JPH0538875A - 熱発色材料および感熱記録シート - Google Patents

熱発色材料および感熱記録シート

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JPH0538875A
JPH0538875A JP3195313A JP19531391A JPH0538875A JP H0538875 A JPH0538875 A JP H0538875A JP 3195313 A JP3195313 A JP 3195313A JP 19531391 A JP19531391 A JP 19531391A JP H0538875 A JPH0538875 A JP H0538875A
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章 金森
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順子 福田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 3−アセトキシインドール誘導体と有機塩基
化合物との混合物を発色材料とした感熱記録層を支持体
上に設けた感熱記録シート。 【効果】 3−アセトキシインドール誘導体と有機塩基
化合物との混合物は、静的及び動的発色濃度において非
常に優れた発色能力を有するので、画像保存性が高くか
つ熱応答性の良好な感熱記録シートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−アセトキシインド
ール誘導体と有機塩基化合物を用いた新規な熱発色材料
に関するものであり、またそれらの化合物を含有する感
熱記録シートに関するものである。さらに、詳細には発
色能力に優れた感熱記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子供与性染料と電子受容性顕色剤との
発色反応を利用した感熱記録材料は、例えば特公昭 44-
3680号公報に記載のスピロピラン化合物とフェノール類
化合物との組合わせ、特公昭45-14039号公報に記載のク
リスタルバイオレットラクトンとフェノール類化合物と
の組合わせ、特公昭 49-69号公報に記載のトリフェニル
メタン系・フルオラン系・オーラミン系・フェノチアジ
ン系などの無色染料とフェノール類化合物との組合わせ
が知られている。また特開昭49-95629号公報に記載のフ
ェノールフタレイン類またはフルオレッセイン類とグア
ニジン誘導体との組合わせも知られている。
【0003】上記感熱記録材料の組合わせによる感熱記
録シートはファクシミリ用紙・ラベル用紙・プリンター
用紙・チャート用紙・自動券売機用紙などの形態で上市
されており、印字スピードの向上・メンテナンスの容易
さ・低コストなどの利点があり、大幅な成長を遂げてい
る分野である。しかし、記録装置の多様化・高性能化に
伴い、感熱記録シートに対する品質要求もより高度なも
のになってきている。また従来より、発色画像が油もし
くはエチルアルコールなどの低級アルコールで消失した
り、太陽光に含まれる紫外線により消失する欠点があ
り、更には感熱記録シートの白紙部が塩素系有機溶剤な
どで容易に発色し、発色画像を不鮮明もしくは全く読取
不能にするなどの欠点も合わせて持っていた。
【0004】これらの欠点を改良すべく多くの研究がな
されている。その中には特開昭 59-115887号公報に芳香
族イソシアネート化合物とイミノ化合物との組合わせに
よる感熱記録材料が提案されているが、動的発色スピー
ドが遅いなどの欠点がある。また特開昭 63-182185号公
報にサリチル酸誘導体などの感熱記録材料が提案されて
いるが、これは画像保存性は改良されているが発色能力
に問題があった。又、特公昭 55-6519号公報にインジゴ
類またはチオインジゴ類のロイコアシルエステルとグア
ニジン誘導体との組合わせを感熱発色材料とする感熱記
録シートが提案されているが、これも発色能力に問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭 55-6519号公報
に記載のインジゴ類またはチオインジゴ類の前駆体であ
るインジゴ類またはチオインジゴ類のロイコアシルエス
テルとグアニジン誘導体とを組合わせた感熱記録シート
は、上記感熱記録材料が従来から持っていた発色画像が
紫外線や油などで消退色が著しくなることや、保存中の
該シートに溶剤などが付着することにより判読不能にな
ったりする欠点を改善できることは見出だされていた。
しかし、インジゴ類またはチオインジゴ類のロイコアシ
ルエステルの融点が高く、グアニジン誘導体との反応が
効率的に進行しないため発色能力が実用的でないという
欠点を抱えていた。
【0006】本発明の課題は、発色能力と保存性に優れ
た熱発色材料及び感熱記録シートを提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を進めた結果、3−アセトキシイン
ドール誘導体と有機塩基化合物との混合物は、加熱する
ことにより直ちにインジゴ及びインジゴ誘導体を形成
し、鮮明に発色する熱発色材料となることを見出した。
さらに3−アセトキシインドール誘導体は融点がインジ
ゴ類のロイコアシルエステルに対してかなり低いため、
本発明の熱発色材料を紙・合成紙・フィルム・プラスチ
ック等の支持体の塗層中に含有させることにより、非常
に優れた発色能力を有する感熱記録シートを開発するこ
とが出来、本発明を完成した。
【0008】本発明に使用される3−アセトキシインド
ール誘導体としては次の一般式[I]
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基およびアルコキシ基、R2 ・R3 ・R4 ・R5 は水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基およびアルコキシ基、
トリフルオロメチル基、またはハロゲン原子を表わす)
で表されるものであり、具体的には、3−アセトキシイ
ンドール、または3−アセトキシ−4−メチルインドー
ル、3−アセトキシ−5−メチルインドール、3−アセ
トキシ−6−メチルインドール、3−アセトキシ−7−
メチルインドール、3−アセトキシ−5−エチルインド
ール、3−アセトキシ−5−ノルマルプロピルインドー
ル、3−アセトキシ−5−イソプロピルインドール、3
−アセトキシ−5−ノルマルブチルインドール、3−ア
セトキシ−5−イソブチルインドール、3−アセトキシ
−5−セカンダリーブチルインドール、3−アセトキシ
−5−ターシャリーブチルインドール、3−アセトキシ
−4,5−ジメチルインドール、3−アセトキシ−4,
6−ジメチルインドール、3−アセトキシ−4,7−ジ
メチルインドール、3−アセトキシ−5,6−ジメチル
インドール、3−アセトキシ−5,7−ジメチルインド
ール、3−アセトキシ−6,7−ジメチルインドールな
どの3−アセトキシインドールのアルキル置換体、3−
アセトキシ−4−フルオロインドール、3−アセトキシ
−5−フルオロインドール、3−アセトキシ−6−フル
オロインドール、3−アセトキシ−7−フルオロインド
ール、3−アセトキシ−4−クロロインドール、3−ア
セトキシ−5−クロロインドール、3−アセトキシ−6
−クロロインドール、3−アセトキシ−7−クロロイン
ドール、3−アセトキシ−4−ブロモインドール、3−
アセトキシ−5−ブロモインドール、3−アセトキシ−
6−ブロモインドール、3−アセトキシ−7−ブロモイ
ンドール、3−アセトキシ−4−ヨードインドール、3
−アセトキシ−5−ヨードインドール、3−アセトキシ
−6−ヨードインドール、3−アセトキシ−7−ヨード
インドールなどの3−アセトキシインドールのモノハロ
ゲン置換体、3−アセトキシ−4,5−ジクロロインド
ール、3−アセトキシ−4,6−ジクロロインドール、
3−アセトキシ−4,7−ジクロロインドール、3−ア
セトキシ−5,6−ジクロロインドール、3−アセトキ
シ−5,7−ジクロロインドール、3−アセトキシ−
6,7−ジクロロインドール、3−アセトキシ−4,5
−ジブロモインドール、3−アセトキシ−4,6−ジブ
ロモインドール、3−アセトキシ−4,7−ジブロモイ
ンドール、3−アセトキシ−5,6−ジブロモインドー
ル、3−アセトキシ−5,7−ジブロモインドール、3
−アセトキシ−6,7−ジブロモインドール、3−アセ
トキシ−4,5−ジヨードインドール、3−アセトキシ
−4,6−ジヨードインドール、3−アセトキシ−4,
7−ジヨードインドール、3−アセトキシ−5,6−ジ
ヨードインドール、3−アセトキシ−5,7−ジヨード
インドール、3−アセトキシ−6,7−ジヨードインド
ール、3−アセトキシ−4−クロロ−5−ブロモインド
ール、3−アセトキシ−5−ブロモ−6−クロロインド
ール、3−アセトキシ−5−ブロモ−7−クロロインド
ール、3−アセトキシ−5−ヨード−6−クロロインド
ール、3−アセトキシ−4−クロロ−5−ブロモ−7−
メトキシインドール、3−アセトキシ−4−クロロ−5
−ブロモ−7−メチルインドールなどの3−アセトキシ
インドールのジハロゲン置換体、3−アセトキシ−4,
5,6−トリクロロインドール、3−アセトキシ−4,
5,7−トリクロロインドール、3−アセトキシ−4,
6,7−トリクロロインドール、3−アセトキシ−5,
6,7−トリクロロインドール、3−アセトキシ−4,
5,6−トリブロモインドール、3−アセトキシ−4,
5,7−トリブロモインドール、3−アセトキシ−4,
6,7−トリブロモインドール、3−アセトキシ−5,
6,7−トリブロモインドールなどの3−アセトキシイ
ンドールのトリハロゲン置換体、3−アセトキシ−4,
5,6,7−テトラクロロインドール、3−アセトキシ
−4,5,6,7−テトラブロモインドールなどの3−
アセトキシインドールのテトラハロゲン置換体、3−ア
セトキシ−4−トリフルオロメチルインドール、3−ア
セトキシ−5−トリフルオロメチルインドール、3−ア
セトキシ−6−トリフルオロメチルインドール、3−ア
セトキシ−7−トリフルオロメチルインドールなどの3
−アセトキシインドールのトリフルオロメチル置換体、
1−メチル−3−アセトキシインドール、1−エチル−
3−アセトキシインドール、1−ノルマルプロピル−3
−アセトキシインドール、1−イソプロピル−3−アセ
トキシインドール、1−ノルマルブチル−3−アセトキ
シインドール、1−イソブチル−3−アセトキシインド
ール、1−セカンダリーブチル−3−アセトキシインド
ール、1−ターシャリーブチル−3−アセトキシインド
ール、1−ノルマルペンチル−3−アセトキシインドー
ル、1−イソペンチル−3−アセトキシインドール、1
−ネオペンチル−3−アセトキシインドール、1−ター
シャリーペンチル−3−アセトキシインドール、1−
(1−メチルブチル)−3−アセトキシインドール、1
−(2−メチルブチル)−3−アセトキシインドール、
1−(1,2−ジメチルプロピル)−3−アセトキシイ
ンドール、1−(1−エチルプロピル)−3−アセトキ
シインドール、1,4−ジメチル−3−アセトキシイン
ドール、1,5−ジメチル−3−アセトキシインドー
ル、1,6−ジメチル−3−アセトキシインドール、
1,7−ジメチル−3−アセトキシインドールなどの3
−アセトキシインドールのN−アルキル置換体、1−メ
トキシ−3−アセトキシインドールなどの3−アセトキ
シインドールのN−アルコキシ置換体、1−メチル−3
−アセトキシ−4−クロロインドール、1−メチル−3
−アセトキシ−5−クロロインドール、1−メチル−3
−アセトキシ−6−クロロインドール、1−メチル−3
−アセトキシ−7−クロロインドール、1−メチル−3
−アセトキシ−4,5−ジクロロインドール、1−メチ
ル−3−アセトキシ−4,6−ジクロロインドール、1
−メチル−3−アセトキシ−4,7−ジクロロインドー
ル、1−メチル−3−アセトキシ−5,6−ジクロロイ
ンドール、1−メチル−3−アセトキシ−5,7−ジク
ロロインドール、1−メチル−3−アセトキシ−6,7
−ジクロロインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
4−ブロモインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
5−ブロモインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
6−ブロモインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
7−ブロモインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
4−ヨードインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
5−ヨードインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
6−ヨードインドール、1−メチル−3−アセトキシ−
7−ヨードインドールなどのN−アルキル−3−アセト
キシインドールのハロゲン置換体の様な化合物が示され
る。
【0011】本発明に使用する有機塩基化合物として
は、常温で固体であり、加熱により3−アセトキシイン
ドール誘導体を発色せしめるもので、例えば1−o−ト
リルビグアニド、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−
o−トリルグアニジン、ジ(o−メトキシフェニル)グ
アニジン、ジ(o−エチルフェニル)グアニジン、ジ
(o−メトキシカルボニルフェニル)グアニジン、ジ−
p−トリルグアニジン、ジ(p−メトキシカルボニルフ
ェニル)グアニジン、1,3−ジフェニル−2−メチル
グアニジン、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルグ
アニジン、1,3−ジベンジルグアニジン、ジ(2,3
−ジメチルフェニル)グアニジン、ジ(2,6−ジメチ
ルフェニル)グアニジン、ジ(3,4−ジメチルフェニ
ル)グアニジン、1,2,3−トリトリルグアニジン、
1−フェニル−3−o−トリルグアニジン、ジカテコー
ルボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジ
ン類化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール・シクロ
ヘキシルアミン塩などのチアゾール類化合物、ジフェニ
ルアミン、p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノ
ール、p−アミノジフェニルアミン等の芳香族アミン類
化合物、ステアリルアミン、ジステアリルアミン等の脂
肪族アミン類化合物の1種または2種以上が用いられ
る。
【0012】本発明の熱発色材料は、上記3−アセトキ
シインドールと有機塩基化合物を必須成分とし、これを
微粒化して媒体中に分散混合し、使用目的に応じ結合
剤、感度調節剤等を添加して作成する。この熱発色材料
は感熱記録シートへ好ましく適用することができるの
で、以下感熱記録シートを作成する場合について述べ
る。即ち、本発明の感熱記録シートは、感熱発色材料と
して3−アセトキシインドール誘導体とそれらを発色せ
しめる有機塩基化合物を用いるが、この両者をそれぞれ
別個に結合剤を含む水または石油系の媒体に微粒子状に
磨砕分散したのち、両者の分散液を混合して紙、フィル
ムなどの支持体に塗布するか、あるいは両者が混合した
状態で、結合剤を含む水または石油系の媒体中に微細粒
子状に分散した分散液を支持体に塗布することによって
製造するものである。なおその際、塗料適性や製品の品
質・性能を改善する目的で結合剤・充填剤・増感剤・滑
剤・離型剤などを必要に応じて適宜添加使用することは
勿論可能である。この2成分系感熱記録シートは、発色
層中に微粒子状に分散している発色材料のうち1成分あ
るいは両成分が加熱により溶融して互いに接触し、熱反
応を起こして発色するものである。
【0013】また、更に低温度で発色させる場合には発
色感度向上のために増感剤として、例えば、ステアリン
酸アミド、パルミチン酸アミド、エチレンビスアマイド
等の脂肪酸アミド、モンタン系ワックス、ポリエチレン
ワックス、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキ
シ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、p
−ベンジルビフェニル、フェニル−α−ナフチルカーボ
ネート、β−(ベンジルオキシ)ナフタレン、β−(ベ
ンジルカルボニルオキシ)ナフタレン、4−ジエトキシ
ナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
エステル、1、2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、ビス[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]エ
ーテル、ジベンジル−4、4´−エチレンジオキシジベ
ンゾエート、m−ターフェニル、シュウ酸ジ(p−メチ
ルベンジル)、4−ビフェニル−p−トリルエーテル等
を添加することもできる。
【0014】本発明では以上述べた二つの成分、すなわ
ち3−アセトキシインドール誘導体と有機塩基化合物を
分散させて支持体シート上に塗布するため各成分を結合
させる結合剤が必要になる。この結合剤は一般に知られ
ている水溶性樹脂が用いられ、具体的には、完全ケン化
ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変
性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルア
ルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その
他の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エ
チルセルロース、アセチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ
ース、でんぷん、ゼラチン、カゼイン、スチレン−無水
マレイン酸共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルブチラール、ポリスチロールおよびそれらの
共重合物などが挙げられる。また、本発明の感熱材料を
グラビア印刷、フレキソ印刷などの印刷機を用いて塗布
する場合には溶剤系の樹脂、例えばテルペン樹脂、石油
樹脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、ケトン樹脂、ク
マロン樹脂、環状ゴムなどを結合剤として用いた非水溶
液系の塗料にすることも可能である。
【0015】本発明で使用する填料としては、炭酸カル
シウム、シリカ、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ
土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無
機または有機充填剤などが挙げられる。
【0016】この他に脂肪酸金属塩などの剥離剤、ワッ
クス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系
の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散
剤、消泡剤などを使用することができる。本発明の感熱
記録シートに使用する3−インドリルアセテート誘導
体、有機塩基化合物、増感剤、その他の各種成分の種類
及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され
る。これは特に限定されるものではないが、通常3−ア
セトキシインドール誘導体1部に対して、有機塩基化合
物0.1〜10部、増感剤0.1〜10部、充填剤1〜
20部を使用し、結合剤は全固形分中10〜30%が適
当である。
【0017】上記組成から成る塗液を紙、合成紙、フィ
ルム、プラスチック等任意の支持体の片面に塗布量5〜
20 g/m2 になるように塗布することにより目的とする
感熱記録シートが得られる。
【0018】さらに、保存性を高めるために高分子物質
等のオーバーコート層を感熱発色層上に設けることも可
能である。また、発色感度を高めるために填料を含有し
た高分子物質等のアンダーコート層を感熱発色層下に設
けることも可能である。
【0019】
【作用】本発明の熱発色材料の発色機構は明らかではな
いが、3−アセトキシインドール誘導体と有機塩基化合
物を共に加熱することにより、脱アシル反応、ケト−エ
ノール転移反応を経て、酸化的2分子カップリング反応
によりインジゴ誘導体が生成するものと思われる。この
反応は不可逆反応であるため、一度発色した画像は油・
水・有機溶媒・光・熱による逆反応により消色すること
がない。またここで生成したインジゴ誘導体は油・水・
有機溶媒・光に対して非常に安定でありしかも溶解度が
極めて小さいため、この点でも発色画像が油・水・有機
溶媒・光により消色することがない。また3−アセトキ
シインドール誘導体は室温では安定であるため、発色感
度の径時劣化もない。
【0020】又、従来の発色材料の組合わせにより塗料
を調整する際、各材料の微粒子化混合などの工程におい
て2成分の発色材料が相互に接触することによって部分
的に発色反応を起し塗料が着色することが多いために、
両者を別々に処理保管し、塗工の直前に混合するなどの
細かい配慮が必要であったが、本発明の発色材料の組合
わせにおいては、両者が混合などにより接触しても加熱
されない状態では全く発色反応を示さず塗料の着色がな
かった。これは微粒化のための磨砕工程で両者を混合処
理することが可能であることを示し、このことは塗料調
製工程を単純化でき、操業上非常に大きな利点がある。
また両者をそれぞれ溶剤に溶解して混合しても殆ど発色
せず、溶剤を揮発させたのちに加熱することによっては
じめて発色する。
【0021】従来の感熱記録シートは塗工および乾燥工
程において地肌着色を起したり、引っ掻き圧力や摩擦に
より発色汚染を生じやすい欠点があったが、本発明によ
る製品は地肌着色および引っ掻き摩擦による発色汚染が
殆ど認められなかった。
【0022】特に、特公昭 55-6519号公報に記載のイン
ジゴ類またはチオインジゴ類のロイコアシルエステルと
グアニジン誘導体とを組合わせた感熱記録シートは、イ
ンジゴ類またはチオインジゴ類のロイコアシルエステル
の融点が極めて高いため発色能力が劣っているのに対
し、本発明で使用している3−アセトキシインドール誘
導体は融点が低く、低エネルギーで速やかに有機塩基化
合物と反応し発色するため、発色能力が極めて高い感熱
記録シートを得ることができる。
【0023】
【実施例】次に本発明をさらに具体的に説明するために
実施例を述べるが、本発明はこれらの実施例によって何
ら限定されるものではない。以下、部および%は重量部
及び重量%を表す。
【0024】[実施例1](示温材料の製造) 3−アセトキシインドール 1部 ジ−o−トリルグアニジン 2部 ステアリルアルコール 10部 を均一に混合する。このようにして得られた組成物をガ
ラス製キャピラリーに入れ、これを100℃に加温した
オイルバス中に入れると、すみやかに濃青色に発色し
た。 [実施例2] A液 3−アセトキシインドール 10.0部 30%ポリビニルアルコール水溶液 5.6部 水 62.6部 B液 ジ−o−トリルグアニジン 14.0部 30%ポリビニルアルコール水溶液 6.7部 水 59.7部 上記A液及びB液をそれぞれ別々にアトライターを用い
て3時間磨砕分散した。次いで、下記の割合で分散液を
混合して塗液とした。 A液(3−アセトキシインドール分散液) 5.3部 B液(グアニジン分散液) 5.6部 炭酸カルシウム(28%分散液) 12.8部 上記塗液を66 g/m2 の基紙の片面に塗布量8.0 g/m
2 になるように塗布乾燥し、このシートをスーパーカレ
ンダーで処理して感熱記録シートを得た。 [実施例3]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりに3−アセトキシ−5−メチル−イ
ンドールを使用して実施例2と同様の実験を行なった。 [実施例4]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりに3−アセトキシ−5−クロロ−イ
ンドールを使用して実施例2と同様の実験を行なった。 [実施例5]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりに3−アセトキシ−5−ブロモ−イ
ンドールを使用して実施例2と同様の実験を行なった。 [実施例6]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりに3−アセトキシ−5,7−ジクロ
ロ−インドールを使用して実施例2と同様の実験を行な
った。 [実施例7]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりに1−メチル−3−アセトキシイン
ドールを使用して実施例2と同様の実験を行なった。 [実施例8]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりに1−メチル−3−アセトキシ−6
−ブロモインドールを使用して実施例2と同様の実験を
行なった。 [実施例9]実施例2のB液で使用したジ−o−トリル
グアニジンの代わりにジ(o−メトキシフェニル)グア
ニジンを使用して実施例2と同様の実験を行なった。 [実施例10]実施例2のA液で使用した3−アセトキ
シインドールの代わりに3−アセトキシ−5−クロロ−
インドールを使用し、B液で使用したジ−o−トリルグ
アニジンの代わりにジフェニルアミンを使用して実施例
2と同様の実験を行なった。 [実施例11]実施例2のA液で使用した3−アセトキ
シインドールの代わりに3−アセトキシ−5,7−ジク
ロロ−インドールを使用し、B液で使用したジ−o−ト
リルグアニジンの代わりにステアリルアミンを使用して
実施例2と同様の実験を行なった。
【0025】[比較例1]実施例2でB液を使用しない
以外はすべて実施例2と同様にして実験を行なったとこ
ろ、まったく発色しなかった。このことより、B液で使
用している有機塩基化合物は本発明にとっては必要不可
欠なものであることがわかる。 [比較例2]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりにO,O´−ジアセチルインジゴホ
ワイトを使用して実施例2と同様の実験を行なった。 [比較例3]実施例2のA液で使用した3−アセトキシ
インドールの代わりにクリスタルバイオレットラクトン
を、B液で使用したo−トリルグアニジンの代わりにビ
スフェノールAを使用して実施例2と同様の実験を行な
った。
【0026】上記実施例及び比較例で得られた感熱記録
シートについて、下記の品質性能試験を行ない、結果を
[表1]に示した。 静的発色濃度:感熱記録シートを100℃の熱板に3秒
間押しつけて発色した部分の画像濃度をマクベス濃度計
(RD−914、アンバーフィルター使用。以下同じ)
で測定する。 動的発色濃度:東京芝浦電気製−感熱ファクシミリKB
−4800を使用し、印加電圧 18.03V、パルス幅 3.2
ミリ秒で記録した画像濃度をマクベス濃度計で測定す
る。 画像保存性 :東京芝浦電気製−感熱ファクシミリKB
−4800を使用し、印加電圧 18.03V、パルス幅 3.2
ミリ秒で記録した感熱記録シートをサラダオイルに24
時間漬け、発色濃度の低下を肉眼で観察する。 評価方法 ○ 発色画像はほとんど変化しない × 発色画像は消失する
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の3−アセトキシインドール誘導
体とそれらを発色せしめる有機塩基化合物を含有するこ
とを特徴とする感熱記録シートは、画像保存性が良好で
あり、しかも静的発色濃度および動的発色濃度において
非常に優れた発色能力を有している。これにより高保存
性を有し、かつ熱応答性に優れた感熱記録シートを得る
ことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 浩彬 東京都北区王子5丁目21番1号 十條製紙 株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩基化合物と、その有機塩基化合物
    と共に加熱することにより発色像を形成する下記一般式
    [I] 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基およびアル
    コキシ基、R2 ・R3 ・R4 ・R5 は水素原子、炭素数
    1〜4のアルキル基およびアルコキシ基、トリフルオロ
    メチル基、またはハロゲン原子を表わす)で表される3
    −アセトキシインドール誘導体とを用いることを特徴と
    する熱発色材料。
  2. 【請求項2】 支持体に感熱発色層を設けた感熱記録シ
    ートにおいて、感熱発色層中の感熱発色材料が請求項1
    に記載の熱発色材料を含有することを特徴とする感熱記
    録シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06155917A (ja) * 1992-11-25 1994-06-03 Fuji Photo Film Co Ltd 感熱発色体
EP0843993A2 (de) * 1996-11-20 1998-05-27 Wella Aktiengesellschaft Mittel und Verfahren zum Färben keratinischer Fasern
EP0843994A2 (de) * 1996-11-20 1998-05-27 Wella Aktiengesellschaft Mittel und Verfahren zum Färben keratinischer Fasern

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JPH06155917A (ja) * 1992-11-25 1994-06-03 Fuji Photo Film Co Ltd 感熱発色体
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EP0843994A2 (de) * 1996-11-20 1998-05-27 Wella Aktiengesellschaft Mittel und Verfahren zum Färben keratinischer Fasern
EP0843994A3 (de) * 1996-11-20 2000-01-12 Wella Aktiengesellschaft Mittel und Verfahren zum Färben keratinischer Fasern
EP0843993A3 (de) * 1996-11-20 2000-08-02 Wella Aktiengesellschaft Mittel und Verfahren zum Färben keratinischer Fasern

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