JPH0533204A - センサを付加したパジヤマおよび寝室システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、エアコンや照明とベットからなる
寝室システムに関するもので、パジャマに睡眠状態を検
出するセンサを付加し、寝床内と寝室内の環境を制御し
て快適な睡眠を提供することを目的とする。 【構成】 複数の温度センサと湿度センサの少なくとも
一種類または前記センサに加えて圧力センサをパジャマ
に付加し、寝床内の人の動きや生理状態を検知しながら
エアコン，電気毛布，照明などを制御して駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、センサを付加したパジ
ャマおよび寝室システムに関し、寝床内の温度及び湿度
を調節して快適な睡眠環境を提供するセンサを付加した
パジャマおよび寝室システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に寝室内は寝具及びエアコンや電気
毛布により温度制御されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】エアコン壁掛け方式の
空調は、温度分布，気流分布にばらつきがあるため、ベ
ットで寝ている人に快適な空調を提供しているとはいえ
なかった。また、電気毛布は直接人体に関与するが、睡
眠による体温の変化を把握していないため、加温し過ぎ
て睡眠を乱すことが頻繁にみられる。さらに、睡眠状態
にはいる以前の人の状態により、寝室の環境が同一でも
温冷感や快適感が変わるため、人体に対応した寝室環境
の調節が求められてる。本発明はこのような課題を解決
するもので、人体の睡眠経過に即した寝床内および寝室
内環境を提供できるセンサを付加したパジャマおよび寝
室システムを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のセンサを付加したパジャマおよび寝室シス
テムは、寝床内および寝室内温度湿度を可変する温度湿
度可変手段と、信号処理部と、複数の温度センサと湿度
センサの少なくとも一種類、または前記複数の温度セン
サと湿度センサの少なくとも一種類と、圧力センサを付
加したパジャマを主体として構成する寝室システムにお
いて、前記各センサの出力に基づいて前記温度湿度可変
手段及び、照明，音響をフィードバック制御する制御部
とを備えたものである。

【０００５】

【作用】この構成により本発明のセンサを付加したパジ
ャマおよび寝室システムは、パジャマに付加した各セン
サの出力より、睡眠前及び睡眠中の着衣者の皮膚温，発
汗または呼吸の状態を把握して温度湿度可変手段によ
り、寝床内および寝室内の環境を制御できるため、快適
な睡眠を提供することとなる。

【０００６】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の一実施例のセンサを付加し
たパジャマおよび寝室システムについて図面に基づいて
説明する。

【０００７】図１に示すように、パジャマ９の胸回りに
４箇所、温度センサ１及び湿度センサ２をそれぞれ付加
し、さらに、信号処理部３を設置している。温度センサ
１は、サーミスタでも熱電対でも使用できるが、皮膚に
近いのでなるべく小形でパジャマ９に縫い込めて違和感
の無い大きさが好ましい。チップサーミスタを用いれば
防水加工されているので洗濯しても影響されない。４箇
所の温度センサ１の中での最高温度を信号処理部３で検
知し、ワイヤレスで制御部４に送信し、エアコン（温度
湿度制御手段）５により寝室の温度を制御する。胸周り
に温度センサ１を設置することにより、胸，背中，脇の
皮膚温の検出が可能となる。胸や背中の皮膚温は、人の
温冷感によく相関するため、着衣者の温冷感が把握でき
快適な環境が提供できる。また、４箇所設置することに
より、ベット内でうつ伏せに寝たり横向きに寝てもどれ
かの温度センサ１が皮膚に接触するため最高温度となり
皮膚温に近い値が得られる。

【０００８】湿度センサ２としては、通常の湿度センサ
を用いることができるが、パジャマ９の一部の繊維また
は、付加した湿度測定用繊維を毛髪同様に歪を検出する
ことにより湿度の検出に用いれば、小形で違和感のない
センサが付加できる。湿度センサ２の設置場所として
は、人体の胸周りの位置が寝る際に発生する温熱性の発
汗部位として、胸や背中が寝具による接触部位と関連が
あるため、発汗検出の面でも好ましい。

【０００９】湿度センサ２は、多量の水分により表面の
湿度検出部分の性能が変わるため、透湿溌水性の布でカ
バーすると長時間安定に作動させることができる。具体
的には、ポリエステルの高密度織物，不織布にラミネー
トやコーティングしたものが使用できる。上記の布で防
御することにより、多量の発汗やおねしょのような水分
にされされても安定に作動することが可能となる。ま
た、湿度センサ２が直接パジャマ９に縫い込まれている
ので、洗濯に対応できるよう、はっすい処理や透湿防水
性の布でカバーするなど防水処理をする必要がある。

【００１０】さらに、発汗を検出するセンサとして湿度
センサ以外にも、皮膚のインピーダンスを測定してもよ
い。発汗して皮膚の表面が湿ると、インピーダンスが急
激に低下するので発汗の初期状態を的確に判断できる。

【００１１】パジャマ９を着た時点で、上記の温度セン
サ１及び湿度センサ２の出力を、信号処理部３から入力
部７と制御部４に送り、その出力により温度湿度可変手
段５、たとえば電気毛布（図示していない），エアコン
を駆動することにより人体の状態、例えば、汗をかいて
いるとか、寒いと感じているかが把握でき、快適な状態
（皮膚温３３度、湿度５０％以下）になるように空調を
制御することができる。例えは、入浴後の汗をかいてい
る状態であれば、皮膚温も３６度以上に上昇し、発汗し
ているので、エアコン５で冷房したり、送風して発汗を
すばやく抑えられる。また、温度センサ１や湿度センサ
２が皮膚にいちばん近い場所についているので、寝具の
影響を考慮しなくてもよい。また、体温の調節機能の弱
い乳児の場合、環境温度で体温が左右されやすく、寝冷
えや発熱の原因になりやすいので、皮膚温を常に監視す
ることで、体に優しい空調が可能となる。さらに、乳児
は、睡眠時の体動がはげしく、布団を蹴って寝冷えをす
る場合があるので、布団からはみ出して皮膚温が低下す
れば、室温を高めにするように皮膚温に応じた環境制御
により健康な睡眠を提供できる。

【００１２】寝室内を暖房および冷房ができるエアコン
５（温度湿度可変手段）には、室温を検知する温度セン
サ６と、パジャマ９に付加した温度及び湿度を検出する
温度センサ１、湿度センサ２の信号を信号処理部３を介
してデータを入力する入力部７及び制御部４を設けてい
る。入力部７と温度センサ６は制御部４に接続されてお
り、制御部４ではパジャマ９の温度および湿度が目標値
になるように温度センサ１及び湿度センサ２の出力に応
じてエアコン５をフィードバック制御するようになって
いる。

【００１３】冷え性の人は、血液の循環が悪く、下腿部
の温度が上がらないため寝つきが悪いという現象がある
が、パジャマ９の下腿部に温度センサ１を付加し、下腿
部の低温を検知してエアコン５の温度設定を上げたり、
制御部４より指令を発してホットカーペットや電気毛布
（図示していない）を作動させて加温することにより下
腿部の温度を上昇させて入眠しやすくできる。

【００１４】睡眠の初期は、温熱性発汗を行って熱の放
出を行うため、寝床内温度が高すぎると汗が多量に発生
したり、掛け布団をはねてしまい寝冷えをおこす危険性
が高いため、湿度センサ２により発汗を検出したら制御
部４で温度の設定を下げることにより多量の発汗を防ぐ
ことができる。この場合、体の部位により熱容量が異な
り、寝床内の温度分布が一様ではないので、温度センサ
１と湿度センサ２は複数設置して体に接していると考え
られる一番温度が高く、一番湿度の高い点をデータとし
て取り入れる。センサとしては、温度センサ１と湿度セ
ンサ２の両方を設置するのが好ましいが、温度センサ１
だけでも体温の変化状況が把握できるし、湿度センサ２
により、発汗が検出できるので一方だけでも付加する価
値がある。

【００１５】睡眠中にはＲＥＭ睡眠が３ないし５回生じ
る。この時期は体温の調節機能が低下し、体温が低下し
寝床内温度が下がると覚醒して睡眠が乱される。そこ
で、皮膚温の低下を温度センサ１により検知し制御部４
の目標値になるよう温度湿度可変手段５（エアコンまた
は、電気毛布などの暖房手段）を作動させると快適な睡
眠が提供できる。睡眠中の寝床内の快適温度は、３３度
付近と報告されているので使用する人の好みも加味して
設定すれば個人に対応した睡眠環境が提供できる。

【００１６】（実施例２）実施例１のセンサを付加した
パジャマに、さらに胸周りに図２に示すように圧力セン
サ８を付加すると、人体の温熱状態以外に呼吸状態（脈
拍）も把握できる。圧力センサ８は圧電素子を複数用い
てもよいが１本の帯状の圧電素子でもよい。脈拍数は人
体の活動状態（活動，安静）の指標となるので、活動量
に合わせ、活動しているときは温度を低めに設定し、安
静状態では温度を高めにするように、温熱環境の制御を
圧力センサ８の出力を信号処理部３を介して入力部７か
ら制御部４に取り込んで行うことができる。圧力センサ
８は、幅広い範囲の圧迫により入床を、またその圧迫範
囲の変化により寝床内での体動を検知できる。さらに、
体動の減少により入眠がかわり、照明，音響の電源を切
ったり、温熱環境を睡眠用に１度高めに設定したり、空
調を輻射にして音を下げたりして制御する。また、脈拍
の変化や皮膚温，発汗状態の情報により睡眠中の温熱環
境を制御し、快適な睡眠を実現することができる。

【００１７】さらに、起床時には、眠りが浅くなり体動
が増えるので、圧力センサ８のデータを信号処理部３を
介して入力部７から制御部４に送り起床時を予測して照
明や音響を付加したり、予定起床時間前から照明をつけ
ることにより、起床を速やかにすることも可能となる。
照明の明るさを徐々に変化させていくことにより、明か
ら暗やその逆への人間の眼の対応が楽になる。音響も徐
々にボリュウムを上げると緩やかに覚醒でき、さわやか
な目覚めが得られる。また、温度を上げる手段を加える
ことでさらに効果を大きくできる。また、ＲＥＭ睡眠の
時に体動が多いことが知られているので、圧力センサ８
で睡眠中の体動を検知してＲＥＭ睡眠を検出できる。人
が速やかに目覚めるためには、ＲＥＭ睡眠の後の浅い眠
りで起こすことが望ましいので、起床予定時間以外に、
睡眠経過を検知し、起床させることも可能である。

【００１８】また、圧力センサ８により、睡眠中の呼吸
が測定できる。圧力センサ８には、体動や脈波も伝わる
が、フィルターをかけることにより、呼吸成分だけ取
出、呼吸数やその強弱を検出できる。そして、睡眠中の
無呼吸を検出し警報を発したり、データを記録して医師
にみせるなどの対応もできる。

【００１９】

【発明の効果】以上の実施例の説明により明らかなよう
に、本発明のセンサを付加したパジャマおよび寝室シス
テムによれば寝床内および寝室内の温度，湿度を可変す
る温度湿度可変手段と、信号処理部と、皮膚温，発汗を
検出する複数の温度センサと湿度センサの少なくとも一
種類と圧力センサを備えたパジャマと、前記各センサの
出力に基づいて温度湿度可変手段をフィードバック制御
する制御部とを備えた寝室システムにより、入眠しやす
い環境，起きすい環境など人体の睡眠経過に即した寝床
内および寝室内環境を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ） 本発明の実施例のセンサを付加したパ
ジャマおよび寝室システムの寝室に用いるエアコンの模
式図 （ｂ） 本発明の実施例１のセンサを付加したパジャマ
および寝室システムのセンサを付加したパジャマの模式
図

【図２】本発明の実施例２のセンサを付加したパジャマ
および寝室システムのセンサを付加したパジャマの模式
図

【符号の説明】

１ 温度センサ ２ 湿度センサ ３ 信号処理部 ４ 制御部 ５ エアコン（温度湿度可変手段） ７ 入力部 ８ 圧力センサ ９ パジャマ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パジャマに、信号処理部と、着衣者の皮
   膚温もしくは発汗の状態を検出する複数の温度センサと
   湿度センサの少なくとも１種類を付加したセンサを付加
   したパジャマ。
2. 【請求項２】 パジャマの胸周りの位置に着衣者の呼吸
   状態を検出する圧力センサを付加した請求項１記載のセ
   ンサを付加したパジャマ。
3. 【請求項３】 パジャマの下腿周辺に着衣者の下腿部の
   温度を検出する温度センサを付加した請求項１記載のセ
   ンサを付加したパジャマ。
4. 【請求項４】 寝床内および寝室内の温度湿度を可変す
   る温度湿度可変手段と、信号処理部と、着衣者の皮膚温
   もしくは発汗状態を検出する複数の温度センサと湿度セ
   ンサの少なくとも一種類または前記複数の温度センサと
   温度センサの少なくとも一種類と、圧力センサとを付加
   したパジャマを主体として構成する寝室システムにおい
   て、前記各センサの出力に基づいて前記温度湿度可変手
   段および照明，音響をフィードバック制御する制御部を
   備えた寝室システム。