JPH0535736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は主にバンタイプの自動車のリアシート
等のシートバツクのサイドロツク装置に関する。

（従来の技術） 従来この種のシートバツクのサイドロツク装置
としては、例えば実開昭61−62636号公報に示さ
れているようなものがある。これは車室側部にロ
ツク穴を有したストライカを固定する一方、シー
トバツク側部にガイドスリーブを介してロツクピ
ンを前記ストライカに対向して出没可能に設け、
且つこのロツクピンをロツク穴に突出嵌合させる
べく常時突出する方向に附勢する圧縮コイルばね
を設けると共に、ロツクピンの尾部に一端を連結
して引張りワイヤをシートバツク上部に導出し、
その導出端にロツク解除用操作ノブを設けた構成
で、ロツクピンがロツク穴に嵌合したロツク状態
から、操作ノブを操作することで引張りワイヤを
介して該ロツクピンがロツク穴から後退して、シ
ートバツクのロツク解除ができるようになつてい
る。なお前記ワイヤの代わりにリンク機構などを
用いたものもある。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、前述した従来のシートバツクのサイ
ドロツク装置では、ロツクピンを附勢する圧縮コ
イルばねと、このばねに抗してロツクピンを後退
させるための引張りワイヤ或いはリンク機構と、
操作ノブとが備えられているので、部品点数が多
く、構成が複雑で製作・組立が面倒でコスト高を
招く問題があつた。

本考案は前記事情に鑑みなされ、部品点数の削
減による製作・組立の簡易さ並びにコストダウン
が図れるシートバツクのサイドロツク装置を提供
することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題を解決するための手段） 本考案は、前記目的を達成すべく、シートバツ
クの側部にロツクピンを出没可能に設けると共
に、このロツクピンが突出嵌合することでシート
バツクを所定角度位置に保持するロツク穴を車室
側部に設けたシートバツクのサイドロツク装置に
おいて、前記ロツクピンの尾部に略直交する状態
で係合して一本の線ばねを設けると共に、この線
ばねがロツクピンを突出する方向に常時附勢する
状態に該線ばねの一端側部を前記シートバツクの
フレームに固定し、且つその線ばねの他端側自由
端部をシートバツクの裏面に長孔を介して延出
し、この延出端にロツク解除用操作ノブを設けて
構成したことを特徴とする。

（作用） 上記構成により、ロツクピンが線ばねにより附
勢されてシートバツクの側部に突出してロツク穴
に嵌合し、これでシートバツクを所定角度位置に
ロツク保持するようになり、このロツク状態から
操作ノブを操作することで、前記線ばねによりロ
ツクピンがロツク穴から後退してロツク解除状態
となる。つまりは一本の線ばねが従来の圧縮コイ
ルばねと引張りワイヤ或いはリンク機構とを兼用
して、それだけ部品点数が少なくなつて構成の削
減が図れる非常に簡易な構造となる。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面に従い説明する。
まず第３図において、図中１はバンタイプ自動車
の後部座席に設置されたリアシートで、２はその
シートクツシヨン、３はシートクツシヨン２の後
端上部にヒンジ（図示せず）を介して前後に回動
可能に設けられたシートバツクである。このシー
トバツク３の両側部（片側図示省略）にロツクピ
ン４が出没可能に設けられている。一方このロツ
クピン４と対向する車体の車室側部（ホイールハ
ウス）５に受け部材６が固設されている。この受
け部材６はシートバツク３の前後回動に伴うロツ
クピン４の移動軌跡に沿つて円弧状に彎曲した帯
板状のもので、この長手方向に間隔を存して複数
のロツク穴７が形成されて、これらに前記ロツク
ピン４が選択的に突出嵌合することでシートバツ
ク３を所定角度位置に保持できるようになつてい
る。

ここで、前記ロツクピン４は第１図に示す如く
シートバツク３のフレーム８のサイドブラケツト
８ａに固着したガイドスリーブ９に貫挿して設け
られている。つまりシートバツク３のフレーム８
は第２図に示す如く成形型材よりなる左右一対サ
イドブラケツト８ａと、この裏面側に固着された
シートバツク背面全体をバツクプレート８ｂとか
らなり、その左右のサイドブラケツト８ａの途中
凹部に円筒状のガイドスリーブ９が貫通して溶接
等により固着され、これにロツクピン４が第１図
に示す如く出没可能に貫挿して設けられている。
なおこのロツクピン４は先端から基端寄り部まで
に亘つて合成樹脂製のサイレンサーカバー４ａが
被せられた状態で前記ガイドスリーブ９に貫挿さ
れている。

こうしたロツクピン４の基端部である尾部にこ
の軸線に対し直交して係合穴１０が形成されてい
る。そしてこの係合穴１０に遊嵌することで該ロ
ツクピン４に直交する状態で上下に貫くように一
本の線ばね１１が設けられている。この線ばね１
１は下端側がクランク形状に折曲されて、その下
端側折曲部１１ａが前記フレーム８のバツクプレ
ート８ｂの下部に形成したポケツト状の受部１２
に嵌合され、更にその下端延出端部１１ｂがバツ
クプレート８ｂ下部の盛上がり部１３を貫通して
固定され、これで該線ばね１１が弾性的にたわむ
以外は回り止めされた状態となつて、ロツクピン
４を突出する方向に常時附勢するようになつてい
る。

またその線ばね１１の上端側自由端部１１ｃは
裏面方に向けて折曲されて、フレーム８のバツク
プレート８ｂに形成した円弧状の長孔１４を介し
てシートバツク３裏面側に延出され、この延出端
にロツク解除用操作ノブ１５が取付けられて、こ
の操作ノブ１５を指で矢印の方向に押し動かすこ
とで、線ばね１１が弾性変形して想像線のように
移動してロツクピン４を後退せしめるようになつ
ている。

而して、前述した構成であれば、ロツクピン４
が線ばね１１により附勢されてシートバツク３の
側部に突出して複数のロツク穴７のうちの一つに
嵌合し、これでシートバツク３を所定角度位置に
ロツク保持する。このロツク状態からシートバツ
ク３背面のラゲージルーム側より操作ノブ１５を
指で矢印の方向に押し動かすことで、線ばね１１
が弾性変形して想像線のように移動し、これでロ
ツクピン４が後退してロツク穴７から離脱してロ
ツク解除状態となる。この状態でシートバツク３
は回動可能で前後に倒すことができるようにな
る。またシートバツク３を起立状態に復帰させる
場合には、前記同様に操作ノブ１５を押した状態
でシートバツク３を所望角度位置まで起立させ、
そこで該操作ノブ１５を放せば、線ばね１１が自
己弾性力により自動的に復帰して、ロツクピン４
を突出させてロツク穴７に嵌合させてロツク状態
となる。

つまりは一本の線ばね１１がロツクピン４を突
出せしめる附勢作用と、操作ノブ１５の操作に連
動してロツクピン４を後退させる作用をなし、従
来の圧縮コイルばねと引張りワイヤ或いはリンク
機構とが不要となり、それだけ部品点数が少なく
なつて構成の削減が図れる非常に簡易な構造とな
る。

〔考案の効果〕

本考案は前述した如くなしたから、従来の圧縮
コイルばねと引張りワイヤ或いはリンク機構とを
一本の線ばねで兼用したので、部品点数の削減が
できて、製作・組立の簡易さ並びにコストダウン
が図れるシートバツクのサイドロツク装置とな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は要部の斜視図、第２図はシートバツクのフレー
ムの概略的斜視図、第３図はリアシートを車室内
の設置した状態の斜視図、第４図はシートバツク
の背面側から見た斜視図である。 １……リアシート、２……シートクツシヨン、
３……シートバツク、４……ロツクピン、５……
車室側部、７……ロツク穴、８……シートバツク
のフレーム、９……ガイドスリーブ、１１……線
ばね、１４……長孔、１５……操作ノブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクの側部にロツクピンを出没可能に
   設けると共に、このロツクピンが突出嵌合するこ
   とでシートバツクを所定角度位置に保持するロツ
   ク穴を車室側部に設けたシートバツクのサイドロ
   ツク装置において、前記ロツクピンの尾部に略直
   交する状態で係合して一本の線ばねを設けると共
   に、この線ばねがロツクピンを突出する方向に常
   時附勢する状態に該線ばねの一端側部を前記シー
   トバツクのフレームに固定し、且つその線ばねの
   他端側自由端部をシートバツクの裏面に長孔を介
   して延出し、この延出端にロツク解除用操作ノブ
   を設けて構成したことを特徴とするシートバツク
   のサイドロツク装置。