JPH05345744A - 酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェニルの製造法 - Google Patents

酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェニルの製造法

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JPH05345744A
JPH05345744A JP21652991A JP21652991A JPH05345744A JP H05345744 A JPH05345744 A JP H05345744A JP 21652991 A JP21652991 A JP 21652991A JP 21652991 A JP21652991 A JP 21652991A JP H05345744 A JPH05345744 A JP H05345744A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェニルを反
応溶剤として四塩化炭素を使用することなく良好な選択
率をもって製造する方法に関する。 【構成】 酢酸3−トリルをベンゼン溶媒に溶解し、こ
れをラジカル開始剤を用いて、ハロゲン化試薬で側鎖を
ハロゲン化することを特徴とする酢酸3−(ジハロゲノ
メチル)フェニルの製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬、染料、液
晶の中間体及びメッキ用光沢剤として有用な3−ヒドロ
キシベンズアルデヒド(以下MHBと略記する)の重要
な合成中間体である酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェ
ニル(II)(以下2置換体と略記する)の新規な製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より酢酸3−(ジハロゲノメチル)
フェニル2置換体は、種々の方法で製造されているが、
これらの方法に共通しているのは、原料として、酢酸3
−トリルを、また、反応溶剤として四塩化炭素を用いる
点である。例えば、特開昭63−208550号または
J.CHEM.SOC.,1628-9,1955に記載されている方法は紫外
線照射下に、塩素、または臭素を吹き込む方法であり、
また、他の方法としてアメリカ特許1074421号、
または西ドイツ特許3026470号に記載の方法は、
酢酸3−トリルを四塩化炭素溶媒に溶解し、これにラジ
カル開始剤を添加して塩素、または塩化スルフリルを反
応させる方法である。
【0003】これらの方法で得られた2置換体は、何れ
も2置換体と共に酢酸3−(モノハロゲノメチル)フェ
ニル(I)(以下1置換体と略記する)と酢酸3−(ト
リハロゲノメチル)フェニル(III)(以下3置換体と
略記する)の双方、または、そのどちらか一方が共存し
た混合物であり、その反応式は次ぎの通りである。
【0004】
【化1】
【0005】これらの方法において反応溶剤として使用
される四塩化炭素は、芳香族側鎖のラジカルハロゲン化
の溶剤としては、極めて良好な溶剤ではあるが、難分解
性、及び、長期毒性等のため環境への影響が問題視され
るようになってきた。このため、四塩化炭素の代替溶剤
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、酢酸3−
トリルを原料に、種々の溶剤の下、AIBNをラジカル
開始剤に用いて75−85℃の範囲で、塩素を吹き込ん
で2置換体を製造する方法について種々検討した結果、
遮光下、反応溶剤としてベンゼンを使用した場合良好な
結果が得られることを見出し、更に、ハロゲン化剤とし
て塩化スルフリルを使用した場合には遮光することなく
ベンゼンを使用しても同様に2置換体製造することを見
出し本発明を完成したもので、本発明の目的は、反応溶
剤とし四塩化炭素を使用することなく2置換体を良好な
選択率をもって製造する方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明の要旨は、酢酸
3−トリルをベンゼン溶媒に溶解し、これをラジカル開
始剤を用いて、遮光下での塩素又は臭素からなるハロゲ
ン化試薬、またはハロゲン化スルフリルからなるハロゲ
ン化試薬で側鎖をハロゲン化することを特徴とする酢酸
3−(ジハロゲノメチル)フェニルの製造法である。
【0008】すなわち、本発明は反応溶剤としてベンゼ
ン溶媒を使用するものであって、特に、塩素又は臭素か
らなるハロゲン化試薬を使用する場合、遮光下において
反応させることによって、側鎖クロル化は、これまでの
四塩化炭素を用いたものとほとんど同じ反応進行状態を
とった。
【0009】反応容器にガラス製フラスコを用い、露光
下、酢酸3−トリルをベンゼン溶媒に溶解し、これにA
IBNを少量ずつ加えながら塩素を吹き込み還流下反応
させたとき、酢酸3−トリルの側鎖塩素化が核置換もせ
ずに順調に進みながらも、ベンゼンヘキサクロリド(以
下BHCと略記する)が、結晶の形で大量に器壁やガラ
ス冷却器に付着した。ラジカル開始剤として日光や蛍光
灯や紫外線あるいはその他の電磁波照射下で、ベンゼン
と塩素の混合物中でBHCが簡単に生成することは古く
から知られているので、上記のように、露光下でBHC
が生じたのは、自然なことである。
【0010】しかし、遮光下、同じ条件、すなわち、ラ
ジカル開始剤のAIBNの存在下では、BHCが極微量
しか生ぜず、目的とする側鎖ハロゲン化が生じ、選択的
に酢酸3−トリルの側鎖ハロゲン化が進行した。ただ、
遮光下でもベンゼンとAIBNの反応系に、還流下、塩
素を吹き込むと容易にBHCが生じた。このことは、A
IBNにより生じた塩素ラジカルは、ベンゼンへのラジ
カル付加反応をするより、酢酸3−トリルの側鎖ラジカ
ル置換反応をする方が、はるかに容易だということを表
わしている。
【0011】しかし、この反応系においても、側鎖置換
反応が1置換、2置換、3置換と進むにつれて、反応に
困難さが増してきて、2置換体まではほとんど生じなか
ったBHCが、3置換体が生じ始めると極微量生じ始
め、3置換体が増加するにつれてBHCも僅かながら増
加していった。
【0012】しかしながら、2置換体を収率良く得るに
は、このものの最大組成値で反応を止めるのが好まし
く、この時、通常目的物の2置換体は70数%であり、
1置換体は10数%残り、3置換体は10数%生じてい
て、同時にBHCは酢酸3−トリルのハロゲン化物類に
対し0.1〜1.1%生じていた。
【0013】ハロゲン試薬として、塩化スルフリルを用
いた場合、好ましくない核置換反応は生じず、側鎖置換
反応のみ順調に進んだ。しかし、ジクロル体を最大組成
値まで進ませると、塩素と同様に僅かながら遮光下でも
露光下でも同程度BHCが生じた。
【0014】塩素化反応を行うに当たって、ベンゼンの
使用は、これが無極性溶剤ゆえ競争的な核置換のイオン
反応を抑えるため、酢酸3−トリルの2(容量/重量)
倍量以上を用いるが、好適には、2.4〜3(容量/重
量)倍量を用いる。塩素量あるいは塩化スルフリル量
は、酢酸3−トリルの1.5〜3倍モルを用い得るが、
2置換体を収率良く得るには、2.0〜2.4倍モルが
好ましい。ラジカル開始剤は、通常過酸化物系の過酸化
ベンゾイル等やアゾ系のAIBN等が用いられるが、溶
剤の可燃性からみて有機物アゾ系のAIBNが好まし
い。AIBNは、反応の初期に一度に添加しても良い。
しかし、AIBNは反応中に分解し濃度が低下してく
る、これが低濃度の時、好ましくないBHCの生成が増
えてくる。そのため反応を選択良く行うには、経験上あ
る一定濃度のAIBNが必要である。これを実現するに
は、反応の間、少量ずつ粉末のままあるいはベンゼンス
ラリーの形で連続的あるいは間欠的に添加する。その量
は、酢酸3−トリルに対し総量2〜15%である。反応
温度は、60〜100℃を用い得るが、75〜90℃を
好適に用い得る。反応時の圧力は、減圧下でも加圧下で
も行い得るが、常圧が好ましい。
【0015】出来た2置換体は、公知の方法で加水分解
して、粗製のMHBを得た。これをアルデヒド精製の常
法で精製した。この精製MHBを、ガスクロマトグラフ
−質量分析計を用いて分析したところ、BHCは不検出
であった。
【0016】
【実施例】以下、実施例により更に詳しく説明する。な
お、反応生成物の確認は、ガスクロマトグラフィーで検
知し、各生成比はガスクロマトグラムの各々の面積から
求めた。また、生じたBHCは大多数を占めるα体を代
表してあげ、α−BHCの生成比は、酢酸3−トリルの
ハロゲン化物類に対する比である。表中の1置換体、2
置換体、3置換体は、それぞれ塩素の1置換体、2置換
体、3置換体を表し、*は反応終了時を示す。
【0017】実施例1(塩素による方法) 反応装置を遮光するため、1リットルの四つ口ガラス製
フラスコ、ガラス製還流冷却器及びその他装置を遮光し
た。酢酸3−トリル150g(1モル)とベンゼン360
mlとAIBN2.7gを遮光したフラスコに仕込ん
だ。オイルバスで加熱し、還流下、塩素ボンベより塩素
を約6時間かけて総量165g(2.33モル)を一定流
量で吹き込んだ。その間、1時間毎に、AIBNを1.
35gずつ5回添加した。反応後、ベンゼンを減圧留去
し、226gの酢酸3−(ジクロロメチル)フェニルの
粗製物を得た。反応の経過時間と反応生成物の量との関
係を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例2(塩化スルフリルによる方法) 1リットルの四つ口ガラス製フラスコに、酢酸3−トリ
ル150g(1モル)とベンゼン360mlとAIBN
5.4gを仕込んだ。オイルバスで加熱し、還流下、塩
化スルフリルを滴下、漏斗を通して4.5時間かけて総
量296.9g(2.2モル)を一定流量で滴下した。その
間、1時間毎に、AIBNを2.7gずつ4回添加し
た。反応後、ベンゼンを減圧濃縮し、酢酸3−(ジクロ
ロメチル)フェニルの混合物230gを得た。反応の経
過時間と反応生成物の量との関係を表2に示した。
【0020】
【表2】
【0021】参考例(四塩化炭素溶剤) 300ml四つ口ガラス製フラスコに、酢酸3−トリル
50g(0.33mol)と四塩化炭素120mlとAIBN1.8gを仕込
んだ。オイルバスで加熱し、還流下、塩素を170分かけ
て総量47g(0.663mol)を一定流量で吹き込んだ。反応
後、ベンゼンを減圧濃縮し、酢酸3−(ジクロロメチ
ル)フェニルの混合物71.5gを得た。反応の経過時
間と反応生成物の量との関係を表3に示した。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明の新規な酢酸3−(ジハロゲノメ
チル)フェニルの製造法は、難分解性で、長期毒性そし
て環境汚染の恐れがある四塩化炭素を使うことなく、有
用な方法である。生成物は、これまでの四塩化炭素を用
いたものと、本発明のベンゼンによるものとは、ほとん
ど同等のものを得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸3−トリルをベンゼン溶媒に溶解
    し、これをラジカル開始剤を用いて、遮光下、塩素及び
    臭素からなるハロゲン化試薬で側鎖をハロゲン化するこ
    とを特徴とする酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェニル
    の製造法。
  2. 【請求項2】 酢酸3−トリルをベンゼン溶媒に溶解
    し、これをラジカル開始剤を用いて、ハロゲン化スルフ
    リルからなるハロゲン化試薬で側鎖をハロゲン化するこ
    とを特徴とする酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェニル
    の製造法。
JP21652991A 1991-08-02 1991-08-02 酢酸3−(ジハロゲノメチル)フェニルの製造法 Expired - Lifetime JP2850063B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000053564A3 (en) * 1999-03-12 2000-12-28 Albemarle Corp Benzylic halogenation of alkylbenzoic acid esters

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000053564A3 (en) * 1999-03-12 2000-12-28 Albemarle Corp Benzylic halogenation of alkylbenzoic acid esters

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