JPH0540332Y2 - - Google Patents

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JPH0540332Y2
JPH0540332Y2 JP1986196633U JP19663386U JPH0540332Y2 JP H0540332 Y2 JPH0540332 Y2 JP H0540332Y2 JP 1986196633 U JP1986196633 U JP 1986196633U JP 19663386 U JP19663386 U JP 19663386U JP H0540332 Y2 JPH0540332 Y2 JP H0540332Y2
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gear
axial direction
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両用手動変速機等に使用される同
期噛合装置に関する。
〔従来技術〕
同期噛合装置の一形式として特公昭51−48540
号公報に示されているように、回転シヤフト上に
回転可能に組付けたギヤの一側にて同シヤフト上
にこれと一体回転可能に組付けたクラツチハブ
と、このクラツチハブの外周に一体回転可能かつ
軸方向へ移動可能に組付けられ内周側にテーパコ
ーン部を有するスリーブと、このスリーブと前記
ギヤのギヤスプライン部間にて同スプライン部に
所定量相対回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付
けられ外周側に前記スリーブのテーパコーン部に
対向して同スリーブの軸方向の移動により同テー
パコーン部と係脱するテーパコーン部を有するシ
ンクロナイザリングと、前記ギヤスプライン部と
シンクロナイザリング間に設けられ同リングの軸
方向への移動を所定の力で規制する移動規制手段
を備えた同期噛合装置がある。
この種形式の同期噛合装置は、ギヤのギヤスプ
ライン部の外周側とシンクロナイザリングの内周
側とに互いに係脱可能に設けたテーパコーン部を
有する所謂ボルグワーナー式のものに比しテーパ
コーン部の径が大きくて大きな同期作用(同期容
量)が得られること、同期容量を同じにした場合
には径方向および軸方向の寸法を小さくして小型
にし得ること、これによりスリーブの軸方向の移
動量が少なくてよいためシフト操作レバーのシフ
トストロークを小さくし得ること、シフト操作レ
バーのシフトストロークを従来と同じ量に設定し
た場合には同レバーのレバー比を大きくし得るこ
と等種々の利点を備えている。
しかして、上記公報に示された同期噛合装置に
おいて、シンクロナイザリングはその内周側に設
けた各突起部をギヤスプライン部に設けた径内外
側に貫通する各溝部に挿通することより同スプラ
イン部に組付けられ、かつ同スプライン部とシン
クロナイザリングとは同リングの各突起部の内端
部に設けた溝部に嵌合して同スプライン部の内周
傾斜面に設けた環状の係合凹所に係合させた縮径
可能な環状のスプリングにて所定の規制力で軸方
向に結合されている。従つて、かかる同期噛合装
置によれば、スリーブの軸方向への操作により先
づ同スリーブのテーパコーン部がシンクロナイザ
リングのテーパコーン部に係合して同リングを軸
方向へ押圧し、この押圧力が所定値以上になると
両テーパコーン部が互いに係合して同期するとと
もに、スプリングのギヤスプライン部に対する係
合が解かれ同リングおよびスリーブの軸方向への
移動によりシフトが完了する。
〔考案が解決しようとする問題点〕
ところで、かかる同期噛合装置においては、ギ
ヤスプライン部の係合凹所の係合面に対する環状
スプリングの軸方向の係合力がシンクロナイザリ
ングの軸方向における規制力となるが、この規制
力はシフト操作時におけるボーク作用、同期作用
に大きく影響し、この規制力が設定された値に安
定した状態で維持されない場合には的確な同期が
得られない。上記同期噛合装置においては、環状
スプリングおよびギヤスプライン部(係合凹所)
の部品公差、組付けのバラツキ等から上記規制力
を設定された値に安定した状態に維持し得ず、同
期作用が信頼性に欠けることになる。これに対処
するには線径の太い環状スプリングを採用するこ
とが考えられるが、かかる手段においてはバネ力
が必要以上に大きくなるため規制力が大きくなり
すぎることになる。また、かかる環状スプリング
を採用するとともにギヤスプライン部の係合凹所
における係合面の傾斜角を小さくして係合を解除
し易くした場合には、規制力は設定された値でか
つより安定したものになる。この場合、環状スプ
リングは係合凹所に対する係合を解除された後
は、ギヤスプライン部の内周傾斜面により縮径さ
れつつシンクロナイザリングとともに同傾斜面を
摺動する。この際スプリングに発生するバネ力
は、シンクロナイザリングを中立位置側へ復帰さ
せるための復帰力として作用するため、かかるバ
ネ力を利用すれば、スリーブとシンクロナイザリ
ングとの連結手段等、シンクロナイザリングの復
帰手段を採用する必要がない。
しかしながら、かかる同期噛合装置においては
上記したごとく、シンクロナイザリングの軸方向
の移動時前記スプリングが同リングと一体的に同
方向へ移動するが、同スプリングはギヤスプライ
ン部の内周傾斜面を漸次縮径して大きなバネ力に
て押圧しつつ摺動する。このため、スプリングの
ギヤスプライン部の内周傾斜面に対する摩擦抵抗
が非常に大きくなる。また、同スプリングおよび
ギヤスプライン部の傾斜面が漸次摩耗して同スプ
リングによる規制力が変化してスリーブおよびシ
ンクロナイザリングのテーパコーン部の係合荷
重、押動荷重が変化し、長期間シフト荷重の安定
したしシフト操作は維持し得ない。また、かかる
同期噛合装置においては、ギヤスプライン部に設
けられた上記各溝部が径内外側に貫通しており、
しかも各溝部は周方向に相当広い幅に形成されて
いる。このため、これら溝部に起因してギヤスプ
ライン部の強度が大きく低下するとともに熱歪み
が生じ易くて精度を損うことになる。この対策と
してはギヤスプライン部の肉厚を厚くして剛性を
高くする手段が考えられるが、かかる手段を採用
すれば装置の重量増大、コストの増大を招くこと
になる。
従つて、本考案の目的は、シンクロナイザリン
グをギヤスプライン部に所定の力で軸方向に結合
させる環状スプリングの同スプリング部に対する
軸方向への係脱および軸方向への摺動を廃止する
ことにより、同期作用が的確で信頼性が高く、か
つシフト荷重の安定したシフト操作を長期間維持
し得るようにすることにある。また、本考案の目
的は、ギヤスプライン部における径内外側に貫通
する溝部を廃止することにより、同スプライン部
の強度低下および熱歪みの発生を抑制するととも
に、シフト操作時に増大するバネ力をシンクロナ
イザリングの中立位置への復帰力として有効に利
用して、復帰に要するシンクロナイザリングとス
リーブとの連結手段等、シンクロナイザリングの
復帰手段を廃止することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
しかして、本考案は上記した形式の同期噛合装
置において、前記ギヤスプライン部の外周に軸方
向へ延びる凹溝を設けて同凹溝の底部を前記クラ
ツチハブから遠ざかるにしたがい軸方向に沿つて
漸次径方向外周側へ拡がる傾斜状に形成し、かつ
前記移動規制手段を、前記ギヤスプライン部の前
記凹溝の底部に設けた複数の係合凹所と、前記シ
ンクロナイザリングに設けた内周側に開口する複
数の取付孔内に収容した圧縮スプリングと、前記
各取付孔の開口端部に進退可能に組付けられ前記
圧縮スプリングの作用にて先端部が前記係合凹所
に弾撥的に係合するボール状転動体とにより構成
したことを特徴とするものである。
〔考案の作用・効果〕
かかる構成においては、スリーブの非操作時同
スリーブとシンクロナイザリングとは非係合状態
にあり、同リングは各ギヤスプライン部との間に
設けた規制手段の作用により同スプライン部に結
合され、軸方向の移動を規制されて中立位置にあ
る。この状態でスリーブをシンクロナイザリング
側に軸方向へ移動させると、同スリーブはそのテ
ーパコーン部にてシンクロナイザリングのテーパ
コーン部を押圧し同リングを前記規制手段の規制
力に抗して軸方向へ押圧する。この際、この規制
力と各ギヤスプリング部およびスリーブ間の回転
差とにより、シンクロナイザリングがギヤスプラ
イン部に対して最大限相対回転してこれら両者間
でボーク開始直前の状態になり、その後のスリー
ブの軸方向への移動によりスリーブおよびシンク
ロナイザリング両者のテーパコーン部が互いに係
合して同期が完了する。また、同時にスリーブは
シンクロナイザリングを押圧して移動規制手段を
構成するボール状転動体を圧縮スプリングに抗し
て取付孔内へ後退させ、これにより同規制手段に
よる規制を解いてシンクロナイザリングを軸方向
へ移動させる。この結果、スリーブはギヤスプラ
イン部に円滑に噛合して回転シヤフトとギヤとを
結合してシフトを完了させ、これら両者は一体回
転可能となる。この間、圧縮スプリングは凹溝に
おける底部傾斜面の作用により漸次圧縮されてバ
ネ力を増大させる。このバネ力は、シンクロナイ
ザリングの中立位置への復帰時の復帰力として作
用する。
このように、本考案においてはギヤスプライン
部とシンクロナイザリングとを結合させる移動規
制手段を、ギヤスプライン部の外周に設けた複数
の係合凹所と、シンクロナイザリングに設けた内
周側に開口する復数の取付孔内に収容した圧縮ス
プリングと、各取付孔の開口端部に進退可能に組
付けられ圧縮スプリングの作用にてボール状転動
体の先端部が係合凹所に弾撥的に係合するボール
状転動体とにより構成し、シフト操作時にボール
状転動体を介して圧縮スプリングを撓ませること
により軸方向の規制を解くようにしている。この
ため、シンクロナイザリングの軸方向への規制力
は環状スプリングの部品公差、組付けのバラツキ
等に影響されるようなことはなく、同リングとキ
ー部材間の規制手段により所定の値に設定されて
安定なものとなり、かつ圧縮スプリングのバネ力
が変化してシンクロナイザリングに対する軸方向
の規制力が変化するようなことがない。この結
果、同期作用は的確で信頼性が高いとともに、上
記規制力の変化に起因して両テーパコーン部の係
合荷重、シンクロナイザリングの押動荷重等が変
化することがなく、安定したシフト荷重のシフト
操作を長期間維持することができる。
また、本考案においては、移動規制手段および
ギヤスプライン部の凹溝を上記したごとく構成し
ているため、ギヤスプライン部における径内外側
に貫通する溝部等、同スプライン部の強度低下お
よび熱歪みを生じさせる要因を解消することがで
きることは勿論のこと、下記のごとき特有の作用
効果を奏するものである。
(1) 移動規制手段を構成する転動体をシンクロナ
イザリング側に組付けているため、転動体の飛
び出しがギヤスプライン部上でなされ、転動体
の飛び出し防止手段を設けることによる装置の
軸方向の増大を防止することができる。
(2) 移動規制手段を構成する圧縮スプリングはシ
フト操作時に漸次圧縮されてバネ力を増大する
が、このバネ力をシンクロナイザリングの中立
位置への復帰力として利用することにより、シ
ンクロナイザリングとスリーブとの連結手段
等、シンクロナイザリングの復帰手段を省略す
ることができ、装置の構成が簡単化される。
(3) シンクロナイザリングの移動時転動体は凹溝
の底部を転動して移動するため、圧縮スプリン
グのバネ力が増大して転動体が大きなバネ力で
押圧されても、転動体の凹溝の底部に対する摩
耗が抑制され、長期にわたつて安定した同期力
を維持することができる。
〔実施例〕
以下本考案を図面に基づいて説明するに、第1
図および第2図には本考案の同期噛合装置と対比
するための比較例が示されている。これら各図に
おいて、第1図は当該同期噛合装置の第3図〜第
5図における矢印−線方向の断面図、第2図
は同図における矢印−線方向の断面図であ
る。
しかして、当該同期噛合装置10はクラツチハ
ブ11、スリーブ12、左右一対のシンクロナイ
ザリング13、ギヤスプライン部14、移動規制
手段を形成する第1圧縮スプリング15aおよび
ボール15b、連結手段を形成する板バネ16
a、第2圧縮スプリング16b、第2ピン16c
等により構成されている。ボール15bは本考案
の転動体に該当する。
クラツチハブ11は変速機を構成するインプツ
トシヤフト21上にこれと一体回転可能に組付け
られていて、同シヤフト21上に回転可能に組付
けた2個のドライブギヤ22,23間に位置して
いる。このクラツチハブ11においては第3図に
示すように、その外周に多数の外スプライン11
aを備えるとともに周方向の3箇所に等間隔を保
つて係合凹所11bを備えている。各係合凹所1
1bは第1図に示すように、クラツチハブ11の
外周における軸方向の中央部に形成されている。
なお、各ドライブキヤ22,23は変速ギヤ列を
構成するもので、図示しないアウトプツトシヤフ
ト上に一体回転可能に組付けた各ドリブンギヤに
噛合しており、それらの一側面に後述するギヤス
プライン部14が一体的に形成されている。
スリーブ12はその脚部内周に内スプライン1
2aを備え、クラツチハブ11の外周に設けた外
スプライン11aに噛合して軸方向へ摺動可能に
なつている。また、スリーブ12の筒部の左右両
側の内周がテーパコーン部12bに形成されてお
り、同コーン部12bは各ドライブギヤ22,2
3側へ漸次拡開している。このスリーブ12にお
いてはクラツチハブ11の係合凹所11bに対応
する3箇所の部位に、第1図に示すように軸方向
および径内側へ開口する溝部12cが形成されて
おり、また各係合凹所11bに対向して径方向に
延びる貫通孔12dが形成されている。
シンクロナイザリング13は第1図および第5
図に示すようにその外周がテーパコーン部13a
に形成されていて、その内周に3個の第1突起部
13bと3個の第2突起部13cとが周方向に等
間隔にて設けられている。第1突起部13bは後
述する移動規制手段の配設部位である。また、第
2突起部13cは第6図に示すように周方向に幅
が相違する幅広部13c1と幅狭部13c2とか
らなり、これら両部13c1と13c2間がチヤ
ンフア13c3に形成されている。シンクロナイ
ザリング13のテーパコーン部13aはスリーブ
12のテーパコーン部12bに対向して設けられ
ており、同スリーブ12の軸方向への摺動により
同コーン部12bと係脱する。このシンクロナイ
ザリング13においては第1図および第2図に示
すように、スリーブ12の脚部側に径内側へ開口
する環状溝13dが形成されている。環状溝13
dを構成しているスリーブ12脚部側(外側)の
起立壁の内周は、シンクロナイザリング13自体
の内周に比し大径に形成されている。
ギヤスプライン部14は第1図、第2図および
第4図に示すように各ドライブギヤ22,23の
一側面に一体的に形成された筒状のもので、第4
図および第6図に示すようにその外周には軸方向
に長尺の第1スプライン14aと短尺の第2スプ
ライン14bとが形成され、かつ周方向に3個の
凹溝14cが等間隔にて形成されている。第2の
スプライン14bは各凹溝14c間の周方向の3
箇所の中央部にて所定間隔を保つて一対づつ形成
されており、また第1スプライン14aは一方の
第2スプライン14bと凹溝14c間にて所定間
隔を保つて多数形成されている。なお、凹溝14
cの底部は軸方向に水平状に形成されている。第
2スプライン14b間の間隔L1は第1スプライ
ン14a間の間隔L2より大きく設定されている。
本実施例においては、間隔L1は第1スプライン
14aを1歯切欠いた間隔になつている。各スプ
ライン14a,14bの先端部にはチヤンフア1
4a1,14b1がそれぞれ形成されている。第
2スプライン14b間の間隔L1はシンクロナイ
ザリング13の第2突起部13cの幅狭部13c
2の幅L3より所定長大きく形成されており、ま
た同スプライン14bのチヤンフア14b1はそ
のチヤンフア角が第2突起部13のチヤンフア1
3c3と関連してボークに必要な角度に設定され
ていて、同突起部13cのチヤンフア13c3に
係脱可能になつている。
移動規制手段を構成する第1圧縮スプリング1
5aは、ギヤスプライン部14の各凹溝14cの
係合凹所14c1に対向してシンクロナイザリン
グ13の第1突起部13bに設けた各取付孔13
eに収容されている。また、ボール15bは各取
付孔13eの先端開口部に進退可能に組付けられ
ており、第1圧縮スプリング15aの作用により
その先端部が係合凹所14c1に弾撥的に係合
し、シンクロナイザリング13の軸方向の移動を
所定の力で規制している。この状態においては、
シンクロナイザリング13の第2突起部13cが
第6図(右側図示参照)に示すようにギヤスプラ
イン部14における一対の第2スプライン14b
間に位置し、同突起部13cの幅狭部13c2が
両第2スプライン14b間に延びている。これに
より、シンクロナイザリング13はギヤスプライ
ン部14に対して(L1−L3)に相当する分相対
回転可能であり、かつ最大限相対回転した状態に
おいては両者13,14における第2突起部13
cのチヤンフア13c3と第2スプライン14b
のチヤンフア14b1とが互いに係合する。(同
左側図示参照) 連結手段を構成する板バネ16aは第1図およ
び第3図に示すように屈曲して形成されていて、
クラツチハブ11の各係合凹所11bにそれぞれ
嵌合して配置され、スリーブ12の各貫通孔12
dに組付けた第2圧縮スプリング16bおよびピ
ン16cにより各係合凹所11bに弾撥的に嵌合
している。この状態において、板バネ16aの各
先端フツク部はシンクロナイザリング13の環状
溝13dの径内側の近傍に臨んでいる。
このように構成した同期噛合装置10において
は、その非作動時第1図および第2図に示す状態
にあり、図示しないシフト操作レバーの操作によ
りスリーブ12を図示左方へ摺動させるとインプ
ツトシヤフト21と第1ドライブギヤ22とが結
合して一体回転可能となり、またスリーブ12を
右方へ摺動させるとインプツトシヤフト21と第
2ドライブギヤ23とが結合して一体回転可能と
なる。
しかして、スリーブ12はその摺動時先づテー
パコーン部12bをシンクロナイザリング13の
テーパコーン部13aに当接させて、同リング1
3を各移動規制手段からの所定の規制力に抗して
第1ドライブギヤ22側へ軸方向に押圧する。こ
の際、上記規制力とギヤスプライン部14および
スリーブ12間の回転差とによりシンクロナイザ
リング13がギヤスプライン部14に対して最大
限相対回転し、両第2スプライン14bの中間に
位置するシンクロナイザリング13の第2突起部
13cが第6図(同左側図示参照)に示すように
第2スプライン14bの一方に当接する。この状
態は第2突起部13cのチヤンフア13c3と第
2スプライン14bのチヤンフア14b1とが係
合してボーク開始直前の状態であり、その後のス
リーブ12の軸方向への移動によりこれら両者1
3c,14b間にボーク作用が生じてスリーブ1
2およびシンクロナイザリング13のテーパコー
ン部12b,13aが係合して同期が完了する。
第7図は同期時の状態を示している。同時に、ス
リーブ12はシンクロナイザリング13を押圧し
て第1圧縮スプリング15aを径内方へ撓ませて
各ボール15bを凹所14c1から凹溝14c上
に乗上げさせ、シンクロナイザリング13をギヤ
22側へ移動させる。この結果、スリーブ12の
内スプライン12aはギヤスプライン部14の第
1スプライン14aに円滑に噛合し、インプツト
シヤフト21と第1ドライブギヤ22とを結合さ
せてシフトを完了する。当該同期噛合装置10の
シフト完了状態は第8図および第9図に示す通り
であり、またスリーブ12を図示右方へ摺動させ
た場合にも上記と同様にインプツトシヤフト21
と第2ドライブギヤ23とを結合させる。
この間、板バネ16aはスリーブ12と一体的
に移動するため先づ第7図に示すように同期時に
クラツチハブ11の係合凹所11bから外スプラ
イン11a上にわずかに乗上げ、その一方の先端
フツク部がシンクロナイザリング13の環状溝1
3dの開口部に対向し、スリーブ12のその後の
移動により板バネ16aが外スプライン11aに
乗上げると同時に先端フツク部は環状溝13dに
侵入する。これにより、シフト完了時点では第8
図に示す状態になる。
また、第8図および第9図に示す状態のインプ
ツトシヤフト21と第1ドライブギヤ22との結
合を解除するには、シフト操作レバーの操作によ
りスリーブ12を中立位置へ摺動させる。これに
より、スリーブ12はギヤスプライン部14から
外れるとともに、シンクロナイザリング13は板
バネ16aを介して伝達されるスリーブ12から
の引張力により同スリーブ12と一体的に移動し
て中立位置に復帰する。この結果、当該同期噛合
装置10は第1図および第2図に示すように非作
動状態に復帰し、ボール15bがギヤスプライン
部14の係合凹所14c1に係合するとともに板
バネ16aがクラツチハブ11の係合凹所11b
に嵌合してシンクロナイザリング13から離間す
る。
このように、本比較例においては、ギヤスプラ
イン部14とシンクロナイザリング13との結合
をギヤスプライン部14の係合凹所14c1と、
第1圧縮スプリング15aと、ボール15bとを
用いて行い、シフト操作時には同スプリング15
aを径方向へのみ撓ませる構成となつている。こ
のため、シンクロナイザリング13の軸方向への
規制力は環状スプリングの部品公差、組付けのバ
ラツキ等に影響されるようなことがなく、所定の
値に設定されて安定なものとなり、同スプリング
15aおよびボール15bによるシンクロナイザ
リング13に対す軸方向の規制力が変化するよう
なことはなく、シフト操作時のシフト荷重が長期
間安定したものとなる。しかも、ギヤスプライン
部14には径内外側に貫通する溝部等同スプライ
ン部14の強度低下および熱歪みの要因となるも
のが形成されていないため、これらの対策は全く
不要である。
また、本比較例においては、特に第6図に示す
ように、シンクロナイザリング13の第2突起部
13cとギヤスプライン部14の第2スプライン
14bとの協働作用にて同期させる構成となつて
いる。また、第2突起部13cは幅広部13c
1、幅狭部13c2およびこれら両者13c1,
13c2間のチヤンフア13c3により形成され
ており、かつ第2スプライン14bはスリーブ1
2と噛合する第1スプライン14aに比し所定長
短かく形成されている。このため、これら両者1
3,14は第2突起部13cの軸方向の中間に位
置するチヤンフア13c3と第2スプライン14
bの先端のチヤンフア14b1とがボーク時周方
向に対向するよう互いに重合して組付けられ、こ
の重合した分装置の軸方向の長さを短くすること
ができるとともに、第2突起部13cのチヤンフ
ア13c3には充分な剛性が確保される。また、
ボーク作用をギヤスプライン部14の短尺の第2
スプライン14bとシンクロナイザリング13の
第2突起部13cで行つているので、スリーブ1
2のスプライン12aをギヤスプライン部14の
長尺の第1スプライン14aにボーク後ただちに
噛合させることができる。なお、スリーブ12の
内スプライン12aに噛合するギヤスプライン部
14の第1スプライン14aは従来と同じ長さに
形成し得るので、スリーブ12に対する十分な噛
合長が確保される。
また、本比較例においては、インプツトシヤフ
ト21とギヤスプライン部14との結合時にシン
クロナイザリング13には中立位置側への押圧力
が作用しないためギヤ抜けが確実に防止されると
ともに、シンクロナイザリング13は板バネ16
aを介してスリーブ12と一体的に移動するため
中立位置へ確実にかつ円滑に復帰する。さらにま
た、本比較例においては、ボール15bをシンク
ロナイザリング13に設けた取付孔13eに組付
けているため、ボール15bの飛び出し防止がギ
ヤスプライン部14の凹溝14c上でなされ、ボ
ール15bの飛び出し防止手段を設けることによ
る装置の軸方向への増大は発生しない。また、シ
ンクロナイザリング13が軸方向へ移動する際の
ボール15bと凹溝14c間での摺動抵抗が小さ
く、凹溝14cに対する摩耗を抑制することがで
きる。
第10図には本考案の実施例に係る同期噛合装
置10Aが示されている。当該噛合装置10Aは
スリーブ12とシンクロナイザリング13との連
結手段を備えていない点で比較例の噛合装置10
と相違し、同連結手段に換えてギヤスプライン部
14Aの凹溝14cが所定角度傾斜して形成され
ている。凹溝14cの底部は、クラツチハブ11
からギヤスプライン部14Aの基端部に向かつて
軸方向に沿つて漸次拡開する傾斜状に形成されて
おり、シフト操作時スリーブ12の摺動とともに
圧縮スプリング15aが漸次圧縮され、漸次バネ
力が増大する。このバネ力は、スリーブ12の中
立位置への復帰時、シンクロナイザリング13を
中立位置へ復帰させる復帰力して作用し、このシ
ンクロナイザリング13の復帰時にはボール15
bは凹溝14cの底部を転動してシンクロナイザ
リング13を復帰させる。
なお、当該同期噛合装置10Aのその他の構成
は比較例の同期噛合操作10と同様であつて、同
装置10と同様の作用効果を奏するとともに、下
記のごとく特有の作用効果を奏するものである。
(1) 移動規制手段を構成する圧縮スプリング15
aはシフト操作時に漸次圧縮されてバネ力を増
大するが、このバネ力がシンクロナイザリング
13の中立位置への復帰力として利用すること
により、シンクロナイザリング13とスリーブ
12との連結手段等、シンクロナイザリングの
復帰手段を省略することができ、装置の構成が
簡単化される。
(2) シンクロナイザリング13の移動時ボール1
5bは凹溝14cの底部を転動して移動するた
め、圧縮スプリング15aのバネ力が増大して
ボール14bが大きなバネ力で押圧されても、
ボール15bの凹溝14cの底部に対する摩耗
が抑制され、長期にわたつて安定した同期力を
維持することができる。
なお、これらの実施例および比較例において
は、シンクロナイザリング13の各取付孔13e
の孔加工を容易にするため、取付孔13eを第1
1図に示すように傾斜して形成してもよい。ま
た、これら両実施例および比較例においては、ギ
ヤスプライン部14を各ドライブギヤ22,23
の一側に一体的に形成した例について示したが、
本考案においてはギヤスプライン部14の各スプ
ライン14a,14b等を備えたスプラインピー
スを各ギヤとは別体に形成し、同ピースを各ギヤ
の所定の部位に組付けてギヤスプライン部を形成
してもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の比較例に係る同期噛合装置に
おける第3図〜第5図の矢印−線方向の断面
図、第2図は同矢印−線方向の断面図、第3
図は同装置におけるクラツチハブおよびスリーブ
の正面図、第4図は同装置におけるギヤスプライ
ン部の正面図、第5図はシンクロナイザリングの
正面図、第6図はギヤスプライン部とシンクロナ
イザリングとの協働状態を説明する同スプライン
部の部分展開図、第7図は同装置のボーク開始直
前の第1図に対応する断面図、第8図は同装置の
シフト完了時の第1図に対応する断面図、第9図
は同第2図に対応する断面図、第10図は本考案
の実施例に係る噛合装置の第1図に対応する断面
図、第11は変形例を示すシンクロナイザリング
の部分断面図である。 符号の説明、10,10A……同期噛合装置、
11……クラツチハブ、11b……係合凹所、1
2……スリーブ、12b……テーパコーン部、1
3……シンクロナイザリング、13a……テーパ
コーン部、13c……突起部、14,14A……
ギヤスプライン部、14a,14b……スプライ
ン、14c1……係合凹所、15a……第1圧縮
スプリング、15b……ボール、16a……板バ
ネ、16b……第2圧縮スプリング、16c……
第2ピン、21……インプツトシヤフト、22,
23……ギヤ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 回転シヤフト上に回転可能に組付けたギヤの一
    側にて同シヤフト上にこれと一体回転可能に組付
    けたクラツチハブと、このクラツチハブの外周に
    一体回転可能かつ軸方向へ移動可能に組付けられ
    内周側にテーパコーン部を有するスリーブと、こ
    のスリーブと前記ギヤのギヤスプライン部間にて
    同スプライン部に所定量相対回転可能かつ軸方向
    へ移動可能に組付けられ外周側に前記スリーブの
    テーパコーン部に対向し同スリーブの軸方向の移
    動により同テーパコーン部と係脱するテーパコー
    ン部を有するシンクロナイザリングと、前記ギヤ
    スプライン部とシンクロナイザリング間に設けら
    れ同リングの軸方向への移動を所定の力で規制す
    る移動規制手段を備えた同期噛合装置において、
    前記ギヤスプライン部の外周に軸方向へ延びる凹
    溝を設けて同凹溝の底部を前記クラツチハブから
    遠ざかるにしたがい軸方向に沿つて漸次径方向外
    周側へ拡がる傾斜状に形成し、かつ前記移動規制
    手段を、前記ギヤスプライン部の前記凹溝の底部
    に設けた複数の係合凹所と、前記シンクロナイザ
    リングに設けた内周側に開口する複数の取付孔内
    に収容した圧縮スプリングと、前記各取付孔の開
    口端部に進退可能に組付けられた前記圧縮スプリ
    ングの作用にて先端部が前記係合凹所に弾撥的に
    係合するボール状転動体とにより構成したことを
    特徴とする同期噛合装置。
JP1986196633U 1986-12-16 1986-12-19 Expired - Lifetime JPH0540332Y2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1986196633U JPH0540332Y2 (ja) 1986-12-19 1986-12-19
US07/134,069 US4875566A (en) 1986-12-16 1987-12-16 Gear synchronizer mechanism
DE8787311073T DE3772535D1 (de) 1986-12-16 1987-12-16 Synchronisiermechanismus fuer zahnradgetriebe.
EP87311073A EP0272103B1 (en) 1986-12-16 1987-12-16 Gear synchronizer mechanism

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Publication Number Publication Date
JPS63101332U JPS63101332U (ja) 1988-07-01
JPH0540332Y2 true JPH0540332Y2 (ja) 1993-10-13

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58122029U (ja) * 1982-02-15 1983-08-19 ヤンマーディーゼル株式会社 同期噛合い装置

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JPS63101332U (ja) 1988-07-01

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