JPH05320342A - 芳香族スルフィド重合体の製造法 - Google Patents

芳香族スルフィド重合体の製造法

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JPH05320342A
JPH05320342A JP4130910A JP13091092A JPH05320342A JP H05320342 A JPH05320342 A JP H05320342A JP 4130910 A JP4130910 A JP 4130910A JP 13091092 A JP13091092 A JP 13091092A JP H05320342 A JPH05320342 A JP H05320342A
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JP
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alkali metal
compound
sulfide
polymer
water
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JP4130910A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Hayakawa
均 早川
Koichiro Matsuki
光一郎 松木
Yoshifumi Noto
好文 能登
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量芳香族スルフィド重合体を再現性良
く製造する。 【構成】 (1)水硫化アルカリ金属化合物、例えばN
aSH(A)と水酸化アルカリ金属化合物、例えばNa
OH(B)と実質的に無水のアルカリ金属硫化物、例え
ばNa2S(C)を用いてアプロチック溶媒、例えばN
−メチルピロリドン中でジハロゲン芳香族化合物、例え
ばジクロロベンゼンと反応せしめることを特徴とする芳
香族スルフィド重合体の製造法。(2)結晶アルカリ金
属硫化物、例えばNa2S・5H2O(D)と実質的に無
水のアルカリ金属硫化物、例えばNa2S(C)を用い
てアプロチック溶媒、例えばN−メチルピロリドン中で
ジハロゲン芳香族化合物、例えばジクロロベンゼンと反
応せしめることを特徴とする芳香族スルフィド重合体の
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【利用される技術分野】本発明は、金属硫化物によるジ
ハロ芳香族化合物の脱ハロゲン化/硫化反応による芳香
族スルフィド重合体の製造方法に関するものである。さ
らに具体的には、本発明は、特定の方法でこの反応を実
施することに主要な特色を有するところの、高分子量の
芳香族スルフィド重合体を再現性よく製造する方法に関
するものである。
【0002】近年、電子機器部材、自動車機器部材など
としてますます高い耐熱性の熱可塑性樹脂が要求されて
きている。芳香族スルフィド重合体もその要求に応え得
る樹脂としての性質を有しているが、この樹脂は高結晶
性であり且つ分子量の充分高いものが得られ難いという
事情があるために、フィルム、シート、繊維などに成形
加工するのが極めて難しいということや、その成形物が
極めて脆弱であるという大きな問題点があった。本発明
はこれらの問題点を解決すべく高分子量の線状の芳香族
スルフィド重合体を製造する方法を提供するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】芳香族スルフィド重合体の製造方法とし
ては、従来次のようなものが知られている。 (1) 単体硫黄、ジクロルベンゼン及び塩基[例えば
(炭酸ナトリウム)]を無溶媒で溶融反応させる方法
(米国特許第 2,513,188 号、同第 2,538,941 号各明細
書)。 (2) アルカリ金属硫化物、特に結晶水を有する硫化
ナトリウム(含水硫化ナトリウム)、を極性溶媒中で加
熱して該硫化ナトリウムが含有する水を除去し、そこへ
ジクロルベンゼンを加えて加熱重合させる方法(米国特
許第 3,354,129号明細書など)。
【0004】(3) 上記の(2)法において極性溶媒
中にカルボン酸塩を共存させて加熱して含水硫化ナトリ
ウムが含有する水を除去し、そこへジクロルベンゼンを
加えて加熱重合させる方法(米国特許第 3,919,177
号、同第 4,089,847 号明細書など)。
【0005】(4) 上記の(2)法において金属硫化
物とアルカリ土類金属水酸化物との実質的に無水の混合
物を用い、水を加えて系内の水分量をコントロールして
ジクロルベンゼンと加熱重合させる方法(特開昭 60-55
029 号公報など)。
【0006】しかしながら、これらの方法は、本発明者
らの知る限りでは、充分に満足なものとはいい難い。す
なわち、上記(1)の方法では生成重合体の分子量が低
すぎて実用性にある線状芳香族スルフィド重合体を得る
ことは困難である。(2)の方法では(1)よりも分子
量の若干高いものが得られるが、それでも実用性の高い
線状芳香族スルフィド重合体として充分な分子量のもの
を得るのが困難である。(3)の方法では(2)の方法
における生成重合体の分子量の低い欠点を改良するため
に提案された方法であり、これによって生成重合体の分
子量は相当改良されることになった。しかしながらこの
方法でも強靱なフィルム、シート、繊維などを製造する
のに充分な分子量の重合体を再現性よく経済的に製造す
ることは発明者らが知る限りにおいてかなり難しい。再
現性ということは、工業的生産において特に重要であ
る。
【0007】上記の(2)または(3)の方法において
再現性よく高分子量の重合体を得るのが難しい主な理由
は、原料の一つである含水硫化ナトリウム(含水水硫化
ナトリウムと水酸化ナトリウムとの反応生成物を含む)
の水分を除くのに、重合溶媒中で物理的に加熱留去する
方法によっているので、イ.充分な脱水が困難であり、
残存水分量のコントロールが困難であること、ロ.水分
留出の際に金属硫化物中の硫化分がH2S等の形で同伴
されて損失となり、そのため反応系中の硫黄分の存在量
が変動すること、ハ.水分が相当量残存している状態で
は金属硫化物が反応缶を侵食し、溶出した重金属イオン
が生成高分子の高分子量化を阻害することなどであろう
と推論される。
【0008】(4)の方法では含水硫化ナトリウムを用
いないため、系内の過剰な水分を加熱留去する必要がな
く、これに起因する再現性の不良はなくなるが、発明者
らの知る限りでは反応時間が長く、また、多量のアルカ
リ土類金属水酸化物を使用しているために後処理で中和
等をする必要があり、工程上不利であると考えられる。
【0009】(3)の方法では、さらに、多数の水溶性
有機塩、特に酢酸塩を重合系に共存させて重合させるの
で、重合後の処理水に多量の有機酸が混入することにな
って公害上の問題を生ずるおそれがあり、またそれを除
外するためには多大の費用を必要とすることである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
製法の欠点を解決して、強靱なフィルム、シート、繊維
などの成形物に加工するのに好適な、副生成物の少ない
高分子量の線状芳香族スルフィド重合体を再現性よく、
かつ経済的に製造する方法であって、公害問題の実質的
にない方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高分子量の
線状芳香族スルフィド重合体を再現性よく得る方法につ
いて鋭意検討を重ねた結果、重合系内の水分量を正確に
コントロールし、なおかつ系内の不純物(アルカリ金属
硫化物に起因する)を減少させることが重要であること
をつきとめた。これを経済的に実現する方法として、水
硫化アルカリ金属化合物と水酸化アルカリ金属化合物と
実質的に無水のアルカリ金属硫化物、または結晶水もし
くは結合水を有するアルカリ金属硫化物と実質的に無水
のアルカリ金属硫化物を一緒に用いたところ、良好な結
果を得た。
【0012】即ち、本発明は、水硫化アルカリ金属化合
物(A)と水酸化アルカリ金属化合物(B)と実質的に
無水のアルカリ金属硫化物(C)を用いてアプロチック
溶媒中でジハロ芳香族化合物と反応せしめることを特徴
とする芳香族スルフィド重合体の製造法を提供するもの
である。
【0013】また、結晶水もしくは結合水を有するアル
カリ金属硫化物(D)と実質的に無水のアルカリ金属硫
化物(C)と水硫化アルカリ金属化合物(A)および/
または水酸化アルカリ金属化合物(B)を用いてアプロ
チック溶媒中でジハロ芳香族化合物と反応せしめること
を特徴とする芳香族スルフィド重合体の製造法を提供す
るものである。
【0014】
【構成】本発明において「水硫化アルカリ金属化合
物」、「アルカリ金属硫化物」、「ジハロ芳香族化合
物」、及び「アプロチック溶媒」という用語は、言及さ
れている各化合物ないし物質がそれぞれ定義された範囲
内で混合物である場合を包含していることが理解されな
ければならない。従って、たとえば、「ジハロ芳香族化
合物」が複数種の化合物からなっていて生成芳香族スル
フィド重合体が共重合体である場合を本発明は1つの具
体例として包含するものである。
【0015】(重合体の製造)本発明による芳香族スル
フィド重合体の製造法は、金属硫化物によるジハロ芳香
族化合物の脱ハロゲン化/硫化反応に基くものである。
【0016】(水硫化アルカリ金属化合物(A))本発
明の重合反応において一つの硫黄源及び脱ハロゲン化剤
として機能する硫化物の原料となるもののひとつとして
は、アルカリ金属から選ばれた金属の水硫化物が使用さ
れる。ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水硫
化物が好ましい。なかでも、ハンドリングのしやすさや
安定性の点からナトリウムの水硫化物が特に好ましい。
水硫化ナトリウムは結合水もしくは結晶水を有していて
もよい。例えば約1.5水塩のものは工業的に供給され
ている。
【0017】(水酸化アルカリ金属化合物(B))本発
明の重合反応において一つの硫黄源及び脱ハロゲン化剤
として機能する硫化物のもうひとつの原料となるものと
して、アルカリ金属から選ばれた金属の水酸化物が使用
される。ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水
酸化物が好ましい。なかでも、ハンドリングのしやすさ
や安定性の点からナトリウムの水酸化物が特に好まし
い。
【0018】本反応で使用される水酸化アルカリ金属化
合物の使用量は使用される水硫化アルカリ金属化合物1
モルあたり0.9〜1.1モルの範囲であることが望ま
しい。特に0.95〜1.05モルの範囲が高分子量の
ポリマーを得るのに好ましい。0.9〜1.1モルであ
ると副反応等による重合反応の阻害が少ない点で好まし
い。
【0019】(アルカリ金属硫化物(C)、(D))本
発明の重合反応においてもう一つの硫黄源及び脱ハロゲ
ン化剤として機能する硫化物としては、アルカリ金属か
ら選ばれた金属の硫化物が使用される。ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属の硫化物が好ましい。なかで
も、ハンドリングのしやすさや安定性の点からナトリウ
ムの硫化物が特に好ましい。硫化ナトリウムの場合は結
合水もしくは結晶水を有しているものとして、例えば9
水塩、5水塩、3水塩などが工業的に供給されている。
【0020】本発明でいう実質的に無水のアルカリ金属
硫化物とは含水量が0.2重量パーセント以下、より好
ましくは0.1重量パーセント以下のものである。これ
らとしては、たとえば、溶融させて強制的に水分を除去
したもの等があげられるが、実質的に無水であれば他の
方法で脱水されたものでもよい。
【0021】本発明者らの知る限りでは実質的に無水の
アルカリ金属硫化物については製造が難しく、過硫化物
や酸化物等の不純物が多く含まれているものしか得られ
ない。このため、これを重合反応用の全硫黄源として用
いると、系内の不純物量が多くなり、高分子量化の阻
害、副反応の進行がおこる。これを防ぐために実質的に
無水のアルカリ金属硫化物に水を加えて用いるのではな
く、水硫化アルカリ金属化合物と水酸化アルカリ金属化
合物の反応から得られる不純物の少ないアルカリ金属硫
化物もしくは化学的に安定で不純物の少ない結合水もし
くは結晶水を有するアルカリ金属硫化物と実質的に無水
のアルカリ金属硫化物を混合して用いるのである。
【0022】結合水もしくは結晶水を有するアルカリ金
属硫化物を用いる場合、その原料の状態により水硫化ア
ルカリ金属化合物および/または水酸化アルカリ金属化
合物を加えて、重合系の微調整をすると重合体の分子量
が増加し好ましいが、これらを加えずに反応を行うこと
もできる。
【0023】(ジハロ芳香族化合物)芳香族スルフィド
重合体の骨格を形成すべき単量体に相当するジハロ芳香
族化合物は、芳香族核と該核状の2ケのハロ置換基とを
有するものである限り、そしてアルカリ金属硫化物によ
る脱ハロゲン化/硫化反応を介して重合体化しうるもの
である限り、任意のものでありうる。従って、芳香族核
は芳香族炭化水素のみからなる場合の外に、この脱ハロ
ゲン化/硫化反応を阻害しない各種の置換基を有するも
のでありうる。
【0024】具体的には、本発明において使用されるジ
ハロ芳香族化合物の例には下式で示される化合物が包含
される。
【0025】
【化1】
【0026】ここで各置換基は下記の意味を持つ。 X:Cl、Br、I または F。特に、Cl及びBrよ
り成る群から選ばれた少なくとも1種のハロゲン。
【0027】Y:−R、−OR、−COOR、−COO
Na、−CN及び−NO2(Rは、H、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より成
る群から選ばれたもの)より成る群から選ばれたも
の。ここで、アルキル 基又はアルキル基部分は炭
素数1〜18 程度、アリール基またはアリール基 部
分は炭素数 6〜18程度のものがふつうである。 (R'及びR''は、H、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基及びアラルキル基より成る群から選ばれ
たもの)より成る群から選ばれたもの。ここでアルキル
基またはアルキル基部分及びアリール基またはアリール
基部分は上記と同様に定義される。
【0028】式(A)中でm及びnは、それぞれm=
2、0 ≦ n ≦ 4 の整数 式(B)中でa 及び b は、それぞれ a = 2 、0
≦ b ≦ 6 の整数 式(C)中でc、d、e 及び f は、それぞれ 0 ≦
c ≦ 2 、0 ≦ d≦ 2 、c+d=2 、0 ≦ e,
f ≦ 2 の整数 式(D)中でg、h、i 及び j は、それぞれ 0 ≦
g ≦ 2 、0 ≦ h≦ 2 、g+h=2 、0 ≦ i,
j ≦ 2 の整数
【0029】上記一般式のジハロゲン置換基芳香族化合
物の例として、次のようなものがある。
【0030】p−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベン
ゼン、2,5−ジクロルトルエン、p−ジブロムベンゼ
ン、1,4−ジクロルナフタリン、1−メトキシ−2,
5−ジクロルベンゼン、4,4’−ジクロルビフェニ
ル、3,5−ジクロル安息香酸、2,4−ジクロル安息
香酸、2,5−ジクロルニトロベンゼン、2,4−ジク
ロルニトロベンゼン、2,4−ジクロルアニソール、
p,p’−ジクロルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
クロルベンゾフェノン、4,4’−ジクロルジフェニル
スルフォン、4,4’−ジクロルジフェニルスルフォキ
シド、4,4’−ジクロルジフェニルスルフィドなど。
なかでも、p−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼ
ン、4,4’−ジクロルベンゾフェノンおよび4,4’
−ジクロルジフェニルスルフォンは特に好適に使用され
る。
【0031】ジハロ芳香族化合物の適当な選択組合せに
よって2種以上の異なる反応単位を含む共重合体を得る
ことができることは前記した通りである。p−ジクロル
ベンゼンと4,4’−ジクロルベンゾフェノンもしくは
4,4’−ジクロルフェニルスルフォンとを組み合わせ
て使用すれば、
【0032】
【化2】
【0033】単位と
【0034】
【化3】
【0035】単位もしくは
【0036】
【化4】
【0037】単位とを含んだ共重合物を得ることができ
る。
【0038】本発明で使用するジハロ芳香族化合物の使
用量は水硫化アルカリ金属化合物(A)とアルカリ金属
硫化物(C,D)との合計量1モルあたり0.8〜1.
3モルの範囲が望ましく、特に0.9〜1.05モルの
範囲が高分子量のポリマーを得るのに好ましい。
【0039】なお、本発明による芳香族スルフィド重合
体は上記ジハロ芳香族化合物の重合体であるが、生成重
合体の末端を形成させあるいは重合反応ないし分子量を
調節するためにモノハロ化合物(必ずしも芳香族化合物
でなくともよい)を併用することも、分岐または架橋重
合体を形成させるためにトリハロ以上のポリハロ化合物
(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を併用するこ
とも可能である。これらのモノハロまたはポリハロ化合
物が芳香族化合物である場合の具体例は、上記具体例の
モノハロまたはポリハロ誘導体として当業者にとって自
明であろう。具体的には、例えばジハロベンゼンに若干
量のトリクロルベンゼンを組み合わせて使用すれば、分
岐を持ったフェニレンスルフィド重合体を得ることがで
きる。
【0040】(溶媒および水)本発明の重合反応に使用
する溶媒は、活性水素を有しない有機溶媒、すなわちア
プロチック溶媒である。活性水素を有する溶媒は、その
もの自身が重合反応を阻害したりあるいは活性水素が関
与する反応によって生成したものが二次的に有害反応を
ひき起したりするおそれがあって好ましくない。
【0041】この溶媒は、本発明重合反応を不当に阻害
するものであってはならない。また、この溶媒は、少な
くとも原料であるジハロ芳香族化合物及び S2- を与え
るアルカリ金属硫化物を反応に必要な濃度に溶解するこ
とができる程度の溶解能を持つものであるべきである。
従って、この溶媒は、窒素原子、酸素原子および/また
は硫黄原子を有するもの、すなわち極性溶媒であること
が普通である。更に、この溶媒は原料ジハロ芳香族化合
物と同様な脱ハロゲン化/硫化反応に関与しうるもので
ないことが望ましく。従って例えばハロ芳香族炭化水素
ではないことが望ましい。
【0042】本発明で使用する溶媒は、制御された微小
の量の水を重合反応に提供するためのものであるから、
溶質としてのこの水が溶媒和しうるものであることが望
ましい。ただし、本発明においてアプロチック溶媒と水
とが実際に溶媒和していることを確認することは実益が
なく、従って本発明において重合反応に提供される水は
アプロチック溶媒と溶媒和した水の量に相当する量であ
りさえすればよい(詳細後記)。
【0043】このようなアプロチック溶媒の具体的例を
挙げれば、(1)アミド、たとえば、ヘキサメチルリン
酸トリアミド(HMPA)、N−メチルピロリドン(N
MP)、N−シクロヘキシルピロリドン、N−メチルカ
プロラクタム、テトラメチル尿素(TMU)、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DM
A)、その他、(2)エーテル化ポリアチレングリコー
ルたとえばポリエチレングリコールジアルキルエーテル
(重合度は2000程度まで、アルキル基はC 1〜C20
程度)など、(3)スルホキシド、たとえばテトラメチ
レンスルホキシド、ジメチレンスルホキシド(DMS
O)その他、がある。これらのうちでも、HMPAおよ
びNMP は、化学的安定性が高いので、特に好まし
い。
【0044】アプロチック溶媒の使用量は、重合に用い
る硫化物1モル当り0.1〜10リットルの範囲内が均
一な重合反応がおこなえる、経済的であるなどの点で望
ましい。
【0045】水は、水硫化アルカリ金属化合物またはア
ルカリ金属硫化物の結晶水もしくは結合水、水硫化アル
カリ金属化合物と水酸化アルカリ金属化合物の反応で形
成される水もしくは水酸化アルカリ金属化合物を水溶液
で添加する場合の溶媒としての水という形で重合系内に
供給される。一般に、本発明の重合反応に存在させるべ
き水分は、加水分解反応などの併発を回避させるため
に、なるべく少ない方がよい。他方、重合反応が全く無
水の状態である場合も、実質的無水であるアルカリ金属
硫化物による溶媒の分解などの副反応が若干併発するお
それがある。従って、本発明の重合反応において溶媒和
水として添加すべき水分の量は、重合系に加えられる硫
黄原子1モル当り0.3〜2.5モルの水分量が特に好
ましい。
【0046】(重 合)本発明による場合は、上記諸成
分からなる反応混合物を、通常100〜300℃の範囲
の温度に加熱することによって進行する。180〜26
0℃の範囲が、高分子量のものを迅速に得ることができ
るので好ましい。重合反応は低温で行わせることもでき
るが、段階的にまたは連続的に昇温しながら行わせるこ
ともできる。
【0047】本発明の重合反応においては、重合缶に溶
媒、ジハロ芳香族化合物、水硫化アルカリ金属化合物
(A)、水酸化アルカリ金属化合物(B)と実質的に無
水のアルカリ金属硫化物(C)を仕込み、重合缶中で充
分に攪拌、混合し、それから昇温して重合温度で重合さ
せる方法;重合缶に溶媒、水硫化アルカリ金属化合物
(A)、水酸化アルカリ金属化合物(B)と実質的に無
水のアルカリ金属硫化物(C)を仕込み、重合缶中で充
分に攪拌、混合し、それから昇温して重合温度まで昇温
した後、ジハロ芳香族化合物を加え、重合させる方法;
重合缶中に溶媒とジハロ芳香族化合物を仕込み、重合缶
中で充分に攪拌し、重合温度まで昇温した後、水硫化ア
ルカリ金属化合物(A)、水酸化アルカリ金属化合物
(B)と実質的に無水のアルカリ金属硫化物(C)を固
体もしくはスラリー(水もしくは溶媒による)で加えて
重合させる方法;また、溶媒の有無に関係なく水硫化ア
ルカリ金属化合物(A)と水酸化アルカリ金属化合物
(B)を重合缶中で充分に攪拌、混合し(場合によって
は加熱しても良い)、溶媒と実質的に無水のアルカリ金
属硫化物(C)を加え、さらに充分に攪拌、混合しなが
ら重合温度まで昇温した後にジハロ芳香族化合物を加え
て重合させる方法;重合缶に溶媒、水硫化アルカリ金属
化合物(A)と実質的に無水のアルカリ金属硫化物
(C)を仕込み、攪拌、混合しながら、室温から150
℃までのいずれかの温度で水酸化アルカリ金属化合物
(B)を水溶液または固体で加え、さらに充分に攪拌、
混合しながら重合温度まで昇温した後にジハロ芳香族化
合物を加えて重合させる方法などがある。
【0048】また、結合水もしくは結晶水を有するアル
カリ金属硫化物(D)を用いる場合の重合においては、
重合缶に溶媒、ジハロ芳香族化合物、結合水もしくは結
晶水を有するアルカリ金属硫化物(D)、実質的に無水
のアルカリ金属硫化物(C)と水硫化アルカリ金属化合
物(A)または水酸化アルカリ金属化合物(B)を仕込
み、重合缶中で充分に攪拌、混合し、それから昇温して
重合温度で重合させる方法;重合缶に溶媒、結合水もし
くは結晶水を有するアルカリ金属硫化物(D)、実質的
に無水のアルカリ金属硫化物(C)と水硫化アルカリ金
属化合物(A)または水酸化アルカリ金属化合物(B)
を仕込み、重合缶中で充分に攪拌、混合し、それから昇
温して重合温度まで昇温した後、ジハロ芳香族化合物を
加えて重合させる方法;重合缶中に溶媒とジハロ芳香族
化合物を仕込み、重合缶中で充分に攪拌し、重合温度ま
で昇温した後、結合水もしくは結晶水を有するアルカリ
金属硫化物(D)、実質的に無水のアルカリ金属硫化物
(C)と水硫化アルカリ金属化合物(A)または水酸化
アルカリ金属化合物(B)を固体もしくはスラリー(水
もしくは溶媒による)で加え、重合させる方法などがあ
る。
【0049】重合は、バッチ方式、回文方式、連続方式
など通常の各重合方式を採用することができる。重合の
際における雰囲気は非酸化性雰囲気であることが望まし
く、重合反応のスタート時に窒素、アルゴンなどの不活
性ガスで系内を置換して置くことが好ましい。
【0050】重合体の回収は、反応終了時にまず反応混
合物を減圧下または常圧下で加熱して溶媒だけを留去
し、ついで缶残固形物を水、アセトン、メチルエチルケ
トン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗
浄し、それから中和、水洗、ろ別および乾燥をすること
によって行うことができる。また、別法としては、反応
終了後に反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケト
ン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、
芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した
重合反応に可溶であり、かつ少なくとも生成重合体に対
しては非溶媒であるもの)を沈降剤をして添加して重合
体、無機塩等の固体状生成物を沈降させ、それを濾別、
洗浄及び乾燥することによって行うこともできる。これ
らの場合の「洗浄」は、抽出の形で実施することができ
る。また、反応終了後、反応混合物に反応溶媒(もしく
はそれと同等の低分子重合体の溶解度を有する溶媒)を
加えて攪拌した後、ろ別して低分子量重合体を除いた
後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類
などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、
水洗、ろ別および乾燥をすることによっても行うことが
できる。
【0051】いずれの方法にしても第三の塩として有機
酸塩を共存させなければ、洗浄水に溶解して放出される
べき有機酸塩による汚染問題は生じない。
【0052】(生成重合体)本発明の方法によって得ら
れる重合体(粉末で得られることがふつうである)は従
来の芳香族スルフィド重合体粉末に比較して飛躍的に高
分子量で且つ易酸化処理性の線状重合体であるために、
重合物粉末そのままで、また必要に応じて若干の酸化処
理を施すことによって、高溶融粘度であっても曳糸性の
優れたものとなり、強靱な耐熱性フィルム、シート、繊
維等に極めて容易に成形加工できる。さらにまた射出成
形、押出成形、回転成形などによって種々のモールド物
に加工することができるが、これは肉厚のものであって
もクラックが入り難い。
【0053】本発明のよる重合体は熱可塑性重合体の範
躊に入るものであるから、熱可塑性重合体の適用可能な
各種の改変が可能である。従って、たとえば、この重合
体はカーボン黒、炭酸カルシウム粉末、シリカ粉末、酸
化チタン粉末等の粉末状充填材、または炭素繊維、ガラ
ス繊維、アスベスト、ポリアラミド繊維などの繊維状充
填材を充填して使用することができる。この重合体はま
た、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリ
スルフォン、ポリアリーレン、ポリアセタール、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、AB
Sなどの合成樹脂の一種以上を混合して使用することも
できる。
【0054】
【実施例】以下に、実施例、比較例及び参考例をあげて
本発明を更に説明する。
【0055】(参考例) 使用原料 1.硫黄源 水硫化ナトリウム(以下、NaSH)[NaSH 7
0.0%、 Na2S3.4%、H2O 25.5%含
有]および結晶硫化ナトリウム(以下、Na2S・5H2
O)は三協化成(株)製品を使用。実質的に無水の硫化
ナトリウム(以下、Na2S)は和光純薬製の特級の9
水塩(Na2S・9H2O)を真空乾燥器中で200℃/
2Torrで5時間減圧乾燥して、板状の無水のNa2
S固体とし、これを粉砕して使用した。
【0056】2.水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(以下、NaOH)は日本曹達(株)
製品 (純度99.5%以上)を使用。
【0057】3.溶媒 N−メチルピロリドン(以下、NMP)は三菱化成
(株)製品を使用。
【0058】4.ジハロ芳香族化合物 パラ−ジクロルベンゼン(以下、p−DCB)は住友化
学(株)製品を使用。
【0059】5.水 水道水を蒸留した後イオン交換を施したものを使用。
【0060】〈物性評価〉得られた重合体の溶融粘度
は、ポリマー粉約2gを直径1.12cmの円筒状のタ
ブレットにプレスし、島津製高化式フローテスターを用
いて測定した(316℃、10Kg荷重、ノズル孔径
0.5mm、長さ1.0mm)。
【0061】(実施例1)攪拌翼付ステンレス製(チタ
ンライニング)4リットルオートクレーブに NaSH
154.7g、Na2S 156.1g、NaOH 7
8.8g、p−DCB 588.0g、NMP 1600
gを仕込み、攪拌しながら系内を窒素で充分に置換した
後に220℃まで昇温し、5時間保持した。この後、2
40℃に昇温し、2時間保持して反応を終了した。
【0062】得られたスラリーを20リットルの水に注
いで1時間攪拌した後、濾過した。このケーキを再び2
0リットルの湯で1時間攪拌、洗浄した後、濾過し、最
後に10リットルのアセトンで1時間攪拌洗浄し、濾過
後、真空乾燥機で一晩(80℃)乾燥して白色の粉末状
のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は85
0ポイズであった。
【0063】(実施例2〜4)実施例1と同様な方法で
反応及び後処理を行ったが、実施例2〜4は系内の水分
量を変えるためにNaSHとNa2Sの仕込比を変え
た。
【0064】(実施例5)実施例1と同じオートクレー
ブに Na2S・5H2O 224.2g、Na2S20
8.1g、p−DCB 588.0g、NMP 1600
gを仕込み、攪拌しながら系内を窒素で充分に置換した
後に220℃ まで昇温し、5時間保持した。この後、
240℃に昇温し、2時間保持して反応を終了した。
【0065】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は4
00ポイズであった。
【0066】(実施例6)実施例1と同じオートクレー
ブに Na2S・5H2O 221.9g、Na2S20
8.1g、NaSH 3.1g、p−DCB 588.0
g、NMP 1600gを仕込み、攪拌しながら系内を
窒素で充分に置換した後に220℃ まで昇温し、5時
間保持した。この後、240℃に昇温し、2時間保持し
て反応を終了した。
【0067】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は5
50ポイズであった。
【0068】(実施例7)実施例1と同じオートクレー
ブに Na2S・5H2O 224.2g、Na2S20
8.1g、NaOH 1.6g、p−DCB 588.0
g、NMP 1600gを仕込み、攪拌しながら系内を
窒素で充分に置換した後に220℃ まで昇温し、5時
間保持した。この後、240℃に昇温し、2時間保持し
て反応を終了した。
【0069】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は5
00ポイズであった。
【0070】(実施例8)実施例1と同じオートクレー
ブに、まずNaSH 154.7gとNaOH 78.8
gを仕込み、系内を窒素で置換し、攪拌しながら90℃
まで昇温し、30分間保持した。この後、Na2S 15
6.1g、p−DCB 588.0g、NMP1600
gを仕込み、再び系内を窒素で置換した後に220℃
まで昇温し、5時間保持した。この後、240℃に昇温
し、2時間保持して反応を終了した。
【0071】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は8
50ポイズであった。
【0072】(実施例9)実施例1と同じオートクレー
ブに、まずNaSH 102.8g、Na2S 208.
4gとNMP 1000gを仕込み、系内を窒素で置換
し、攪拌しながら90℃まで昇温した。系内温が90℃
になったら、NaOH 52.4gをH2O44.7gに
溶かした水溶液を加え、220℃まで昇温した。この後
220℃に保持しながら、p−DCB 588.0gを
NMP600gに溶かした溶液を1時間かけて滴下、加
え、さらに4時間220℃で保持した。最後に、240
℃に昇温し、2時間保持して反応を終了した。
【0073】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は6
00ポイズであった。以上、これらの結果を表1および
表2に示した。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】(比較例1)実施例1と同じオートクレー
ブに脱水工程用の冷却管、キャッチャー、アルカリトラ
ップを取り付け、NaSH 309.3gとNMP 12
00gを仕込み、系内に窒素を流し(100ml/mi
n)、攪拌しながら90℃まで昇温した。系内温が90
℃になったら、NaOH 157.6gをH2O 17
0.8gに溶かした水溶液を加え、さらに昇温させる。
内温が145℃に達したところで留出が始まり、200
℃で窒素を止め、系を密閉した。留出した液は435
g、NMPの含有率は47%であった。脱水工程で系内
から出てしまったS2-量は70mmolであった。この
後、さらに220℃まで昇温し、220℃に保持しなが
ら、p−DCB 577.7gをNMP605gに溶か
した溶液を1時間かけて滴下、加え、さらに4時間22
0℃で保持した。最後に、240℃に昇温し、2時間保
持して反応を終了した。
【0077】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は2
30ポイズであった。
【0078】(比較例2)比較例1と同じ仕込みで同様
な反応を行ったが、脱水工程で留出した液は405g、
NMPの含有率は42%であった。また、系内から出て
しまったS2-量は55mmolであった。後処理を実施
例1と同様に行い、白色粉末状のポリマーを得た。得ら
れたポリマーの溶融粘度は150ポイズであった。
【0079】(比較例3)実施例1と同じオートクレー
ブに脱水工程用の冷却管、キャッチャー、アルカリトラ
ップを取り付け、Na2S・5H2O 672.6gとN
MP 1200gを仕込み、系内に窒素を流し(100
ml/min)、攪拌しながら昇温した。内温が145
℃に達したところで留出が始まり、200℃で窒素を止
め、系を密閉した。留出した液は494g、NMPの含
有率は45%であった。脱水工程で系内から出てしまっ
たS2-量は110mmolであった。この後、さらに2
20℃まで昇温し、220℃に保持しながら、p−DC
B 571.8gをNMP604gに溶かした溶液を1
時間かけて滴下、加え、さらに4時間220℃で保持し
た。最後に、240℃に昇温し、2時間保持して反応を
終了した。
【0080】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は2
00ポイズであった。
【0081】(比較例4)実施例1と同じオートクレー
ブに Na2S 312.2g、NaOH 3.2g、p−
DCB 588.0g、H2O 72.1gとNMP 16
00gを仕込み、攪拌しながら系内を窒素で充分に置換
した後に220℃ まで昇温し、5時間保持した。この
後、240℃に昇温し、2時間保持して反応を終了し
た。
【0082】後処理を実施例1と同様に行い、白色粉末
状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度は2
80ポイズであった。以上これらの結果を表3に示し
た。
【0083】
【表3】
【0084】実施例1から9では本発明の有効性を充分
に示している。一方比較例1、2では脱水工程を行った
ため再現ある結果が得られなかった。また比較例4では
系内の硫黄全てをNa2Sで供給したために実施例1か
ら9に比べて溶融粘度が上がらなかった。
【0085】
【発明の効果】本発明は、水硫化アルカリ金属化合物と
水酸化アルカリ金属化合物と実質的に無水のアルカリ金
属硫化物、または結晶水もしくは結合水を有するアルカ
リ金属硫化物と実質的に無水のアルカリ金属硫化物を一
緒に用いることにより重合系内の水分量を正確に制御す
ることができるようになり、再現性良く、高分子量の線
状芳香族スルフィド重合体を得ることができ、且つ、強
靱なフィルム、シート、繊維などの成形物に加工するの
に好適な、副生成物の少ない高分子量の線状芳香族スル
フィド重合体をもたらすことができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硫化アルカリ金属化合物(A)と水酸
    化アルカリ金属化合物(B)と実質的に無水のアルカリ
    金属硫化物(C)を用いてアプロチック溶媒中でジハロ
    芳香族化合物と反応せしめることを特徴とする芳香族ス
    ルフィド重合体の製造法。
  2. 【請求項2】 水硫化アルカリ金属化合物(A)と水酸
    化アルカリ金属化合物(B)と実質的に無水のアルカリ
    金属硫化物(C)との使用量を、重合系内の水分量が重
    合系内の硫黄原子1モルあたり0.3〜2.5モルの範
    囲になるように調整して重合を行う請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】 水硫化アルカリ金属化合物(A)と水酸
    化アルカリ金属化合物(B)のモル比(A:B)が、
    1:0.9〜1:1.1の範囲である請求項2記載の製
    造法。
  4. 【請求項4】 水硫化アルカリ金属化合物(A)と水酸
    化アルカリ金属化合物(B)を接触させた後に実質的に
    無水のアルカリ金属硫化物(C)を加え、アプロチック
    溶媒中でジハロ芳香族化合物と反応せしめる請求項3記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】 アプロチック溶媒中で水硫化アルカリ金
    属化合物(A)と実質的に無水のアルカリ金属硫化物
    (C)とを接触させた後に水酸化アルカリ金属化合物
    (B)を加え、ジハロ芳香族化合物と反応せしめる請求
    項3記載の製造法。
  6. 【請求項6】 結晶水もしくは結合水を有するアルカリ
    金属硫化物(D)と実質的に無水のアルカリ金属硫化物
    (C)とを用いてアプロチック溶媒中でジハロ芳香族化
    合物と反応せしめることを特徴とする芳香族スルフィド
    重合体の製造法。
  7. 【請求項7】 結晶水もしくは結合水を有するアルカリ
    金属硫化物(D)と実質的に無水のアルカリ金属硫化物
    (C)と共に、水硫化アルカリ金属化合物(A)および
    /または水酸化アルカリ金属化合物(B)を用いてアプ
    ロチック溶媒中でジハロ芳香族化合物と反応せしめる請
    求項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】実質的に無水のアルカリ金属硫化物(C)
    と結晶水もしくは結合水を有するアルカリ金属硫化物
    (D)と水硫化アルカリ金属化合物(A)および/また
    は水酸化アルカリ金属化合物(B)との使用量を、重合
    系内の水分量が重合系内の硫黄原子1モルあたり0.3
    〜2.5モルの範囲になるように調整して重合を行う請
    求項7記載の芳香族スルフィド重合体の製造法。
  9. 【請求項9】 水硫化アルカリ金属化合物(A)とアル
    カリ金属硫化物(C,D)の合計量と、水酸化アルカリ
    金属化合物(B)とアルカリ金属硫化物(C,D)の合
    計量とのモル比〔(A+C+D):(B+C+D)〕
    が、1:0.9〜1:1.1の範囲である請求項8記載
    の製造法。 【0000】
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