JPH0532846A - 低複屈折性メタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

低複屈折性メタクリル系樹脂組成物

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JPH0532846A
JPH0532846A JP21465791A JP21465791A JPH0532846A JP H0532846 A JPH0532846 A JP H0532846A JP 21465791 A JP21465791 A JP 21465791A JP 21465791 A JP21465791 A JP 21465791A JP H0532846 A JPH0532846 A JP H0532846A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低複屈折性に優れ、かつ良好な透明性、耐熱
性、機械的強度を保持したメタクリル系樹脂組成物を提
供することにある。 【構成】 メタクリル酸メチル50〜90重量%、下記
一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を表し、nは
1〜5の整数である。)で示されるメタクリル酸エステ
ル10〜50重量%、および共重合可能な他のビニル単
量体0〜20重量%からなる共重合体(A)60〜9
8.9重量部と、メタクリル酸メチル10〜90重量
%、芳香族ビニル単量体10〜90重量%および共重合
可能な他のビニル単量体0〜20重量%からなる共重合
体(B)0.6〜30重量部と、芳香族ポリカーボネー
ト(C)0.5〜10重量部とからなる低複屈折性メタ
クリル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低複屈折性メタクリル
系樹脂組成物に関し、さらに詳しく光学用情報記録担
体、光学レンズ等の光学用素子に好適な低複屈折性に優
れたメタクリル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズを始めとする光学用の材料
としては、精度、信頼性の面からガラスが広く用いら
れ、プラスチックがこの分野に参入して以来すでに長い
年月が経過しているにもかかわらず、ガラスに代るプラ
スチックが見い出されていないのが現状である。しかし
近年の社会、産業の発展に伴い光学用素子への要求品質
も多様化し、必ずしもガラスの品質、性能が必要とされ
ない分野、あるいは軽量化、量産化、非球面化などプラ
スチックの利点が多い分野に、プラスチックは急速にそ
の用途を拡大しつつあり、カメラ、複写機、レーザー光
学機器類の光学レンズ、光学用情報記録用ディスク等へ
の進出が目ざましい。
【0003】しかるに光学用材料として用いられるプラ
スチックは、耐熱性、吸湿性、及び屈折率、分散、複屈
折等の光学的性質などの改良すべき問題点を数多く有し
ているのが実情である。例えばポリカーボネート樹脂
は、光学用レンズとしては分散が大きいため色収差の発
生が大きいという問題点があり、また記録用光ディスク
材料としては、その分子構造に起因する複屈折が大きい
などの欠点があり、その使用範囲が限定される。一方、
メタクリル樹脂は吸湿性が高く耐熱性が低いという問題
を有するが、低分散、低複屈折性等光学レンズ、光ディ
スクとして最も必要な性質を有している。それ故近年、
メタクリル樹脂の光学的性質を保持しながら、吸湿性の
改善、耐熱性の向上等に関し、数多くの提案がなされて
いる。例えば吸湿性を改善する方法としてメタクリル酸
メチルとスチレンを共重合する方法(特開昭57−33
446号公報)、メタクリル酸メチルとメタクリル酸シ
クロヘキシルを共重合する方法(特開昭57−1862
41号公報)、メタクリル酸メチルとメタクリル酸シク
ロデシルを共重合する方法(特開昭61−159408
号公報)、メタクリル酸メチルとメタクリル酸シクロア
ルキルエステルの共重合体とポリカーボネートをブレン
ドする方法(特開昭64−1749号公報)、アクリル
樹脂にメタクリル酸メチルとスチレンの共重合体を混合
する方法(特開平2−115251号公報)などが挙げ
られ、また複屈折を低減する方法として、芳香族ポリカ
ーボネートと変性ポリスチレンをブレンドする方法(特
開昭61−19630号公報)が挙げられる。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
提案の方法ではある程度の吸湿性の改善効果は認められ
るものの、機械的強度の低下が大きいため吸湿性の改善
には限度があり、また成形時に発生する分子配向による
複屈折の増加や透明性の低下等の問題を有している。そ
れ故光学用情報記録担体などの光学用素子材料としては
十分満足するものが得られていないのが実情である。
【0005】したがって、本発明の目的は、低複屈折性
に優れ、かつ良好な透明性、耐熱性、機械的強度を保持
したメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、特定のメタクリル酸エステルに着目し
て鋭意検討した結果、メタクリル酸メチル及び特定のメ
タクリル酸エステルからなる共重合体と、メタクリル酸
メチル及び芳香族ビニル単量体からなる共重合体と、芳
香族ポリカーボネート樹脂を特定の割合でブレンドした
樹脂組成物が、低複屈折性に優れ、メタクリル樹脂の特
徴である透明度、機械的強度を保持していることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨とするところは、メタ
クリル酸メチル50〜90重量%、 下記一般式(I)
【化2】 (式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を表し、nは
1〜5の整数である。)で示されるメタクリル酸エステ
ル10〜50重量%および共重合可能な他のビニル単量
体0〜20重量%からなる共重合体(A)60〜98.
9重量部と、メタクリル酸メチル10〜90重量%、芳
香族ビニル単量体90〜10重量%および共重合可能な
他のビニル単量体0〜20重量%からなる共重合体
(B)0.6〜30重量部と、芳香族ポリカーボネート
樹脂(C)0.5〜10重量部からなり、共重合体
(B)と芳香族ポリカーボネート樹脂(C)の比率が、
1.2≦(B)/(C)≦3.0からなる低複屈折性メ
タクリル系樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる光
学用素子である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明に用いられる共重合体(A)を構成
するメタクリル酸メチルは、メタクリル樹脂の特徴であ
る優れた光学的性質及びバランスの取れた機械的強度を
保持するために、他の単量体より優位量用いる必要があ
り、使用量は50〜90重量%、より好ましくは60〜
85重量%である。その使用量が50重量%未満では上
記の特徴が保持されず、一方90重量%を超えた場合に
は、吸湿性の向上が見られなかったり、共重合体(B)
との相溶性が低くヘイズが増加したりするなどの問題が
あり好ましくない。
【0009】本発明の共重合体(A)を構成する他の成
分である一般式(I)で表されるメタクリル酸エステル
としては、例えば、メタクリル酸フェニル、メタクリル
酸ブロモフェニル、メタクリル酸ジブロモフェニル、メ
タクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル、メタクリ
ル酸モノクロルフェニル、メタクリル酸ジクロルフェニ
ル、メタクリル酸トリクロルフェニルが挙げられ、これ
らを単独あるいは2種以上併用することができる。これ
らのメタクリル酸エステルのうち、一般式(II)
【0010】
【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1〜5の整数で
ある。)で示されるハロゲン化芳香族炭化水素基を有す
るメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸2,
4,6−トリブロモフェニルが特に好ましい。一般式
(I)で示されるメタクリル酸エステルは、主として低
吸湿性の向上及び共重合体(B)とポリカーボネートと
の相溶性を良くする目的で用いられ、その添加量は10
〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%であ
る。添加量が10重量%未満では低吸湿性の改善効果が
低く、また、本発明で用いる共重合体(B)とポリカー
ボネートとの相溶性が不足し、ヘイズが増加する傾向が
あり好ましくない。一方50重量%を超える場合には、
機械的性質が低下したり、透明性が低下したりするなど
の問題が生ずことがあり好ましくない。
【0011】また共重合体(A)には成形性などを改善
するため必要に応じて、前記メタクリル酸メチル及び一
般式(I)で表されるメタクリル酸エステルと共重合可
能な他のビニル単量体をその構成成分とすることが出来
る。共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸オクチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル
酸シクロデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸
ベンジルなどのメタクリル酸エステル類、スチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族ビニル単量体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル化合物、シクロヘ
キシルマレイミド、○−クロロフェニルマレイミド等の
N置換マレイミド化合物などが挙げられる。これらのビ
ニル単量体は単独または2種以上用いることができ、そ
の添加量は0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%
である。添加量が20重量%を超えると耐熱性や機械的
性質の低下を招きやすく好ましくない。
【0012】本発明に用いられる共重合体(B)を構成
するメタクリル酸メチルは、共重合体(A)と相溶し、
透明性を保持する為の成分であり、その添加量は10〜
90重量%、好ましくは20〜80重量%である。添加
量は10重量%未満及び90重量%を超える場合には共
重合体(A)との相溶性が低下し、透明性が得られな
い。また、本発明の共重合体(B)に用いられる他の成
分である芳香族ビニル単量体としては、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられ、特に好
ましくはスチレンである。その添加量は10〜90重量
%、好ましくは20〜80重量%である。添加量が10
重量%未満又は90重量%を超える場合には、相溶性が
低下して透明性が得られない場合があり好ましくない。
共重合体(B)には、メタクリル酸メチル及び芳香族ビ
ニル単量体と共重合可能な他のビニル単量体をその構成
成分として必要に応じて用いることができる。共重合可
能な他のビニル単量体としては、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルな
どのメタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチルを除
く)、アクリロニトニル、メタクリロニトリルなどのニ
トリル化合物、シクロヘキシルマレイミド、○−クロロ
フェニルマレイミド等のN置換マレイミド化合物などが
挙げられる。これらのビニル単量体の添加量は0〜20
重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。20
重量%を超えると、耐熱性が低下したり、透明性が低下
するなどの欠点を生じやすく好ましくない。
【0013】本発明の芳香族ポリカーボネート(C)
は、共重合体(B)と共に、低複屈折性の向上及び吸湿
性の低下を目的に用いられる。本発明に用いられる芳香
族ポリカーボネートとしては、例えば、ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタンポリカーボネート,1,1−
ビス−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパンポリカー
ボネート,2,2−ビス−(4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンポリカーボネート、2,2−ビス−(4′
−ヒドロキシフェニル)ブタンポリカーボネート,2,
2−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチル
フェニル)プロパンポリカーボネート,2,2−ビス−
(4′−ヒドロキシ−3′−メチルフェニル)ポリカー
ボネート等であり、特にビスフェノールAのポリカーボ
ネートが好ましい。
【0014】上記共重合体(A)、共重合体(B)、芳
香族ポリカーボネート(C)それぞれの分子量は、特に
制限は無いが、好ましくは20℃、クロロホルム中の固
有粘度が0.3〜1.3dl/grの範囲にあるもので
ある。固有粘度が0.3未満の場合は、機械的強度が低
下する傾向があり好ましくなく、一方固有粘度が1.3
を超えた場合は、樹脂の溶融不足等のため、透明性が低
下する傾向にあり好ましくない。
【0015】共重合体(A)及び(B)の製造方法は、
一般に公知とされている重合方法、例えば懸濁重合法、
塊状重合法、溶液重合法等により行われ、いずれの方法
を用いてもよい。重合温度は一般に用いられている50
〜160℃で重合することが出来る。また重合に際し、
通常用いられる重合開始剤としては、例えば2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物、ラウ
ロイルパーオキサイド、tert.−ブチルパーオキシ
2エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート、ベンゾイ
ルパーオキサイド等の有機過酸化物であり、連鎖移動剤
としてはn−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタンなどを用いることができる。
【0016】また芳香族ポリカーボネートの製造方法
は、一般に知られている界面法、またはピリジン法、溶
融法などが挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。一
般に市販されているポリカーボネートを用いることもで
きる。
【0017】本発明の低複屈折性樹脂組成物は、共重合
体(A)60〜98.9重量部と、共重合体(B)0.
6〜30重量部と、芳香族ポリカーボネート(C)0.
5〜10重量部とからなり、且つ共重合体(B)とポリ
カーボネート(C)とのブレンド割合が下記式(a)、
好ましくは(b)を満足することが必要である。 1.2≦B/C≦3.0 (a) 1.4≦B/C≦2.5 (b) (式中、Bは共重合体(B)の配合量、Cは芳香族ポリ
カーボネート(C)の配合量を示す。)
【0018】B/Cの割合が1.2未満または3.0を
超える場合は、複屈折の低減効果がほとんど見られず、
好ましくない。また、芳香族ポリカーボネート(C)の
配合量は0.5〜10重量部であり、より好ましくは2
〜8重量部である。芳香族ポリカーボネート(C)の配
合量が0.5重量部未満の場合には、複屈折低減効果が
無く、一方10重量部を超える場合にはヘイズが増加
し、透明性が低下するため好ましくない。
【0019】このような樹脂組成物の製造方法として
は、上記配合割合の共重合体(A)、(B)および芳香
族ポリカーボネート(C)を、ブラベンダー、ヘンシェ
ルミキサー、コンパクター、タンブラー等通常用いる混
合機で混合したり、これらを押出機で混練してペレット
やシートにしたりすることができ、またこれらの混合物
やペレットなどを用いて、射出成形機や圧縮成形機のよ
うな成形加工機で成形して成形品を得る方法などを挙げ
ることができ、特に制限はない。
【0020】本発明を実施する際に必要に応じて紫外線
吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、洗顔料
などの添加剤を加えることが出来、重合、混合、溶融混
合のいずれの工程でも良い。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれ等により限定されるものではな
い。尚実施例における評価方法は、次の(1)〜(5)
の方法で実施した。 (1)全光線透過率とヘイズ(%) 120φ×1.2t(mm)のディスク基板を、射出成
形機M−100DM(名機製作所製)で成形後、これを
ASTM D1003の方法に準拠して測定した。 (2)複屈折 120φ×1.2t(mm)のディスク基板を用い、ゲ
ートから10mmの点の光路差(nm)を偏光顕微鏡L
ABOPHOT−POL型(日本光学工業(株)製)で
測定した。 (3)固有粘度(dl/gr) クロロホルム中に一定濃度の樹脂を溶解後、自動粘度計
で20℃の条件で測定した。 (4)引張強度(Kg/cm2) ASTM D638に準じたダンペル金型を用いて、射
出成型機J75SAV(日本製鋼所製)で成形し、AS
TM D638の方法で測定した。 (5)吸湿率(%) 50.8φ×3.2t(mm)の円板金型を用い、射出
成形機J75SAV(日本製鋼所製)で成形し、恒温恒
湿槽(タバイエスペックPL−2型)60℃、90%R
Hの条件での飽和吸湿率を測定した。
【0022】実施例1 1.共重合体(A)の製造 メタクリル酸メチル70重量%、アクリル酸メチル5重
量%、メタクリル酸2,4,6−トリブロモフェニル2
5重量%の単量体混合物100重量部に、ラウロイルパ
ーオキサイド0.2重量部、n−オクチルメルカプタン
0.2重量部、ステアリルアルコール0.1重量部を溶
解した単量体混合物15Kgと、ポリメタクリル酸カリ
ウム1重量%水溶液300gr、リン酸2水素ナトリウ
ム7gr、リン酸水素2ナトリウム22grをあらかじ
め溶解した純水30Kgを撹拌機のついた50リットル
耐圧反応槽に仕込んだ。次いで反応槽の窒素置換を行
い、80℃で重合し、発熱ピーク後、さらに120℃、
1時間重合した。これを冷却した後、洗浄、脱水、乾燥
の各工程を経てビーズ状の共重合体を得た。このビーズ
の固有粘度は0.75dl/grであった。
【0023】2.共重合体(B)の製造 メタクリル酸メチル30重量%、スチレン70重量%の
混合物100重量部にラウロイルパーオキサイド0.4
重量部、n−オクチルメルカプタン0.15重量部、ス
テアリルアルコール0.1重量部を溶解した単量体混合
物15Kgと、ポリメタクリル酸カリウム1.0重量%
水溶液450gr、リン酸2水素ナトリウム14gr、
リン酸水素ナトリウム40grをあらかじめ溶解した純
水30Kgを撹拌機の付いた50リットル耐圧重合槽に
仕込んだ。次いで反応槽の窒素置換を行った後、70℃
で重合し発熱ピーク後、さらに120℃、1時間重合し
た。これを冷却した後、洗浄、脱水、乾燥工程を経てビ
ーズ状の共重合体を得た。このビーズの固有粘度は0.
87dl/grであった。
【0024】3.ブレンド及び評価 以上のようにして得られた共重合体(A)87重量%
と、共重合体(B)8.0重量%と、ポリカーボネート
(C)としてパンライトL−1250(固有粘度0.3
70dl/g)5.0重量%を、ヘンシェル型ミキサー
で混合し、シリンダー径40mmの押出機でペレット化
した(このペレットのB/Cは1.60である)。この
ペレットを射出成形し、試験片を得た。得られた試験片
を用い、全光線透過率、ヘイズ、光路差、引張強度、吸
湿率を各々測定した結果、この試験片は全光線透過率9
2.2%、ヘイズ0.1%、光路差0.0nm、引張強
度620Kg/cm2、吸湿率0.85%の物性を示
し、透明な低吸湿性を有する低複屈折性樹脂組成物であ
ることがわかる。
【0025】比較例1 実施例1の共重合体(A)87重量%と共重合体(B)
10.4重量%とパンライト(L−1250)2.6重
量%を実施例1と同様の条件でブレンドし、ペレット化
した(このペレットのB/Cは4.0である)。このペ
レットを実施例1と同様に評価した結果、全光線透過率
81.6%、ヘイズ11.0%で透明性は非常に低く、
また複屈折も高く、光学材料に適さなかった。
【0026】比較例2 実施例1の共重合体(A)55重量%と共重合体(B)
30重量%とパンライト(L−1250)15重量%を
実施例1と同様にしてブレンドし、ペレットを得た(ペ
レットのB/Cは2.0である)。このペレットを実施
例1と同様に評価した結果、全光線透過率は65.0
%、ヘイズ38.0%で透明性はほとんど無かった。
【0027】実施例2〜7 表1、表2に示した組成で、表1、表2に表した固有粘
度になるように連鎖移動剤及び重合開始剤の種類と添加
量を変えた以外、実施例1と同様の条件で重合した後、
実施例1と同様に、共重合体(A)と共重合体(B)を
各々得た。表3に示した割合で共重合体(A)と共重合
体(B)とポリカーボネート(C)を混合し、ペレット
化後、所定の評価方法に従い評価した。結果を表3の実
施例2〜5に示したが、共重合体(B)と芳香族ポリカ
ーボネート(C)の比率が特許請求の範囲内であり、且
つ、樹脂組成物中のポリカーボネートの割合が0.5〜
10重量%であれば、透明性および低吸湿性に優れた低
複屈折性樹脂組成物が得られることがわかる。これらの
樹脂組成物の引張強度は400Kg/cm2以上で良好
であった。また、実施例6に示したように、固有粘度が
高い芳香族ポリカーボネートを用いても複屈折低減効果
はあり、透明で低吸湿性の樹脂組成物が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 表中の単量体の略号は以下の通りである。 TBPMA:メタクリル酸2,4,6−トリブロモフェ
ニル MBPMA:メタクリル酸モノブロモフェニル PhMA :メタクリル酸フェニル CHMA :メタクリル酸シクロヘキシル BzMA :メタクリル酸ベンジル EMA :メタクリル酸エチル MA :アクリル酸メチル EA :アクリル酸エチル ST :スチレン MST :メチルスチレン AN :アクリロニトリル
【0030】
【表3】 表中のポリカーボネートの略号は以下の通りである。 PL:パンライトL−1250(帝人化成) UP:ユーピロンH−4000(三菱ガス化学工業
(株)) NV:ノバレックス7020AD3(三菱化成(株)) TF:タフロン12500(出光石油化学工業(株))
【0031】比較例3〜6 表4に表した比較例3、4のように、共重合体(A)及
び共重合体(B)の組成が特許請求の範囲外である場合
は、ブレンド比が範囲内であっても、透明性が得られな
かったり、複屈折が高くなる。
【0032】また比較例5、6の様に、共重合体(B)
または芳香族ポリカーボネート(C)が無添加の場合
は、透明性が不足したり、複屈折が高く、十分な性能の
樹脂が得られない。
【0033】
【表4】 実施例8 実施例1と同様の樹脂を用いて、射出成型機M−250
DM(名機製作所製)に、グルーブ幅0.8μmグルー
ブ深さ0.07μm、グルーブ間ピッチが1.6μmの
ニッケルスタンパーを装着した直径300φ(mm)の
ディスク金型を取り付け、シリンダー温度260℃、金
型温度60℃冷却時間20秒の条件でディスクを射出成
形した。得られたディスクの中心から60mm、100
mm、140mmの各点の複屈折を測定した結果、各々
2.5nm、0nm、0nmであり、良好な低複屈折性
を示した。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のメタクリル
系樹脂組成物は、メタクリル樹脂の特徴である優れた透
明性、成形性、及びバランスのとれた機械的性質を有す
ると共に、メタクリル樹脂の欠点である吸湿性が大幅に
改良された上、優れた低複屈折性が得られるという特徴
を有する。
【0035】このため、この樹脂組成物は、光学用素
子、特にカメラ、複写機、レーザー光学機器などの光学
レンズ、または光学用情報記録担体に好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25:14 69:00)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチル50〜90重量%、
    下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を表し、nは
    1〜5の整数である。)で示されるメタクリル酸エステ
    ル10〜50重量%および共重合可能な他のビニル単量
    体0〜20重量%からなる共重合体(A)60〜98.
    9重量部と、メタクリル酸メチル10〜90重量%、芳
    香族ビニル単量体10〜90重量%および共重合可能な
    他のビニル単量体0〜20重量%からなる共重合体
    (B)0.6〜30重量部と、芳香族ポリカーボネート
    (C)0.5〜10重量部とからなり、かつ下記式
    (a)を満足することを特徴とする低複屈折性メタクリ
    ル系樹脂組成物。 1.2≦B/C≦3.0 (a) (式中、Bは共重合体(B)の配合量、Cは芳香族ポリ
    カーボネート(C)の配合量を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表されるメタクリル酸エ
    ステルが、メタクリル酸2,4,6−トリブロモフェニ
    ルである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル単量体がスチレンである請
    求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の樹脂組成物からな
    る光学用素子。
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