JPH05321828A - 可変容積型圧縮機 - Google Patents

可変容積型圧縮機

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Publication number
JPH05321828A
JPH05321828A JP4126259A JP12625992A JPH05321828A JP H05321828 A JPH05321828 A JP H05321828A JP 4126259 A JP4126259 A JP 4126259A JP 12625992 A JP12625992 A JP 12625992A JP H05321828 A JPH05321828 A JP H05321828A
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JP
Japan
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cylinder
valve
spool
opened
chamber
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Application number
JP4126259A
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English (en)
Inventor
Masafumi Nakajima
雅文 中島
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可変容積型圧縮機を小型で堅牢なものとす
る。 【構成】 フロント側のシリンダ12a〜12eの円筒
面にはバイパス通路35a〜35eの一端が開口してお
り、ピストン27a〜27e自体によって開閉される。
バイパス通路の他端はバルブシリンダ32の円筒面に開
口しており、スプール33によって開閉される。スプー
ル33がバイパス通路の開口を開いている状態では、圧
縮行程でもストロークの一部では圧縮された流体がバイ
パス通路から吸入側へ逃げるので圧縮は行われない。ス
プール33がバイパス通路を閉じると、圧縮作用はピス
トンのストロークの全域で有効になる。スプール33は
円筒面のバイパス通路の開口を開閉するだけなので、そ
れを移動させるために圧力室36に制御圧を供給して発
生させる制御力は小さくてよく、バルブシリンダ32を
大径にする必要がない。リヤ側にも同様なスプール39
を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用空調装
置の冷媒圧縮機として使用するのに適した、斜板型の可
変容積型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の空調装置においては、走行状
態に応じて回転数が大幅に変動する走行用の内燃機関に
よって冷媒圧縮機を同時に駆動するため、空調負荷に応
じた流量の冷媒の吐出を行うためには、冷媒圧縮機の吐
出容量を変更可能にすることが望ましい。そのために、
従来から、斜板型圧縮機の斜板の傾斜角度を調整して
ピストンのストロークを変更し、吐出容量を可変とする
型のもの、斜板の傾斜角度は一定とする一方、シリン
ダに吸入される流体の量を制限することにより、実質的
に吐出容量を可変とするもの、駆動回転軸の回転数を
変速機によって可変とするもの等、各種の型のものが提
案されている。
【0003】前記の型の斜板型圧縮機においては、斜
板を回転軸に対して一体的に固定することができるの
で、高速回転させても回転部分に破損が生じる懸念がな
く、一般に信頼性が高いものとされている。の型に属
する従来技術の一つが特公昭63−4031号公報に記
載されている。この斜板型圧縮機においては、吸入量を
可変とするために、普通の斜板型圧縮機では複数のシリ
ンダを形成されたシリンダブロックの端面に一体的に締
結されているバルブプレートを、リヤ側では締結しない
で、リヤハウジング内において軸方向に移動可能に支持
し、それをシリンダブロックの端面に押しつけたり離し
たりして、押しつけたときにはリヤ側のシリンダに有効
な圧縮作用をさせると共に、離したときにはリヤ側のシ
リンダの圧縮作用を無効にして、不変の吐出容量を有す
るフロント側のシリンダとの組み合わせにより、100
%と50%の2段階の吐出容量変化を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の斜板式可変
容積型圧縮機では、100%の稼働を行うときは、ピス
トンにより圧縮されたシリンダ内の流体の圧力に抗し
て、リヤ側のバルブプレートをシリンダブロックの端面
に押しつけて、それらの隙間から加圧された流体の漏洩
が起こらないようにする必要があるため、バルブプレー
トは吐出圧を導入する大径の強力な制御シリンダによっ
て、位置調整可能に支持されている。大径の制御シリン
ダを設ける必要があることから、いきおい制御機構が大
型化して構造が複雑になり、ひいては圧縮機全体の体格
が大きくなるという問題がある。しかも、吐出容量可変
の段階がフロント側とリヤ側を合わせて2段しかないの
で、空調装置の冷媒圧縮機として使用するような場合に
は、空調負荷や駆動回転数の変動に応じてきめの細かい
制御を行うことが難しい。本発明は、従来技術が有する
これらの問題に鑑み、小型で堅牢な可変容積型圧縮機を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、吸入室及び吐出室を備えて
いる複数個のシリンダが穿設されたシリンダブロック
と、前記シリンダに挿入された複数個のピストンと、前
記シリンダブロック内で前記シリンダと平行に延びてい
る回転軸と、前記回転軸に一体的に固定されて共に回転
することにより前記複数個のピストンを往復運動させる
斜板と、前記シリンダブロック内に設けられたバルブシ
リンダと、前記シリンダの円筒面の所定位置に一端が開
口して前記ピストンの往復運動によって開閉されると共
に他端が前記バルブシリンダの円筒面の所定位置に開口
しているバイパス通路と、前記バルブシリンダ内に挿入
されその端面に形成された圧力室に作用する制御圧の大
きさに応じて摺動して前記バイパス通路を開閉するスプ
ールと、前記バルブシリンダの内部空間を吸入側に連通
する通路とを備えていることを特徴とする可変容積型圧
縮機を提供する。
【0006】
【作用】回転軸が回転駆動されて斜板が揺動すると、こ
の斜板の揺動に伴って複数個のピストンはそれぞれのシ
リンダ内で往復運動をして、吸入室から導入した流体を
加圧して吐出室へ送りだす。シリンダの円筒面の所定位
置にはバイパス通路の一端が開口しており、ピストンの
往復運動によって開閉されると共に、バイパス通路の他
端はバルブシリンダの円筒面の所定位置に開口している
ので、バルブシリンダ内に挿入されたスプールがその端
面に形成された圧力室に作用する制御圧の大きさに応じ
て摺動してバイパス通路の他端を開くと、ピストンがシ
リンダの円筒面に開口しているバイパス通路の一端を閉
じるまでのストロークでは、シリンダ内で流体が圧縮さ
れてもその流体はバイパス通路からバルブシリンダへ逃
げ、更に通路を通って吸入側へ戻るので流体の加圧は行
われない。ピストンがバイパス通路の一端を閉じた後の
ストロークでは、シリンダ内で流体の圧縮が行われて有
効に吐出室へ送りだされる。
【0007】また、バルブシリンダの圧力室の制御圧を
変更してスプールをバルブシリンダ内で移動させ、バイ
パス通路の他端を閉じさせると、ピストンがシリンダ内
で往復運動してバイパス通路の一端を開くときでも、シ
リンダ内で加圧された流体がバイパス通路へ逃げること
がなく、シリンダの圧縮作用は有効に行われる。従っ
て、バルブシリンダの圧力室にかかる制御圧を調整すれ
ば、スプールがバイパス通路を開閉し、シリンダ内での
ピストンの有効なストロークを変化させるので、フロン
ト側又はリヤ側のどちらか一方だけでも、圧縮機の吐出
容量が少なくとも2段階に変化することになる。
【0008】
【実施例】図1に本発明の実施例としての斜板型圧縮機
を示す。そのII−II線における断面は図2に示されてい
る。図1に示された斜板型圧縮機1の本体は、中央のシ
リンダブロック2と、その左側にバルブプレート3を挟
んで締結されたフロントハウジング4と、同じくバルブ
プレート5を挟んで締結されたリヤハウジング6とから
なっている。シリンダブロック2は図示例の場合はフロ
ント側のシリンダブロック2aとリヤ側のシリンダブロ
ック2bの2つの部分からなっている。図示例の場合、
これらの各構成部分は水平方向の5本の通しボルト7に
よって一体的に締結されている。
【0009】フロントハウジング4の内部の中心寄りに
は略環状の吸入室8が形成され、その外周側には略環状
の吐出室9が形成される。また、リヤハウジング6の内
部にも、中心寄りに略環状の吸入室10が形成され、そ
の外周側に略環状の吐出室11が形成されている。フロ
ント側のシリンダブロック2aには、中心のまわりの均
等な位置に5個のシリンダ12a〜12e(図2参照)
が穿設されており、それらに対応してリヤ側のシリンダ
ブロック2bにも、同じ軸線上にそれぞれ5個のシリン
ダ13a〜13eが穿設されている(図1では13aの
みを図示)。
【0010】フロント側のバルブプレート3には、各シ
リンダ12a〜12eのそれぞれと環状の吸入室8とを
連通し得る吸入口14a〜14e(図1には14aのみ
を図示)と、各シリンダ12a〜12eのそれぞれと環
状の吐出室9とを連通し得る吐出口15a〜15e(図
1には15aのみを図示)が開口しており、それぞれ薄
いばね板からなる吸入弁及び吐出弁によって閉塞されて
いる。なお、16は吐出口15a〜15eに設けられる
吐出弁のための弁おさえを例示している。フロント側と
同様に、リヤ側のバルブプレート5にも、吸入口17a
〜17e(図1には17aのみを図示)と吐出口18a
〜18e(図1には18aのみを図示)が開口してお
り、それぞれ薄いばね板からなる吸入弁及び吐出弁によ
って閉塞されている。19は弁おさえを例示している。
【0011】吐出口18a〜18eは、それぞれシリン
ダ13a〜13eを略環状の吐出室11に連通させるこ
とができる。そして、リヤ側の吐出室11は図示しない
配管によってフロント側の吐出室9からの配管と合流し
て、図示しない冷凍サイクルの凝縮器へ通じている。フ
ロント側と同様に、各吸入口17a〜17e及び各吐出
口18a〜18eには、それぞれ薄いばね板からなる吸
入弁及び吐出弁が設けられる。19は弁おさえを例示し
ている。
【0012】シリンダブロック2内に形成された斜板室
20へ、図示しない車両の内燃機関等によって電磁クラ
ッチを介して回転駆動される回転軸21が伸びており、
回転軸21は、その前後をシリンダブロック2内に設け
られたラジアル軸受22及び23によって支持されてい
る。斜板室20内において、回転軸21には楕円形の平
板部分とボス部からなる斜板24が適当な手段によって
取り付けられて一体化されており、斜板24によって回
転軸21に作用する軸方向荷重はスラスト軸受25及び
26によって支持される。
【0013】回転軸21と平行にフロント側及びリヤ側
のシリンダブロック2a,2b内にそれぞれ穿設されて
いるシリンダ12a〜12e及びシリンダ13a〜13
eの各対には、それぞれ双頭のピストン27a〜27e
(図1には1個のピストン27aのみを図示している)
が軸方向に往復摺動可能に挿入されており、それらのピ
ストンロッドの中心部分の溝には、例えば球形の窪みが
形成されていて、それと同径の球の一部をなす一対の耐
摩耗性シュー28,29が挿入され、それらのシュー2
8,29の間に前述の斜板24の周縁部が摺動可能に挟
まれている。斜板室20は斜板型圧縮機1の吸入通路の
一部として利用されており、図示しない吸入配管を通っ
て冷凍サイクルの蒸発器から戻って来る冷温、低圧の冷
媒ガスを受け入れるようになっている。
【0014】フロント側のシリンダブロック2aとリヤ
側のシリンダブロック2bには軸方向に、それぞれ1本
以上の吸入ガス通路30,31が形成されており、それ
によってフロント側の吸入室8及びリヤ側の吸入室10
が、それぞれ斜板室20と連通している。フロント側の
吐出室9とリヤ側の吐出室11は図示しない吐出ガス通
路によって合流して(一方の側に逆止弁を設ける場合が
あるが)、冷凍サイクルの凝縮器へ加圧された高圧、高
温の冷媒を送出する。
【0015】本発明の特徴に対応して、フロント側のシ
リンダブロック2aの中心には、回転軸21と同軸心上
にバルブシリンダ32が穿設されており、バルブシリン
ダ32にはスプール33が気密を保つ状態で摺動可能に
嵌合している。そしてスプール33はスプリング34に
よって図1において常に左方へ付勢されている。バルブ
シリンダ32と各シリンダ12a〜12eの各円筒面の
間には、それらを連通し得るバイパス通路35a〜35
eが設けられており、それらのバイパス通路35a〜3
5eは、ピストン27a〜27eの所定のストローク位
置以上においてピストン27a〜27e自体によって閉
塞されるようになっている。また、このバイパス通路3
5a〜35eは、スプール33の左端面に形成された圧
力室36に印加される制御圧とスプリング34の押圧力
との釣り合いによって位置決めされるスプール33の円
筒面によっても閉塞され得る。更に、バルブシリンダ3
2の内部空間は、1本以上の通路37と吸入ガス通路3
0とを介して斜板室20に連通している。
【0016】それと同様な構成がリヤ側にも設けられ
る。即ち、リヤ側のシリンダブロック2bの中心には、
回転軸21と同軸心上にバルブシリンダ38が穿設さ
れ、その中にスプール39が摺動可能に嵌合している。
スプール39はスプリング40によって図1において常
に右方へ付勢される。バルブシリンダ38とリヤ側の各
シリンダ13a〜13eとの間を連通し得るバイパス通
路41a〜41e(図1に41aのみを図示)が、バル
ブシリンダ38とピストン27a〜27eの各円筒面の
間に設けられており、それらのバイパス通路41a〜4
1eは、ピストン27a〜27eの所定のストローク位
置以上において、ピストン27a〜27e自体の円筒面
によって閉塞されるようになっている。これらのバイパ
ス通路41a〜41eは、スプール39の右端面に形成
された圧力室42に印加される制御圧と、スプリング4
0の押圧力との釣り合いによって位置決めされるスプー
ル39の円筒面によっても閉塞され得る。そして、バル
ブシリンダ38の内部は1本以上の通路43と吸入ガス
通路31とを介して斜板室20に連通している。
【0017】圧力室36及び圧力室42は、それぞれ図
示しない配管によって制御弁44に連通している。ま
た、リヤ側の吐出室11と吸入室10(フロント側の吐
出室9と吸入室8であってもよい)も制御弁44に接続
されていて、制御弁44によって吐出圧と吸入圧の中間
の任意の制御圧が作り出され、それが前記配管によって
圧力室36及び圧力室42に供給される。スプール33
及びスプール39の軸方向位置、従って、バイパス通路
35a〜35e及びバイパス通路41a〜41eの開閉
は、このようにして制御弁44によって制御される。制
御弁44自体は、吸入室10の吸入圧、即ち戻り冷媒の
圧力に応じて自動的に、或いは人手によって任意に制御
されることができ、それによって任意の大きさの制御圧
を発生させることができる。なお、図1において、45
はシール装置を示している。
【0018】次に実施例の作動を説明する。斜板型圧縮
機1を起動するとき、圧力室36及び圧力室42には圧
力が作用していないので、図1に示したようにスプール
33は左端位置に、またスプール39は右端位置にあ
り、バイパス通路35a〜35eはバルブシリンダ32
及び通路37、吸入ガス通路30を介して斜板室20に
連通していると共に、バイパス通路41a〜41eはバ
ルブシリンダ38及び通路43、吸入ガス通路31を介
して斜板室20に連通している。従って、回転軸21の
回転によって斜板24が揺動を伴う回転をし、その揺動
の運動成分がシュー28,29を介してピストン27a
〜27eに伝達されて、それらをシリンダ12a〜12
e及びシリンダ13a〜13eの中で軸方向に往復運動
させると、フロント側のシリンダ12a〜12e、及び
リヤ側のシリンダ13a〜13eの各内部空間は各対毎
に交互に圧縮されるが、バイパス通路35a〜35e又
はバイパス通路41a〜41eがピストン27a〜27
e自体によって閉塞されるストローク位置までは、各シ
リンダ内で圧縮された冷媒ガスが吸入側の斜板室20へ
逃げて有効な圧縮作用は行われないから、その間は圧縮
の反力によって回転軸21にかかる起動トルクは小さく
なって起動が円滑に行われ、トルクショックを感じると
いうようなことがない。
【0019】吐出圧が徐々に上昇し、制御弁44を介し
て圧力室36及び圧力室42へ供給される制御圧が徐々
に高まると、スプール33は図1において右方へ移動し
てバイパス通路35a〜35eを閉じるようになり、ま
た、スプール39も同じく左方へ移動してバイパス通路
41a〜41eを閉じるようになる。従って、制御弁4
4によって制御圧の大きさを調整してスプール33及び
39の位置を制御し、バイパス通路35a〜35e及び
バイパス通路41a〜41eを開閉すれば、フロント側
及びリヤ側のシリンダ内で有効な圧縮作用をする容積が
変化するので、斜板型圧縮機1を可変吐出容量型のもの
とすることができる。
【0020】空調装置におけるクールダウン時のように
圧縮機を100%の率で稼働させる場合には、圧力室3
6及び圧力室42へ最も高い制御圧を供給し、スプール
33を右端位置へ、またスプール39を左端位置へ移動
させ、バイパス通路35a〜35e及びバイパス通路4
1a〜41eの全てを閉塞する。吸入室8から吸入口1
4a〜14eを通じてシリンダ12a〜12e内に吸入
された冷媒、及び吸入室10から吸入口17a〜17e
を通じてシリンダ13a〜13e内に吸入された冷媒
は、ピストン27a〜27eによって交互に圧縮され、
どのバイパス通路も開いていないので、圧縮された冷媒
の全量がそのまま冷凍サイクルの凝縮器へ送りこまれ、
空調装置は最大の冷房能力を発揮することになる。
【0021】次に、制御弁44によって圧力室36及び
圧力室42へ供給する制御圧を低下させると、スプール
33は左方へ移動してバイパス通路35a〜35eを開
き、スプール39は右方へ移動してバイパス通路41a
〜41eを開くが、スプリング34とスプリング40の
セット荷重を相違させておけば、圧力室36及び圧力室
42に同じ大きさの制御圧を供給してもスプール33と
スプール39の移動量が異なるので、両者の間に開弁時
期の差を付けることができ、それによって斜板型圧縮機
1の有効な容積(吐出容量)の変化の段階を増やすこと
ができる。
【0022】同じ考え方から、バイパス通路35a〜3
5eのそれぞれが開口する位置を軸方向に少しずつずら
せると、スプール33の移動に伴ってバイパス通路が閉
塞されるフロント側のシリンダ12a〜12eが徐々に
増減し、フロント側だけでも吐出容量について5段階も
の変化をさせることが可能であり、更にリヤ側でもバイ
パス通路41a〜41eの個々の開口位置を軸方向にず
らせて設ければ、5段階までの吐出容量変化をさせるこ
とができるから、前後の変化の組み合わせによって、き
わめて多くの段階の変化を実現することができ、圧縮機
1全体の吐出容量を実質的に無段階に変化させることも
可能である。
【0023】もっとも、実際に圧縮機の吐出容量を連続
的に無段階変化させる必要が生じることは稀であって、
自動車用空調装置の場合は、起動時の低吐出容量、クー
ルダウン時の最大吐出容量、比較的大きな冷房負荷の変
動に対応するための最大と最小の中間程度の吐出容量、
及び設定温度に到達した後の定常状態において温度を維
持するための低吐出容量等の、3〜4段程度の容量変化
が可能であれば、実用上は十分細かな制御が可能である
から、実施例の場合もスプリング34とスプリング40
の各セット荷重に差をつけるだけで十分に目的を達し得
る。
【0024】具体的にその例を示すと、バイパス通路3
5a〜35e及びバイパス通路41a〜41eを、フロ
ント側のシリンダ12a〜12e及びリヤ側のシリンダ
13a〜13eとも一律に、ストロークの90%を無効
として10%の有効な吐出容積を残し得る位置に設置
し、スプリング34のセット荷重をスプリング40のセ
ット荷重よりも小さくするという最も簡単な設定の場合
であっても、下記のように3段階の吐出容量変化をもた
らすことができ、自動車用空調装置の温度制御を十分に
きめ細かく行うことができる。なお、フロント側とリヤ
側のスプリングのセット荷重の大小関係を上記と逆にし
ても、実質的に同じ結果が得られることは言うまでもな
い。
【0025】 100%稼働 制御弁44から吐出圧或いはそれに近い高圧の制御圧を
圧力室36及び42に供給し、スプール33を右端位置
まで移動させると共に、スプール39を左端位置まで移
動させて、バイパス通路35a〜35e及びバイパス通
路41a〜41eの全てを閉塞状態とし、フロント側の
シリンダ12a〜12e及びリヤ側のシリンダ13a〜
13eの全てにおいて、有効な圧縮作用を営ませる。も
し斜板型圧縮機1が空調装置の冷媒圧縮機であれば、こ
のときに最大の冷房能力が得られるので、クールダウン
が迅速に行われる。
【0026】 55%稼働 制御弁44から吐出圧と吸入圧の中間の制御圧を圧力室
36及び42に送り、比較的弱いスプリング34の変形
によりスプール33を右方へ移動させてバイパス通路3
5a〜35eを閉じ、フロント側のシリンダ12a〜1
2eを全て100%稼働にする。リヤ側のスプリング4
0のセット荷重を、前記中間の制御圧ではスプール39
が移動しない程度に設定してあるので、リヤ側のバイパ
ス通路41a〜41eは開いたままであり、その無効ス
トロークが90%あるので、リヤ側のシリンダ13a〜
13eは10%の稼働となる。従って、圧縮機全体の平
均的な稼働率は55%になる。空調装置の場合、これは
比較的大きな冷房負荷の変動に対処するのに適した吐出
容量である。
【0027】 10%稼働 圧力室36及び42へ吸入圧のような低圧を供給する
と、スプール33及びスプール39が図1に示したよう
な位置をとり、バイパス通路35a〜35e及びバイパ
ス通路41a〜41eの全てが開口するので、ピストン
27a〜27eがそれらのバイパス通路を閉じる位置ま
では無効ストロークとなり、フロント側及びリヤ側の全
てのシリンダ12,13が10%稼働になるから、圧縮
機全体の稼働率も10%になる。前述のようにこれを起
動状態とすれば、起動に伴うショックがなくなり、自動
車の場合ならば走行フィーリングが向上する。これはま
た、目的の温度に達した後の定常状態において、温度を
一定に維持するための低吐出容量としても適している。
【0028】図1に示した実施例の構造から明らかなよ
うに、スプール33は軸方向に移動してバルブシリンダ
32の円筒面に開口しているバイパス通路35a〜35
eを開閉するだけであり、スプール39も同様で、バル
ブシリンダ38の円筒面に開口しているバイパス通路4
1a〜41eを開閉するだけであるから、スプール33
及び39を移動させるための制御力は、スプリング34
及び40の押圧力に打ち勝つだけの大きさがあればよ
い。従って、スプール33及び39(バルブシリンダ3
2及び40)の受圧面積は小さなものでよく、それらを
設けても圧縮機1全体の体格が大きくなることがないか
ら、斜板型圧縮機1を比較的小型の可変容積型圧縮機と
して製作することが可能になる。更に、スプール33及
び39を小径とすることによって、制御の応答性も向上
する。
【0029】図示実施例では制御弁44によって圧力室
36及び42へ供給する制御圧即ち冷媒の圧力を調整す
ることによって、斜板型圧縮機1の吐出容量を可変とし
ているが、制御弁44として例えばソレノイド弁のよう
な電気的に制御される形式の弁を使用することもでき
る。
【0030】
【発明の効果】本発明を実施すれば、斜板型圧縮機を可
変容量とするためのバルブシリンダやそれに挿入される
スプール等の部分を小型化することができるので、可変
容量機構を含む圧縮機全体を小型化することが可能にな
ると共に、制御に対する応答性が高くなり、可変容量機
構自体の構造が簡単、堅牢で作動も確実であるため、信
頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による斜板型圧縮機の実施例を示す縦断
面図である。
【図2】図1のII−II線における横断面図である。
【符号の説明】
1…斜板型圧縮機 2…シリンダブロック 3…バルブプレート 4…フロントハウジング 5…バルブプレート 6…リヤハウジング 7…通しボルト 8,10…吸入室 9,11…吐出室 12a〜12e…シリンダフロント側の 13a〜13e…リヤ側のシリンダ 20…斜板室 21…回転軸 24…斜板 27a〜27e…ピストン 30,31…吸入ガス通路 32…バルブシリンダ 33…スプール 34…スプリング 35a〜35e…バイパス通路 36…圧力室 37…通路 38…バルブシリンダ 39…スプール 40…スプリング 41a〜41e…バイパス通路 42…圧力室 43…通路 44…制御弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入室及び吐出室を備えている複数個の
    シリンダが穿設されたシリンダブロックと、前記シリン
    ダに挿入された複数個のピストンと、前記シリンダブロ
    ック内で前記シリンダと平行に延びている回転軸と、前
    記回転軸に一体的に固定されて共に回転することにより
    前記複数個のピストンを往復運動させる斜板と、前記シ
    リンダブロック内に設けられたバルブシリンダと、前記
    シリンダの円筒面の所定位置に一端が開口して前記ピス
    トンの往復運動によって開閉されると共に他端が前記バ
    ルブシリンダの円筒面の所定位置に開口しているバイパ
    ス通路と、前記バルブシリンダ内に挿入されその端面に
    形成された圧力室に作用する制御圧の大きさに応じて摺
    動して前記バイパス通路を開閉するスプールと、前記バ
    ルブシリンダの内部空間を吸入側に連通する通路とを備
    えていることを特徴とする可変容積型圧縮機。
JP4126259A 1992-05-19 1992-05-19 可変容積型圧縮機 Pending JPH05321828A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188762A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 株式会社豊田自動織機 ピストン式圧縮機
JP2019183833A (ja) * 2018-03-30 2019-10-24 株式会社豊田自動織機 ピストン式圧縮機
JP2020026792A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 株式会社豊田自動織機 ピストン式圧縮機

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