JPH05323552A

JPH05323552A - 写真感光材料の水洗方法

Info

Publication number: JPH05323552A
Application number: JP15432092A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Nomichi; 善弘野路; Makoto Nishimura; 誠西村
Original assignee: CHIYUUGAI SHASHIN YAKUHIN KK; Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: CHIYUUGAI SHASHIN YAKUHIN KK; Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1992-05-21
Filing date: 1992-05-21
Publication date: 1993-12-07

Abstract

(57)【要約】【目的】水洗水中の水垢、藻の発生を防止し、水垢、
藻の発生による写真画質の低下を防止する。【構成】水洗水に二酸化塩素を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料の水洗方
法に関し、詳しくは、水洗水の安定性を向上させて、長
期間安定に水洗水を使用する方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】写真感光材料は、像露光した後、黒白写
真では現像処理、定着処理、水洗処理、乾燥処理が基本
的処理で、この他各処理液を安定に使用するための処理
工程が付加される。カラー写真に於ては、発色現像処
理、漂白処理、定着処理、水洗処理、乾燥処理が基本的
処理で、この他各処理の迅速化のために、漂白処理と定
着処理を同時に行う漂白定着処理、各処理液を安定に使
用するため、処理後の感光材料の物理的強度を増すため
の処理工程が付加される。

【０００３】今日、写真処理は、迅速に安定的に多量の
処理を行う方法として、自動現像機が使用される。自動
現像機は、感光材料を順次移送しながら、各々の処理を
行っていく。

【０００４】処理剤の使用方法は、感光材料の処理によ
り劣化した処理液の能力を回復するために必要な処理液
（補充液）が加えられ、長期に亘り処理が行われる。連
続的に処理を行うに当り、補充液が加えられるが、加え
られた補充液に見合った処理液が処理槽からオーバーフ
ローする。

【０００５】今日、写真処理に掛る費用の低減、更に、
資源の有効利用の面からオーバーフローを少なくするこ
とが求められ、各処理液の補充量は少なくなってきてい
る。更に、資源の有効利用から水洗水も節約がなされ、
水洗する感光材料の単位面積当りの水洗水量も少なくな
っており、更に、感光材料が水洗槽にある時だけ、水洗
水が流れ、他の時は水洗水が流れないようにコントロー
ルし、資源の有効利用と低減が行われている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】水洗する感光材料の単
位面積当りの水洗水量が少なく、更に、自動現像機の水
洗槽中に必要な時にだけ、水洗水が流れるようにコント
ロールされると、水洗槽中の水の入替りに時間が掛り、
水に澱みが生じ、水垢、藻の発生原因となる。

【０００７】水洗水には、感光材料中のゼラチンが僅か
に剥がれたり、水洗効率を良くするために水洗水の温度
を上げるため、水垢、藻の発生には好条件が揃うことと
なる。水洗水中に発生する水垢や藻は、水洗中の感光材
料に付着して出来上がった写真の画質を低下させること
となる。

【０００８】この様な条件に於ても、水垢や藻の発生が
なく、水洗水を節約できる水洗方法が望まれている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】従って、本発明の目的
は、水洗水中の水垢、藻の発生を防止した水洗方法であ
り、別の目的は水洗水中の水垢、藻による写真画質の低
下のない水洗方法にある。

【００１０】本発明者らは、水洗水中の水垢、藻の発生
を防止して、水洗水中の水垢、藻による写真画質の低下
を防止する方法として、水洗水の入れ替わりの少ない水
洗水中に二酸化塩素を加えることで水洗水中の水垢、藻
の発生を防止出来ることを見出した。

【００１１】自動現像機の使用が終り、停止し、次の日
に使用が始まるまでの水垢、藻は特に多くなるため、自
動現像機の停止後、一定量の二酸化塩素を加える方法、
更に別の方法としては、水洗水中に一定量加えておく方
法がある。

【００１２】自動現像機の停止後に一定量加える方法が
特に有効であり、更に、自動現像機の停止時間が長い場
合は、その時間に見合った量を加えることがより有効な
方法である。

【００１３】使用する二酸化塩素の濃度は、少なすぎる
と効果がなく、多く使用すると写真画像に影響を与える
が、有効濃度は感光材料の種類によって違うが、水洗水
中で１０ｐｐｍ〜１０００ｐｐｍ、好ましくは２０ｐｐ
ｍ〜２００ｐｐｍであり、使用する感光材料により限定
されることはない。又、本発明の処理方法が適用出来る
のは、ハロゲン化銀写真感光材料の全てである。

【００１４】

【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、これにより本発明が限定されるものではない。〔実施例１〕小型自動現像機を使用して、市販写植用印
画紙に像露光し、処理を行った。使用した処理液及び処
理条件は次の通りである。

【００１５】現像液亜硫酸ナトリウム（無水）５０．０ｇ１−フェニル−３−ピラゾリジノン０．５ｇハイドロキノン２０．０ｇベンゾトリアゾール０．１ｇ臭化カリウム２．０ｇエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム１．０ｇ炭酸カリウム（無水）５０．０ｇ水を加えて１．０ｌ処理条件：現像時間３０秒、現像温度３４℃

【００１６】定着液チオ硫酸アンモニウム１５０．０ｇ亜硫酸水素ナトリウム２０．０ｇ水酸化ナトリウム１２．０ｇホウ酸１５．０ｇ酒石酸２．５ｇ酢酸（９０％）３０．０ｇ硫酸アルミニウムカリウム１５．０ｇ水を加えて１．０ｌ処理条件：定着時間３０秒、定着温度３４℃

【００１７】自動現像機の処理液槽に、前記現像液、定
着液を入れ、水洗処理は、処理される感光材料当り、５
０ｌ／ｍ²の水を加え、水洗を行った。この時の処理条
件は、水洗時間５０秒、水洗温度は３０℃とした。処理
時、感光材料により持出されて減量する処理液及び蒸発
により減量する処理液に対しては、各処理液を加え、補
充を行った。

【００１８】この状態で、２３ｃｍ×２７ｃｍの写植用
印画紙を１日２０枚処理し、水洗水中の二酸化塩素の濃
度が１００ｐｐｍになる量を１日分の処理が終了後加
え、処理を行った。その結果は下表のようである。

【表１】

【００１９】前表からも分かるように、水洗水に二酸化
塩素を加えている期間は、水洗槽に水垢の発生が見られ
ず、二酸化塩素が水垢の発生を防止していることが分か
る。更に、２０日目に処理した写真画像を６０℃、８０
％の恒温恒湿槽に７日間入れ、画像の変化を観察した結
果、変化はなく、二酸化塩素は写真画像に無害であるこ
とが分かる。

【００２０】〔実施例２〕小型自動現像機を使用して、
市販Ｘレイフイルムの処理を行った。使用した処理液及
び処理条件は次の通りである。

【００２１】現像液メタ重亜硫酸カリウム５０．０ｇ１−フェニル−３−ピラゾリジノン１．２ｇハイドロキノン２５．０ｇトリエチレングリコール２０．０ｇホウ酸１０．０ｇ臭化カリウム５．０ｇエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム３．０ｇ５−メチルベンゾトリアゾール０．０５ｇグルタールアルデヒド５．０ｇ炭酸カリウム（無水）５０．０ｇ水酸化カリウム５０．０ｇ水を加えて１．０ｌ処理条件：現像時間６０秒、現像温度３０℃

【００２１】定着液チオ硫酸アンモニウム２００．０ｇ亜硫酸ナトリウム（無水）１０．０ｇホウ酸８．０ｇ酢酸（９０％）１７．０ｇクエン酸（１水塩）１．５ｇ硫酸アルミニウム１５．０ｇ水酸化ナトリウム６．２ｇ水を加えて１．０ｌ処理条件：定着時間６０秒、定着温度３０℃

【００２２】自動現像機の各処理液槽に、前記現像液、
定着液を入れ、処理を行った。水洗は処理される感光材
料当り、５０ｌ／ｍ²の水を加え、水洗を行った。この
時の処理条件は、水洗時間５０秒、水洗温度は３０℃と
した。処理時、感光材料により持出されて減量する処理
液及び蒸発により減量する処理液に対しては、各処理液
を加え、補充を行った。

【００２３】この状態で、２５．４ｃｍ×３０．３ｃｍ
のＸレイフィルムを１日２０枚処理し、水洗水中の二酸
化塩素の濃度が５０ｐｐｍになる量を１日分の処理が終
了後加え、処理を行った。その結果は下表のようであ
る。

【表２】

【００２４】前表からも分かるように、水洗水に二酸化
塩素を加えている期間は、水洗槽に水垢、藻の発生が見
られないが、２０日目は休日前であるため２倍量加えな
くてはならないのであるが、それを行っていないため、
休日明けに水垢の発生が見られ、二酸化塩素が水垢、藻
の発生を防止していることが分かる。

【００２５】〔実施例３〕小型自動現像機を使用して、
市販カラー印画紙に像露光し、処理を行った。使用した
処理液及び処理条件は次の通りである。

【００２６】発色現像液ジエチレングリコール１５．０ｇベンジルアルコール１６．０ｇ無水亜硫酸ナトリウム２．５ｇトリエチレングリコール２０．０ｇ臭化カリウム０．７ｇ無水炭酸カリウム３０．０ｇ硫酸ヒドロキシルアミン３．２ｇヘキサメタン酸ナトリウム２．０ｇ３−メチル−４−アミノ−Ｎ−エチル−Ｎ− （β−メタンスルフォンアミドエチル）アンリン硫酸塩５．５ｇ水酸化ナトリウム３．０ｇ水を加えて１．０ｌ

【００２７】発色現像補充液ジエチレングリコール１８．０ｇベンジルアルコール２０．０ｇ無水亜硫酸ナトリウム３．０ｇ無水炭酸ナトリウム３０．０ｇ硫酸ヒドロキシルアミン４．０ｇヘキサメタン酸ナトリウム２．０ｇ３−メチル−４−アミノ−Ｎ−エチル−Ｎ− （β−メタンスルフォンアミドエチル）アンリン硫酸塩６．８ｇ水酸化ナトリウム４．１ｇ水を加えて１．０ｌ処理条件：発色現像時間３分３０秒、発色現像温度３３℃

【００２８】漂白定着液チオ硫酸アンモニウム１００．０ｇエチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム５０．０ｇエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム３．０ｇ無水亜硫酸ナトリウム１５．０ｇ炭酸ナトリウム５．０ｇ水を加えて１．０ｌ

【００２９】漂白定着補充液チオ硫酸アンモニウム１２０．０ｇエチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム６０．０ｇエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム４．０ｇ無水亜硫酸ナトリウム２０．０ｇ水を加えて１．０ｌ処理条件：漂白定着時間１分３０秒、漂白定着温度３３℃

【００３０】自動現像機の各処理液槽に、前記発色現像
液、漂白定着液を入れ、処理される感光材料当り、３２
０ｍｌ／ｍ²で行った。水洗処理の処理条件は、水洗時
間３分、水洗温度は３３℃とした。

【００３０】この状態で、１２ｃｍ巾のカラー印画紙を
１日に１０ｍ処理し、二酸化塩素５０ｐｐｍを含む水洗
水を使用し、感光材料当り、１２ｌ／ｍ²の水洗処理を
行った。その結果は下表のようである。

【表３】

【００３１】前表からも分かるように、二酸化塩素を含
む水洗水を使用している期間は、水洗槽に水垢の発生は
見られないが、二酸化塩素を含まない水を使用し始める
と水垢の発生が見られ、二酸化塩素が水垢の発生を防止
していることが分かる。

【００３２】更に、１３日目に処理した写真画像は、画
質の低下はなく、又、６０℃、８０％の恒温恒湿槽に７
日間入れ、画像の変化を観察した結果、変化はなく、二
酸化塩素は写真画像に無害であることが分かる。

【００３３】

【発明の効果】上記の如く本発明によれば、写真感光材
料の水洗水に、二酸化塩素を含有させることで、少量の
水洗水で処理を行っても水洗水を安定に長期間使用出
来、水洗水の安定性の向上が出来、更に、写真画像を損
なうことがなく、これにより水資源の節約となり、使用
上の効果は大である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】写真感光材料の処理に使用する水洗水に
二酸化塩素を含有させることを特徴とする写真感光材料
の水洗方法。
【請求項２】自動現像機の使用後、残存水に二酸化塩
素を加えることを特徴とする請求項１に記載の写真感光
材料の水洗方法。
【請求項３】自動現像機の使用後、停止時間に応じた
量の二酸化塩素を残存水に加えることを特徴とする請求
項１に記載の写真感光材料の水洗方法。