JPH0540701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はカセツトテープレコーダやビデオテー
プレコーダ等のテープ駆動源、その他、各種機器
の駆動源に用いられる偏平型ブラシレスモータに
関するものである。

従来の技術 近年、偏平型ブラシレスモータはカセツトテー
プレコーダやビデオテープレコーダ等の装置の小
型化に伴い小型化、高効率化が要求されており、
そのため例えば駆動マグネツトと対向するサブロ
ータヨークを駆動マグネツトと共に回転すること
により、渦電流等の損失を低減させる等の構成が
実施されている。

以下、図面を参照しながら従来の偏平型ブラシ
レスモータの一例について説明する。第４図は従
来の偏平型ブラシレスモータの断面図である。第
４図において、１はモータの回転軸、２は回転軸
１に固定されたロータボス、３は軸方向に多極着
磁された駆動マグネツト、４は駆動マグネツト３
を固定する磁性材料からなるロータヨーク、５は
ロータヨーク４と共に駆動マグネツト３の磁気回
路を構成する円板状サブロータヨークである。６
は駆動マグネツト３とサブロータヨーク５との間
に所定の空隙を保つて配置された駆動巻線であ
る。７は回転軸１を軸支するメタル、８はスラス
ト受け、９はスラスト受け８を固定する底板、１
０はメタル７と底板９を固定するハウジングであ
る。１１は駆動巻線６とハウジング１０を固定し
ているブラケツトである。

以上のように構成された偏平型ブラシレスモー
タにおいて、回転軸１は軸方向に動き不安定なた
め、これを防止するために、軸方向に多極着磁さ
れた駆動マグネツト３から発生する磁束がロータ
ヨーク４を通る際に漏れる磁束と、磁性材料で作
られたブラケツト１１との間に磁気吸引力を発生
させ磁気スラスト力を得て安定性を保つていた。

第５図は、駆動マグネツト３とサブロータヨー
ク５の間の主磁束密度と、ロータヨーク４とブラ
ケツト１１との間の漏れ磁束密度分布を示し、Ａ
は主磁束密度方向、Ｂは漏れ磁束密度方向を示
す。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、主磁束密度が径方
向の外側で減少する為、トルクダウンの原因とな
つていた。又、漏れ磁束密度は径方向の外側で増
大し、ブラケツト１１との間で発生する渦電流に
よるブレーキ力が大きくなるという問題点を有し
ていた。

本考案はこのような問題転を解決するもので、
主磁束密度が径方向の外方で減少することなしに
スラスト力を発生させ、モータ効率を高めた偏平
型ブラシレスモータを提供するものである。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために本考案の偏平型ブ
ラシレスモータは、駆動マグネツトを固定する前
記ロータヨーク厚みを径方向の内側に対して外側
を厚く形成したものである。

作 用 本考案の偏平型ブラシレスモータは、ロータヨ
ークの厚みが径方向の外側で厚く形成されている
ことにより、主磁束密度が径方向の外側で増加し
トルクアツプとなる。又、磁気吸引力を発生させ
る漏れ磁束は径方向の内側で生じる為、渦電流に
よるブレーキ力を小さくすることができる。

実施例 以下、本考案の実施例について、図面に基づい
て説明する。

第１図と第２図に示す第一実施例について説明
する。なお、図中前記従来例と同一符号は同一部
材を示す。１は回転軸で、ロータボス２が圧入固
定され、このロータボス２には駆動マグネツト３
を固定するロータヨーク４と、駆動マグネツト３
と所定空隙を保つて対向配置され且つロータヨー
ク４と一体回転するサブロータヨーク５がかしめ
等によつて固定されている。メタル７とスラスト
受け８は回転軸１を回転自在に支持し、スラスト
受け８を固定する底板９と共にハウジング１０に
固定されている。６は前記駆動マグネツト３とサ
ブロータヨーク５との間に所定空隙を保つて配備
された駆動巻線で、ハウジング１０と共に磁性材
料からなるブラケツト１１に固定され、該ブラケ
ツト１１は駆動マグネツト３の固定側とは反対側
のロータヨーク４の面に対して所定空隙を保つて
配備されている。

ところで前記駆動マグネツト３を固定するロー
タヨーク４の厚みは径方向の内側４ａに対して外
側４ｂを厚く形成されており、第２図に示すよう
に駆動マグネツト３からロータヨークの内側４ａ
を通して発生する漏れ磁束によりブラケツト１１
との間に磁気吸引力を発生し、スラスト力を発生
することができる。なお、第２図において、実線
は本考案の実施例、破線は従来例を示す。

以上のように本実施例では、ロータヨークの厚
みを径方向の外側４ｂで厚く形成することにより
第２図に示すように、主磁束密度が径方向の外側
で増加してトルクアツプとなる。

又、磁気吸引力を発生させる漏れ磁束は径方向
の内側４ａで生じる為、渦電流によるブレーキ力
を小さくすることができる。

第３図は本考案の他の実施例であり、駆動マグ
ネツト３の固定側とは反対側のロータヨーク４の
面に磁性材料からなる円板状の補助ヨーク１２を
固着し、この補助ヨーク１２の内径は前記駆動マ
グネツト３の内径よりも大きく形成されている。
前記のように構成された偏平型ブラシレスモータ
について、第１の実施例と同様に効果を得ること
ができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、駆動マグネツト
を固定するロータヨーク厚みを径方向の内側に対
して外側を厚く形成し、このロータヨークと所定
空隙を保つて磁性材料からなるブラケツトを近接
させることによつて、主磁束密度が径方向の外側
で増加しトルクアツプとなる。又、磁気吸引力を
発生させる漏れ磁束は径方向の内側で生じる為、
渦電流によるブレーキ力を小さくすることがで
き、その実用的効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例における偏平型
ブラシレスモータの断面図、第２図は第１の実施
例の磁束分布の説明図、第３図は本考案の第２の
実施例における偏平型ブラシレスモータの断面
図、第４図は従来の偏平型ブラシレスモータの断
面図、第５図は従来例の磁束分布の説明図であ
る。 １……回転軸、２……ロータボス、３……駆動
マグネツト、４……ロータヨーク、５……サブロ
ータヨーク、６……駆動コイル、１１……ブラケ
ツト、１２……補助ヨーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在に支持された回転軸と、この回転軸に
   固定されるロータボスと、軸方向に多極着磁され
   た円板状の駆動マグネツトと、該駆動マグネツト
   を固定する磁性材料からなるロータヨークと、前
   記駆動マグネツトと所定空隙を保つて対向配備す
   る磁性材料からなるサブロータヨークとを有する
   ロータ部と、前記駆動マグネツトと前記サブロー
   タヨークとの間に所定の空隙を保つて配備された
   駆動巻線と、この駆動巻線を支持し固定する磁性
   材料からなるブラケツトとを備え、前記駆動マグ
   ネツトの固定側とは反対側のロータヨークの面に
   対し所定空隙を保つてブラケツトが配備され、前
   記駆動マグネツトを固定するロータヨーク厚みを
   径方向の内側に対して外側を厚く形成した偏平型
   ブラシレスモータ。