JPH05337257A - 往復動式電気かみそり - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、内刃体の往復動方向に対して直交
する方向に外刃を微振動させ、この外刃の微振動を利用
し、寝ているひげも起こして、ひげを外刃のヒゲ導入穴
へ導入しやすくし、切れ味を向上させる往復動式電気か
みそりを提供するものである。 【構成】 駆動源３６の出力を伝達して内刃体Ｂ、Ｂを
往復動作する駆動部材４２はその中間位置において本体
３１に回動自在に軸支されるとともに、この軸支点４３
を中心として対向する両端部４５ａ、４５ａが内刃体
Ｂ、Ｂに、中間の端部４４ａが駆動源の出力軸３７にが
偏心カム３８を介してそれぞれ連結され、駆動源３６の
回転出力を偏心カム３８を介して内刃体Ｂ、Ｂに伝達し
て、内刃体Ｂ、Ｂを互いに逆方向にかつ軸支点４３を中
心として円弧状に往復動作し、外刃３２、３２の少なく
とも刃面の一部を内刃体Ｂの往復動方向とほぼ直交する
方向に微振動させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外刃体の外刃の内面に
圧接するとともに駆動部材により往復動作する内刃体を
有する往復動式電気かみそりに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の往復動式電気かみそりとし
ては、例えば特公昭５８−５５７９７号公報のものがあ
る。図９および図１０に基づいて説明すると、抱合可能
な一対の部材からなるハウジング１（一方の半体のみを
図示）にはモータ２が内蔵され、このモータ２には偏心
軸３が固設された偏心カム４が装荷される。駆動子５は
矩形の本体６を具備し、この本体６にはその四隅に切り
込み７が形成されて肉薄に設けられ、平面から見て平行
四辺形状に撓み得るよう構成されている。また本体６の
一側内面には、前記偏心軸３が係合する一対のリブから
なる軸受部８が突出され、かつ両側中央の上縁面には一
対の駆動ブッシュ９が対設されている。さらに本体６の
両端中央の上下縁面には枢支ピン１０が突設されてお
り、前記一対の部材からなるハウジング１内面に突設さ
れた４個所の保持部１１に、前記一対の部材からなるハ
ウジング１の抱合時に枢支されるよう設けられている。
前記駆動ブッシュ９は、一対の内刃１２のガイドブッシ
ュ１３に連結され、これら一対の内刃１２は、図示しな
い一対の外刃の内面を摺動しうるよう配設されている。
従ってモータ２が駆動されれば、図１０に示すように偏
心カム４の偏心軸３を介して駆動子５の本体６が揺動さ
れる。この場合本体６の枢支ピン１０がハウジング１の
保持部１１に枢支されているので、軸受部８内において
偏心軸３が偏心回転されれば、前記本体６は前述のよう
に平行四辺形状に撓み、本体６の一側部が往復動作され
るとともに、他側部が一側部と逆方向に往復動作をする
ことになる。よって駆動ブッシュ９に連係された各内刃
１２が図示しない一対の外刃内面を互いに逆方向に往復
摺動してひげ剃り動作が行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の往復動式電気かみそりでは、一対の内刃は互いに平
行状態を保ったままの直線状の往復動作するだけであ
り、またこの内刃の往復動作に関連して外刃は内刃の往
復動方向と直交する方向に変形ないし移動することがな
いため、ひげが肌面に沿って寝ているとこのままの状態
に保持され外刃のヒゲ導入穴へひげがスムーズに導入さ
れない場合があったりして、ひげのヒゲ導入穴への導入
効率が悪いという問題があった。

【０００４】本発明は、上記問題点を解決するために、
内刃体を円弧状に往復動作することにより、内刃体の往
復動方向と直交する方向にこの内刃体の往復動作に関連
して外刃体の外刃に微振動を生じさせ、寝ているひげも
起こしてひげを外刃のヒゲ導入穴へ導入しやすくし、さ
らに外刃体の外刃と内刃体とをそれぞれ一対ずつ設ける
ことにより、この一対の内刃体の往復動作に関連して内
刃体の往復動方向と直交する方向に外刃体の一対の外刃
に互いに近接、離反を繰り返す微振動を生じさせ、寝て
いるひげも起こしてひげをこれら外刃のヒゲ導入穴へよ
り導入しやすくし、切れ味を向上させた往復動式電気か
みそりを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、駆動
源を内蔵する本体と、この本体に支持され、少なくとも
刃面の一部が変位可能な外刃を有する外刃体と、この外
刃体の外刃の内面に圧接される内刃を有する内刃体と、
この内刃体と前記駆動源の出力軸とがそれぞれ連結され
前記駆動源の出力を伝達して前記内刃体を往復動作する
駆動部材とからなるものにおいて、前記駆動部材はその
中間位置において前記本体に回動自在に軸支されるとと
もに、一端部が前記内刃体に、他端部が前記駆動源の出
力軸に偏心カムを介してそれぞれ連結され、前記駆動源
の回転出力をこの偏心カムを介して前記内刃体に伝達し
て、この内刃体を前記軸支点を中心として円弧状に往復
動作し、前記外刃の少なくとも刃面の一部を内刃体の往
復動方向とほぼ直交する方向に微振動させることを特徴
としたものである。

【０００６】請求項２の発明は、駆動源を内蔵する本体
と、この本体に支持され、少なくとも刃面の一部が互い
に平行に設けられた変位可能な一対の外刃を有する外刃
体と、この外刃体の各外刃の内面に圧接される内刃をそ
れぞれ有し互いに平行に配設される一対の内刃体と、こ
れらの内刃体と前記駆動源の出力軸とがそれぞれ連結さ
れ前記駆動源の出力を伝達して前記一対の内刃体を往復
動作する駆動部材とからなるものにおいて、前記駆動部
材はほぼＴ字状に形成されその中間位置において前記本
体に回動自在に軸支されるとともに、この軸支点を中心
として対向する両端部が前記内刃体に、中間の端部が前
記駆動源の出力軸に偏心カムを介してそれぞれ連結さ
れ、前記駆動源の回転出力を偏心カムを介して前記一対
の内刃体に伝達して、この一対の内刃体を互いに逆方向
にかつ前記軸支点を中心として円弧状に往復動作し、前
記一対の外刃の少なくとも刃面の一部を内刃体の往復動
方向とほぼ直交する方向に微振動させることを特徴とし
たものである。

【０００７】

【作用】請求項１の発明の往復動式電気かみそりによれ
ば、駆動部材はその中間位置において本体に回動自在に
軸支されるとともに、一端部が内刃体に、他端部が駆動
源の出力軸に偏心カムを介してそれぞれ連結され、駆動
源の回転出力をこの偏心カムを介して内刃体に伝達さ
れ、この内刃体を軸支点を中心として円弧状に往復動作
し、この内刃体の往復動作に関連して外刃体の外刃に内
刃体の往復動方向と直交する方向に微振動を生じさせる
ことにより、寝ているひげも起こしひげを外刃のヒゲ導
入穴へ導入しやすくできる。

【０００８】請求項２の発明の往復動式電気かみそりに
よれば、駆動部材はほぼＴ字状に形成され、その中間位
置において本体に回動自在に軸支されるとともに、この
軸支点を中心として対向する両端部が内刃体に、中間の
端部が駆動源の出力軸に偏心カムを介しそれぞれ連結さ
れ、駆動源の回転出力をこの偏心カムを介して一対の内
刃体に伝達して、この一対の内刃体を互いに逆方向にか
つ軸支点を中心として円弧状に往復動作し、この一対の
内刃体の往復動作に関連して外刃体の一対の外刃に内刃
体の往復動方向と直交する方向に互いに近接、離反を繰
り返す微振動を生じさせることにより、寝ているひげも
起こしひげをこれら外刃のヒゲ導入穴へより導入しやす
くできる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明に係る往復動式電気かみそり
の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】図１は、この発明の往復動式電気かみそり
の外観斜視図を示し、３１は本体で、抱合可能なケース
３１ａとケース３１ｂとにより構成され、この本体３１
には、弾性変形可能な一対の外刃３２、３２とこれら外
刃３２、３２を収容する外刃ケース３３とからなる外刃
体Ａが着脱自在に取り付けられている。この外刃体Ａは
本体３１の側部に設けられた操作ボタン３４により、係
合手段を解除し本体３１から取り外すことを可能にして
いる。また、本体３１の一側部に設けられたスライド式
の電源スイッチボタン３５は、図示しない電源スイッチ
を操作して図２に示す駆動源であるモータ３６を制御す
るものである。

【００１１】図２および図３は、図１に示した往復動式
電気かみそりの分解斜視図ならびに断面図である。

【００１２】前記モータ３６で、前記ケース３１ａとケ
ース３１ｂとにより挟持されている。このモータ３６の
出力軸３７には、図３に示すようにその上面の中心から
偏心した位置に、偏心軸３８ａが突設された偏心カム３
８が固着されている。また前記モータ３６の出力軸３７
側の一端にはキャップ３９が嵌合され、このキャップ３
９と一体化された軸受４０には、その下端が圧入されて
支持されているシャフト４１が設けられている。

【００１３】４２は駆動部材としての駆動レバーであ
り、この駆動レバー４２は、そのほぼ中心位置に前記シ
ャフト４１の上端部に回転自在に軸支される軸穴４３を
有するとともに、この軸穴４３を軸支点として偏心した
位置に前記偏心軸３８ａが嵌合する長穴４４を有する中
間アーム４４ａと、二本の軸部４５、４５が前記軸穴４
３から偏心した位置にそれぞれ突設されかつ相対向して
設けられた２本の側部アーム４５ａ、４５ａとからな
り、これら３本のアーム４４ａ、４５ａ、４５ａにより
ほぼＴ字状に形成されている。次に内刃取付台４７と、
この内刃取付台４７上に等間隔に配列され支持された多
数の内刃４６とからなる内刃体Ｂの取付構造について、
図３および図４を用いて説明する。一対の内刃体Ｂ、Ｂ
の内刃取付台４７、４７にはピン５０ａ、５０ａが取り
付けられている。一方駆動レバー４２の軸部４５、４５
にはコイルスプリング４８、４８により弾発的に付勢さ
れる内刃体支持台４９ａ、４９ａが上下動自在にかつ上
方に付勢された状態でピン５０ｂ、５０ｂにより上下方
向への案内と抜け止めがなされ取り付けられている。こ
の内刃体支持台４９、４９の上部には内刃体Ｂ、Ｂのピ
ン５０ａ、５０ａが係脱する係止溝４９ａ、４９ａがそ
れぞれ形成されており、これらの係止溝４９ａ、４９ａ
へのピン５０ａ、５０ａの係脱により内刃体Ｂ、Ｂは駆
動レバー４２に着脱自在に取り付けられている。

【００１４】次に、外刃体Ａの外刃３２、３２は、多数
のヒゲ導入穴を有する弾性変形可能な薄い鋼板からな
り、半円筒形に湾曲されて前記内刃体Ｂ，Ｂの往復動方
向と直交する方向に変形可能な状態で外刃取付枠５１に
固定され、この外刃取付枠５１は前記外刃ケース３３に
着脱自在に取付られている。

【００１５】５２は発泡スチロールからなる蓋で、内刃
体支持台４９、４９がその中を自由に動ける程度の穴部
５２ａ、５２ａを有し、前記本体３１の上部に取り付け
られている。この蓋５２により、ひげが本体３１の内部
に侵入するのを防止することができる。なお、前記本体
３１内には、下部に前記モータ３６の他に、前記モータ
３６に電力を供給するバッテリー５３や充電用コネクタ
ー５４が設けられている。

【００１６】次に、上記構成を有する往復動式電気かみ
そりの作用を説明する。

【００１７】電源スイッチボタン３５を指によりスライ
ドし図示しない電源スイッチを閉成させると、バッテリ
ー５３から電力が供給されて駆動源であるモータ３６が
駆動され、このモータ３６の出力軸３７が回転し偏心カ
ム３８も回転する。シャフト４１に中心が回動自在に取
り付けられたほぼＴ字状の駆動レバー４２は、中間アー
ム４４ａの長穴４４内において偏心カム３８の偏心軸３
８ａが偏心回転することにより、一定角度内を反復動す
る。これにより、駆動レバー４２の２本の側部アーム４
５ａ、４５ａにそれぞれ設けられた軸部４５、４５は、
内刃取付台４７、４７とともにそれぞれシャフト４１を
中心とする円弧状の往復動作を繰り返し行う。この往復
動作の繰り返しによって、内刃取付台４７、４７に取り
付けられた一対の内刃体Ｂ、Ｂが、外刃体Ａの一対の外
刃３２、３２の内面を互いに逆方向へ往復摺動してひげ
剃り動作が行われる。

【００１８】上記一対の内刃体Ｂ、Ｂの往復動作を図
５、図６、図７、図８によりさらに具体的に説明する。
図５、図６は内刃体Ｂ、Ｂが軸支点４１を中心として円
弧状の往復動作をする動作説明図で、図５は一対の前記
内刃体Ｂ、Ｂの間隔が最も広い時を示したもので、一対
の前記軸部４５、４５の間隔をＸで示している。図６は
一対の前記内刃体Ｂ、Ｂの間隔が最も狭い時を示したも
ので、一対の前記軸部４５、４５の間隔をＹで示してい
る。よって、前記内刃体Ｂ，Ｂは、この間隔Ｘと間隔Ｙ
との差だけ、これら内刃体Ｂ、Ｂの往復動作をする方向
と直交する方向に微振動する。

【００１９】次に、図７、図８は内刃体Ｂ、Ｂに追従す
る外刃体Ａの外刃３２、３２の撓みを示した部分断面図
で、内刃体Ｂ、Ｂの動きに追従して外刃３２、３２が変
形するので、外刃３２、３２の刃面も内刃体Ｂ、Ｂの往
復動作する方向と直交する方向に微振動する。この微振
動により、前記内刃体Ｂ、Ｂの往復動作する方向と直交
する方向に前記外刃３２、３２の刃面が近接したり、離
反したりして肌面を縮めたり、伸ばしたりすることを反
復することになる。図７は、一対の外刃３２、３２が互
いに最も外側へ離反し撓んだ時を示したもので、図５に
示した一対の内刃体Ｂ、Ｂの間隔に対応したものとなっ
ていて、間隔Ｘで示している。図８は、一対の外刃３
２、３２が互いに最も内側へ近接し撓んだ時を示したも
ので、図６に示した一対の内刃体Ｂ、Ｂの間隔に対応し
たものとなっていて、間隔Ｙで示している。従って、上
記のように外刃３２、３２がこの間隔Ｘと間隔Ｙとの差
だけ前記内刃体Ｂ，Ｂの往復動作をする方向と直交する
方向に微振動することにより、肌面を縮めたり伸ばした
りすることができ、ひげ剃り時外刃３２、３２の図示し
ないヒゲ導入穴が拡大したのと同様の効果をもたらし、
ひげを外刃３２、３２のヒゲ導入穴へ導入しやすくす
る。

【００２０】なお、一対の外刃を２つに分離し、これら
の外刃をそれぞれ固定した２個の外刃取付枠を設け、こ
れら外刃取付枠が各外刃とともに外刃ケース内を内刃体
の往復動方向と直交する方向に移動可能となるように、
外刃ケースに設けてもよい。この場合にも、一対の内刃
体が内刃体の往復動方向と直交する方向に互いに逆方向
に微振動し、この内刃体の微振動に追従して一対の内刃
も同方向に微振動する。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、上述のように内刃体の往復動
方向に対して直交する方向に外刃を微振動させ、この外
刃の微振動を利用し、寝ているひげも起こしてひげを外
刃のヒゲ導入穴へ導入しやすくし、さらに一対の外刃を
内刃体の往復動方向と直交する方向に微振動させ、これ
らの外刃を互いに近接させたり、離反させたりすること
によって肌面を縮めたり伸ばしたりして、よりひげを外
刃のヒゲ導入穴へ導入しやすくし、切れ味を向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の往復動式電気かみそりの外観斜視図で
ある。

【図２】同分解斜視図である。

【図３】外刃体を取り外した同断面図である。

【図４】内刃体およびその取付部分の同部分断面図であ
る。

【図５】内刃体の動きを示す同動作説明図である。

【図６】同動作説明図である。

【図７】内刃体と外刃体の外刃の動きを示す同部分断面
図である。

【図８】同部分断面図である。

【図９】従来の往復動式電気かみそりの分解斜視図であ
る。

【図１０】同動作説明図である。

【符号の説明】

３１ 本体 Ａ 外刃体 ３２ 外刃 ３６ 駆動源（モータ） ３８ 偏心カム ４２ 駆動レバー（駆動部材） Ｂ 内刃体 ４６ 内刃 ４７ 内刃取付台

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動源を内蔵する本体と、この本体に支
   持され、少なくとも刃面の一部が変位可能な外刃を有す
   る外刃体と、この外刃体の外刃の内面に圧接される内刃
   を有する内刃体と、この内刃体と前記駆動源の出力軸と
   がそれぞれ連結され前記駆動源の出力を伝達して前記内
   刃体を往復動作する駆動部材とからなるものにおいて、
   前記駆動部材はその中間位置において前記本体に回動自
   在に軸支されるとともに、一端部が前記内刃体に、他端
   部が前記駆動源の出力軸に偏心カムを介してそれぞれ連
   結され、前記駆動源の回転出力をこの偏心カムを介して
   前記内刃体に伝達して、この内刃体を前記軸支点を中心
   として円弧状に往復動作し、前記外刃の少なくとも刃面
   の一部を内刃体の往復動方向とほぼ直交する方向に微振
   動させることを特徴とする往復動式電気かみそり。
2. 【請求項２】 駆動源を内蔵する本体と、この本体に支
   持され、少なくとも刃面の一部が互いに平行に設けられ
   た変位可能な一対の外刃を有する外刃体と、この外刃体
   の各外刃の内面に圧接される内刃をそれぞれ有し互いに
   平行に配設される一対の内刃体と、これらの内刃体と前
   記駆動源の出力軸とがそれぞれ連結され前記駆動源の出
   力を伝達して前記一対の内刃体を往復動作する駆動部材
   とからなるものにおいて、前記駆動部材はほぼＴ字状に
   形成されその中間位置において前記本体に回動自在に軸
   支されるとともに、この軸支点を中心として対向する両
   端部が前記内刃体に、中間の端部が前記駆動源の出力軸
   に偏心カムを介してそれぞれ連結され、前記駆動源の回
   転出力をこの偏心カムを介して前記一対の内刃体に伝達
   して、この一対の内刃体を互いに逆方向にかつ前記軸支
   点を中心として円弧状に往復動作し、前記一対の外刃の
   少なくとも刃面の一部を内刃体の往復動方向とほぼ直交
   する方向に微振動させることを特徴とする往復動式電気
   かみそり。