〜5mに対応する値にされてい
る。
【0034】また、初期位相確定後に、カウンタN2の
カウント値が“n3”になると、位相反転が確定され
る。カウント値“n3”は、上記カウント値“n2”に
比べて小さな値にされている。というのは、反転後の位
相の確定に要する距離があまり長いと、反転した地点か
ら遠ざかり、位置検出の誤差が大きくなるからである。
そこで、具体的には、この実施例では、カウント値“n
3”は、たとえば距離2mに対応する値にされている。
【0035】次に、図5および図6の流れに従って説明
をする。予め定める一定時間(たとえば10ms)毎、
または車両が一定距離(たとえば0.2m)走行する毎
に、CPU27によって図5および図6に示す処理が実
行される。まず、位相検出器26から与えられる信号が
ハイレベルかローレベルかの判別がされる(ステップS
11)。ハイレベルのときは、カウンタN0が+1さ
れ、かつ、カウンタN1がリセットされる(ステップS
12)。一方、ローレベルのときは、カウンタN1が+
1され、かつ、カウンタN0がリセットされる(ステッ
プS13)。
【0036】次いで、CDオンがセットされているか否
かの判別がされる(ステップS14)。制御開始時に
は、CDオンはセットされていないから、ステップS1
5に進み、カウンタN0のカウント値が“n0”以上か
否かの判別がされる。そして、カウンタN0のカウント
値が“n0”以上の場合には、CDオンがセットされ
(ステップS16)、処理はリターンされる。カウンタ
N0のカウント値が“n0”未満の場合には、CDオン
はセットされず、この処理はリターンされる。
【0037】ステップS14において、CDオンがセッ
トされていると判別されたときには、カウンタN1のカ
ウント値が“n1”以上か否かの判別がされる(ステッ
プS17)。もしステップS17でYESの場合には、
予め定めるCDオフの基準となる短距離以上受信信号の
レベルが予め定めるレベル以下になったのであるから、
その場合には最初から位相確定処理が繰返される。つま
り、走行距離4m〜50m以上の間受信信号のレベルが
たとえば−75dB以下になったのであるから、この場
合には、初期位相が一旦確定されていても、その確定は
キャンセル(リセット)され(ステップS18)、か
つ、CDオフがセットされる(ステップS19)。そし
てこの処理はリターンされる。
【0038】次に、ステップS17でNOの場合、つま
り受信信号のレベルが所定レベル未満になったけれど
も、その間の走行距離がCDオフの基準となる短距離
(具体的には4m〜50m)よりも短い距離の場合に
は、受信信号のレベル低下を無視して位相確定処理を続
ける方が全体として誤検出が避けられる。よって、この
場合には、位相判定器25(図2参照)から与えられる
位相が前回と同じ位相か否かの判別がされる(ステップ
S20)。位相判定信号が前回と同じ場合には、カウン
タN2が+1される(ステップS21)。一方、位相判
定信号が前回と反転している場合には、カウンタN2は
リセットされる(ステップS22)。
【0039】次いで、初期位相が確定済か否かの判別が
される。そして初期位相が確定済でない場合には、カウ
ンタN2のカウント値が“n2”以上か否かの判別がさ
れ(ステップS24)、カウンタN2のカウント値が
“n2”以上であれば、ステップS20で判別された位
相が初期位相であると確定され(ステップS25)、こ
の処理はリターンされる。このように、カウンタN2の
カウント値“n2”に基づいて、同相または逆相の位相
信号が予め定める走行距離の間、たとえば2m〜5mの
間以上連続して出力された場合に、初期位相が確定され
る。よって、位相がばたついている場合には、初期位相
は確定されず、位相が安定したときに初めて位相が確定
される。
【0040】ステップS24においてNOの場合には、
初期位相は確定されずに、この処理はリターンされる。
ステップS23において、初期位相が確定済である場合
には、次いで、位相が反転しており、かつ、カウンタN
2のカウント値が“n3”以上か否かの判別がされる
(ステップS26)。カウント値が“n3”以上であれ
ば、位相反転が確定される(ステップS27)。そして
ステップS25で確定された初期位相およびステップS
27で確定された位相の反転に基づいて、ビーコンアン
テナの位置および道路の方向が算出される(ステップS
28)。カウント値“n3”は、前述したように、カウ
ント値“n2”に比べて相対的に短い距離、たとえば2
mに対応した値とされている。こうすると、判定後の位
相の確定に要する走行距離を短くすることができ、位相
反転地点から遠ざかる距離を短くできるので、位置検出
精度を良好に保ったまま位相の反転確定をすることがで
きる。
【0041】ステップS26でNOの場合には、ステッ
プS27,S28の処理はされずにリターンされる。図
8は、表示制御部28(図2参照)による表示器29の
表示制御を表わすフローチャートである。図8を参照し
て、表示制御部28では、CPU27からの信号に基づ
いて、車両の現在位置(ビーコンアンテナの設置位置)
が検出されたか否かの判別がされる(ステップS3
1)。
【0042】そして、位置検出がされた場合にのみ、復
調された受信データによって得られる種々のデータを表
示器29に表示させる(ステップS32)。このよう
に、位置検出がされたときにのみデータを表示するよう
にすれば、正しい位置検出に基づき、その位置において
意味のある情報のみが表示されることになる。よって、
運転者に正しい必要なデータのみを提供することができ
る。
【0043】もちろん、位置検出がされたか否かにかか
わらず、復調された種々のデータを常時表示器29に表
示させる構成にすることもできる。図9は、この発明に
より得られる他の効果を説明するための図である。図9
に示すように、道路31と並走するように、高架道路3
2が設けられているとする。そして、高架道路32に
は、ビーコンアンテナ33が設置されているとする。か
かる場合、ビーコンアンテナ33から放射される信号
は、本来目的とする高架道路32上だけでなく、その下
に位置する道路31へも伝播される可能性がある。
【0044】かかる場合、道路31を進行する車両34
は、ビーコンアンテナ33からの信号を誤って受信し、
位置の誤検出を起こす可能性があった。ところがこの発
明を適用した場合、ビーコンアンテナ33から放射され
る電波が道路31を進行する車両34で受信されたと
き、その受信レベルは、ある走行距離の間検出している
と所定レベル以下になる。よって、たとえビーコンアン
テナ33からの信号が漏れて道路31を進行する車両3
4で受信されても、位置の誤検出がされることはない。
【0045】
【発明の効果】この発明によれば、受信信号のレベルが
予め定める一定レベル以上の場合においてのみ、その信
号から位置検出用の信号を抽出するようにされている。
よって、受信レベルの低い信号に基づく位置の誤検出を
防止でき、位置検出および道路の方向を正確に判別する
ことができる。また、この発明では、位置検出用信号が
一定走行距離以上連続して同位相であるときに位相確定
処理を行うので、位相確定を安定して行え、検出精度が
向上するという効果がある。
【0046】さらにまた、車両が受信信号のレベルが高
い領域内に入ったとしても、受信信号のレベルは短時間
だけ一定レベル以下に下がることもある。かかる場合
に、短時間でも受信信号のレベルが一定レベル以下にな
ったとき、それまでの処理を停止して、そのときから新
たに処理を行うようにすると、位置検出用信号の抽出に
おいて、その位相判定を誤る可能性が高い。それゆえ、
この発明では、ごく短距離走行する間におけるレベル低
下は無視するので、より正確な位置検出および方向判別
を行うことができる。
【0047】また、車両が通行している道路に交差した
高架道路等から漏れてくる位置検出用信号に基づいて、
誤った位置の検出が行われる心配もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】路側ビーコンを利用した位置検出および方向識
別の概要を説明するための図である。
【図2】この発明の一実施例にかかる車載用位置検出装
置の構成を示すブロック図である。
【図3】この実施例における受信データの具体例を表わ
す波形図である。
【図4】この実施例における位置および方向検出のため
の処理手順の概要を表わすフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートを具体的かつ詳細にした
位置および方向の検出処理制御を表わすフローチャート
である。
【図6】図4のフローチャートを具体的かつ詳細にした
位置および方向の検出処理制御を表わすフローチャート
である。
【図7】図5の制御を行う上で必要な4つのカウンタを
表わす図解図である。
【図8】この発明の一実施例における表示器の制御動作
を表わすフローチャートである。
【図9】この発明の他の効果を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
20 位置検出装置 24 1kHz検出器 25 位相判定器 26 CD検出器 27 CPU 30 走行距離検出センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】路側ビーコンを利用した車載用位置検出装
    置であって、 路側ビーコンから放射される信号を受信するための受信
    手段、 受信手段で受信された受信信号のレベルが所定レベル以
    上のときは第1信号を、所定レベル未満のときは第2信
    号を出力するレベル判別手段、 受信手段で受信された受信信号に含まれる所定の変調信
    号の位相を予め定める基準タイミングと比較して、変調
    信号の位相が正相か逆相かを判定する位相判定手段、 車両の走行距離を検出する走行距離検出手段、 前記レベル判別手段、位相判定手段および走行距離検出
    手段に接続されており、レベル判別手段から第1信号が
    与えられている間において、位相判定手段が正相または
    逆相を判定し、その判定が走行距離検出手段が予め定め
    る走行距離を検出するまでの間連続したことに基づい
    て、判定された位相を初期位相として採用する位相確定
    手段、ならびに前記位相確定手段で採用された位相に基
    づいて位置を算出する演算手段、を含むことを特徴とす
    る路側ビーコンを利用した車載用位置検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の路側ビーコンを利用した車
    載用位置検出装置であって、 前記位相確定手段は、レベル判別手段から与えられる第
    1信号が予め定める短距離未満の間第2信号になって
    も、位相判定手段の判定結果を採用することを特徴とす
    るものである。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の路側ビーコンを利
    用した車載用位置検出装置であって、 前記位相確定手段は、初期位相が採用されて後、前記位
    相判定手段が初期位相と逆の位相を判定し、その判定が
    初期位相を確定するときに用いた走行距離よりも短い所
    定の距離を走行する間連続したことに基づいて、位相の
    反転を確定する手段をさらに含むことを特徴とするもの
    である。
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