JPH05320748A - 転造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品の製造方法 - Google Patents

転造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品の製造方法

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JPH05320748A
JPH05320748A JP13118792A JP13118792A JPH05320748A JP H05320748 A JPH05320748 A JP H05320748A JP 13118792 A JP13118792 A JP 13118792A JP 13118792 A JP13118792 A JP 13118792A JP H05320748 A JPH05320748 A JP H05320748A
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JP
Japan
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cutting
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JP13118792A
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Toshihiko Takahashi
稔彦 高橋
Kenichiro Naito
賢一郎 内藤
Hidehiko Fusada
秀彦 房田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自動車、建設機械の駆動伝達系部
品等として使用される軸(シャフト)を代表とする機械
部品に要求されるねじり強度の向上とともに、転造加工
性および切削加工性をも満足できる鋼材および部品製造
方法を提供する。 【構成】 本発明は、従来不適合とされてきた脱炭層を
あえて鋼材に導入し、表層の炭素含有量を低下させるこ
とで加工性を向上させ、転造等の加工によって所定の形
状を得ることを容易にし、さらにその後、初期脱炭層の
炭素量が素材の炭素含有量以上0.9%以下となるよう
な浸炭処理を施し、さらに浸炭層の炭素含有量に応じた
焼戻し温度を規定することにより、従来技術では達成で
きなかった優れた加工性と高いねじり強度を両立させた
駆動伝達系軸用部品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、建設機械の軸
(シャフト)部品として使用される機械部品を対象と
し、加工性、すなわち転造加工性および切削加工性に優
れ、かつ使用性能、特にこれらの部品に重要なねじり強
度を極めて高くすることが可能な軸部品の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車や建設機械などの駆動伝達部の主
要構成部品の中で最も重要な部品は歯車と軸(シャフ
ト)である。軸に作用する応力はその回転方向と逆方向
のねじり応力が主体であり、材料特性としては高いねじ
り強度が要求される。従来のこれら軸部品の製造は、炭
素含有量0.35〜0.55%の機械構造用炭素鋼また
は同程度の炭素および1%程度のCr等を含有する機械
構造用低合金鋼の棒鋼を素材として、これを焼鈍あるい
は焼準処理して軟質化してから切削加工および転造加工
を施し、しかる後に焼入れ焼戻しあるいは高周波焼入れ
低温焼戻しを行い、硬質化(調質)するという複雑な方
法が一般的であった。このため例えば特開昭64−21
012号公報に見られるように、加工性を向上させた鋼
材あるいはその製造方法の提案が多数なされてきた。し
かし近年エンジンの高出力化および軽量化の観点から軸
部品に要求されるねじり強度は極めて高いものがあり、
使用性能としての高ねじり強度と加工性の双方を満足さ
せ得る鋼材あるいはその製造方法の確立が要求されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
車、建設機械の軸(シャフト)部品として使用される機
械部品を対象とし、従来困難とされていた使用性能とし
ての180kgf/mm 2 以上の高いねじり強度と加工
性すなわち転造加工性および切削加工性の双方を満足さ
せ得るこれら軸部品の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、下記のとおりである。 (1) 表層から直径の5〜10%の深さまで脱炭層を
生じせしめた0.5〜0.8%の炭素を含有する棒状の
鋼材を、切削加工および転造加工により最終部品形状に
した後に浸炭処理して初期脱炭層の炭素量を内層の炭素
量以上0.9%以下としてから焼入れ焼戻し処理を行う
ことを特徴とする転造加工性および切削加工性に優れた
高強度軸部品の製造方法。
【0005】(2) 表層から直径の5〜10%の深さ
まで脱炭層を生じせしめた0.5〜0.8%の炭素を含
有する棒状の鋼材を、切削加工および転造加工により最
終部品形状にした後に浸炭処理して初期脱炭層の炭素量
を内層の炭素量以上0.9%以下としてから焼入れし、
引き続いて下記の式(1)を満足し、かつ焼戻し最高温
度が400℃未満の温度Tで焼戻しを行うことを特徴と
する転造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品
の製造方法。
【0006】 808×〔C%〕−170>T(℃)>808×〔C%〕−425・・・・(1) (〔C%〕は浸炭処理後の表層の炭素量)
【0007】
【作用】本発明者らは高いねじり強度と優れた転造加工
性および切削加工性を有する機械構造用軸部品の製造方
法を開発するために、脱炭処理をした後に転造加工を施
し、さらに浸炭処理をした種々の材料について検討を行
った。軸用部品のねじり強度は母材の硬度の影響が大き
く、その硬度が高いほどねじり強度は増加する。例えば
0.5〜0.9%の炭素を含む鋼材を用いて、平行部5
φ×100mmのJIS14号試験片を製作し、950
℃×15分保定→油冷(油温:60℃)→25℃〜40
0℃×60分焼戻ししたものに就いて、ねじり試験した
が、高硬度化によりねじり強度を得ることはできるが、
一般に言われているように炭素含有量が0.5%を超え
ると変形抵抗が大きくなり、軸部品製造時に重要な転造
加工性は実用上大きな問題となる。
【0008】ところが本発明によると素材となる棒線材
の被加工部となる表層から直径5〜10%の深さまで脱
炭層を生じさせることにより転造加工性を向上させ、さ
らに浸炭処理を行うことにより素材芯部と同等若しくは
それ以上の硬度とし、高いねじり強度をも実現できる。
脱炭層深さが直径の5%未満では被加工部の硬度が高
く、転造加工性が不十分であり、10%超では浸炭硬化
層が脱炭層をカバーしきれず、部品内部において硬度値
が内層以下となる部品が生じる。
【0009】使用する鋼材について本発明の効果を発揮
させるために鋼材の炭素含有量を0.5%以上0.8%
以下とする。その他の合金元素については特に限定をす
るものではない。炭素含有量が0.5%未満では現状ね
じり強度を凌駕するために必要とされる硬度が得られな
い。また0.8%超では残留オーステナイトが多量に残
り経年変形や研磨割れが生じる。
【0010】軸部品においては表面に最も高い応力が掛
かるために、表面近傍の強度が特に重要である。そのた
め浸炭処理によって初期脱炭層の炭素量を内層炭素量以
上とし、表面硬度を確保する必要がある。また初期脱炭
層の炭素量を0.9%超とする浸炭処理では脆性破壊が
発生し、所望のねじり強度が得られなくなる。焼入れ焼
戻し処理は、焼入れによってマルテンサイト組織とし、
材料硬度を確保するために不可欠であり、焼戻し処理は
鋼材に靱性をもたせるために必要である。焼戻し温度は
式(1)の下限未満では脆性破壊が発生し、所望するね
じり強度が得られない。上限超では所望するねじり強度
を確保するのに必要な硬度が得られない。
【0011】以下に本発明の効果を実施例によりさらに
具体的に示す。
【0012】
【実施例】以下の実施例においては、表1に示した6種
類のA〜F鋼のφ25mmの熱延棒鋼を用いて平行部φ
5×100mmのJIS14号試験片となるように脱炭
処理→浸炭焼入れ→油冷(油温:60℃)→焼入れま
ま、または50℃〜500℃×60分の焼戻し処理を施
して各種製作し、これらの試験片でねじり強度および破
壊特性を評価した。表2にその結果を示す。
【0013】加工性は外周切削試験および冷間転造加工
試験の2種類の試験を行い、切削加工性および転造加工
性の両面から評価した。外周切削試験には直径80mm
の熱延棒鋼材を用い、これを多軸自動施盤により切削加
工した。加工条件は、工具:SKH57、切削速度:7
8〜83m/rev、工具送り速度0.02mm/re
v、切削油:不水溶性油120l/minで行った。そ
の際、3000サイクル後の工具の前逃げ面溝状摩耗の
長さが300μm以内のものを合格という基準で切削加
工性を評価した。冷間転造加工試験は直径28mmの熱
延棒鋼材を用い、図1にその構成概略図を示すSKD1
1製の転造工具で、押付け荷重500t、水平方向移動
速度10mm/secの加工条件で転造加工を行った。
その際2000個の試験片を加工した後、転造工具に割
れや欠落の認められないものを合格という基準で転造加
工性を評価した。浸炭性は深さ方向硬度分布において常
に内層硬度以上であるものを合格とした。表3に切削加
工性、転造加工性、浸炭性を併せて表記する。
【0014】なお、以下に挙げる各表において、太枠で
囲んだ条件が本発明を満足する実施例であり、それ以外
は比較例である。表2から明らかなように、本発明によ
る試験片はいづれも脆性破壊することなく、180kg
f/mm2 以上の高いねじり強度を発揮することがわか
る。一方、比較例1、3は炭素含有量が少な過ぎて強度
が得られず、比較例19から24は炭素含有量が多過ぎ
る場合であり、ねじり強度が180kgf/mm2を超
えるものであっても脆性破壊を起こすため実用的でな
い。また比較例4、9、14は焼戻し温度が低すぎて脆
性破壊を起こし、比較例7、12、18は焼戻し温度が
高過ぎて所望する強度が得られない。比較例16は浸炭
を行わない場合で、負荷を支える有効径の減少によりね
じり強度は著しく低くなる。比較例2、13は浸炭層の
炭素量が内層より高い場合で、焼戻し温度の限定範囲を
外れているために強度は低い。
【0015】表3から明らかなように、本発明によるも
のは切削加工性、転造加工性、浸炭性の全てが良好であ
り、優れた加工性を有することがわかる。一方、比較例
25、28、31は初期脱炭層が薄く、浸炭性に優れて
いるが、転造加工性が悪い。比較例27、30、33は
初期脱炭層が厚く、加工性は優れているが、浸炭硬化層
が初期脱炭層をカバーしきれない。
【0016】以上の結果から、本発明によれば、従来法
で製造された軸部品に比べて、極めて高いねじり強度が
達成できると共に、優れた転造加工性および切削加工性
をも確保できることがわかる。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は自動車、建設
機械の軸(シャフト)部品として使用される機械部品を
対象とし、従来これらの素材には不適合とされてきた脱
炭層を敢えて導入してから加工した後浸炭処理するとい
う全く新規な製造方法によって、これらの部品に重要な
高いねじり強度と優れた転造加工性および切削加工性の
双方を満足させ得る、産業上極めて有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間転造試験構成概略図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層から直径の5〜10%の深さまで脱
    炭層を生じせしめた0.5〜0.8%の炭素を含有する
    棒状の鋼材を、切削加工および転造加工により最終部品
    形状にした後に浸炭処理して初期脱炭層の炭素量を内層
    の炭素量以上0.9%以下としてから焼入れ焼戻し処理
    を行うことを特徴とする転造加工性および切削加工性に
    優れた高強度軸部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 表層から直径の5〜10%の深さまで脱
    炭層を生じせしめた0.5〜0.8%の炭素を含有する
    棒状の鋼材を、切削加工および転造加工により最終部品
    形状にした後に浸炭処理して初期脱炭層の炭素量を内層
    の炭素量以上0.9%以下としてから焼入れし、引き続
    いて下記の式(1)を満足し、かつ焼戻し最高温度が4
    00℃未満の温度Tで焼戻しを行うことを特徴とする転
    造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品の製造
    方法。 808×〔C%〕−170>T(℃)>808×〔C%〕−425・・・・(1) (〔C%〕は浸炭処理後の表層の炭素量)
JP13118792A 1992-05-22 1992-05-22 転造加工性および切削加工性に優れた高強度軸部品の製造方法 Withdrawn JPH05320748A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4890170A (en) * 1987-08-20 1989-12-26 Pioneer Electronic Corporation Waveform equalization circuit for a magnetic reproducing device
WO2006030709A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Ntn Corporation 中空状動力伝達シャフト
JP2010163632A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Tanaka:Kk 転造チタン合金ねじ
CN111020460A (zh) * 2019-12-27 2020-04-17 常熟天地煤机装备有限公司 一种高镍渗碳钢及其制备方法

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