JPH05343690A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JPH05343690A
JPH05343690A JP14592792A JP14592792A JPH05343690A JP H05343690 A JPH05343690 A JP H05343690A JP 14592792 A JP14592792 A JP 14592792A JP 14592792 A JP14592792 A JP 14592792A JP H05343690 A JPH05343690 A JP H05343690A
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Tsutomu Tanaka
田中  勉
Hiroshi Ogata
公士 大形
Tamotsu Wada
保 和田
Yutaka Takizawa
裕 滝沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、TFT特性の低下を招くことなく1
回のフォトリソグラフィ工程でソース、ドレイン電極を
形成し、TFT特性の向上と工程の簡略化によるコスト
削減を実現することができるTFT及びその製造方法を
提供することを目的とする。 【構成】ソース電極12a及びドレイン電極12bは、
それぞれITO透明電極層14a、14bとn+ 型a−
Siコンタクト層16a、16bとからなる階段状構造
となっている。a−Si層からなる動作半導体層18
は、n+ 型a−Siコンタクト層16a、16bより低
不純物濃度のn- 型a−Si動作層20とi型a−Si
動作層22との2層構造になっている。従って、ITO
透明電極層14a、14bは、n- 型a−Si動作層2
0と接触し、i型a−Si動作層22と直接に接触する
ことはないようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜トランジスタ及びそ
の製造方法に係り、特にアクティブマトリクス型液晶表
示装置のスイッチング素子として用いられるスタガー型
薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。アクティ
ブマトリックス型表示装置は、単純マトリックス型表示
装置と共に薄形の情報端末用表示装置として使用されて
おり、表示媒体としては液晶が使用されている。
【0002】ここで両者の特性を比較すると、アクティ
ブマトリックス型液晶表示装置は、多数ある画素をそれ
ぞれ単独に駆動するのと同様の動作をさせることができ
るため、表示容量の増大に伴ってライン数が増加して
も、単純マトリックス型液晶表示装置のように駆動のデ
ューティ比が低下し、コントラストの低下や視野角の減
少をきたすなどの問題が生じない。このためアクティブ
マトリックス型液晶表示装置は陰極線管(CRT)並み
のカラー表示が得られ、薄型のフラットディスプレイと
して用途を拡げつつある。
【0003】従って、かかるアクティブマトリックス形
液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(TFT;
Thin Film Transistor)の特性の向上及び製造プロセス
の簡略化によるコストの低減が要望されている。
【0004】
【従来の技術】従来の2種のスタガー型TFTの断面構
造をそれぞれ図7(a)、(b)に示し、その電流特性
をそれぞれ図8(a)、(b)に示す。図7(a)にお
いて、ガラス基板60上に、ソース電極62a及びドレ
イン電極62bが相対して形成されている。これらソー
ス、ドレイン電極62a、62bは、それぞれ、ITO
(Indium Tin Oxide;インジウムティンオキサイド)透
明電極層64a、64bと、このITO透明電極層64
a、64b上に形成されたP(リン)ドープのn+ 型a
−Si(アモルファスシリコン)コンタクト層66a、
66bとから構成されている。
【0005】ここで、ITO透明電極層64a、64b
及びn+ 型a−Siコンタクト層66a、66bからな
るソース、ドレイン電極62a、62bは、ITO層及
びn+ 型a−Si層を順に積層した後、1回のフォトリ
ソグラフィ工程により形成される。このため、n+ 型a
−Siコンタクト層66a、66bはITO透明電極層
64a、64bに対してオーバーハングにならず、IT
O透明電極層64a、64bが一部露出する階段状構造
となっている。
【0006】また、ソース、ドレイン電極62a、62
b上及びソース、ドレイン電極62a、62b間のガラ
ス基板60上には、イントリンシックなi型a−Si動
作層68が形成されている。従って、このi型a−Si
動作層68は、n+ 型a−Siコンタクト層66a、6
6bとオーミックに接触すると共に、ITO透明電極層
64a、64bとも直接に接触している。
【0007】更に、このi型a−Si動作層68上に
は、SiN膜(シリコン窒化膜)からなるゲート絶縁膜
70を介して、Al(アルミニウム)からなるゲート電
極72が形成されている。他方、図7(b)において
も、図7(a)と同様にして、ガラス基板60上にソー
ス電極74a及びドレイン電極74bが相対して形成さ
れ、これらソース、ドレイン電極74a、74bはIT
O透明電極層76a、76bとn+ 型a−Siコンタク
ト層78a、78bとから構成されている。
【0008】但し、ITO透明電極層76a、76b及
びn+ 型a−Siコンタクト層78a、78bからなる
ソース、ドレイン電極74a、74bは、ITO層の堆
積とそのパターニング及びn+ 型a−Si層の堆積とそ
のパターニングという2回のフォトリソグラフィ工程に
より形成される。このため、n+ 型a−Siコンタクト
層78a、78bはITO透明電極層76a、76bに
対してオーバーハングとなって、ITO透明電極層76
a、76b全体を完全に覆っている。
【0009】また、ソース、ドレイン電極74a、74
b上及びソース、ドレイン電極74a、74b間のガラ
ス基板60上には、イントリンシックなi型a−Si動
作層68が形成されている。従って、このi型a−Si
動作層68は、n+ 型a−Siコンタクト層78a、7
8bとオーミックに接触しているが、ITO透明電極層
76a、76bとは直接には接触していない。
【0010】更に、同様にして、このi型a−Si動作
層68上には、ゲート絶縁膜70を介してゲート電極7
2が形成されている。次に、図7(a)、(b)の2種
のスタガー型TFTのドレイン電流−ゲート電圧特性
を、それぞれ図8(a)、(b)に示す。両者の比較か
ら明らかなように、図7(a)のスタガー型TFTの電
流特性は図7(b)のスタガー型TFTよりも劣化して
いる。この原因としては、図7(a)のスタガー型TF
Tにおいて、ソース、ドレイン電極62a、62bのI
TO透明電極層64a、64bがi型a−Si動作層6
8と直接に接触していることによって生じる障壁によ
り、i型a−Si動作層68のゲート電極72から遠い
側のバックチャネル部の電位が高くなるため、チャネル
コンダクタンスが低下すること、そしてITO透明電極
層64a、64b中のIn(インジウム)、O(酸素)
などの不純物がi型a−Si動作層68中へ拡散するこ
とによってi型a−Si動作層68中の局在準位密度が
増加するため、チャネルコンダクタンスが低下すること
などが考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように上記従来の
スタガー型TFTにおいては、工程の簡略化によるコス
ト削減を図るため、ソース、ドレイン電極の形成を1回
のフォトリソグラフィ工程によって行うと、ソース、ド
レイン電極のITO透明電極層がi型a−Si動作層と
直接に接触することになり、TFT特性の低下を招い
た。他方、TFT特性の向上を図るべく、ソース、ドレ
イン電極のITO透明電極層がi型a−Si動作層と直
接に接触しないようにするためには、ソース、ドレイン
電極の形成に2回のフォトリソグラフィ工程が必要とな
った。
【0012】そこで本発明は、TFT特性の低下を招く
ことなく1回のフォトリソグラフィ工程でソース、ドレ
イン電極を形成し、TFT特性の向上と工程の簡略化に
よるコスト削減を実現することができるTFT及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理を説
明するためのTFTの断面図である。ガラス基板10上
に、ソース電極12a及びドレイン電極12bが相対し
て形成されている。これらソース、ドレイン電極12
a、12bは、それぞれ、ITO透明電極層14a、1
4bと、このITO透明電極層14a、14b上に形成
されたn+ 型a−Siコンタクト層16a、16bとか
ら構成されている。
【0014】ここで、ITO透明電極層14a、14b
及びn+ 型a−Siコンタクト層16a、16bからな
るソース、ドレイン電極12a、12bは、ITO層及
びn+ 型a−Si層を順に積層した後、1回のフォトリ
ソグラフィ工程により形成される。このため、n+ 型a
−Siコンタクト層16a、16bはITO透明電極層
14a、14bに対してオーバーハングにならず、IT
O透明電極層14a、14bが一部露出する階段状構造
となっている。
【0015】また、ソース、ドレイン電極12a、12
b上及びソース、ドレイン電極12a、12b間のガラ
ス基板10上には、a−Si層からなる動作半導体層1
8が形成されている。そしてこの動作半導体層18は、
n+ 型a−Siコンタクト層16a、16bより不純物
濃度が低いn- 型a−Si動作層20とイントリンシッ
クなi型a−Si動作層22との2層構造になっている
点に本発明の特徴がある。
【0016】従って、動作半導体層18のn- 型a−S
i動作層20が、ソース、ドレイン電極12a、12b
のn+ 型a−Siコンタクト層16a、16bとオーミ
ックに接触すると共に、ITO透明電極層14a、14
bとも接触しており、i型a−Si動作層22とITO
透明電極層14a、14bとが直接に接触することはな
い。
【0017】更に、この動作半導体層18上には、ゲー
ト絶縁膜24を介して、ゲート電極26が形成されてい
る。尚、動作半導体層18を構成するn- 型a−Si動
作層20の層厚は20nm以下にすることが望ましい。
また、ソース、ドレイン電極12a、12bを構成する
n+ 型a−Siコンタクト層16a、16bのn型不純
物の含有量を1%以上にし、n- 型a−Si動作層20
のn型不純物の含有量を1%以下にすることが望まし
い。更に、n- 型a−Si動作層20のn型不純物の含
有量を、基板側から徐々に又は階段状に減少させてもよ
い。
【0018】
【作用】図2(a)は図1のTFTの動作半導体層のエ
ネルギーバンド図であり、図2(b)は従来のTFTの
動作半導体層のエネルギーバンド図である。上記図7
(a)に示す従来のスタガー型TFTのように、ソー
ス、ドレイン電極のITO透明電極層がi型a−Si動
作層と直接に接触している場合、図2(b)に示される
ように、ITO透明電極層と接触しているi型a−Si
動作層の伝導帯Ecが持ち上げられて障壁を生じる。そ
の結果、i型a−Si動作層のバックチャネル部の電位
が高くなり、従ってi型a−Si動作層全体のチャネル
コンダクタンスが低下する。
【0019】これに対して本発明は、ITO透明電極層
14a、14bと接触する動作半導体層18はn型不純
物がドープされたn- 型a−Si動作層20であるた
め、図2(a)に示されるように、動作半導体層18の
フェルミ面Efは伝導帯Ecに近づく。その結果、n-
型a−Si動作層20とITO透明電極層14a、14
bとの接合による障壁電位は殆ど生じず、バックチャネ
ル部電位によるチャネルコンダクタンスの低下が生じな
い。
【0020】また、n- 型a−Si動作層20中に含ま
れるn型不純物、例えばPによってIn、Oなどの不純
物の拡散がブロックされる。更に、動作半導体層18が
n-型a−Si動作層20とi型a−Si動作層22と
の2層構造になっており、ゲート絶縁層側のi型a−S
i動作層22が実効的にチャネルとして作用するため、
オン電流の低減を生ずることもない。
【0021】また、動作半導体層18を構成するn- 型
a−Si動作層20の層厚を20nm以下にし、更にソ
ース、ドレイン電極12a、12bを構成するn+ 型a
−Siコンタクト層16a、16bのn型不純物の含有
量を1%以上にするのに対して、n- 型a−Si動作層
20のn型不純物の含有量を1%未満にすることによ
り、液晶を駆動するのに十分なオフ電流を得ることがで
きる。
【0022】そしてn- 型a−Si動作層20のn型不
純物の含有量を、基板側から徐々に又は階段状に減少さ
せることにより、n- 型a−Si動作層20とi型a−
Si動作層22との接合部での伝導帯Ecのギャップを
小さくすることができるため、オフ電流を更に低減する
ことができる。
【0023】
【実施例】以下、図示する実施例に基づいて具体的に説
明する。図3は本発明の一実施例によるスタガー型TF
Tを示す断面図である。ガラス基板30上に膜厚80n
mのCr遮光膜32が形成され、これらガラス基板30
及びCr遮光膜32上に、膜厚300nmのSiN膜か
らなる絶縁膜34が形成されている。また、この絶縁膜
34上にはITO層38a、38bが相対して形成さ
れ、これらITO層38a、38b上の一部にはそれぞ
れP濃度1%以上のn+ 型a−Siコンタクト層40
a、40bが形成されている。
【0024】こうして、ITO層38a、38b及びn
+ 型a−Siコンタクト層40a、40bからなる階段
形状のソース、ドレイン電極44a、44bが構成され
ている。尚、この階段状構造において、ITO層38
a、38bの対向する領域のn+ 型a−Siコンタクト
層40a、40bにより覆われていない部分の長さは約
100nmである。
【0025】また、ソース、ドレイン電極44a、44
b上及びソース、ドレイン電極44a、44b間の絶縁
膜34上には、P不純物濃度0.1%未満で厚さ10n
mのn- 型a−Si動作層46及びイントリンシックな
i型a−Si動作層48が積層され、動作半導体層50
を構成している。従って、n+ 型a−Siコンタクト層
40a、40bによって覆われていないITO層38
a、38bは、動作半導体層50のn- 型a−Si動作
層46と接触しており、i型a−Si動作層48と直接
に接触することはない。尚、動作半導体層50は、Cr
遮光膜32上方に形成されており、このCr遮光膜32
によって外部からの光が入射しないようになっている。
【0026】また、動作半導体層50上には、厚さ30
0nmのSiN膜からなるゲート絶縁膜52を介して、
厚さ500nmのAl膜からなるゲート電極54が形成
されている。こうして、スタガー型TFT素子が構成さ
れている。次に、図3に示すスタガー型TFTの製造方
法を、図4及び図5の工程図を用いて説明する。
【0027】ガラス基板30上に、スパッタ法を用い
て、膜厚80nmのCr膜を堆積した後、通常のフォト
リソグラフィ法によってパターニングしてCr遮光膜3
2を形成する。続いて、プラズマCVD法を用いて、全
面に膜厚300nmのSiN膜からなる絶縁膜34を形
成する。次いで、スパッタ法を用いて全面に膜厚50n
mのITO層を堆積し、プラズマCVD法を用いて膜厚
30nmのn+ 型a−Si層及び膜厚70nmのSiO
2 膜をそれぞれ積層する。続いて、通常のフォトリソグ
ラフィ法により、ソース、ドレインの形状にパターニン
グしたレジスト36をマスクとして、SiO2 膜をフッ
酸を主成分とするウェットエッチングを行い、n+ 型a
−Si層をCCl 4 を主成分ガスとするドライエッチン
グを行い、ITO層を塩酸と硝酸を主成分とするウェッ
トエッチングを行って、ソース、ドレイン形状のITO
層38a、38b、n+ 型a−Siコンタクト層40
a、40b、SiO2 膜42a、42bをそれぞれ形成
する。このとき、SiO2 膜42a、42bは、そのウ
ェットエッチングにより、横方向にもサイドエッチング
される(図4(a)参照)。
【0028】次いで、レジスト36を剥離した後、Si
2 膜42a、42bをマスクとして、再度、n+ 型a
−Siコンタクト層40a、40bをCCl4 を主成分
ガスとしてドライエッチングすることにより、ITO層
38a、38b上面を一部露出させる。ここでは、エッ
チング条件を適切に選ぶことにより、ITO層38a、
38bの露出部の長さtを約100nmにする。こうし
て、ITO層38a、38b及びn+ 型a−Siコンタ
クト層40a、40bの階段状構造からなるソース、ド
レイン電極44a、44bを得る(図4(b)参照)。
【0029】次いで、SiO2 膜42a、42bをフッ
酸を主成分とするエッチングャントで除去した後、プラ
ズマCVD法を用い、SiH4 ガス中に0.1%のPH
3 を導入することにより、Pがドープされた厚さ10n
mのn- 型a−Si動作層46を、またSiH4 ガスに
より、厚さ30nmのイントリンシックなi型a−Si
動作層48を、それぞれ真空を破らずに連続して形成す
る。こうして、n- 型a−Si動作層46及びi型a−
Si動作層48からなる2層構造のa−Si動作半導体
層50を得る。
【0030】続いて、真空を破ることなく、プラズマC
VD法を用いて、厚さ300nmのSiN膜からなるゲ
ート絶縁膜52を堆積した後、スパッタ法を用いて、厚
さ500nmのAl膜からなるゲート電極54を堆積す
る(図5(a)参照)。次いで、通常のフォトリソグラ
フィ法によりゲート電極54をパターニングした後、同
一レジストパターンでゲート絶縁膜52、a−Si動作
半導体層50及びn+ 型a−Siコンタクト層40a、
40bをドライエッチングする。こうして、図3に示さ
れるスタガー型TFT素子が形成される(図5(b)参
照)。
【0031】次に、このようにして形成されたスタガー
型TFT素子の特性を、図6のグラフに示す。即ち、ド
レイン電圧VD =5Vにおいて、ゲート電圧VG を変化
させたときのドレイン電流ID 特性を実線で示す。ま
た、比較のため、動作半導体層をイントリンシックなi
型a−Si動作層のみから構成されている場合を破線で
示す。両者の比較から明らかなように、本実施例による
スタガー型TFT素子は、オン電流が1桁以上改善され
ている。
【0032】このように本実施例によれば、動作半導体
層50がn- 型a−Si動作層46とi型a−Si動作
層48との2層構造になっており、バックチャネル側の
n-型a−Si動作層46がソース、ドレイン電極44
a、44bのITO層38a、38bに接触し、実効的
なチャネルとして作用するi型a−Si動作層48がI
TO層38a、38bに接触していないことにより、動
作半導体層50とITO層38a、38bとの接合によ
る障壁電位は殆ど生じず、バックチャネル部電位による
チャネルコンダクタンスの低下が生じないため、オン電
流の1桁以上の改善が実現される。
【0033】また、動作半導体層50のn- 型a−Si
動作層46の層厚が10nmであり、更にソース、ドレ
イン電極44a、44bのn+ 型a−Siコンタクト層
40a、40bのP不純物の含有量が1%以上であるの
に対して、n- 型a−Si動作層46のn型不純物の含
有量が1%未満であることにより、液晶を駆動するのに
十分なオフ電流を得ることができる。
【0034】尚、上記実施例においては、動作半導体層
50をn- 型a−Si動作層46とi型a−Si動作層
48との2層構造にしたが、n- 型a−Si動作層46
に一定濃度のP不純物を含有させないで、含有させるP
不純物濃度を絶縁膜34側から階段状に減少させること
により、2層構造の代わりに多層構造の動作半導体層と
してもよい。
【0035】この場合、SiH4 ガス中に導入するPH
3 量をa−Si膜厚2nmに対応する成膜時間ごとに
0.1%、0.05%、0.01%、0.005%、
0.001%と順に減少させていくことにより、Pドー
プ量が階段状に減っていく多層構造のn- 型a−Si動
作層が得られる。更にまた、n- 型a−Si動作層に含
有させるP不純物濃度を階段状ではなく、連続的に減少
させてもよい。いずれの場合においても、上記実施例の
場合と同様に、十分に低いオフ電流の値を示す。
【0036】また、上記実施例においては、n型不純物
としてPを用いたが、これに限定されず、例えばAs
(砒素)等であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、薄膜トラ
ンジスタのソース電極及びドレイン電極が、ITOを主
成分とする透明電極層とn型コンタクト半導体層とを有
し、動作半導体層が、少なくとも前記透明電極層と接触
する部分に設けられた前記n型コンタクト層より不純物
濃度が低いn- 型半導体層と、i型半導体層とを有して
いることにより、ITOを主成分とする透明電極層が動
作半導体層と直接に接している場合でもTFT特性の低
下を防止することができる。
【0038】また、基板上に、ITOを主成分とする透
明電極層、n型コンタクト半導体層及び絶縁層を順に積
層する工程と、所定の形状に絶縁層をウェットエッチン
グし、n型コンタクト半導体層をドライエッチングし、
透明電極層をウェットエッチングした後、ウェットエッ
チングによってサイドエッチングされた絶縁層をマスク
として、再度n型コンタクト半導体層をドライエッチン
グして、階段状構造をなす透明電極層及びn型コンタク
ト半導体層からなるソース電極及びドレイン電極を形成
する工程と、絶縁層を除去した後、n型コンタクト層よ
り不純物濃度が低いn- 型半導体層、i型半導体層、ゲ
ート絶縁膜及びゲート電極を順に積層する工程と、ゲー
ト電極、ゲート絶縁膜、i型半導体層及びn- 型半導体
層をエッチングして、n- 型半導体層及びi型半導体層
からなる動作半導体層上に、ゲート絶縁膜を介してゲー
ト電極を形成する工程とを有することにより、1回のフ
ォトリソグラフィ工程でソース電極及びドレイン電極を
形成しても、十分なTFT特性を得ることができる。
【0039】従って、TFT特性の向上と工程の簡略化
によるコストの低減を実現することに寄与すること大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するためのTFTの断面図
である。
【図2】図1のTFTの動作半導体層のエネルギーバン
ド図である。
【図3】本発明の一実施例によるスタガー型TFTを示
す断面図である。
【図4】図3に示すスタガー型TFTの製造方法を説明
するための工程図(その1)である。
【図5】図3に示すスタガー型TFTの製造方法を説明
するための工程図(その2)である。
【図6】図3に示すスタガー型TFTの電流特性を示す
グラフである。
【図7】従来のスタガー型TFTを示す断面図である。
【図8】図7に示すスタガー型TFTの電流特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
10…ガラス基板 12a…ソース電極 12b…ドレイン電極 14a、14b…ITO透明電極層 16a、16b…n+ 型a−Siコンタクト層 18…動作半導体層 20…n- 型a−Si動作層 22…i型a−Si動作層 24…ゲート絶縁膜 26…ゲート電極 30…ガラス基板 32…Cr遮光膜 34…絶縁膜 36…レジスト 38a、38b…ITO層 40a、40b…n+ 型a−Siコンタクト層 42a、42b…SiO2 膜 44a…ソース電極 44b…ドレイン電極 46…n- 型a−Si動作層 48…i型a−Si動作層 50…a−Si動作半導体層 52…ゲート絶縁膜 54…ゲート電極 60…ガラス基板 62a、74a…ソース電極 62b、74b…ドレイン電極 64a、64b、76a、76b…ITO透明電極層 66a、66b、78a、78b…n+ 型a−Siコン
タクト層 68…i型a−Si動作層 70…ゲート絶縁膜 72…ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 保 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 滝沢 裕 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に相対して形成されたソース電極
    及びドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン
    電極間並びに前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に
    形成された動作半導体層と、前記動作半導体層上にゲー
    ト絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有する薄膜
    トランジスタにおいて、 前記ソース電極及び前記ドレイン電極が、それぞれ、イ
    ンジウムティンオキサイドを主成分とする透明電極層
    と、前記透明電極層上に形成され、前記動作半導体層と
    オーミック接触するn型コンタクト半導体層とを有し、 前記動作半導体層が、少なくとも前記透明電極層と接触
    する部分に設けられた前記n型コンタクト層より不純物
    濃度が低いn- 型半導体層と、i型半導体層とを有して
    いることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜トランジスタにおい
    て、 前記動作半導体層を構成する前記n- 型半導体層の層厚
    が20nm以下であることを特徴とする薄膜トランジス
    タ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の薄膜トランジスタにおい
    て、 前記ソース電極及び前記ドレイン電極を構成する前記n
    型コンタクト層のn型不純物の含有量が1%以上であ
    り、 前記動作半導体層を構成する前記n- 型半導体層のn型
    不純物の含有量が1%未満であることを特徴とする薄膜
    トランジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の薄膜トランジスタにおい
    て、 前記動作半導体層を構成する前記n- 型半導体層のn型
    不純物の含有量が、前記基板側から徐々に又は階段状に
    減少していることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  5. 【請求項5】 基板上に、インジウムティンオキサイド
    を主成分とする透明電極層、n型コンタクト半導体層及
    び絶縁層を順に積層する工程と、 所定の形状にパターニングしたレジストをマスクとし
    て、前記絶縁層をウェットエッチングし、前記n型コン
    タクト半導体層をドライエッチングし、前記透明電極層
    をウェットエッチングした後、前記レジストを除去し、
    ウェットエッチングによってサイドエッチングされた前
    記絶縁層をマスクとして、再度、前記n型コンタクト半
    導体層をドライエッチングして、階段状構造をなす透明
    電極層及びn型コンタクト半導体層からなるソース電極
    及びドレイン電極を形成する工程と、 前記絶縁層を除去した後、全面に、前記n型コンタクト
    層より不純物濃度が低いn- 型半導体層、i型半導体
    層、ゲート絶縁膜及びゲート電極層を順に積層する工程
    と、 所定の形状にパターニングしたレジストをマスクとし
    て、前記ゲート電極層、前記ゲート絶縁膜、前記i型半
    導体層及び前記n- 型半導体層をエッチングして、前記
    - 型半導体層及び前記i型半導体層からなる動作半導
    体層上に、前記ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成
    する工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ
    の製造方法。
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