JP5405325B2 - 差動歯車およびその製造方法 - Google Patents
差動歯車およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5405325B2 JP5405325B2 JP2010000038A JP2010000038A JP5405325B2 JP 5405325 B2 JP5405325 B2 JP 5405325B2 JP 2010000038 A JP2010000038 A JP 2010000038A JP 2010000038 A JP2010000038 A JP 2010000038A JP 5405325 B2 JP5405325 B2 JP 5405325B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- differential gear
- steel
- less
- temperature
- fatigue strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Gears, Cams (AREA)
Description
〔1〕「粒界酸化層」の形成、
〔2〕高炭素マルテンサイト組織に起因した表面の硬化層の脆化、
を回避することが困難であるため、上記の要望に対して十分には応えることができていない。
(イ)硬化層深さ:0.80〜1.50mm、
(ロ)硬化層の旧オーステナイト平均粒径:12μm以下、
(ハ)歯元部において表面から50μm位置での残留応力:−700MPa以下、
(ニ)〔(表層部のビッカース硬さ)−(芯部のビッカース硬さ)〕で表されるΔHVの値:10〜40。
(ホ)表層部の全脱炭層深さ:0.015mm以下、
(ヘ)表層部のC量:0.35〜0.50%。
工程〈1〉:鋼材を1000〜1200℃の温度域の温度であるT℃において加熱時間を10min以内として加熱する。
工程〈2〉:加熱した鋼材を、鍛造終了温度を900℃以上として熱間鍛造し、差動歯車の形状に成形する。
工程〈3〉:成形した差動歯車形状品を、熱間鍛造終了温度から1〜20℃/sの平均冷却速度で300℃まで冷却する。
工程〈4〉:差動歯車形状品の表面に生成した酸化スケールを除去する。
工程〈5〉:酸化スケールを除去した差動歯車形状品を、カーボンポテンシャルが0.40〜0.50%の雰囲気で820〜1000℃に加熱した後、焼入れを行う。
工程〈6〉:焼入れした差動歯車形状品を200℃以下の温度で焼戻し処理する。
工程〈7〉:焼戻し処理した差動歯車形状品に、さらに、加熱は周波数40〜60kHzで行い、差動歯車の歯底表面温度が600〜700℃になるよう予熱処理を行い、その後大気放冷して、加熱時間0.2〜0.5sで歯底表面温度が950〜1050℃になるよう、本加熱処理を施して輪郭高周波焼入れを行う。
工程〈8〉:輪郭高周波焼入れした差動歯車形状品を200℃以下の温度で焼戻し処理する。
C:0.35〜0.45%
Cは、鋼の強度を確保する作用および高周波焼入れ後の硬化層硬さを確保する作用を有する。しかしながら、その含有量が0.35%未満では、前記作用による所望の効果が得られない。一方、Cの含有量が0.45%を超えると、高周波焼入れで形成された硬化層が脆性破壊を起こすため、靱性が低下する。したがって、Cの含有量を0.35〜0.45%とした。なお、前記の効果を安定して得るために、C含有量の下限は0.38%とすることが好ましい。
Siは、不純物として含有される元素である。SiはA3変態点を上昇させ、高周波焼入れ性を低下させる。しかも、Siの含有量の増加に伴ってA3変態点が上昇するため、熱間鍛造後の冷却過程で脱炭が生じやすいオーステナイトとフェライトの2相領域の温度が広がるので、Siの含有量が高い場合には脱炭が生じやすくなる。特に、Siの含有量が0.10%を超えると、高周波焼入れ性の低下および熱間鍛造後の脱炭の生成が著しくなる。したがって、Siの含有量を0.10%以下とした。Siはその含有量が少なければ少ないほど好ましい。
Mnは、高周波焼入れ性を向上させる元素である。しかしながら、Mnの含有量が0.50%未満の場合、前記作用による所望の効果が得られない。一方、1.0%を超えてMnを含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Mnの含有量を0.50〜1.0%とした。なお、合金コストを低く抑えたうえで前記の効果を安定して得るために、Mnの含有量の下限は0.55%にすることが好ましい。
Pは、高周波焼入れによる硬化層の靱性を低下させ、特に、その含有量が0.015%を超えると、硬化層の靱性低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を、0.015%以下とした。なお、Pの含有量は、0.010%以下にすることが好ましい。
Sは、不純物として含有される元素である。また、Sは、添加すればMnと結合してMnSを形成し、被削性、なかでも切り屑処理性を高める作用を有する。しかしながら、Sの含有量が多くなってMnSの生成量が多くなりすぎると、被削性は改善されても、疲労強度の低下を招き、特に、Sの含有量が0.030%を超えると、疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Sの含有量を0.030%以下とした。なお、S含有量の上限は好ましくは0.020%である。
Crは、CやMnと同様、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる作用を有する。しかしながら、Crの含有量が0.05%未満の場合、十分な効果が得られない。一方、Crにはセメンタイトを安定化する作用があるため、高周波焼入れの場合には、その含有量が高くなるとセメンタイトが十分固溶せず、却って焼入れ性の低下を招くことになり、特に、Crの含有量が0.15%を超えると、高周波焼入れ性の低下が著しくなる。したがって、Crの含有量を0.05〜0.15%とした。
Moは、CやMnと同様、鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる作用を有する。Moには、焼戻し軟化抵抗を高める効果もある。しかしながら、Moの含有量が0.15%未満の場合には、強度向上効果および焼戻し軟化抵抗向上効果を安定して得ることができない。一方、0.25%を超えてMoを含有させてもコストが嵩むばかりである。したがって、Moの含有量を0.15〜0.25%とした。
Alは、Siと同様に脱酸作用を有する。さらに、Alは、鋼中のNと結合してAlNを形成し、このAlNが高周波焼入れする際の結晶粒粗大化を防止する作用がある。しかしながら、Alの含有量が0.01%未満の場合には、脱酸効果やAlNの形成による高周波焼入れする際の結晶粒粗大化防止効果が期待できない。一方、AlもA3変態点を上昇させ、高周波焼入れ性を低下させる元素であり、Alの含有量が多くなって0.05%を超えると、高周波焼入れ性の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.01〜0.05%とした。
Nは、不純物として含有される元素である。Nは、B、Al、Tiなどとの親和力が大きい元素であり、Bと結合してBNを形成した場合には、後述するBの高周波焼入れ性を高める効果を得難くなり、特に、Nの含有量が多くなって0.010%を超えると、BN形成によって、Bによる高周波焼入れ性向上効果を確保できなくなる。さらに、鋼中の固溶N量が増加すると、熱間変形能の低下をきたし、特に、Nの含有量が0.010%を超えると、熱間変形能の低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を、0.010%以下とした。なお、鋼中の不純物としてのNの含有量は可能な限り低減することが好ましい。
Oは、不純物として含有される元素である。Oは、鋼中の元素と結合して酸化物を形成し、強度低下、なかでも疲労強度の低下を招く。特に、Oの含有量が0.0020%を超えると、形成される酸化物が多くなるとともにMnSが粗大化して、疲労強度の低下が顕著になる。したがって、Oの含有量を0.0020%以下とした。なお、鋼中の不純物としてのOの含有量は0.0015%以下とすることが好ましい。
Bは、高周波焼入れ性を向上させる作用を有し、その効果はBの含有量が0.0010%以上で顕著である。しかしながら、0.0030%を超えてBを含有させても前記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Bの含有量を0.0010〜0.0030%とした。
Bを含有することによって高周波焼入れ性が向上するのは、Bが化合物ではなく、単独で存在する場合である。そのため、BがNと結合して窒化物を形成した場合には、Bによる焼入れ性向上効果は期待できない。上記の理由から、BよりもNとの親和力が大きく窒化物形成能が強いTiを0.010%含有させる。しかしながら、0.045%を超える量のTiを含有させても、Nを固定する効果が飽和するばかりか、粗大なTiNが多量に生成してしまう。また、Tiの含有量が多すぎる場合には、鋼材中のC量が減少してフェライトの割合が多くなるので、鋼材のA3変態点を上昇させ、却って高周波焼入れ性の低下を招く。そのため、疲労特性の低下をきたす場合がある。したがって、Tiの含有量を0.010〜0.045%とした。なお、Bの焼入れ性向上作用を確実に発揮させるために、Ti含有量の下限は0.015%とすることが好ましい。
生地の鋼が、前記(A)項で述べた化学組成を有する本発明の差動歯車は、その表面の硬化層が下記(イ)〜(ニ)の条件を満たすものでなければならない。
(ロ)硬化層の旧オーステナイト平均粒径:12μm以下、
(ハ)歯元部において表面から50μm位置での残留応力:−700MPa以下、
(ニ)〔(表層部のビッカース硬さ)−(芯部のビッカース硬さ)〕で表されるΔHVの値:10〜40。
差動歯車の表面からビッカース硬さ(以下、「HV硬さ」ともいう。)が550となる位置までの距離である硬化層深さは、曲げ疲労強度に大きな影響を与える。硬化層深さが0.80mm未満の場合には、硬化層深さが浅すぎて亀裂進展寿命が短くなるため、曲げ疲労強度が向上しない。一方、硬化層深さが1.50mmを超える場合は、輪郭高周波焼入れ時に投入する熱エネルギーが大きくなるので硬化層の結晶粒を微細にすることができず、このために硬化層の靱性が低下して、曲げ疲労強度を高めることができない。したがって、硬化層深さを0.80〜1.50mmと規定した。なお、硬化層深さの下限は好ましくは0.90mmである。また、硬化層深さの上限は好ましくは1.40mmである。
輪郭高周波焼入れで形成された硬化層の旧オーステナイト平均粒径が12μmを超える場合、硬化層の靱性低下が生じるので、曲げ疲労強度を高めることができない。したがって、硬化層の旧オーステナイト平均粒径を12μm以下と規定した。硬化層の旧オーステナイト平均粒径の上限は好ましくは10μmである。なお、硬化層の旧オーステナイト平均粒径の下限は特に規定する必要はないものの、工業的には1.0μm程度が限界になる。
輪郭高周波焼入れすることによって、差動歯車の表面近傍には圧縮の残留応力(負の残留応力)が生じる。しかしながら、曲げ疲労強度が特に必要とされる差動歯車の歯元部において、表面から50μm位置での残留応力(以下、「σr(50)」ともいう。)が−700MPaより大きい場合(絶対値としての残留応力が小さい場合)には、曲げ疲労強度の向上効果が乏しい。したがって、歯元部においてσr(50)を−700MPa以下と規定した。σr(50)の上限は好ましくは−750MPaである。なお、残留応力であるσr(50)の下限は特に規定する必要はないものの、工業的には−2000MPa程度が限界になる。
差動歯車の曲げ疲労強度を向上するには、高周波焼入れにより形成される硬化層の硬さを増加させつつ、靱性も高める必要がある。〔(表層部のビッカース硬さ)−(芯部のビッカース硬さ)〕で表されるΔHVの値が10未満の場合、表面の硬化層と差動歯車芯部の硬さがほとんど変わらないことになり、曲げ疲労強度の向上が期待できない。一方、工業的な高周波焼入れによる製造の場合に、ΔHVの値が40を超えるようにすることは困難である。したがって、ΔHVの値を10〜40と規定した。なお、ΔHVの下限は好ましくは12である。
(ヘ)表層部のC量:0.35〜0.50%。
差動歯車表層部に生じた脱炭は曲げ疲労強度に大きな影響を与える。JIS G 0558(2007)に規定された顕微鏡による測定方法での表層部の全脱炭層深さ(DM−T)が0.015mmを超えると、表層部である硬化層のマルテンサイトの靱性は向上するが、強度が低下するため、「低〜中サイクル域」における曲げ疲労強度の向上効果が小さくなる。したがって、表層部の全脱炭層深さを0.015mm以下とすることが好ましい。DM−Tの上限は好ましくは0.012mmである。なお、DM−Tの下限は特に規定する必要はなく、小さければ小さいほど好ましい。
差動歯車の曲げ疲労強度を向上するには、高周波焼入れにより形成される硬化層の硬さと靱性をともに高める必要がある。表層部のC量が0.35%未満の場合、硬化層の靱性を高くすることができるが、硬さが不足し、曲げ疲労強度の向上が期待できない。また、表層部のC量が0.50%を超えると、硬化層の硬さは十分確保できるが、靱性が低下し、曲げ疲労強度の向上効果が小さくなる。したがって、表層部のC量を0.35〜0.50%とすることが好ましい。なお、表層部のC量の下限は好ましくは0.38%である。また、表層部のC量の上限は好ましくは0.48%である。
以下に詳述する差動歯車の製造条件は、工業的な規模で本発明の差動歯車を経済的に要領よく実現するための方法の一つであり、差動歯車自体の技術的範囲はこの製造条件によって規定されるものではない。
工程〈1〉では、(A)項に記載の生地の化学組成を有する鋼材を、1000〜1200℃の温度域の温度であるT℃において加熱時間を10min以内として加熱する。
工程〈2〉では、加熱した鋼材を、鍛造終了温度を900℃以上として熱間鍛造し、差動歯車の形状に成形する。
工程〈3〉では、成形した差動歯車形状品を、熱間鍛造終了温度から1〜20℃/sの平均冷却速度で300℃まで冷却する。
工程〈4〉では、差動歯車形状品の表面に生成した酸化スケールを除去する。これは、酸化スケールを除去しない状態では、たとえ焼入れの際の加熱を雰囲気制御して実施しても、酸化スケールが酸素供給源となり、材料側のCと結合してCO2を形成し、差動歯車形状品の表層部のC量を低下させることとなって、フェライト脱炭を抑制することが困難となることがあるからである。
工程〈5〉では、酸化スケールを除去した差動歯車形状品を、カーボンポテンシャルが0.40〜0.50%の雰囲気で820〜1000℃に加熱した後、焼入れを行う。
工程〈6〉では、焼入れした差動歯車形状品を、焼入れ後のいわゆる置き割れを防止することを目的に、200℃以下の温度で焼戻し処理を行う。
工程〈7〉では、焼戻し処理した差動歯車形状品に、さらに、加熱は周波数40〜60kHzで行い、差動歯車の歯底表面温度が600〜700℃になるよう、予熱処理を行い、その後大気放冷して、加熱時間0.2〜0.5sで歯底表面温度が950〜1050℃になるよう、本加熱処理を施して輪郭高周波焼入れを行う。
工程〈8〉では、輪郭高周波焼入れした差動歯車形状品を200℃以下の温度で焼戻し処理する。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Eを真空炉溶製して150kg鋼塊を作製した。
・硬化層深さを0.80〜1.50mm、
・硬化層の旧オーステナイト平均粒径を12μm以下、
・表面から50μmの位置における残留応力を−700MPa以下、
・〔(表層部のビッカース硬さ)−(芯部のビッカース硬さ)〕で表されるΔHVの値を10以上、
とすれば、浸炭処理した鋼Dの曲げ疲労強度を基準にして、それより40%以上高い曲げ疲労強度が得られることが判る。
表3に示した化学組成を有する鋼F〜Hを真空炉溶製して150kg鋼塊を作製し、実部品形状での評価を実施した。
2:リングギア
3:ディファレンシャルユニット
4:ディファレンシャルケース
5:ピニオンシャフト
6:ピニオンギア
7:サイドギア
8:出力シャフト
8':固定シャフト
Claims (3)
- 生地の鋼が、質量%で、C:0.35〜0.45%、Si:0.10%以下、Mn:0.50〜1.0%、P:0.015%以下、S:0.030%以下、Cr:0.05〜0.15%、Mo:0.15〜0.25%、Al:0.01〜0.05%、N:0.010%以下、O(酸素):0.0020%以下、B:0.0010〜0.0030%およびTi:0.010〜0.045%を含有し、残部はFeおよび不純物からなる化学組成を有する鋼であり、かつ、下記の条件(イ)〜(ニ)を満たすことを特徴とする差動歯車。
(イ)硬化層深さ:0.80〜1.50mm
(ロ)硬化層の旧オーステナイト平均粒径:12μm以下
(ハ)歯元部において表面から50μm位置での残留応力:−700MPa以下
(ニ)〔(表層部のビッカース硬さ)−(芯部のビッカース硬さ)〕で表されるΔHVの値:10〜40 - 請求項1に記載の差動歯車において、さらに下記の条件(ホ)および(ヘ)を満たすことを特徴とする差動歯車。
(ホ)表層部の全脱炭層深さ:0.015mm以下
(ヘ)表層部のC量:0.35〜0.50% - 請求項1に記載した差動歯車の生地の化学組成を有する鋼材を、下記の工程〈1〉〜〈8〉の順に処理することを特徴とする差動歯車の製造方法。
工程〈1〉:鋼材を1000〜1200℃の温度域の温度であるT℃において加熱時間を10min以内として加熱する。
工程〈2〉:加熱した鋼材を、鍛造終了温度を900℃以上として熱間鍛造し、差動歯車の形状に成形する。
工程〈3〉:成形した差動歯車形状品を、熱間鍛造終了温度から1〜20℃/sの平均冷却速度で300℃まで冷却する。
工程〈4〉:差動歯車形状品の表面に生成した酸化スケールを除去する。
工程〈5〉:酸化スケールを除去した差動歯車形状品を、カーボンポテンシャルが0.40〜0.50%の雰囲気で820〜1000℃に加熱した後、焼入れを行う。
工程〈6〉:焼入れした差動歯車形状品を200℃以下の温度で焼戻し処理する。
工程〈7〉:焼戻し処理した差動歯車形状品に、さらに、加熱は周波数40〜60kHzで行い、差動歯車の歯底表面温度が600〜700℃になるよう予熱処理を行い、その後大気放冷して、加熱時間0.2〜0.5sで歯底表面温度が950〜1050℃になるよう、本加熱処理を施して輪郭高周波焼入れを行う。
工程〈8〉:輪郭高周波焼入れした差動歯車形状品を200℃以下の温度で焼戻し処理する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000038A JP5405325B2 (ja) | 2010-01-04 | 2010-01-04 | 差動歯車およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000038A JP5405325B2 (ja) | 2010-01-04 | 2010-01-04 | 差動歯車およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011137214A JP2011137214A (ja) | 2011-07-14 |
JP5405325B2 true JP5405325B2 (ja) | 2014-02-05 |
Family
ID=44348904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010000038A Active JP5405325B2 (ja) | 2010-01-04 | 2010-01-04 | 差動歯車およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5405325B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022218455A1 (de) * | 2021-04-12 | 2022-10-20 | Neumayer Tekfor Engineering Gmbh | Bauteil sowie verfahren zum umformtechnischen erzeugen eines bauteils |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6114616B2 (ja) | 2013-04-08 | 2017-04-12 | 本田技研工業株式会社 | 浸炭部品、その製造方法及び浸炭部品用鋼 |
JP6173873B2 (ja) * | 2013-10-21 | 2017-08-02 | 株式会社アステア | 鋼板の加熱方法 |
CN104928582A (zh) * | 2015-05-05 | 2015-09-23 | 广东韶钢松山股份有限公司 | 一种41Cr4齿轮钢及其生产方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3858288B2 (ja) * | 1994-10-26 | 2006-12-13 | 日立金属株式会社 | 薄肉球状黒鉛鋳鉄及びこれを用いた自動車用部品並びに薄肉球状黒鉛鋳鉄の製造方法 |
JP3915710B2 (ja) * | 2003-02-07 | 2007-05-16 | 住友金属工業株式会社 | 耐低サイクル衝撃疲労特性に優れた浸炭差動歯車 |
JP2006213951A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Sanyo Special Steel Co Ltd | 冷間加工性に優れ、浸炭時の結晶粒の粗大化を防止し、耐衝撃特性、耐衝撃疲労特性に優れた浸炭部品用鋼 |
JP2007092102A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Nissan Motor Co Ltd | 肌焼鋼及びそれを用いた浸炭部品(特には差動歯車) |
TWI494445B (zh) * | 2009-03-30 | 2015-08-01 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 滲碳鋼零件(一) |
JP5530763B2 (ja) * | 2009-05-13 | 2014-06-25 | 新日鐵住金株式会社 | 低サイクル曲げ疲労強度に優れた浸炭鋼部品 |
-
2010
- 2010-01-04 JP JP2010000038A patent/JP5405325B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022218455A1 (de) * | 2021-04-12 | 2022-10-20 | Neumayer Tekfor Engineering Gmbh | Bauteil sowie verfahren zum umformtechnischen erzeugen eines bauteils |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011137214A (ja) | 2011-07-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5332646B2 (ja) | 冷間鍛造性に優れた浸炭用鋼の製造方法 | |
JP5378512B2 (ja) | 浸炭部品およびその製造方法 | |
JP6098732B2 (ja) | 浸炭鋼部品の製造方法及び浸炭鋼部品 | |
JP5927868B2 (ja) | 冷間鍛造性に優れた浸炭用鋼およびその製造方法 | |
JP5207805B2 (ja) | 曲げ疲労強度に優れた鋼部品、及びその製造方法 | |
WO2013065718A1 (ja) | 鋼製部品の製造方法 | |
JP2007308772A (ja) | 浸炭部品およびその製造方法 | |
JP2009114484A (ja) | 高強度浸炭部品の製造方法 | |
JP7152832B2 (ja) | 機械部品 | |
JP5332517B2 (ja) | 浸炭用鋼の製造方法 | |
JP6950821B2 (ja) | 機械部品とその製造方法 | |
JP2007131907A (ja) | 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法 | |
JP5405325B2 (ja) | 差動歯車およびその製造方法 | |
JP2012136730A (ja) | 表面硬化用熱間加工鋼材 | |
JPH06172867A (ja) | 衝撃疲労寿命に優れた歯車の製造方法 | |
JP4488228B2 (ja) | 高周波焼入れ用鋼材 | |
JP7270343B2 (ja) | 機械部品の製造方法 | |
JP5445345B2 (ja) | ステアリングラックバー用棒鋼およびその製造方法 | |
JP6109730B2 (ja) | 浸炭後の曲げ疲労特性に優れた鋼材およびその製造方法並びに浸炭部品 | |
JP2013213245A (ja) | 耐剥離性および耐衝撃疲労特性に優れた歯車 | |
JP5821512B2 (ja) | 窒化部品およびその製造方法 | |
JP2016188422A (ja) | 浸炭部品 | |
JPH11131135A (ja) | 高周波焼入部品およびその製造方法 | |
JP2016074951A (ja) | 肌焼鋼の製造方法 | |
JP4411096B2 (ja) | 球状化後の冷間鍛造性に優れた肌焼用鋼線材・棒鋼 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121011 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20121011 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131030 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5405325 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |