JPH05325261A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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Publication number
JPH05325261A
JPH05325261A JP4128920A JP12892092A JPH05325261A JP H05325261 A JPH05325261 A JP H05325261A JP 4128920 A JP4128920 A JP 4128920A JP 12892092 A JP12892092 A JP 12892092A JP H05325261 A JPH05325261 A JP H05325261A
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JP
Japan
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layer
recording
thermal expansion
dielectric layer
alloy
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Application number
JP4128920A
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English (en)
Inventor
Kusato Hirota
草人 廣田
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Hisaya Seo
尚也 瀬尾
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】この発明は、反射層の構成材料よりも熱膨張率
が小さい金属材料からなる熱膨張緩和層を反射層に積層
して設けた光記録媒体である。 【効果】この発明によれば、多数回の記録消去の繰り返
しに伴う記録層の膜厚変動が低減できる。また、耐湿熱
性、耐酸化性に優れ、長寿命である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の照射により、情報
の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に関す
るものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変化型
光記録媒体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。
【0004】これらの光記録媒体は、テルルを主成分と
する記録層を有し、記録時は、結晶状態の記録層に集束
したレーザー光パルスを短時間照射し、記録層を部分的
に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され固化
し、アモルファス状態の記録マークが形成される。この
記録マークの光線反射率は、未記録部の結晶状態より低
く、光学的に記録信号として再生可能である。
【0005】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0006】この光記録媒体では、通常、記録層の両面
に耐熱性と透光性を有する誘電体層を設け、記録時に記
録層に変形、開口が発生することを防いでいる。さら
に、光ビーム入射方向と反対側の誘電体層に、熱伝導率
が高く、光反射性を有するAlなどの金属反射層を積層
して設け、光学的な干渉効果により再生時の信号コント
ラストを改善すると共に、冷却効果により、非晶状態の
記録マークの形成を容易にし、かつ消去特性、繰り返し
特性を改善する技術が知られている。特に、記録層と反
射層の間の誘電体層を20nm程度に薄く構成した「急
冷構造」では、記録の書換の繰返しによる劣化が比較的
少なく、また消去パワーのパワー・マージンが広い点で
優れていると共に、一度のレーザ光照射で書換ができる
シングル・ビームオーバーライト方式による記録も可能
である(T.Ohota et al,Japanese Jounal of Applied P
hysics, Vol 28(1989) Suppl. 28-3 pp123 - 128)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のような急冷構造
の書換可能相変化型光記録媒体における課題の一つは、
記録書換の多数回の繰返し、とりわけシングルビーム・
オーバライトによる書換の繰返しにより、記録層の物質
が徐々にトラック方向に移動し、記録層の膜厚にむらが
発生し、記録マークの形状が不均一になる、あるいは記
録が困難な部分が発生するなどの不都合を生じることで
ある。
【0008】また、第2の課題は、記録書換の多数回の
繰り返しにより、記録層、誘電体層、反射層などの膜の
欠陥が増加することであり、また、この部分が、長期の
保存により、さらに欠陥が増加する、あるいはC/Nな
どの記録特性が劣化する問題である。
【0009】第1の課題については、その一因が、記録
時の加熱により、記録層、保護層、反射層などが熱膨張
し、その応力により溶融状態にある記録層の物質が押し
出されることにあると推定できる。そのため保護層、反
射層の熱膨張により発生する応力を低減する方法が望ま
れていた。
【0010】また、第2の課題については、その原因と
して、記録層と反射層の間の20nm程度の薄い誘電体
層が、記録時に加熱され熱膨張するため、この誘電体層
と反射層のAlなどの金属材料との熱膨張差により界面
に応力が発生し、その結果、記録の繰り返しにより、誘
電体層および反射層が強度的に疲労すること、およびク
ラック、ヒロックなどの欠陥が発生することなどが推定
できる。
【0011】この様な劣化を防止する手段としては、熱
膨張率の小さいW−Au合金を反射層とするもの(ア)
(特開平3-178050号公報)や、Moなどの金属の5nm
程度の厚さの接着層を誘電体層と反射層の間に設けるこ
と(イ)(特開平3-207035号公報)が提案されている
が、前者(ア)の場合には、記録を繰り返した部分の保
存安定性は向上するものの、多数回の記録の繰り返しに
より、C/Nなどの記録特性が劣化する欠点があった。
【0012】また後者(イ)では、AuやAl反射層と
接着性の悪いSi02 や窒化シリコンなどの誘電体材料
を用いる場合には、反射膜の接着性向上効果によって、
記録の繰返しによる欠陥発生などの劣化が低減できるこ
とが報告されている。しかし、現在主流となっている急
冷構成では、AlにTi、Cr、Zr、Hf、Mnなど
の添加元素を加えて結晶粒径を純Alよりも小さくし、
かつ結晶状態の熱安定性を改善したAl合金反射層を用
いれば、ZnS−SiO2 混合系誘電体と比較的良好な
接着性が得られるため、Moなどの接着性向上層を挿入
しても、更なる改善効果は殆ど得られなかった。また、
急冷構成では、記録層と反射層間の誘電体層が、前述の
例(イ)の70nmに比べて、約20nmと薄いため、
記録時の誘電体層と反射層の界面の温度が高くなり熱膨
張量の差がより大きいこと、および誘電体層が薄いため
機械的強度が相対的に低く、前述の記録層の膜厚変動が
起き易いことも、反射層の接着性を向上しても記録の繰
返し耐久性が向上しない原因であると考えられる。
【0013】本発明の目的は、記録時の加熱により誘電
体層と反射層間に発生する応力を緩和し、誘電体層、反
射層の欠陥発生や強度低下、記録層の物質移動などの劣
化を低減すると共に、応力に対する反射層の安定性を向
上することにより、多数回の記録の繰り返しを行っても
劣化の少ない書換型相変化光記録媒体を提供することで
ある。
【0014】本発明の別の目的は、耐酸化性、耐湿熱性
に優れ長期の保存においても欠陥の生じない長寿命の光
記録媒体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された記録層に光を照射することによって、情報の記
録、消去、再生が可能であり、情報の記録及び消去が、
非晶相と結晶相の間の相変化により行われ、かつ透明基
板/第1誘電体層/記録層/第2誘電体層/反射層の積
層体を構成部材として含み、かつ該積層体の第2誘電体
層の厚さが2nm以上50nm以下である光記録媒体に
おいて、前記第2誘電体層と反射層の間に、反射層の構
成材料よりも熱膨張率が小さい金属材料からなる熱膨張
緩和層を設けたことを特徴とする光記録媒体に関するも
のである。
【0016】本発明の光記録媒体の代表的層構成は、透
明基板/第1誘電体層/記録層/第2誘電体層/熱膨張
緩和層/反射層の積層体を部材として含むもの、あるい
は、透明基板/第1誘電体層/記録層/第2誘電体層/
熱膨張緩和層/反射層/強化層の積層体を部材として含
むものである(ここで光の入射方向は基板側である)。
但しこれに限定するものではなく、反射層もしくは強化
層上に、本発明の効果を損なわない範囲で紫外線硬化樹
脂などの樹脂層や、ZnS,SiO2 などの湿度、熱安
定性に優れた金属化合物の保護層、他の基板と張り合わ
せるための接着剤層など、他の層を設けてもよい。
【0017】本発明の熱膨張緩和層は、反射層の構成材
料よりも熱膨張率が小さい金属材料からなる。
【0018】従来の構成では、誘電体層が酸化物、硫化
物、窒化物やこれらの混合物であるため、熱膨張率はA
lやAuなどの反射層に用いる金属に対して、数分の1
から10分の1程度と小さい。そのため記録時に加熱さ
れた誘電体層と反射層の界面付近では、大きな熱膨張量
差により応力が発生し誘電体層が変形する。記録の度に
繰返しこの変形が発生することにより、記録層材料がト
ラック方向に押し出され、膜厚の不均一化が発生してい
ると推定できる。さらに、この変形の繰り返しによる誘
電体層、反射層の機械的疲労から、各層の強度低下に起
因する欠陥が発生していると推定できる。
【0019】本発明は、この反射層を構成する材料より
熱膨張率の小さいTi合金などの金属の熱膨張緩和層を
誘電体層と反射層の間に設けることにより、反射層の熱
膨張により保護層との界面付近に発生する応力を低減
し、記録層の膜厚変動や保護層、反射層などの欠陥発生
や劣化を抑制する効果がある。
【0020】特に、記録パワー、消去パワー(ボトム・
パワー)が高い記録条件での、前述の記録層材料の移動
現象が低減され、記録条件のパワー・マージンが拡大で
きる効果が大きい。
【0021】本発明では、熱膨張緩和層を金属で構成し
ているため、SiO2 ,Si窒化物などのガラス、セラ
ミックス材料を用いる場合に比べ、靭性が高く、反射層
の膨張による応力で破壊しにくいという効果がある。
【0022】ただし、本発明の主旨を損なわない範囲
で、熱膨張緩和層の金属に少量の金属酸化物、窒化物な
どを加えることは、本発明の範囲内であることは言うま
でもない。
【0023】熱膨張緩和層の材質としては、Ti,Z
r,Hf,Ta,Nb,Rh、Wなどの高融点金属、及
びこれらの少なくとも2種から構成される合金、もしく
は、これらを主成分とし添加元素としてAl,V,S
n,Cr,Au,Ag、Cuなどの他の金属を1原子%
以上、20原子%未満含有する合金およびAlTi金属
間化合物が、熱膨張率が適当であることから好ましい。
【0024】特に、反射層がAlもしくはAl合金の場
合には、耐腐食性が良好な組み合わせであることからT
i,Zr,Hfもしくは、これらの少なくとも2種の合
金、さらにこれら前述の金属の少なくとも1種を主成分
として80原子%以上含有し、添加元素としてAl,
V,Sn,Cr,Au,Ag、Cuなどの他の金属を1
原子%以上、20原子%未満含有する合金が合金が好ま
しい。
【0025】とりわけTiを80原子%以上含有しA
l、Sn,Hf,V,Nb,Mo,Cr,Fe,Siな
どに代表される強度向上を目的とした添加元素を加えた
合金であることが、耐腐食性が良好で、かつ記録繰り返
しによる劣化を低減する効果が著しいことから好まし
い、特にTiに3〜6重量%のAl,Vなどの少なくと
も一種類の金属を加えた合金が耐熱性が高いことから好
ましい。
【0026】熱膨張緩和層の厚さとしては、材質にもよ
るが、おおよそ10nm〜30nmが好ましく、10〜
20nmが特に好ましい。薄すぎる場合には、記録の繰
返しによる劣化を低減する前述の効果が低く、厚すぎる
場合には、比較的熱伝導率の低い熱膨張緩和層の影響
で、記録層から反射層への熱拡散量が低くなり、記録、
消去特性、記録の繰り返し耐久性が低下する。
【0027】本発明の反射層の材質は、光反射性を有す
るAl,Au,Ag,Cuなどの金属、およびこれらの
合金、および金属と金属酸化物、金属窒化物、金属炭化
物などの金属化合物の混合物である。特に、Al,A
u,Ag,Cuなどの高反射率の金属、もしくは、これ
らを主成分として80原子%以上含有する合金が光反射
性が高く、かつ熱伝導率を高くできることから好まし
い。前述の合金の例として、AlにSi,Mg,Cu,
Pd,Ti,Hf,Zr,Ta,Cr,Nb,Mnなど
の少なくとも1種の元素を合計で5原子%以下、0.5
原子%以上加えたもの、あるいは、AuにCr,Ag,
Cu,Pd,Pt,Niなどの少なくとも1種の元素を
合計で20原子%以下、1原子%以上加えたものなどが
ある。特に、材料の価格が安いことから、Alを主成分
とする合金が好ましい。
【0028】とりわけ、Al合金としては、耐腐食性が
良好なことから、AlにTi,Cr,Zr,Hfから選
ばれる少なくとも1種以上の金属を合計で5原子%以下
0.5原子%以上添加し、Pdを0.05原子%以上
0.5原子%以下た合金あるいは、Alに合計で5%以
下のSiとMnを加えた合金が好ましい。
【0029】反射層の厚さとしては、おおむね30nm
以上300nm以下である。再生信号強度が大きく、か
つ記録感度を高くできることから50nm以上200n
m以下が好ましい。
【0030】また、本発明の光記録媒体の反射層の記
録、再生光入射方向の反対側の面に、反射層を構成する
材料よりもヤング率の高い金属材料からなる強化層を設
けてもよい。強化層を設けることは、反射層を力学的に
強化する事によって、反射層や誘電体層などの熱膨張に
起因する応力によって反射層にヒロックやマイクロ・ク
ラックなどの欠陥が発生することを防止する効果がある
ことから好ましい。強化層は金属で構成されているた
め、金属である反射層との接着性において、SiO2 ,
ZnSなどの誘電体材料などに比べ優れている。
【0031】強化層の材質としては、Ti,Zr,H
f,Ta,Nb,Rh、Wなどの金属、及びこれらを主
成分とする合金が、ヤング率が大きく好ましい。
【0032】特に、反射層がAlもしくはAl合金の場
合には、耐腐食性が良好な組み合わせであることからT
i,Zr,Hf,Ta及びこれらの少なくとも2種の合
金が好ましい。さらにこれら前述の金属の少なくとも1
種を50原子%以上含有する合金が好ましい。とりわけ
Ti−Zr合金、Ti−Al合金、Ti−Al−V合
金、Ti−Al−Sn合金、Ti−Hf合金であること
が、好ましい。
【0033】特にTi及びZrの少なくとも1種を80
原子%以上含有しAl、Sn,Zr,Hf,V,Nb,
Mo,Cr,Fe,Siなどに代表される強度向上を目
的とした添加元素を合計で1原子%以上20原子%以下
加えた合金であることが、耐腐食性が良好で、かつ記録
繰り返しによる劣化を低減する効果が著しいことから好
ましい。
【0034】強化層の厚さとしては、材質にもよるが、
20nm〜100nmが好ましく、特に20nm〜50
nmが好ましい。薄すぎる場合には、反射層を力学的に
強化する効果が低く、厚すぎる場合には、反射層を含め
た熱容量が大きくなり過ぎるため、記録、消去特性が低
下する。
【0035】本発明の第1誘電体層の材質は、記録光波
長において実質的に透明であり、かつその屈折率が、透
明基板の屈折率より大きく、記録層の屈折率より小さい
ZnS,SiO2 、酸化アルミニウム、窒化シリコン、
ZrC、ZnSeなどの金属硫化物、金属酸化物、金属
窒化物、金属炭化物、金属セレン化物などの金属化合
物、およびその混合物である。第1保護層の厚さは、必
要な反射率など光学的な条件により決められるが、およ
そ100nm〜500nmである。
【0036】特にZnSの薄膜、Si,Ge,Al,T
i,Zr,Taなどの金属の酸化物の薄膜、Si,Al
などの窒化物の薄膜、Ti,Zr,Hf,Siなどの炭
化物の薄膜及びこれらの化合物の混合物の膜が、耐熱性
が高いことから好ましい。また、これらに炭素、MgF
2 などのフッ化物を混合したものも、膜の残留応力が小
さいことから好ましい。
【0037】また、ZnSとSiO2 の混合膜は、記
録、消去の繰り返しによっても、記録感度、C/N、消
去率などの劣化が起きにくいことから好ましい。
【0038】本発明の第2誘電体層の材質は、第1誘電
体層の材料としてあげたものと同様のものでよい。第2
誘電体層の材質は第1誘電体層の材質と同一の材料でも
良いし、異種の材料であってもよい。第2誘電体層の厚
さは、通常2nm以上50nm以下である。良好な消去
率の得られる消去パワー(あるいはボトム・パワー)の
範囲が広いことからおよそ10〜40nmが好ましく、
特に好ましくは10〜30nmである。
【0039】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、Pd−Ge−Sb−Te合金、Ni−G
e−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Co−G
e−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−I
n−Sb−Te合金、In−Se合金などがある。
【0040】多数回の記録の書換が可能であることか
ら、Pd−Ge−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合
金、Co−Ge−Sb−Te合金が好ましい。
【0041】特にPd−Ge−Sb−Te合金、Ge−
Sb−Te合金は、消去時間が短く、かつ多数回の記
録、消去の繰り返しが可能であり、C/N、消去率など
の記録特性に優れることからことから好ましく、とりわ
けPd−Ge−Sb−Te合金が、前述の特性に優れる
ことから好ましい。
【0042】本発明の記録層の厚さとしては、特に限定
するものではないが10〜100nmである。特に記
録、消去感度が高く、多数回の記録消去が可能であるこ
とから10nm以上30nm以下とすることが好まし
い。
【0043】特に、記録感度が高く、高速でシングルビ
ーム・オーバーライトが可能であり、かつ消去率が大き
く消去特性が良好であることから、次のごとく、光記録
媒体の主要部を構成することが好ましい。
【0044】すなわち、誘電体層がZnSとSiO2
混合膜であり、SiO2 の混合比が15〜35モル%、
記録光波長での屈折率が2.0〜2.3であり、かつ第
1誘電体層の厚さを150nm〜400nm、第2誘電
体層の厚さを10nm〜30nmで構成し、かつ記録層
の厚さを10nm〜30nm、熱膨張緩和層を厚さ10
〜20nm、かつTi及びZrの少なくとも1種を80
原子%以上含有しAl、Sn,Zr,Hf,Vなどに代
表される強度向上を目的とした添加元素を1原子%以上
20原子%未満加えた合金で構成し、反射層を厚さ50
nm〜200nmのAl合金で構成し、かつ記録層の組
成が次式で表される範囲にあることが好ましい。
【0045】 (Pdx Sby Te1-x-y )1-z (Te0.5 Ge0.5 )z 0≦x≦0.05 0.35≦y≦0.65 0.2≦z≦ 0.5 但しx,y,z,0.5は各元素の原子数比をあらわ
す。
【0046】また、さらに反射層上に10〜100nm
のTi、あるいはTi合金の強化層を設けてもよい。
【0047】本発明では、ほこり、基板の傷などの影響
をさける目的で、集束した光ビームを用いて、基板側か
ら記録を行なうため、基板として透明材料を用いる。こ
の様な材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリ
メチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられる。
【0048】特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小
さく、成形が容易であることからポリカーボネート樹
脂、アモルファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。ま
た耐熱性が要求される場合には、エポキシ樹脂が好まし
い。
【0049】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビ−ムで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。基板はフレキシブルなもの
であっても良いし、リジッドなものであっても良い。フ
レキシブルな基板は、テープ状、シート状、カ−ド状で
使用する。リジッドな基板は、カード状、あるいはディ
スク状で使用する。また、これらの基板は、記録層など
を形成した後、2枚の基板を用いて、密着張合せ構造、
エアーサンドイッチ構造としてもよい。
【0050】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0051】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。
【0052】記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
【0053】また、記録マーク形成時は光強度を高く、
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射により書換
を行う1ビーム・オーバーライトは、書換の所要時間が
短くなることから好ましい。
【0054】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。熱膨張緩和層、反射層、記録層、誘電体層
などを基板上に形成する方法としては、公知の真空中で
の薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法などがあげられる。特に組成、
膜厚のコントロールが容易であることから、スパッタリ
ング法が好ましい。
【0055】形成する記録層などの厚さの制御は、公知
の技術である水晶振動子膜厚計などで、堆積状態をモニ
タリングすることで、容易に行える。
【0056】記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のどちらでもよい。膜
厚の面内の均一性に優れることから、基板を自転させる
ことが好ましく、さらに公転を組合わせることが、より
好ましい。
【0057】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層などを形成した後、傷、変形の防止
などのため、紫外線硬化樹脂などの保護層などを必要に
応じて設けてもよい。また、反射層などを形成した後、
あるいはさらに前述の樹脂保護層を形成した後、2枚の
基板を対向して、接着材で張り合わせてもよい。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
またキャリア対ノイズ比および消去率(記録後と消去後
の再生キャリア信号強度の差)は、スペクトラムアナラ
イザにより測定した。
【0059】記録層など各層の膜厚は、走査型、及び透
過型電子顕微鏡で膜厚方向の断面を観察し、較正した水
晶振動子膜厚計によりモニターした。
【0060】実施例1 厚さ1.2mm、直径13cmのスパイラルグルーブと
セクタのフォーマット付きポリカーボネート製基板を毎
分30回転で回転させながら、高周波スパッタ法によ
り、記録層、誘電体層、反射層及び熱膨張緩和層、強化
層を形成した。
【0061】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に屈折率、約2.2の厚さ360nmの第1誘電体層を
形成した。続いて、Pd、Ge、Sb、Teからなる合
金ターゲットをスパッタして、組成Pd1 Ge17Sb26
Te56(原子%)の膜厚25nmの記録層を形成した。
さらに第1誘電体層と同じ材質の第2誘電体層を20n
m形成し、この上に、膜厚15nmのTi95Al5 合金
からなる熱膨張緩和層を設け、さらにPd0.001 Hf0.
01Al0.99合金の膜厚130nmの反射層、膜厚40n
mのTi95Al5 合金からなる強化層を形成した。さら
にこのディスクを真空容器より取り出した後、この反射
層上にアクリル系紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫
外線照射により硬化させて膜厚10μmの樹脂層を形成
し、さらに同一構成のディスクとホットメルト接着剤で
張り合わせて、本発明の光記録媒体を得た。
【0062】この光記録媒体を毎秒1200rpmで回
転させ、基板側から、半径方向に長円に集光した波長8
20nmの半導体レーザー光を照射して、記録層を結晶
化し初期化した。
【0063】その後、線速度8.5m/秒の条件で、対
物レンズの開口数0.5、半導体レーザーの波長830
nmの光学ヘッドを使用して、パルス幅50nsec、
ピークパワー20mW、ボトムパワー9mWの条件に変
調した半導体レーザー光で、2−7コード(1.5Tの
周波数5.3MHz)の連続した1.5Tパターンの連
続部と4Tパターンの連続部の交互の繰り返しから成る
データパターンを同一トラックに100回、さらに10
万回オーバーライト・モードで記録した。その後再生
し、再生波形を観察したところ、初期100回記録後に
比べ、殆ど劣化がなく良好な再生波形が得られた。さら
に1.5T〜4Tの信号の混在したランダムパターンで
1回オーバーライトした後再生し、ビット・エラー率
(BER)を測定したところ2.5×10-5と良好な値
であった。
【0064】さらに、隣接した別のトラックに、先と同
様の記録条件で、2−7コードのランダム・パターンで
20万回のオーバーライト記録を行った後、BERを測
定したところ1トラック中にエラーの発生はなかった。
また、記録材料の移動による記録セクタ、の先端、終端
部の再生波形つぶれは殆ど見られず、中間のデータ部の
再生波形の乱れも殆どなかった。
【0065】比較例1 熱膨張緩和層と強化層を設けず、かつ反射層を140n
mの厚さとした他は実施例1と同様の本発明の範囲外の
従来の層構成の光記録媒体を作製した。この光記録媒体
の記録感度を測定したところ、実施例1とほぼ同じであ
った。この光記録媒体を実施例1と同様に100回、さ
らに10万回繰り返しオーバーライト記録を行い再生波
形を観察したところ、10万回後は、100回目に比
べ、記録層の膜厚変動が大きく、1.5Tの連続信号の
一部の振幅が著しく低下していた。さらにランダムパタ
ーンで1回オーバーライトした後再生し、ビット・エラ
ー率(BER)を測定したところ、3×10-1とエラー
訂正を行っても、データの再現が全く困難なレベルまで
悪化していた。
【0066】実施例2 熱膨張緩和層を厚さ10nm、強化層を厚さ40nmの
Tiで構成した他は実施例1と同様の光記録媒体を作製
した。実施例1と同様に4Tと1.5Tからなる記録パ
ターンで10万回オーバーライトした後、再生波形を観
察したところ、顕著な劣化は見られなかった。さらにラ
ンダム・パターンでオーバーライトし、BERを測定し
たところ1×10-4であり、エラー訂正によりデータの
再現が可能なレベルであった。
【0067】比較例2 熱膨張緩和層を厚さ5nmと本発明の範囲外とし、強化
層を厚さ40nmのTiで構成した他は、実施例1と同
様の光記録媒体を作製した。実施例1と同様に4Tと
1.5Tからなる記録パターンで10万回オーバーライ
トした後、再生波形を観察したところ、比較例1と同様
の顕著な劣化が見られた。さらにランダム・パターンで
オーバーライトしBERを測定したところ3×10-2
あり、エラー訂正によりデータの再現が困難なレベルで
あった。
【0068】同様に、熱膨張緩和層を厚さ50nmと本
発明の範囲外とし、強化層を厚さ40nmのTiで構成
した他は、実施例1と同様の光記録媒体を作製し、同様
に再生波形の観察と、BER測定を行ったところ、再生
波形は、前記と同様に比較例1と同様の顕著な劣化が見
られた。またBERは、2×10-1以上と、同様にエラ
ー訂正を行ってもデータの再現が困難なレベルであっ
た。
【0069】実施例3 実施例1と同様のディスクに実施例1と同様の記録条件
で1.5Tの連続信号を100回同一トラック上にオー
バーライト・モードで記録し、その後再生信号のC/N
を測定したところ53dBであった。さらに同条件で2
0万回オーバーライトしたのち、再度C/Nを測定した
ところ52dBとほとんど劣化はみられず良好な値であ
った。また同様に1.5T信号を4T信号でオーバーラ
イトした時の消去率は、100回目、さらに20万回後
とも25dBと良好な値であり劣化もなかった。
【0070】実施例4 実施例1の反射層の厚さを140nmとし、強化層を設
けない層構成とした他は、実施例1と同様の光記録媒体
を作製した。実施例1と同様の記録条件で、2−7コー
ドのランダム・パタ−ンを20万回オーバーライトした
後、BERを測定したところ、1トラック中にエラーの
発生はなかった。また、記録材料の移動による記録セク
タ、の先端、終端部の再生波形のつぶれは殆ど見られ
ず、中間のデータ部の再生波形の乱れも殆どなかった。
【0071】
【発明の効果】本発明は、光記録媒体で構成したので、
以下の効果が得られた。 (1) 多数回の記録の書換を繰り返しても、記録層の膜厚
の変動などの劣化が起き難い。 (2) 耐湿熱性、耐酸化性に優れ、長寿命である。 (3) スパッタ法により容易に作製できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された記録層に光を照射する
    ことによって、情報の記録、消去、再生が可能であり、
    情報の記録及び消去が、非晶相と結晶相の間の相変化に
    より行われ、かつ透明基板/第1誘電体層/記録層/第
    2誘電体層/反射層の積層体を構成部材として含み、か
    つ該積層体の第2誘電体層の厚さが2nm以上50nm
    以下である光記録媒体において、前記第2誘電体層と反
    射層の間に、反射層の構成材料よりも熱膨張率が小さい
    金属材料からなる熱膨張緩和層を設けたことを特徴とす
    る光記録媒体。
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