JPH0535288U - ワイヤドツト印字ヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板バネ４とアーマチュアヨーク３あるいは板
バネ４とアーマチュア２との剥離強度を落とすことなく
レーザ溶接孔がプレス形成された板バネを用いたワイヤ
ドット印字ヘッドを得る。 【構成】 板バネ４に設けられたレーザ溶接孔をＵ字孔
４２及び楕円孔４３として構成し、このＵ字孔４２及び
楕円孔４３を用いて板バネ４とアーマチュア２、アーマ
チュアヨーク３を溶接する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シリアルプリンタ等におけるワイヤドット印字ヘッドの構造に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

ワイヤドットプリンタに用いられるドット印字ヘッドは、所謂バネチャージ式 印字ヘッドと呼ばれ、図４の一部省略断面図で示す構造を成している。すなわち 板バネ４とその上部にアーマチュア２を設け、アーマチュア２の自由端に印字ワ イヤ１を固着している。更にアーマチュア２の他端はアーマチュアヨーク３の溝 内に遊嵌されている。又板バネ４の下面に設けたスペーサ５の下部にはマグネッ トヨーク６を介して永久磁石７が配設され、更に永久磁石７の下部にはリング８ ，ベース９が設けられている。更に又、板バネ４の下方にはコア１０と励磁コイ ル１１から成る電磁石が配設されている。

【０００３】 ワイヤガイド１２とベース９間の上記構成部品は、クランプスプリング１３に より積層状に固定され、所謂一体ユニット化される。

【０００４】 上記構成のドット印字ヘッドは、非印字状態において永久磁石７の磁束がリン グ８，ベース９，電磁石のコア１０，アーマチュア２，アーマチュアヨーク３， スペーサ５，マグネットヨーク６から成る閉磁回路を形成し、この閉磁回路によ ってアーマチュア２は板バネ４のバネ力に抗してコア１０に吸引されている。

【０００５】 すなわち非印字状態では板バネ４に歪エネルギーが蓄積される。

【０００６】 一方印字する場合には、ドライブ信号により電磁石の励磁コイル１１を励磁し 、前記永久磁石７の磁束とは逆の磁束を生じさせる。そして永久磁石７の磁束を 打消してアーマチュア２の吸引を開放するとともに、前記板バネ４の有する歪エ ネルギーによってアーマチュア２を、復旧可動させるとともに、自由端に固着さ れた印字ワイヤ１をワイヤガイド１２から突出させて、その先端でインクリボン を印字用紙（何れも図示せず）に押圧して印字を行なう。

【０００７】 この様なワイヤドット印字ヘッドは、図５に示す様に、板バネ４とアーマチュ アヨーク３、板バネ４とアーマチュア２、及びスペーサ５と板バネ４とアーマチ ュアヨーク３が板バネ４にあけられた円形の孔４１ａ〜４１ｅあるいはスペーサ にあけられた円形の孔５１ａ〜５１ｂによりレーザ溶接される。

【０００８】 レーザ溶接のための孔４１ａ〜４１ｅ、５１ａ〜５１ｂは、φ０．５〜０．６ の円形である。これは、図３のグラフからもわかる様に、レーザ孔の径Ｄをφ０ ．５〜０．６に集光して溶接するのに好適であるとともに、剥離強度が大きいか らである。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この様なワイヤドット印字ヘッドの板バネ４を図５に示す様な 形状及び、孔４１ａ〜４１ｅをプレス打ち抜きにより形成しようとすると、孔４ １ａ〜４１ｅが小さく打ち抜き形成が困難であった。

【００１０】 すなわち、板バネ４は、バネ性を得る必要上硬い素材（Ｈｖ４５０〜６００） を用いるため、φ０．５〜０．６と小さいレーザ溶接孔４１ａ〜４１ｅのプレス 打ち抜きが難しいのである。又、最初のうちはプレス打ち抜きが可能であっても 、繰り返し打ち抜きを行なっていると、孔打ち抜き用突起が磨耗して孔４１ａ〜 ４１ｅの開孔が不十分となってくる。

【００１１】 そのため、板バネ４の歩留りが悪くなり、ワイヤドット印字ヘッドを安価に製 造できないという課題があった。

【００１２】 本考案は以上述べた板バネの孔の打ち抜きの際のパンチ強度が弱いという課題 を除去するため、孔の形状を変更することによって板バネの孔のパンチ強度を高 め、低価格で品質が安定した印字ヘッドを得ることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ワイヤドット印字ヘッドにおいて、プレス加工した板バネをレーザ 溶接等の方法によって固着するためにあけられた孔の形状を円形ではなく楕円形 あるいはＵ字形としたものである。

【００１４】

【作用】

本考案のワイヤドット印字ヘッドは、プレス打ち抜きされた板バネを用いる際 、レーザ溶接用の孔を楕円としたので、プレス打ち抜き型の孔あけ用の突起を大 きくすることができ、打ち抜きが容易にできる様になる。

【００１５】

【実施例】

図１は、本考案による実施例を示したものである。ここで、板バネ４およびス ペーサ５を除く他の構成部品は上記従来例と同様であり、構造・動作は従来技術 で説明した通りである。

【００１６】 次に本考案の板バネ４について説明する。ここで使用する板バネ４はプレス打 ち抜きしたものである。本考案はアーマチュア２，アーマチュアヨーク３，スペ ーサ５，板バネ４をレーザ溶接するために板バネ４にあけられた孔の形状を円形 ではなく、楕円形あるいはＵ字形としたものである。

【００１７】 すなわち、板バネ４に、Ｕ字孔４２ａ，４２ｂと楕円孔４３ａ，４３ｂ，４３ ｃを設ける。ここで、板バネ４の中心側とアーマチュア支持部の内側は、Ｕ字孔 （他の部分とつながった溝形状であるが、本願ではＵ字孔、形をＵ字形と定義す る）が形成されているが、板バネ４の板の途中に位置する孔は、外の部分とつな げることなく楕円形として形成される。

【００１８】 この様に形成することにより、板バネ４が、厚さ０．２５〜０．５５^t ，硬さ Ｈｖ４５０〜６００であるにもかかわらず、従来よりあける孔の面積が大きくな るためプレス打ち抜きの際のパンチ強度が大きくなり、プレスの型寿命が向上す る。

【００１９】 一方、板バネ４の孔４２，４３を円形から楕円形あるいはＵ字形にすることに よって、レーザ溶接した際の剥離強度が弱くなるという恐れがある。従来、板バ ネ４の孔は円形であったために円周全体でレーザ溶接していたのに対し、本考案 では孔が楕円形あるいはＵ字形になるためレーザ溶接される部分が少なくなる。 そのため図２で示すように、楕円形あるいはＵ字形の孔を設ける際に、そのエッ ジ部を点線で示す従来の円形孔の位置と一致させて、短径の長さを従来同様φ０ ．５〜０．６とし、長径を従来より長くすることによって、レーザ溶接される部 分が楕円形あるいはＵ字形にした際に最大となるように形成する。

【００２０】 図３は、レーザ溶接する場合に設ける孔の大きさと、そのときの剥離強度を示 したものである。これを見てわかるように、孔４２，４３の形状を楕円形あるい はＵ字形にしても、剥離強度が円形の場合とほぼ同じであるため、剥離強度が弱 くなるという恐れはなくなる。

【００２１】 尚、以上板バネについて説明したが、本願は、図１に示す様に、スペーサ５の レーザ溶接孔も楕円形とし楕円孔５２ａ，５２ｂとして形成するとよい。これに より、同様にスペーサ５のプレス打ち抜きの際のパンチ強度を向上することがで きる。

【００２２】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、プレス打ち抜き加工によって板バネおよびスペ ーサを製作する際に、レーザ溶接をするために設ける数ヶ所の孔の形状を楕円形 あるいはＵ字形にすることによって、レーザ溶接したときの剥離強度を落とすこ となく、孔のパンチ強度を上げることが可能となるため、歩留り向上を図ること ができ、プレスの型寿命も長くなることから低価格の印字ヘッドを提供できる。 さらに本考案は、バネチャージ型印字ヘッドのみではなく、クラッパ型印字ヘッ ドにも利用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の詳細を示す分解斜視図。

【図２】本考案の板バネの孔位置を示す詳細図。

【図３】レーザ溶接用孔径と剥離強度の関係を示すグラ
フ。

【図４】ワイヤドット印字ヘッド断面図。

【図５】従来技術の詳細を示す分解斜視図。

【符号の説明】

２ アーマチュア ３ アーマチュアヨーク ４ 板バネ ５ スペーサ ４２ Ｕ字孔 ４３ 楕円孔 ５２ 楕円孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 梅沢 洋一 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板バネと、該板バネに開孔された孔を介
   してレーザ溶接されるアーマチュアヨークと、前記板バ
   ネに開孔された孔を介してレーザ溶接されるアーマチュ
   アとを有するワイヤドット印字ヘッドにおいて、 前記板バネをプレス打ち抜きする際の前記孔の形状を楕
   円形又はＵ字形とすることを特徴とするワイヤドット印
   字ヘッド。