JPH0535331U - インクリボン終端検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクリボン切れのために連続する処理工程
の途中で動作が停止することのない装置を提供する。 【構成】 インクリボン５５の終端マークＥは、その終
端マークＥが検出された以降さらに印刷対象物であるカ
ード５１を複数枚分印刷できるように、インク塗布部と
終端マークＥの位置関係を設定するとともに、終端マー
クＥを検出した場合その時点から所定枚数印刷を行なっ
た後は、新たなカード５１が一連の印刷工程内に存在し
ないようカード５１の移送を管理する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ＩＤカード，ＩＣカード，光カード等のカード状記録媒体に複数 のインクリボンを用いて連続的に熱転写印刷する装置のインクリボン終端検出装 置の改良に係り、特に一連の工程中に印刷対象物であるカード状記録媒体が存在 しない状態でインクリボンの交換を行なえるようにすることで、工程途中での停 止に伴う印刷対象物の無駄をなくすようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のインクリボンは、そのインク塗布部の最後に例えば光を透過しないもし くは光を反射させる終端マークを設けていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

印刷対象物が複数の熱転写印刷工程を経て印刷される場合、インクリボン終端 検出後ただちに印刷を終了してしまうと、所望の印刷仕上りが得られず印刷途中 の印刷対象物が無駄になる場合がある。また、印刷途中の状態を保とうとすると 、複雑で高価な印刷状態記憶装置を設置しなければならない。

【０００４】 この考案はこのような課題を解決するためなされたもので、インクリボン切れ のために連続する処理工程の途中で動作が停止することのない装置を提供するこ とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するためこの考案に係るインクリボンの終端検出装置は、終端 マークが検出された以降さらに印刷対象物を所定枚数分印刷できるようにインク リボン長と終端マークの位置関係が設定されたインクリボンを用い、いずれかの インクリボンについて終端マークの検出出力が得られた場合その時点から所定枚 数印刷を行なった後は、新たな印刷対象物が一連の印刷工程内に存在しないよう 印刷対象物の移送を管理することを特徴とする。

【０００６】

【作用】

インクリボン終端検出装置は、終端マークを検出するとその時点から所定枚数 印刷を行なった後は、新たな印刷対象物が一連の印刷工程内に存在しないよう印 刷対象物の移送を管理する。 よって、印刷途中の印刷対象物の印刷を終了させたのち、インクリボンの交換 を行なうことができる。

【０００７】

【実施例】

図３はこの考案に係るインクリボン終端検出装置を内蔵したカードプリンタ装 置のブロック構成図、図４はカードプリンタ装置の全体動作説明図、図５はカー ドプリンタ装置の連続動作を示す説明図である。

【０００８】 カードプリンタ装置１は、全体の制御を行なう制御部１１と、制御部１１に内 蔵される２組のデータ記憶部１１ａ，１１ｂと、ＩＤ番号等の磁気記録すべきデ ータと顔写真・氏名などの印刷すべきデータを複数枚分格納したデータファイル １２と、制御部１１の指令により印刷用カードを供給する供給部１３と、印刷用 カード（以下単にカードと記す）５１に磁気コードを記憶させる磁気エンコード 部１４と、カード５１に画像を印刷する画像印刷部１５と、カード５１に印刷さ れた画像情報を保護するための保護材を印刷する（例えば透明樹脂等をオーバコ ートする）保護材印刷部１６と、カード５１の供給、移送、収納を行なう搬送部 １７と、印刷されたカード５１を収納する収納部１８とからなる。

【０００９】 このカードプリンタ装置１は、多数枚のカード５１を収納しカード５１を１枚 ずつ供給する供給部１３から磁気エンコード部１４へカード５１を送り、カード ５１上の磁気ストライプ部（図示しない）に所定のデータを書き込んだ後に、そ のカード５１を画像処理部１５へ送りカード５１上に顔写真、氏名等を印刷した 後に（図６参照）、カード５１を保護材印刷部１６へ送り、顔写真、氏名等の印 刷部分を保護するための保護材を印刷（オーバコート）し、収納部１８へカード ５１を排出することで、一連の処理工程を完了する。

【００１０】 図５に示すように、これらの一連の処理を並列に行なうことで、多量のカード ５１を印刷する際の処理速度を向上させている。 図５において、〜の番号は印刷対象であるカード５１の番号を示す。（但 し印刷データファイル１２の番号は各カードに対応するデータを示す。）

【００１１】 制御部１１は、印刷データファイル１２から次に磁気記録すべきデータを読み 出しＲＡＭ等で構成した一方のデータ記憶部１１ａに格納するとともに、次に印 刷すべき顔写真等の画像情報や氏名等の文字情報をＲＡＭ等で構成した他方のデ ータ記憶部１１ｂにそれぞれ格納する。 なお、この実施例では磁気ストライプ部への磁気的書き込みを行なった後、次 の工程で印刷処理を行なうので、各データ記憶部１１ａ，１１ｂに格納されるデ ータは同一のカードに係るデータではなく、１枚分ずつずらしている。

【００１２】 制御部１１は、磁気記録ならびに印刷すべきデータの取り込みとほぼ同時に 保護材印刷部１６に装着されているカード５１を収納部１８へ、画像印刷部１５ に装着されているカード５１を保護材印刷部１６へ、磁気エンコード部１４に装 着されているカード５１を画像印刷部１５へ、それぞれ移送させる指令を搬送部 １７へ与えるとともに、供給部１３に対して新たなカード５１の供給指令を発す るとともに、搬送部１７に対して移送指令を与えてカード５１が磁気エンコード 部１４へ供給されるよう指示する。

【００１３】 給紙及び搬送が完了したことを検出すると、制御部１１は磁気エンコード部１ ４に対して一方のデータ記憶部１１ａから磁気記録すべき情報を供給し書き込み を行なわせ、画像印刷部１５に対しては他方のデータ記憶部１１ｂから印刷すべ き情報を供給し印刷を行なわせ、保護材印刷部１６に対しては保護材印刷（オー バコート処理）を行なわせる。 制御部１１は、磁気エンコード部１４，画像印刷部１５および保護材印刷部１ ６のそれぞれの動作が完了したことを検出すると、各カードを次の工程へ移送さ せる。 そして、このような処理を繰り返すことで連続印刷を行なう。

【００１４】 画像印刷部１６は、昇華もしくは溶融インクリボンを用いた熱転写型の印刷装 置を備え、カラー印刷を行なう。このため、イエロ（Ｙ）、マゼンダ（Ｍ）、シ アン（Ｃ）の３色面順次、もしくは、これらの３色（Ｙ，Ｍ，Ｃ）にブラック（ ＢＫ）を含めた４色面順次のインクリボンを用いる。 保護材印刷部１７は、例えば透明な保護材を塗布したインクリボンを用い、熱 転写によって、保護材をオーバコートする。

【００１５】 図６は画像印刷部の一具体例を示す構造図である。 カード５１をステージ５２に送り、固定部５３で両端を固定した後、サーマル ヘッド５４によってインクリボン５５と共に圧着する。 この圧着の前にインクリボン５５の位置決めを行なうため、透過型の光電式セ ンサ（イエロセンサ）５６によってイエロ（Ｙ）とマゼンダ（Ｍ）との境界部を 検出し、サーマルヘッド５４の位置にちょうどインクリボンのイエロ（Ｙ）の最 初の部分が一致するように設定を行なう。 ５７はインクリボン供給ローラ、５８は巻き取りローラである。 インクリボン５５の設定が終了した後サーマルヘッド５４を圧着し、サーマル ヘッド５４に電流を流してインクリボン５５を加熱し、カード５１への印刷を行 なう。 なお、保護材印刷部１７も画像印刷部１６と同様に構成している。

【００１６】 図２はカラー印刷用インクリボンの構成を示す模式図である。 図２（ａ）および（ｂ）は、画像印刷部１５で用いる４色面順次のインクリボ ンを示したもので、インクリボンの順送り方向に、Ｙ，Ｍ，Ｃ，ＢＫの順で各色 のインクを繰り返し配置している。 各色の位置は透過型の光電式センサ５６で検出する。この実施例では、イエロ （Ｙ）のインク塗布部だけ透過出力が得られる光電式センサ５６を用いて、透過 出力が得られた状態から透過出力が得られなくなった時点で、インク色の頭出し を行なうようにしている。具体的には、インクリボンが送られてイエロ（Ｙ）領 域の先端がサーマルヘッド５４の位置に達したときに、光電式のセンサはＭ領域 の先端を検出するようサーマルヘッド５４とセンサ相互の位置関係を設定してい る。

【００１７】 光電式センサ５６の検出光を遮断もしくは反射する終端マークＥは、Ｙ領域の 中に設けており、制御部１１はＹ領域の始端を検出した後、予め設定してあるＹ 領域の長さに対応するインクリボン送り量が送られる以前に、透過出力が得られ なくなった場合は、インクリボン５５の終端に達したことを検出するよう構成し ている。 ここで、終端マークＥは、その終端マークＥを設けた位置からインクリボン５ ５の送り方向後方に、カード５１を所定の枚数分印刷できるようにインクリボン 長と終端マークＥの位置関係を設定している。 なお、終端マークＥは、黒色のテープもしくは光電式センサの検出光を遮断す る材料を、インクリボン５５に貼り付けることで形成している。

【００１８】 なお、図２（ａ）に示すように、終端マークＥをインクリボン５５の幅方向全 体に亘って設けた場合、Ｙ領域を正常に印刷することができないので、終端マー クＥを検出したときは、インクリボンを次のＹ領域まで送ってから印刷を行なう よう構成している。

【００１９】 また、図２（ｂ）に示すように、インクリボン５５の実効印刷幅よりも外側に 終端マークＥを設け、対応する位置に光電式センサ５６を配置した場合は、イン クリボン５５を４色分空送りしなくてよい。

【００２０】 図２（ｃ）は保護材印刷部１６で使用するインクリボンを示したもので、この インクリボンには透明な保護材を塗布している。そして、このインクリボンは光 電式センサの検出光を透過するよう構成されており、有効塗布部の外側に終端マ ークＥを設けている。また、終端マークＥの後方には所定の枚数分の保護材を塗 布している。

【００２１】 次にインクリボン終端検出時の動作を図１を参照に説明する。 図１（ａ）および（ｂ）に示すように、光電式センサ５６が終端マークＥを検 出すると、制御部１１は次のイエロ（Ｙ）を検出するまでインクリボン５５の空 送りを行なうとともに、供給部１３もしくは搬送部１７に対して新たなカード５ １の供給もしくは移送を停止させる指令を発する。また、制御部１１は終端マー クＥを検出した時には、データファイル１２からの新たなデータの読み出しを停 止し、既に格納したデータを保持する。

【００２２】 この時、カードプリンタ１内には、磁気エンコード部１４，画像印刷部１５， 保護部材印刷部１６にそれぞれ１枚ずつ、計３枚のカード５１があるが、制御部 １１はこれら３枚のカード５１がすべて必要な処理を終え、収納部１８へ排出さ れるまで一連の処理を継続する。 したがって、カードプリンタ１内のカード５１がすべて排出されて時点で、イ ンクリボン５５の交換を行なうことができる。

【００２３】 なお、図１は画像印刷部１５においてインクリボン５５の終端マークＥを検出 した場合について示したが、保護材印刷部１６において保護材コーティング用の インクリボンの終端マークＥを検出した場合も同様な処理がなされ、カードプリ ンタ１内のカード５１はすべて排出される。 なお、図示していないが、制御部１１はいずれの印刷工程でインクリボン交換 が必要であるかを可視表示するよう構成している。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したようにこの考案に係るインクリボン終端検出装置は、終端マーク が検出された以降さらに印刷対象物を所定枚数分印刷できるよう形成したインク リボンを用いるとともに、終端マークの検出出力が得られた場合その時点から前 記所定枚数印刷を行なった後は、新たな印刷対象物が一連の印刷工程内に存在し ないよう印刷対象物の移送を管理する構成としたので、前工程であるたとえばエ ンコード部でエンコード処理されたカード等の印刷対象物を現在使用しているイ ンクリボンで連続的に印刷することができる。 よって、印刷対象物であるカード等の無駄が生じない。 また、終端マーク検出機構を各インクリボン毎にそれぞれ設けているので、複 数の印刷工程のいずれでインクリボンの交換が発生しても、印刷対象物であるカ ード等の無駄が生ずることはない。また、インクリボン交換が必要な工程を表示 することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】インクリボン終端検出時の動作説明図

【図２】カラー印刷用インクリボンの構成を示す模式図

【図３】この考案に係るインクリボン終端検出装置を内
蔵したカードプリンタ装置のブロック構成図

【図４】カードプリンタ装置の全体動作説明図

【図５】カードプリンタ装置の連続動作を示す説明図

【図６】印刷部の構成図

【符号の説明】

１…カードプリンタ装置、１１…制御部、１１ａ，１１
ｂ…データ記憶部、１２…データファイル、１３…供給
部、１４…磁気エンコード部、１５…画像印刷部、１６
…保護材印刷部、１７…搬送部、１８…収納部、５１…
印刷対象物であるカード、５４…サーマルヘッド、５５
…インクリボン、５６…終端マーク検出機構を構成する
反射型の光電式センサ、Ｅ…終端マーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄膜フィルムに昇華性および溶融性のイ
   ンクを塗布したインクリボンをサーマルヘッドで加熱
   し、このインクリボン上のインクをカード状記録媒体等
   の印刷対象物へ熱転写する工程を複数段階備え、各熱転
   写工程へ印刷対象物を順次移送しながら連続的に印刷を
   行なう装置のインクリボン終端検出装置であって、前記
   各インクリボンは終端マークを設けた箇所からさらに前
   記印刷対象物を所定枚数分印刷できるようにインクリボ
   ン長と終端マークの位置関係を設定するとともに、終端
   マーク検出機構を前記各インクリボン毎にそれぞれ設
   け、いずれかのインクリボンについて前記終端マークの
   検出出力が得られた場合その時点から前記所定枚数印刷
   を行なった後は、新たな印刷対象物が一連の印刷工程内
   に存在しないよう印刷対象物の移送を管理することを特
   徴とするインクリボン終端検出装置。