JPH0534052A - 園芸作物の保蔵方法及びその装置 - Google Patents

園芸作物の保蔵方法及びその装置

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JPH0534052A
JPH0534052A JP3211548A JP21154891A JPH0534052A JP H0534052 A JPH0534052 A JP H0534052A JP 3211548 A JP3211548 A JP 3211548A JP 21154891 A JP21154891 A JP 21154891A JP H0534052 A JPH0534052 A JP H0534052A
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JP3211548A
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Yoichiro Ueno
陽一郎 上野
Hiroshi Amato
紘 天都
Akiyuki Tashiro
昭行 田代
Shingo Takamatsu
信吾 高松
Yukihito Morimoto
之仁 森本
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Mitsui OSK Lines Ltd
Original Assignee
Mitsui OSK Lines Ltd
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D85/00Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials
    • B65D85/50Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for living organisms, articles or materials sensitive to changes of environment or atmospheric conditions, e.g. land animals, birds, fish, water plants, non-aquatic plants, flower bulbs, cut flowers or foliage
    • B65D85/52Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for living organisms, articles or materials sensitive to changes of environment or atmospheric conditions, e.g. land animals, birds, fish, water plants, non-aquatic plants, flower bulbs, cut flowers or foliage for living plants; for growing bulbs
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主に輸送面で未解決技術として残されてきた
鑑賞用植物(根付き又は切り花)等の園芸作物が、海
上、陸上輸送及び陸上静止保蔵の際、コンテナ内の人工
環境下で、劣化を防止した品質の維持と、目的に応じた
生育の促進を図ることのできる保蔵方法及び装置を提供
する。 【構成】 生命反応を有する園芸作物を移動可能なコン
テナ1に収納して、冷凍ユニット5で庫内温度を10〜
25℃に保ち、加湿器6で庫内湿度を60〜90%に保
つ。コンテナ1内の園芸作物から発生する揮発性ガスは
ガス吸着フィルタ12で吸着除去し、内部空気は送風フ
ァン5bからの弱風にて循環させる。また、コンテナ1
内の園芸作物には、光照射部13から赤色及び青色波長
を主体とする光を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラン科植物等の園芸作
物の保蔵方法及びその装置に係り、特に海上輸送やトラ
ック輸送等に用いられる収納庫(コンテナ)で園芸作物
を数日ないし数週間かけて所定の場所に輸送するに際
し、その園芸作物の生育の促進並びに品質の維持を図っ
て、開梱後の正常な品質の確保を可能とした園芸作物の
保蔵方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】園芸作物の栽培では、適地適作の条件下
で生産された産品が、品質・外見共に最も安定した収穫
が得られることは良く知られている。そのため、従来か
ら、品質改良、栽培技術の改善、生産資材の導入等によ
って、人為的に自然条件に極く近い状態を再現し、野
菜、果実、花卉類の促成栽培や普通栽培の組み合わせに
よって地域毎に栽培域を拡大し、かなり高品質な収穫物
の生産を可能としている。また、物流面における鮮度保
持技術が格段に進歩したことによって、相当部分の商品
が常に流通する状態となってきている。
【0003】ところが、国内生産品のみで通季をカバ−
するには不十分であり、しかも、特に寒冷期栽培品は生
産コストの上昇で流通を阻害されるため、輸送技術の確
立した商材については、国内端境期を中心に海上輸送及
び航空輸送による輸入に依存している。
【0004】ところで、野菜、果実類等の生鮮食品につ
いては、例えば特開平2−71074号公報や特開平2
−71077号公報に示されるように、相当長期間にわ
たる鮮度保持輸送と保蔵を可能とした技術が開発されて
いる。これは、温度、湿度コントロ−ル、微風環境等に
よる庫内寒温制御技術をその内容とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鑑賞を
目的とする花卉類の根付きもの、及び切り花類は相当量
の需要があるにもかかわらず、現在、鮮度保持輸送技術
が未解決のため、輸出入が阻害されているのが、現状で
ある。
【0006】即ち、上記従来技術によれば、野菜や果実
類についての鮮度保持輸送と保蔵では実用上ほぼ目的を
達しつつあるが、洋ラン等の鑑賞用植物の長期保蔵と鮮
度保持には難点を有し、更に改善を必要とする。
【0007】そこで、本発明は、主に輸送面で未解決技
術として残された鑑賞用植物(根付き又は切り花)が海
上、陸上輸送及び陸上静止保蔵の際、収納庫(コンテ
ナ)内の人工環境下で、劣化を防止した品質の維持と、
目的に応じた生育の促進を図ることのできる保蔵方法及
び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、上記目的
を達成するため、生命反応を有する園芸作物を移動可能
な収納庫に収納して、該収納庫内の温度を10〜25
℃、湿度を60〜90%の範囲内で園芸作物の種類に応
じた環境条件に保つと共に、収納庫内の園芸作物から発
生する揮発性ガスを吸着し、内部空気を弱風にて循環さ
せ、かつ前記収納庫内の園芸作物に、赤色及び青色波長
を主体とする光を照射することを特徴とするものであ
り、また、前記赤色波長を主体とする光と青色波長を主
体とする光の照射比を、赤色2に対し青色1とすること
をも特徴としている。
【0009】また、本発明装置は、生命反応を有する園
芸作物を収納する収納庫と、該収納庫内の温度を制御す
る温度制御手段と、該収納庫内の湿度を制御する湿度制
御手段と、該収納庫内の揮発性ガスを吸着するガス吸着
手段と、該収納庫内に弱風を循環させる送風手段と、該
収納庫内の園芸作物に赤色及び青色波長を主体とする光
を照射する光照射手段とを備えたことを特徴としてい
る。
【0010】植物の生育を促し、また良好な品質を維持
するためには、その植物にとって最適な温度条件と、湿
度条件等の環境を整備する必要がある。洋ラン等の園芸
作物では、種々実験を重ねた結果、温度を10〜25℃
(特に好ましくは、16℃前後)、湿度を60〜90%
(特に好ましくは、75%前後)の範囲内で、その園芸
作物の種類に応じた環境条件に保ち、かつ園芸作物から
発生する揮発性ガスを吸着除去し、しかも内部空気を弱
風にて循環させると、良好な環境が得られることが判っ
た。
【0011】また、青色光、赤色光、近赤外光を照射す
ると敏感に反応し、特に、400〜450nmあたりの
紫から青までの光は、植物の発育を強化し、分枝を増
し、550〜700nmの黄から赤色の波長は、発育を
促し、分枝を少なくする作用があり、園芸作物の草姿の
バランスのとれた状態を保つには、赤色波長を主体とす
る光と、青色波長を主体とする光の照射比を、略2:1
とすると良いことが判明した。例えば、青色光が弱すぎ
ると節間の伸びがなく、青色光が強すぎると節間が伸び
てしまった。
【0012】即ち、植物は、大気中から吸収した炭酸ガ
スと、根又は切断面から吸収した水で、細胞内の葉緑素
の助けをかり、更に太陽エネルギーを利用して、糖類、
でんぷん等の炭水化物を光合成(炭酸同化作用)して生
長することは良く知られており、植物の茎や葉が入光す
る方向に曲がり生育するのは、光による植物内生ホルモ
ンの働きで、光側と当たらない側に明らかな発育差を生
じ、根の発育にも間接的な影響を与える。
【0013】一般に植物の生長に及ぼす光とは、光の強
さ、光の継続時間、光質で、そのうち特に光質は植物の
生育、開花、光合成反応と強い関係がある。
【0014】植物の茎葉の生長展開や花芽形成などの形
態的光反応を、太陽スペクトルで見ると、400〜45
0nmあたりの紫から青までの光は、植物の発育を強化
し、分枝を少なくする作用がある。
【0015】一方、植物は人が敏感な(明るく感じる)
黄〜緑色には鈍感である。反対に人が鈍感な(暗く感じ
る)青色光、赤色光、近赤外光に敏感に反応する。太陽
光線として、地上に到達する光は、300nm〜800
nmの波長域で、植物の光合成に関係する波長域は単位
エネルギーに対する光合成の作用スペクトルとして、基
本的に変わらないため、ホーバー曲線として使われてき
た。それは、光合成のピーク665nmの赤色光付近
と、440nmの青色付近にあって、緑や黄色光部で
は、わずかであった。数多い植物を調査したアックリー
の研究では、赤色側がピークとなり短波長側に低くなっ
て、青色部に低いピークのあるスペクトルが多くの植物
に認められた。
【0016】他方、植物の花成(花芽分化、花芽の発
育、開花までの過程を含めていう)は日長効果(光周
率、光周反応)(光周性)、つまり日長によって著しく
影響され、特に花卉栽培でも光周性を利用した開花調節
は、重要な技術になっている。光周反応からみた植物分
類は、短日、長日、中性の3グループに、定日、長短
日、短長日植物に細分化されている。
【0017】光周反応の最近の研究によれば、1日24
時間の中で、日長(明期)の長短が花芽形成、発育に関
与すると考えられていたが昼の長さよりも夜の長さ(明
暗)の長短が花成に重要な影響を与えることが実証され
ている。
【0018】これは、夜の長い期間(長暗期〜短日条件
下)の暗期で光を一度与えると長い暗期効果が失われる
光中断、即ち長日条件下におかれた効果となる。
【0019】植物の光周性を利用して開花を調節する栽
培は、花卉生産では広く行われている。とくに短日植物
は日長を人工的に調節することによって開花を促進又は
抑制することが容易になり、キク、ポインセチヤ、カラ
ンコエが主な対象である。
【0020】電照栽培は電灯照明による夕方からの補光
が真夜中の光中断で開花を促進又は抑制し、遮光栽培は
人工的に日長を短くして、短日条件を作りだし、短日植
物の花成を促進する。
【0021】このように基本的な環境条件を人工気象抑
制によって、植物生理をその目的に合わせ、温度、湿
度、揮発性ガスコントロール、弱風循環に光との複合技
術によって、努めて自然条件を再現することができる。
【0022】本発明では、園芸作物を収納する収納庫内
の温度を10〜25℃、湿度を60〜90%の条件に保
ち、かつ園芸作物から発生する揮発性ガスを吸着し、庫
内空気を微風循環させ、しかも庫内の園芸作物に、赤色
及び青色波長を主体とする光を照射する(好ましくは、
赤色波長を主体とする光2に対し、青色波長を主体とす
る光1を照射する)ことによって、収納庫(コンテナ)
による長期海上輸送と陸上輸送及び陸上静置保蔵を可能
にしたものである。本発明の光照射手段は既に開発され
た鮮度保持技術に併用することで植物の有する特性を助
長し、目的に合わせた光量調節によって最高の能力を発
揮する。
【0023】光照射手段としては、植物の育成に最も有
効な赤色及び青色波長を主体とする光源を収納庫内に設
備し、庫内床部分で目的に合った照度を決定する。収納
庫(コンテナ)のサイズはかならずしも一定でないこと
と、商品の床並べと庫内にラック装備で二段積の場合
も、床部分で陰影がなくほぼ一定の光量が得られる様、
光源を配置することが好ましい。また植物育成に努めて
自然環境を再現するために、光源の点滅はタイマー設定
にすると良い。
【0024】
【作用】収納庫内の温度を10〜25℃の範囲内で植物
の種類に応じた環境に保つことで、開花促進や開花調節
を図ることができ、湿度を60〜90%に保つことで、
植物の蒸散作用による草姿全体の乾燥を適度に防止でき
る。
【0025】また、園芸作物から発生する揮発性ガスを
吸着除去することで、有害揮発性ガスが除かれ、かつ弱
風にて庫内空気を循環させることで、良好な庫内環境を
維持できる。
【0026】さらに、赤色波長と青色波長を主体とする
光を照射することで、植物の葉緑素の形成に寄与でき、
そのうち赤色光は発育を促し分枝を少なくする作用を有
し、青色光は植物の発育を強化し分枝を増す作用を有す
る。また赤色光2に対し青色光1を照射することで、草
姿のバランスがとれた生育の促進と品質の維持が図れ
る。
【0027】そして、これらの温度条件、湿度条件、揮
発性ガスコントロール、弱風循環、光照射を、植物の種
類に応じ適度に調整することで、収納庫内という限られ
たスペースの中で、植物の劣化を防止した品質の維持
と、目的に応じた生育の促進を図ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明方法及び装置を図面に基づいて
説明する。本発明の園芸作物の保蔵装置は、園芸作物固
有の植物生理に適した温度、湿度、揮発性ガスの制御、
風量調節、光の調節等の環境条件を整備したものであ
る。園芸作物の保蔵装置は、生命反応を有する園芸作物
を収納するコンテナ(収納庫)と、該コンテナ内の温度
を制御する温度制御手段と、湿度を制御する湿度制御手
段と、該コンテナ内の揮発性ガスを吸着するガス吸着手
段と、該コンテナ内に弱風を循環させる送風手段と、該
コンテナ内の園芸作物に赤色及び青色波長を主体とする
光を照射する光照射手段とを備えている。
【0029】図1は本発明に係る園芸作物の保蔵装置の
概略説明図である。園芸作物を保蔵するコンテナ1は、
その箱形のコンテナ本体1aの内部中央に園芸作物を収
納する保蔵室2が大きく形成され、その一側(扉と対向
する奥部)に仕切壁3で区画された冷凍ユニット室4が
設けられている。冷凍ユニット室4には温度制御手段お
よび送風手段となる冷凍ユニット5や湿度制御手段とな
る加湿器6等が配設され、加湿冷却空気を供給できるよ
うにしている。
【0030】保蔵室2の上部には、天井板7とコンテナ
本体1a間に冷凍ユニット室4から冷却通路8を通って
供給される加湿冷却空気を案内する吐出通路9が形成さ
れ、天井板7には、該吐出通路9内に流入した加湿冷却
空気を保蔵室2内に吐出するための多数の吐出孔7a,
7a・・・が穿設されている。
【0031】保蔵室2の床部10はT型レールを採用し
て空気通路11を確保しており、保蔵室2の空気は床部
10の空気通路11を通って冷凍ユニット室4の下部に
設けた開口から冷凍ユニット室4内に循環される。
【0032】冷凍ユニット室4の下部には、床部10の
空気通路11を通って冷凍ユニット室4に循環される保
蔵室2の空気中からエチレン等の揮発性ガスを吸着し除
去するためのガス吸着手段であるガス吸着フィルタ12
が配設されている。このガス吸着フィルタ12により、
園芸作物で生成され拡散する植物成熟ホルモンやエチレ
ン等の有害揮発性ガスがほとんど吸着除去される。
【0033】この構成により、図1に矢印で示すよう
に、冷凍ユニット室4内の冷凍ユニット5及び加湿器6
で発生された冷却空気及び生成霧(加湿冷却空気)は、
上部吐出通路9を経て、吐出孔7aから洋ラン等の園芸
作物の収納保蔵室2内に供給され、園芸作物の品質の維
持を図る。そして、園芸作物から発生する揮発性ガスに
富んだ空気は床部10の空気通路11からガス吸着フィ
ルタ12にてエチレン等が吸着除去された後、再び冷凍
ユニット室4内に循環される。
【0034】また、天井板7の下面には、保蔵室2に収
納された園芸作物に赤色及び青色波長の光を照射するた
めの光照射手段の一部を構成する光照射部13が適宜数
設けられており、これにより保蔵室2内に収納された園
芸作物の生育の促進を図っている。なお、保蔵室には、
園芸作物の種類に応じ、それらを収納するためにラック
等を設けることができる。この場合、収納した園芸作物
にくまなく光を照射できるように、保蔵室2の壁部にも
光照射部13を設けると良い。
【0035】ところで、吐出通路9の断面積は、冷凍ユ
ニット室4上方の冷却空気及び生成霧の出口となる冷却
通路8の1/3程度と小さくしている。これにより、冷
却ユニット室4からの加湿冷却空気は、冷却通路8から
吐出通路9へ流入する際にその速度が速くなると共に圧
力が降下することになる。また、前記吐出孔7aは、保
蔵室2内の温度及び湿度を均一化するために、冷凍ユニ
ット室4に近接している吐出孔を小径とし、冷却ユニッ
ト室4から離れるに連れて順次大径に形成されている。
そして、このように形成した吐出孔7aから、例えば風
速0.4〜0.8m/sの弱風を保蔵室2内全体に均一
に吹き降ろすことで、保蔵室2内の温度分布はどの部分
をとっても、±0.5℃の範囲で維持できる。
【0036】冷凍ユニット5は、蒸発器5aおよび送風
ファン5b等を有する従来より公知のものであり、冷凍
ユニット室4下部から吸込んだ空気を蒸発器5aによっ
て冷却し、その冷却空気を送風ファン5bによって冷却
通路8から吐出通路9へ送り、天井板7の吐出孔7aか
ら保蔵室2内に吐出流下するものである。
【0037】加湿器6は、上記冷凍ユニット5に隣接し
て設置された超音波加湿器本体6aを主要部として成る
ものである。該加湿器本体6aはその内部構造は従来か
ら周知のものと略同様であって、貯水漕内に貯められた
水を振動子が発する超音波によって飛散させて霧を発生
させ、この生成霧を噴射ノズルから放出する。また、空
気取入口は上記送風ファン5bの下流側に近接して設け
られており、一方、噴射ノズルは、その噴射口が上記吐
出通路9の入口部、即ち冷却通路8と吐出通路9との境
界部付近に延設されている。
【0038】また、本加湿器6には、前記超音波加湿器
を一定時間毎に所定時間駆動する信号を出力するタイマ
手段TMが備えられている。このタイマ手段TMにより
前記超音波加湿器は例えば5分駆動、5分停止の如く運
転を繰り返すものである。なお、このタイマ手段TMの
前記駆動、停止の時間が各々長短設定変更可能とされて
おり、経験的に知られている積荷に適した湿度になるよ
うに適宜設定される。そして、このタイマ手段TMによ
り、保蔵室内の湿度を0℃〜+10℃の温度帯で、85
〜95%に維持可能となる。
【0039】次に、上記冷凍ユニット5および加湿器6
を図2の回路図に基づいて説明する。先ず、冷凍ユニッ
ト5の冷媒回路は、圧縮機15の吐出側より継手15a
を介して空冷凝縮器16、水冷凝縮器17、アキューム
レータ等の付属機器類18、膨張弁19および蒸発器5
aが順に冷媒配管により接続されていると共に、該蒸発
器5aがフレキシブルパイプ20を介して圧縮機15の
吸込側に継手15bを経て接続されて構成されている。
そして、圧縮機15で圧縮された高圧冷媒は両凝縮器1
6,17で凝縮し、蒸発器5aで蒸発して圧縮機15に
戻る一方、該蒸発器5aで上記冷却通路8の空気と熱交
換して冷却空気を生成するようになっている。尚、上記
膨張弁19は蒸発器5aの吐出側に設けられたサーミス
タ21の検知冷媒温度および冷媒圧力で制御されるよう
になっている。
【0040】また、上記圧縮機15と空冷凝縮器16と
の間の冷媒配管Bには三方比例弁22が介設され、該三
方比例弁にはホットガスバイパス管HBの一端が接続さ
れ、該ホットガスバイパス管HBは給水用熱交換器23
およびドレンパンヒータPHを順に接続して、他端が分
流器24を介して蒸発器5aの吸込側に接続され、該ホ
ットガスバイパス管HBは、ホットガス供給量によって
冷媒回路の容量制御を行うように構成されている。
【0041】上記三方比例弁22は、蒸発器5aの吹出
空気温度を検知してPID制御により開度が比例制御さ
れるように構成されており、設定温度幅の上限より吹出
空気温度が高い場合、つまり、プルダウン時等は、ホッ
トガスを全て空冷凝縮器16側に流す一方、吹出空気温
度が低くなると、例えば0℃になると、ホットガスを上
記ホットガスバイパス管HBに流すと共に、吹出空気温
度に従って比例制御され、ホットガスバイパス管HBへ
の供給量を制御し、更に、吹出空気温度が設定温度幅の
下限より低い場合にはヒーティングモードとなり、全て
のホットガスをホットガスバイパス管HBに供給するよ
うに構成されている。
【0042】そして、保蔵室2内は、−25℃〜+25
℃の調節機能を有し、循環する風速を0.4〜0.8m
/sに押さえ、吐出通路9および吐出孔7aを採用して
均一に吹き降ろし、またコンピュータ制御を行うこと
で、保蔵室2内の温度調節が±0.5℃の範囲で維持が
可能である。なお、吐出通路9内にダンパを設けること
により、デフロスト(霜取り)時の保蔵室内温度の上昇
を防止することができる。
【0043】加湿器6は加湿器本体6aが冷却通路8の
左右両側に2つ設けられており、給水手段である給水回
路Aが接続されている。該給水回路Aは給水ポンプPの
吐出側が給水管25によって上記加湿器本体6aへ三方
電磁弁26を介して接続されると共に、該加湿器本体6
aに接続されたオーバーフロー管27がウオータタンク
Tを介して給水ポンプPの吸込側に接続されて構成され
ている。尚、上記三方電磁弁26は給水管25とオーバ
ーフロー管27とを適宜バイパスさせるものである。
【0044】そして、上記加湿器本体6aへの給水はオ
ーバーフロー式に構成されており、該加湿器本体6aに
供給される噴霧用水はポンプP、給水管25、加湿器本
体6a、オーバーフロー管27を順に常に、循環するよ
うに構成されている。また、上記給水管25の途中は上
記給水用熱交換器23に接続されており、該熱交換器2
3は加湿器本体6aへの供給水と冷媒のホットガスとを
熱交換して該供給水を加温するように形成されている。
更に、上記給水管25には熱交換器23の下流側より分
岐管28が分岐されている。
【0045】上記蒸発器5aの下方にはデフロスト時の
ドレンを補集するドレンパンDが設けられ、該ドレンパ
ンDにはドレン管29が接続されている。該ドレン管2
9はコンテナ1の外部に導出され、ストレーナSが介設
されると共に、外端配水口がチルド運転時以外に開口し
て給水回路Aの水を排出する開閉弁30によって開閉自
在に構成され、更に、該ドレン管29は上記給水ポンプ
Pの吸込側に接続されている。また、上記ドレンパンD
には前記ドレンパンヒータPHが設けられると共に、該
ドレンパンヒータPHを介して、上記分岐管28が接続
されており、分岐管28より常時、加湿器本体6aへの
供給水の一部が供給されており、上記ドレンバンヒータ
PHは分岐管28からの供給水並びに蒸発器5aのドレ
ンを加温するようにしている。そして、上記給水用熱交
換器23およびドレンパンヒータPHにおける水の加熱
量は三方比例弁22でホットガスバイパス管HBに供給
されるホットガス量で制御されるようになっている。な
お、加湿器本体6aに接続された配水管31は開閉弁3
2を有し、ドレンパンDに接続されている。
【0046】次に、光照射手段は、園芸作物固有の植物
生理に適した光を照射する手段であって、図3の説明図
にその詳細を示すように、外部電源接続部41a、内部
電源部41b等の電源供給部41と、電源調節部42
と、光照射時間調節部43と、光照射強度調節部44
と、光源脱着部45と、光照射部13とから構成されて
いる。外部電源接続部41aは輸送に供する装置や貯蔵
装置に使用される電源から電力を受けるための接続部で
あり、また外部から電力を供給できない場合には、内部
電源部41bによって、自力で電力を発生できる。
【0047】電源調節部42は外部電源接続部41a又
は内部電源部41bから電力を受け、光照射時間調節部
43及び光照射強度調節部44に適切な形に変換して電
力を供給する他、電力容量の制限、遮断、外部電源と内
部電源の自動切替えも制御する。
【0048】光照射時間調節部43は光周性を利用した
植物固有の特性に合った光照射時間を調節し、さらに光
照射に必要な光の強さの調節は光照射調節部44で行
い、光照射部13の照明が制御される。
【0049】また、光照射部13の照明と光照射強度調
節部44とを接続するために、容器内部に使用目的に合
った場所に光源脱着部45を備えていて、光照射部13
には、園芸作物の品質維持、成長促進、および育成抑制
制御に効果のある光波長をもつ照明、および殺菌効果を
もつ照明として、それぞれ赤色蛍光灯照明13aや青色
白熱灯照明13bや青色蛍光灯照明13c等を備えてい
る。
【0050】本発明方法は、上記園芸作物の保蔵装置を
用いて、生命反応を有する園芸作物を移動可能なコンテ
ナ(収納庫)2に収納する。コンテナ2内は、温度や湿
度の制御手段によって、温度を10〜25℃、湿度を6
0〜90%の条件に保つ。コンテナ2内の園芸作物から
発生し拡散する植物成熟ホルモンやエチレン等の有害揮
発性ガスはガス吸着フィルタ12で吸着し、内部空気は
送風ファン5bからの弱風にて循環させる。そして、前
記コンテナ2内の園芸作物に、光照射手段の光照射部1
3から赤色及び青色波長を主体とする光を照射する方法
である。そして、本発明方法にあっては、赤色波長を主
体とする光と青色波長を主体とする光の照射比を、赤色
2に対し青色1とすると、洋ラン等の園芸作物の草姿の
バランスがとれ、しかも生育の促進と品質の維持が図
れ、好ましい。
【0051】以下、実験例に基づいて、本発明をさらに
詳細に説明する。なお、以下の実験例においては、図4
の「実験庫照度計測グラフ」に示す光照射量で実験を行
った。即ち、図4は今回の実験例で実施した各部の光照
射量であり、底部より300mmの高さで、且つ光源中
心部(0位置)を標準に光照射量を調整した。そし
て、およびは標準に比べ光照射量は少なかった
が、今回の実験での検体に及ぼす影響は、に関し
てほとんど差異は認められなかった。また、以下の実験
例において照射する光波長は、植物の葉緑素形成に有効
な赤と青成分とし、赤と青色は概ね2:1の比率として
いる。
【0052】(実験例1)デンファレの長期間鮮度保持
輸送実験
【0053】農産物の鮮度保持機能を有する海上コンテ
ナを使用して、長期間実験輸送を実施して、輸送終了時
の判定及び常温(20℃)の室内条件下で鑑賞に堪える
期間店持ち判定を行った。
【0054】実験は下記表1に示すA.B.Cの3区を
設定した。
【0055】
【表1】
【0056】海上輸送コンテナによる輸出入を想定し
て、庫内積込みにより開梱までの日数は20日間で、光
源の有無を除き、B.C区は全く同じ条件を設定した。
実験検体は同一圃場で栽培された同一品種で草姿は2寸
鉢育苗10輪5分咲き根付きを使用して判定を行った。
【0057】測定結果を図5(実験期間)(実験終了後
の開花店持ち)に示す。
【0058】図5のA区は蕾5輪が平均3.5日毎に開
花し、20日間でほぼ満開の状態に達し店持ち判定期間
の通り24日間にわたり、鑑賞に堪える期間を持続し
た。
【0059】B区は開花5輪に関して、外見上差したる
変化を認めなかったが蕾の生育が停止して全体的に緑色
の退色と一部黄変劣化をともなう落蕾を認め、店持ち判
定期間の通り正常な開花に到らず、急速に商品性を失っ
た。
【0060】C区は、本発明方法に係るもので、光照射
時間を1日単位10時間とし、光量は図4の設定とし
た。図5の実験期間は推定開花で点線とした。
【0061】実験終了時蕾が1輪開花、1輪半開き状で
明らかに緩慢ながら生育を認め、店持ち判定期間の通
り、正常に満開し、B区の如き、落蕾又は黄変劣化はな
かった。
【0062】つぎに、A区、C区の比較によれば、C区
は実験期間中の生育が抑制されるが、店持ち期間が平均
9日間延長され実質的な光効果を認めた。
【0063】この実験例1は、品質維持と輸送中の生育
抑制を目的とした最低限の光量設定の結果で、光量増加
と温度変化をすることで、開花促進又は開花調節をする
ことが可能である。
【0064】(実験例2)ファレノプシスの長期間鮮度
保持輸送実験
【0065】鮮度保持機能を有する海上コンテナを使用
し、長期間、輸送実験を実施して、輸送終了時の判定及
び常温(20℃)の室内条件下で鑑賞に堪える期間店持
ち判定を行った。実験期間は20日間として、下記表2
に示すA.B.Cの3区を設定した。
【0066】
【表2】
【0067】海上輸送コンテナによる輸出入を想定し
て、庫内積込みより開梱までの条件は光源の有無を除
き、B.C区は全く同条件を設定した。実験検体は同一
圃場で栽培された同一品種で草姿は2寸鉢育苗10輪5
分咲き、根付きを使用して、判定を行った。
【0068】測定結果を図6(実験期間)(実験終了後
の開花店持ち)に示す。
【0069】図6のA区は蕾5輪が平均3.5日毎に開
花し20日間で満開の状態に達し、店持ち判定期間の通
り、約30日間にわたり鑑賞に堪える期間を持続した。
【0070】B区は実験開始時の開花5輪に関して、差
したる変化を認めなかったが、蕾の生育肥大が停止して
全体的に緑色・退色と一部黄変劣化をともない中間部蕾
に一部落蕾を認め、店持ち判定期間の通り正常な開花に
到らず、商品性を失った。
【0071】C区は本発明方法に係るもので、光照射時
間を1日単位10時間として光量は図4の設定として、
図6の実験期間は推定開花のため点線とした。
【0072】実験終了時、蕾が1輪完全開花、1輪半開
き状で緩慢ながら明らかに生育を認め、固体差はあるも
のの店持ち判定期間の通り、正常に開花し、B区の如
き、落蕾、又は黄変劣化がなかった。
【0073】つぎに、A区、C区の比較によれば、C区
は実験期間中の生育が抑制されるが、店持ち期間が平均
10日間延長され実質的な光効果を認めた。
【0074】この実験例2は、品質保持と輸送中の生育
抑制を目的とした最低限の光量設定の結果で、光量増加
と温度変化をすることで、開花促進又は開花調節をする
ことが可能である。
【0075】(実験例3)ファレノプシスの長期間鮮度
保持輸送実験
【0076】鮮度保持機能を有する海上コンテナを使用
し、長期間、輸送実験を実施して、輸送終了時の判定及
び常温(20℃)の室内条件下で鑑賞に堪える期間店持
ち判定を行った。実験期間は20日間として、下記表3
に示すA.B.Cの3区を設定した。
【0077】
【表3】
【0078】海上輸送コンテナによる輸出入を想定し
て、庫内積込みより開梱までの条件は光源の有無を除
き、B.C区は全く同条件を設定した。実験検体は同一
圃場で栽培された同一品種で、草姿は2寸鉢育苗10輪
5分咲き、根付きを使用して、判定を行った。
【0079】測定結果を図7(実験期間)(実験終了後
の開花店持ち)に示す。
【0080】図7のA区は蕾5輪が平均3.5日毎に開
花し20日間でほぼ満開の状態に達し、店持ち判定期間
の通り、約25日間にわたり鑑賞に堪える期間を持続し
た。
【0081】B区は実験開始時の開花5輪に関して、差
したる変化を認めなかったが、蕾の生育が停止して、全
体的に緑色・退色と一部に黄変劣化をともなう落蕾を認
め、店持ち判定期間の通り正常な開花に到らず、急速に
商品性を失った。
【0082】C区は本発明方法に係るもので、光照射時
間を1日単位10時間とし、光量は図4の設定として、
図7の実験期間は推定開花のため点線とした。
【0083】実験終了時、蕾が1輪開花、1輪半開き状
で緩慢ながら明らかに生育を認め、固体差はあるものの
店持ち判定期間の通り、正常に開花し、B区の如き落蕾
又は黄変劣化がなかった。
【0084】つぎに、A区、C区の比較によれば、C区
は実験期間中の生育が抑制されるが、店持ち期間が平均
10日間延長され、実質的な光効果を認めた。
【0085】この実験例3は、品質維持と輸送中の生育
抑制を目的とした最低限の光量設定の結果で、光量増加
と温度変化をすることで、開花促進又は開花調節をする
ことが可能である。
【0086】(実験例4)ファレノプシスの長期間鮮度
保持輸送実験
【0087】鮮度保持機能を有する海上コンテナを使用
し、長期間、輸送実験を実施して、輸送終了時の判定及
び常温(20℃)の室内条件下で鑑賞に堪える期間店持
ち判定を行った。実験期間は20日間として、下記表4
に示すA.B.Cの3区を設定した。
【0088】
【表4】
【0089】海上輸送コンテナによる輸出入を想定し
て、庫内積込みより開梱までの条件は光源の有無を除
き、B.C区は全く同条件を設定した。実験検体は同一
圃場で栽培された同一品種で、草姿は2寸鉢育苗10輪
5分咲き、根付きを使用して、判定を行った。
【0090】測定結果を図8(実験期間)(実験終了後
の開花店持ち)に示す。
【0091】図8のA区は実験例3と全く同様の結果を
得た。即ち、蕾5輪が平均3.5日毎に開花し20日間
でほぼ満開の状態に達し、店持ち判定期間の通り、約2
5日間にわたり鑑賞に堪える期間を持続した。
【0092】B区は実験開始時の開花5輪の基咲きに極
く微弱ながら劣化を認め、蕾の生育が停止して、全体的
に緑色・退色と一部に黄変劣化をともなう落蕾を認め、
店持ち判定期間の通り正常な開花に到らず、急速に商品
性を失った。
【0093】C区は本発明方法に係るもので、光照射時
間を1日単位12時間とし、光量は図4の設定として、
図8の実験期間は推定開花のため点線とした。
【0094】実験終了時、蕾が2輪開花して明らかに生
育を認め、店持ち判定期間の通り、正常に満開し、B区
の如き落蕾又は黄変劣化がなかった。
【0095】A区、C区の比較によれば、C区は実験期
間中の生育が抑制されるが、店持ち期間が平均10日間
延長され、実質的な光効果を認めた。
【0096】この実験例4は、品質維持と輸送中の生育
抑制を目的とした最低限の光量設定の結果で、光量増加
と温度変化をすることで、開花促進又は開花調節をする
ことが可能である。
【0097】次に、ファレノプシスの長期間鮮度保持輸
送実験として、温度、湿度等の最大値(MAX)及び最
小値(MIN)を例にとって実験を試みたものを、実験
例5〜7に示す。後述するように、結果は必ずしも好ま
しいものではなかったが、少なくとも、温度10〜25
℃、湿度60〜90%の範囲内であれば、例えば、25
℃という高温状態でも、植物の種類に応じて湿度や風速
等の条件を変えて総合的なバランスを保つことにより、
所望する結果が得られる目安がついた。また、赤色と青
色の光を照射するのとしないのとでは、かなりの差がで
ることが分かった。
【0098】なお、以下に示す実験例5〜7において
は、温度、湿度等の最大値(MAX)及び最小値(MI
N)を表5に示す如くとした。また、光波長は、植物の
葉緑素形成に有効な赤と青成分とし、赤と青色は概ね2
対1の比率とした。
【0099】
【表5】
【0100】(実験例5)
【0101】
【表6】
【0102】測定結果を図9(実験期間)(実験終了後
の開花店持ち)に示す。
【0103】図9(表6)のA区は、蕾5輪が平均3.
5日毎に開花し20日間でほぼ満開の状態に達し、店持
ち判定期間の通り、約24日間にわたり鑑賞に堪える期
間を持続した。
【0104】B区は実験開始時の開花5輪の花弁に汚点
を生じ、実験終了時、既に商品性を失い、蕾の黄化と落
蕾を認め、一部に青カビの発生が見られた。
【0105】C区は実験期間中に蕾の2輪開花を認めた
ものの、開花輪の花弁に汚点を生じ、中間部分の蕾に黄
化と落蕾を認め、商品性を失った。
【0106】検体劣化の原因は、25℃の高温で生育の
促進が見られたが、湿度と風速を中心とした総合的バラ
ンスが不適切であったためで、店持ち試験を中止してい
る。
【0107】(実験例6)
【0108】
【表7】
【0109】測定結果を図10(実験期間)(実験終了
後の開花店持ち)に示す。
【0110】図10(表7)のA区は、蕾5輪が平均
3.5日毎に開花し20日間でほぼ満開の状態に達し、
店持ち判定期間の通り、24日間にわたり鑑賞に堪える
期間を持続した。
【0111】B区は実験開始時の開花5輪の花弁に小量
ながら直径1mm程度の汚点を生じ、更に花弁の縮みと
裏面にアントシアン ペラルゴニジン(Anthocyanin
Pelargonidin)の沈着が見られ、花色の変化を認め
た。蕾は実験期間生育が停止して、外見上の色変化はな
かったが、中間部分の蕾に落蕾を認めた。
【0112】C区は実験開始時の開花5輪に対してB区
同様の汚点を生じ、蕾は緩慢ながら生育肥大が見られた
が、店持ち期間中に落蕾を散見し商品性を失った。アン
トシアン ペラルゴニジンの発生は低温障害によること
が判明し、温度を中心とした総合バランスの再検討を要
した。
【0113】(実験例7)
【0114】
【表8】
【0115】実験例5及び6の結果から、MAX、MI
Nの設定条件を組み替えて実験した。測定結果を図11
(実験期間)(実験終了後の開花店持ち)に示す。
【0116】図11(表8)のA区は、蕾5輪が平均
3.5日毎に開花し20日間でほぼ満開の状態に達し、
店持ち判定期間の通り、24日間にわたり鑑賞に堪える
期間を持続した。
【0117】B区は実験開始時の開花5輪の花弁に老化
による縮みを生じたが、花弁に全く汚点の発生を認めな
かった。蕾に一部黄化現象が見られ、店持ち期間中に劣
化落蕾した。
【0118】C区は設定条件のバランスが適切と思われ
たが、生育が促進され、基咲きの花弁に僅かながら見頃
を過ぎた状態を認めた。蕾はかなり生育が促進され、実
験期間中に2輪が開花し、更に1輪半開き状態であっ
た。
【0119】但し、B、C区とも、比較的高温で低湿度
を維持したことから、植物が蒸散作用による草姿全体の
乾燥を防止するために、最も好ましい開花・鑑賞期間に
収納庫(コンテナ)内で生育が促進されてしまった。そ
のため、設定条件は温度を下げ、湿度を上げ、光量を下
げることで、適切な輸送が可能であることを確認した。
【0120】
【発明の効果】本発明方法は、以上のように、生命反応
を有する園芸作物を移動可能な収納庫に収納して、該収
納庫内の温度を10〜25℃、湿度を60〜90%の範
囲内で園芸作物の種類に応じた環境条件に保つと共に、
収納庫内の園芸作物から発生する揮発性ガスを除去し、
内部空気を弱風にて循環させ、かつ前記収納庫内の園芸
作物に、赤色及び青色波長を主体とする光を、好ましく
は赤色1に対し青色2の割合で照射したので、洋ラン等
の鑑賞用植物の長期保蔵と鮮度保持が可能となった。そ
のため、主に輸送面で未解決技術として残された鑑賞用
植物(根付き又は切り花)にあっても、海上、陸上輸送
及び陸上静止保蔵の際、収納庫(コンテナ)内の人工環
境下で、劣化を防止した品質の維持と、目的に応じた生
育の促進を図ることができるようになった。
【0121】また、本発明装置は、生命反応を有する園
芸作物を収納する収納庫と、該収納庫内の温度及び湿度
を制御する温度湿度制御手段と、該収納庫内の揮発性ガ
スを吸着する吸着手段と、該収納庫内に弱風を循環させ
る送風手段と、該収納庫内の園芸作物に赤色及び青色波
長を主体とする光を照射する光照射手段とで構成したの
で、洋ラン等の鑑賞用の園芸作物の保蔵装置として十分
な機能を備え、植物生理をその目的に合わせて、温度、
湿度、揮発性ガスコントロール、弱風循環と光との複合
技術によって、努めて自然条件を再現した収納庫(コン
テナ)による長期海上輸送と陸上輸送及び陸上静置保蔵
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の園芸作物の保蔵装置の概略説明図であ
る。
【図2】本発明に用いる加湿器の給水回路および冷凍ユ
ニットの回路図である。
【図3】本発明の光照射手段の説明図である。
【図4】実験庫照度計測グラフ図である。
【図5】デンドロビィウム ファレノプシス(洋ラン)
を用いた表1の条件による長期間鮮度保持輸送実験を示
すグラフ図である。
【図6】ファレノプシス(洋ラン)を用いた表2の条件
による長期間鮮度保持輸送実験を示すグラフ図である。
【図7】ファレノプシス(洋ラン)を用いた表3の条件
による長期間鮮度保持輸送実験を示すグラフ図である。
【図8】ファレノプシス(洋ラン)を用いた表4の条件
による長期間鮮度保持輸送実験を示すグラフ図である。
【図9】ファレノプシス(洋ラン)を用いた表6の条件
による長期間鮮度保持輸送実験を示すグラフ図である。
【図10】ファレノプシス(洋ラン)を用いた表7の条
件による長期間鮮度保持輸送実験を示すグラフ図であ
る。
【図11】ファレノプシス(洋ラン)を用いた表8の条
件による長期間鮮度保持輸送実験を示すグラフ図であ
る。
【符号の説明】
1 コンテナ 2 保蔵室 3 仕切壁 4 冷凍ユニット室 5 冷凍ユニット 5a 蒸発器 5b 送風ファン 6 加湿器 6a 加湿器本体 7 天井板 7a 吐出孔 8 冷却通路 9 吐出通路 10 床部 11 空気通路 12 ガス吸着フィルタ 13 光照射部 13a 赤色蛍光灯照明 13b 青色白熱灯照明 13c 青色蛍光灯照明 15 圧縮機 16 空冷凝縮器 17 水冷凝縮器 19 膨張弁 21 サーミスタ 23 給水用熱交換器 25 給水管 27 オーバーフロー管 41 電源供給部 42 電源調節部 43 光照射時間調節部 44 光照射強度調節部 45 光源脱着部 D ドレンパン HB ホットガスバイパス管 PH ドレンパンヒータ TM タイマ手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23B 7/144 9281−4B (72)発明者 森本 之仁 東京都町田市南つくし野3−4 センチユ リーハイツつくし野3−401

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生命反応を有する園芸作物を移動可能な
    収納庫に収納して、該収納庫内の温度を10〜25℃、
    湿度を60〜90%の範囲内で園芸作物の種類に応じた
    環境条件に保つと共に、収納庫内の園芸作物から発生す
    る揮発性ガスを除去し、内部空気を弱風にて循環させ、
    かつ前記収納庫内の園芸作物に、赤色及び青色波長を主
    体とする光を照射することを特徴とする園芸作物の保蔵
    方法。
  2. 【請求項2】 前記赤色波長を主体とする光と青色波長
    を主体とする光の照射比を、赤色2に対し青色1とした
    ことを特徴とする請求項1記載の園芸作物の保蔵方法。
  3. 【請求項3】 生命反応を有する園芸作物を収納する収
    納庫と、該収納庫内の温度を制御する温度制御手段と、
    該収納庫内の湿度を制御する湿度制御手段と、該収納庫
    内の揮発性ガスを吸着するガス吸着手段と、該収納庫内
    に弱風を循環させる送風手段と、該収納庫内の園芸作物
    に赤色及び青色波長を主体とする光を照射する光照射手
    段とを有する園芸作物の保蔵装置。
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