JPH0539153A - 記録紙搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録紙を搬送ローラと複数の押えローラとで
搬送する際のしわの発生を防止する。 【構成】 記録紙１１の幅方向に配置される複数の押え
ローラ２３のうち、記録紙の両端近傍に位置する押えロ
ーラ２３を記録紙１１の搬送方向Ａに対して外側に傾斜
するように構成し、搬送される記録紙１１に幅方向外方
の引っ張り力を作用させてしわの発生を防止する。記録
紙１１が往復動する場合には、その押えローラを、記録
紙の搬送方向の切り換えに連動して移動させ、常に記録
紙の搬送方向に対して外側に傾斜するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プロッタ、複写機等に
おいて幅の広い記録紙を搬送するために使用する記録紙
搬送装置に関し、特に、カッタユニット内で使用するの
に好適な記録紙搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、記録紙を搬送するための記録紙
搬送装置には、モータ等で駆動される搬送ローラと記録
紙をその搬送ローラに押し付ける押えローラが使用され
ている。この搬送ローラ及び押えローラには、記録紙の
幅よりも長い長さを有し記録紙の全幅を挟み付けて搬送
するものと、狭い幅のローラを複数個、記録紙の幅方向
に適当な間隔を開けて配置し、記録紙を部分的に挟み付
けて搬送するものがある。通常、これらの搬送ローラ及
び押えローラは、それぞれの軸線が記録紙の搬送方向に
対して直角となるように配置されているが、前者の形式
の搬送ローラ及び押えローラでは、特殊なケースとして
軸線を記録紙の搬送方向に対して傾斜させたものも知ら
れている（例えば、特開昭５６−１５９６６１号、特開
昭６３−１２７９４２号、特開平２−１６３７８２号公
報参照）。軸線を傾斜させた理由は記録紙の搬送方向の
調整を行うためである。

【０００３】本発明は、後者の形式の押えローラを備え
た記録紙搬送装置に関するものである。従来この種の装
置は、図８、図９に示すように、記録紙１の下に設けら
れている搬送ローラ（図示せず）と、その搬送ローラに
記録紙１を押し付けるための押えローラ４を保持した複
数のローラユニット３を備えている。このローラユニッ
ト３は、両端に押えローラ４を取り付けた押えローラ軸
５と、その押えローラ軸５を保持した支持部材６と、押
えローラ４を搬送ローラに押し付けるため押えローラ軸
５を下方に付勢するばね７等を備えており、各ローラユ
ニット３は、ローラユニット取付板８に、各押えローラ
４が記録紙１の搬送方向Ａに対して直角な１直線上に位
置するように固定されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図８、図９に
示す構成の搬送装置によって記録紙１を搬送した時、記
録紙によっては押えローラ４を通過した位置の記録紙に
しわを生じることがあるという問題があった。特に、こ
の搬送装置を、記録紙を縦方向、横方向に切断するため
のカッタユニット内における記録紙搬送用として使用し
た場合には、カッタで切断する位置の記録紙にしわが生
じ、このため切断された後のカットシートの形状が悪く
なるという問題を生じていた。

【０００５】本発明は、上述の問題点に鑑みて為された
もので、複数の押えローラを使用しながら、記録紙にし
わを生じさせることなく搬送可能な搬送装置を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため請求項１に記載の発明は、記録紙の幅方向に複数個
配置された押えローラのうち、記録紙の両端近傍に位置
する押えローラを記録紙の搬送方向に対して外側に傾斜
するように配置するという構成を備えたものである。

【０００７】また、請求項２に記載の発明は、記録紙の
幅方向に複数個配置された押えローラのうち、記録紙の
両端近傍に位置する押えローラを、記録紙が正方向に搬
送される場合にはその搬送方向に対して外側に傾斜した
位置に、記録紙が逆方向に搬送される場合にはその搬送
方向に対して外側に傾斜した位置に移動させる移動機構
を設けるという構成を備えたものである。

【０００８】

【作用】請求項１に記載の発明は上述の構成によって、
記録紙が搬送される時、記録紙の両端近傍に位置する押
えローラが記録紙の搬送方向に対して外側に傾斜してい
るので、その押えローラが記録紙に幅方向に広げる力を
与え、これによってしわの発生を防止できる。

【０００９】また、請求項２に記載の発明では、記録紙
が正方向、逆方向のいずれにも搬送可能であるが、その
記録紙の搬送方向に応じて、移動機構が両端の押えロー
ラを記録紙搬送方向に対して外側に傾斜する位置に移動
させることができ、このため記録紙が正逆いずれの方向
に搬送される場合でも、押えローラが記録紙に幅方向に
広げる力を与え、これによってしわの発生を防止でき
る。

【００１０】

【実施例】図４は本発明の記録紙搬送装置を用いた静電
記録装置を概略的に示す斜視図であり、１１は記録紙、
１２はその記録紙に静電潜像を形成する記録ヘッド、１
３はその静電潜像を可視像化する現像器、１４は上搬送
ローラ、１５は下搬送ローラ、１６は記録紙１１を所定
サイズに切断するカッタユニットである。このカッタユ
ニット１６は、図３に示すように、本発明の実施例によ
る記録紙搬送装置１７と、記録紙１１を幅方向に切断す
る横カット部１８と、記録紙１を縦方向に切断する縦カ
ット部１９と、排出ローラ２０等を有している。

【００１１】記録紙搬送装置１７は記録紙１１の下側に
位置して記録紙を搬送する搬送ローラ２２と、記録紙１
１を搬送ローラ２２に押し付ける押えローラ２３を備え
ている。図１、図２はこの押えローラ２３の配列を示す
ものであり、２４はローラユニットである。このローラ
ユニット２４は、両端に押えローラ２３を取り付けた押
えローラ軸２５と、その押えローラ軸２５を保持した支
持部材２６と、押えローラ２３を搬送ローラ２２に押し
付けるため押えローラ軸２５を下方に付勢するばね２７
等を備えている。各ローラユニット２４はローラユニッ
ト取付板２８に固定されている。ここで、記録紙１１の
中央に位置するローラユニット２４は直接ローラユニッ
ト取付板２８に固定され、押えローラ２３の中心軸線が
記録紙１１の搬送方向Ａに対して直角となり、押えロー
ラ２３が記録紙１１の搬送方向Ａを向いているが、記録
紙１１の両端近傍に位置するローラユニット２４は、く
さび状のスペーサ２９を介して取り付けられ、それぞれ
に保持している押えローラ２３が記録紙１１の搬送方向
Ａに対して外側に傾斜するようになっている。

【００１２】上記構成の静電記録装置では、記録紙１が
図４に矢印Ａで示す方向に搬送され、画像記録が行わ
れ、その後カッタユニット１６によって所定サイズに切
断されて排出される。このカッタユニット１６内におい
て、記録紙１は搬送ローラ２２と押えローラ２３によっ
て矢印Ａ方向に搬送されるが、その際、図１、図２に示
すように、両端に位置する押えローラ２３が搬送方向Ａ
に対して外側に傾斜しているので、通過する記録紙１１
には、記録紙を幅方向外方に引っ張る力が作用し、しわ
の発生を防止する。これにより、しわが発生せず、記録
紙１１は所定サイズに且つきれいな形状に切断される。

【００１３】図７は本発明の他の実施例による搬送装置
を用いたカラー静電記録装置を概略的に示す斜視図であ
り、１１は記録紙、１２はその記録紙に静電潜像を形成
する記録ヘッド、１３Ａはその静電潜像を可視像化する
現像器、１４は上搬送ローラ、１５は下搬送ローラ、１
６Ａは記録紙１１を所定サイズに切断するカッタユニッ
トである。ここで使用する現像器１３Ａは、回転体の周
囲にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色の現
像器を取り付けたものであり、所望の色の現像器を記録
紙１１に接触する現像位置に移動可能となっている。

【００１４】カッタユニット１６Ａは、図３に示すカッ
タユニット１６と同様な構成のものであるが、その押え
ローラ２３を保持したローラユニット２４の取り付け構
造が異なっている。図５、図６はローラユニット２４の
取付構造を示すものである。このローラユニット２４
も、両端に押えローラ２３を取り付けた押えローラ軸２
５と、その押えローラ軸２５を保持した支持部材２６
と、押えローラ２３を搬送ローラ２２に押し付けるため
押えローラ軸２５を下方に付勢するばね２７等を備えた
ものであり、記録紙１１の中央に位置するローラユニッ
ト２４はローラユニット取付板２８に直接固定され、そ
の押えローラが記録紙の搬送方向に向いているが、記録
紙１１の両端近傍に位置するローラユニット２４は、そ
の一端を支軸３０によって旋回可能に保持され、他端近
傍に押えローラ２３を移動させるための移動機構を構成
するソレノイド３１が連結されている。ここで、ソレノ
イド３１は、記録紙１１が図５に矢印Ａで示す正方向に
搬送される場合にはローラユニット２４を図５に示す位
置に、すなわちその押えローラ２３が記録紙１１の正方
向の搬送方向Ａに対して外側に傾斜した位置となる位置
に移動させ、また、記録紙１１が図６に矢印Ｂで示す逆
方向に搬送される場合にはローラユニット２４を図６に
示す位置に、すなわちその押えローラ２３が記録紙１１
の逆方向の搬送方向Ｂに対して外側に傾斜した位置とな
る位置に移動させるように構成されている。

【００１５】上記構成のカラー静電記録装置では、図７
において、まず、記録紙１１が矢印Ａで示す正方向に搬
送され、第１色目の画像記録が行われる。この際その記
録紙１１はカッタユニット１６Ａを単に通過して送り出
されている。第１色目の画像記録が終了すると、その記
録紙１１は矢印Ｂで示す逆方向に巻き戻され、次の画像
記録に備える。以下同様の動作が第２色目、第３色目、
第４色目について行われ、その後、記録紙１１はカッタ
ユニット１６Ａによって所定サイズに切断されて排出さ
れる。以上の動作中、記録紙１１はカッタユニット１６
Ａ内でも矢印Ａで示す正方向と矢印Ｂで示す逆方向に搬
送されるが、図５に示すように、正方向である搬送方向
Ａに搬送される際には、ソレノイド３１によって両端に
位置する押えローラ２３が搬送方向Ａに対して外側に傾
斜する位置に移動させられるので、通過する記録紙１１
に幅方向外方の引っ張り力を作用させ、しわの発生を防
止し、また、図６に示すように、逆方向である搬送方向
Ｂに搬送される際にも、ソレノイド３１によって両端に
位置する押えローラ２３が搬送方向Ｂに対して外側に傾
斜する位置に移動させられるので、通過する記録紙１１
に幅方向外方の引っ張り力を作用させ、しわの発生を防
止する。これにより、記録紙１１を正逆両方向に搬送し
ても、しわが発生せず、記録紙１１は所定サイズに且つ
きれいな形状に切断される。

【００１６】なお、上記実施例は本発明の記録紙搬送装
置をカッタユニット内に用いた場合を説明したが、本発
明はこの場合に限らず、任意の場所の記録紙搬送に適用
可能であることは言うまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１記載の発明は、記録紙の搬送に使用する複数の押えロ
ーラのうち、記録紙の両端近傍に位置する押えローラを
記録紙の搬送方向に対して外側に傾斜させて取り付けて
いるので、通過中の記録紙に対してその押えローラが幅
方向に広げる力を与えることができ、しわの発生を防止
できるという効果を有している。

【００１８】また、請求項２に記載の発明は、記録紙の
搬送に使用する複数の押えローラのうち、記録紙の両端
近傍に位置する押えローラを、記録紙が正方向に搬送さ
れる場合にはその搬送方向に対して外側に傾斜した位置
に、記録紙が逆方向に搬送される場合にはその搬送方向
に対して外側に傾斜した位置に移動させる移動機構を設
けているので、記録紙が正方向、逆方向のいずれに搬送
される場合でもその記録紙の搬送方向に応じて、移動機
構が両端の押えローラを記録紙搬送方向に対して外側に
傾斜する位置に移動させ、押えローラで記録紙に幅方向
に広げる力を与えることができ、しわの発生を防止でき
るという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による記録紙搬送装置の押え
ローラ配列を示す概略平面図

【図２】図１の概略斜視図

【図３】本発明の一実施例による記録紙搬送装置を備え
たカッタユニットの概略断面図

【図４】本発明の記録紙搬送装置を備えたカッタユニッ
トを有する静電記録装置を概略的に示す斜視図

【図５】本発明の他の実施例による記録紙搬送装置の押
えローラ配列を、記録紙を正方向に搬送する状態で示す
概略斜視図

【図６】図５に示す記録紙搬送装置の押えローラ配列
を、記録紙を逆方向に搬送する状態で示す概略斜視図

【図７】図５、図６に示す記録紙搬送装置を備えたカッ
タユニットを有するカラー静電記録装置を概略的に示す
斜視図

【図８】従来の記録紙搬送装置の押えローラ配列を示す
概略平面図

【図９】図８の概略斜視図

【符号の説明】

１１ 記録紙 １２ 記録ヘッド １３、１３Ａ 現像器 １４ 上搬送ローラ １５ 下搬送ローラ １６、１６Ａ カッタユニット １７ 記録紙搬送装置 ２２ 搬送ローラ ２３ 押えローラ ２４ ローラユニット ２５ 押えローラ軸 ２６ 支持部材 ２７ ばね ２８ ローラユニット取付板 ２９ スペーサ ３０ 支軸 ３１ ソレノイド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録紙を搬送する搬送ローラと、記録紙
   をその搬送ローラに押し付ける複数の押えローラとを有
   し、前記記録紙の両端近傍に位置する押えローラを記録
   紙の搬送方向に対して外側に傾斜するように配置したこ
   とを特徴とする記録紙搬送装置。
2. 【請求項２】 記録紙を往復方向に搬送する搬送ローラ
   と、記録紙をその搬送ローラに押し付ける複数の押えロ
   ーラと、前記記録紙の両端近傍に位置する押えローラを
   記録紙の搬送方向に対して外側に傾斜した位置に移動さ
   せる移動機構とを有することを特徴とする記録紙搬送装
   置。