JPH05320095A - アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法

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JPH05320095A
JPH05320095A JP4128363A JP12836392A JPH05320095A JP H05320095 A JPH05320095 A JP H05320095A JP 4128363 A JP4128363 A JP 4128363A JP 12836392 A JP12836392 A JP 12836392A JP H05320095 A JPH05320095 A JP H05320095A
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alcohol
ester
acrylic acid
methacrylic acid
reaction
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Masami Haga
雅美 芳賀
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸触媒及び溶媒の存在下、アクリル酸又はメ
タクリル酸とアルコールとを反応させてそのエステルを
製造するにあたり、重合禁止剤として、1つのベンゼン
環につき少なくとも1つのアルキル基および少なくとも
2つの水酸基を有する芳香族化合物を用いることを特徴
とするアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの
製造方法。 【効果】 アクリル酸若しくはメタクリル酸、またはこ
れらの反応生成物であるエステルの重合を効果的に抑制
できるとともに、生成物エステルの着色をも抑制するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル酸エステル又
はメタクリル酸のエステルの製造方法に関し、詳しく
は、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はそのエステ
ルの重合を抑制し、また、生成するエステルの着色をも
抑制することのできるアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸エステルやメタクリル酸エス
テルの製造法としては、アクリル酸又はメタクリル酸と
アルコールとを酸触媒の存在下に反応させる方法が一般
に広く知られている。
【0003】反応原料であるアクリル酸やメタクリル酸
は、きわめて重合しやすい性質を有するため、エステル
化反応中に重合禁止剤を添加して、これらの重合を抑制
する方法がとられる。重合禁止剤としてはフェノール性
物質、殊にハイドロキノンが有効であることが知られて
いる。また、工業的にはメトキシハイドロキノンの存在
下、反応液中に空気を吹き込むことが重合の抑制に有効
であるといわれている(「機能性アクリル樹脂」、大森
英三著、(株)テクノシステム発行、P.27〜2
8)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハイド
ロキノンやメトキシハイドロキノンのように、アルキル
基を持たない化合物を用いた場合には、重合物の生成は
ある程度抑制できるものの、得られるエステルが着色す
るという問題点があった。また、アルキル基を有してい
ても1つのベンゼン環につき水酸基を1つ以下しか持た
ない化合物は重合物生成の抑制効果は極めて低いもので
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重合禁止
剤として有効な化合物について鋭意検討した結果、アク
リル酸やメタクリル酸の重合を抑制し、更に、生成物エ
ステルの着色をも抑制する効果を持つ重合禁止剤とし
て、1つのベンゼン環につき少なくとも1つのアルキル
基および少なくとも2つの水酸基を有する芳香族化合物
が有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は、酸触媒及び溶媒の存在
下、アクリル酸又はメタクリル酸とアルコールとを反応
させてそのエステルを製造するにあたり、重合禁止剤と
して、1つのベンゼン環につき少なくとも1つのアルキ
ル基と少なくとも2つの水酸基を有する芳香族化合物を
用いることを特徴とするアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルの製造方法を要旨とする。
【0007】本発明のアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルの製造方法の好ましい態様によれば、前記
重合禁止剤の使用に加えて、反応系に一定量の酸素を含
有する不活性ガスを供給することにより、より一層重合
物の生成を抑制できる。
【0008】以下、本発明を詳述する。
【0009】本発明において重合禁止剤として使用でき
る化合物は、1つのベンゼン環につき少くとも1つのア
ルキル基および少くとも2つの水酸基を有する化学構造
の芳香族化合物である。この芳香族化合物中のアルキル
基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、特にメ
チル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アルキル基が
好ましい。このような化合物のうち、市販されていて入
手しやすいものとしては、2−メチルハイドロキノン、
2−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノン、2,3,5−トリメチルハイドロキ
ノン、4−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコー
ル、2−メチルレゾルシン、4−メチルレゾルシンなど
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】これらは、1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよく、また、本発明の重合禁止
剤の効果を阻害しない範囲内で、他の重合禁止剤と組み
合わせて用いることもできる。
【0011】重合禁止剤の添加量は、アクリル酸または
メタクリル酸に対して、好ましくは5〜5000wtp
pm、特に好ましくは20〜2000wtppmの範囲
である。
【0012】更に、重合抑制効果を高めるため、反応液
中に酸素を含む不活性ガスを供給して反応を行うのが好
ましい。不活性ガス中の酸素濃度は、好ましくは0.1
〜10vol%、特に好ましくは2〜8vol%であ
る。
【0013】酸素濃度が、0.1vol%未満の場合
は、重合禁止剤の効果が十分に発揮されず、反応液相中
にアクリル酸またはメタクリル酸の重合物が析出するこ
とがある。さらに反応により生成したエステルが重合し
て、反応液が粘稠になることがある。また、反応液から
生成物エステルを単離するために反応液をアルカリ水溶
液で処理すると、この重合物が塩を生成したり、反応液
が粘稠になってしまい、油相がエマルジョン化するとい
う不都合を生じることがある。逆に、酸素濃度が10v
ol%を超えると反応槽内や還流冷却管内部に爆発混合
組成を形成するので好ましくない。
【0014】酸素を含む不活性ガスは、不活性ガスに好
ましくは上記割合で酸素を含んでいればよく、不活性ガ
スとしては、反応を阻害しない任意のガスが用いられ
る。例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、フロ
ン−11、フロン−12、二酸化炭素等の不活性ガスお
よびこれらの混合ガスであってもよい。また、空気に前
記不活性ガス、特に窒素ガスを混入させて酸素含有量を
前記範囲になるように調整したものを好適に用いること
ができる。
【0015】以上、本発明の特徴である重合禁止剤およ
び好ましい態様である酸素を含有する不活性ガスの供給
について説明してきたが、本発明においてアクリル酸又
はメタクリル酸とアルコールとの反応によるエステルの
生成反応は常法により行なわれる。以下にエステル化反
応について述べる。
【0016】本発明においてアクリル酸またはメタクリ
ル酸のエステル化に用いられる酸触媒としては、硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、及びp−トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシレ
ンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
【0017】上記触媒の使用量は、アクリル酸またはメ
タクリル酸が過剰な反応系ではアルコールに対し、一
方、アルコールが過剰な反応系ではアクリル酸またはメ
タクリル酸に対し、通常0.05〜50モル%、好まし
くは0.1〜10モル%の範囲である。
【0018】反応原料として用いられるアルコール類と
しては、脂肪族アルコール、脂環式アルコール及び芳香
族アルコールが挙げられる。
【0019】脂肪族アルコールとしては、アルキル鎖の
炭素数が好ましくは3〜30の直鎖若しくは分岐鎖構造
を有する飽和または不飽和の脂肪族一価アルコールが用
いられる。脂肪族アルコールの具体例としては、プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコ
ール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデ
シルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシア
ルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアル
コール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコ
ール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、
ヘンエイコシアルコール、ドコシルアルコール、トリコ
シルアルコール、テトラコシルアルコール、ペンタコシ
ルアルコール、ヘキサコシルアルコール、ヘプタコシル
アルコール、オクタコシルアルコール、ノナコシルアル
コール、トリアコンシルアルコール、プロペニルアルコ
ール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘ
キセニルアルコール、ヘプテニルアルコール、オクテニ
ルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコー
ル、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、
トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、
ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコー
ル、ヘプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコ
ール、ノナデセニルアルコール、エイコセニルアルコー
ル、ドコセニルアルコール、テトラコセニルアルコー
ル、ヘキサコセニルアルコール、オクタコセニルアルコ
ール、トリアコセニルアルコール、シトロネロール、ゲ
ラニオール、ファルネソール、リノレイルアルコールな
どを挙げることができる。
【0020】脂環式アルコールとしては、炭素数が好ま
しくは5〜30で、五員環以上の環を少なくとも1個有
する飽和または不飽和の環状脂肪族一価アルコールが用
いられる。また、この脂環式アルコールは、環に炭素数
1〜20の飽和または不飽和のアルキル基またはアルケ
ニル基が1個以上置換されていてもよい。このような脂
環式アルコールとしては、たとえばシクロペンチルアル
コール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルア
ルコール、シクロオクチルアルコール、シクロノニルア
ルコール、シクロデシルアルコール、シクロウンデシル
アルコール、シクロドデシルアルコール、シクロトリデ
シルアルコール、シクロテトラデシルアルコール、シク
ロヘキサデシルアルコール、シクロオクタデシルアルコ
ール、ジシクロデシルアルコール、ジシクロウンデシル
アルコール、ジシクロドデシルアルコール、トリシクロ
デシルアルコール、トリシクロウンデシルアルコール、
トリシクロドデシルアルコール、メチルシクロペンチル
アルコール、エチルシクロペンチルアルコール、プロピ
ルシクロペンチルアルコール、ブチルシクロペンチルア
ルコール、メチルシクロヘキシルアルコール、エチルシ
クロヘキシルアルコール、プロピルシクロヘキシルアル
コール、ブチルシクロヘキシルアルコール、ヘキシルシ
クロヘキシルアルコール、オクチルシクロヘキシルアル
コール、ノニルシクロヘキシルアルコール、デシルシク
ロヘキシルアルコール、ドデシルシクロヘキシルアルコ
ール、ペンタデシルシクロヘキシルアルコール、オクタ
デシルシクロヘキシルアルコール、エイコシルシクロヘ
キシルアルコール、ジメチルシクロヘキシルアルコー
ル、メチルプロピルシクロヘキシルアルコール、シクロ
ペンテニルアルコール、シクロヘキセニルアルコール、
シクロオクテニルアルコール、シクロデセニルアルコー
ル、ジシクロデセニルアルコール、プロペニルシクロヘ
キシルアルコール、ヘキセニルシクロヘキシルアルコー
ル、オクテニルシクロヘキシルアルコール、デセニルシ
クロヘキシルアルコール、ドデセニルシクロヘキシルア
ルコール、シクロペンチルカルビノール、シクロヘキシ
ルカルビノール、シクロオクチルカルビノール、ジシク
ロデシルカルビノール、ジシクロドデシルカルビノー
ル、トリシクロデシルカルビノール、メチルシクロペン
チルカルビノール、ブチルシクロペンチルカルビノー
ル、エチルシクロヘキシルカルビノール、オクチルシク
ロヘキシルカルビノール、デシルシクロヘキシルカルビ
ノール、シクロヘキセニルカルビノール、シクロオクテ
ニルカルビノール、ジシクロデセニルカルビノール、ジ
メチルシクロヘキシルカルビノール、メチルプロピルシ
クロヘキシルカルビノール、ボルネオール、カルベオー
ル、メントール、テルピネオール、ピノカンフェオー
ル、カジノール、カロトールなどを挙げることができ
る。
【0021】芳香族アルコールとしては、炭素数が好ま
しくは7〜30で、芳香環を少なくとも1個有し、かつ
アルコール性水酸基1個を有する一価アルコールが用い
られる。またこの芳香族アルコールは、その芳香環に炭
素数1〜20の飽和または不飽和のアルキル基またはア
ルケニル基が1個以上置換されていてもよい。このよう
な芳香族アルコールとしては、たとえばベンジルアルコ
ール、メチルベンジルアルコール、プロピルベンジルア
ルコール、ブチルベンジルアルコール、ヘキシルベンジ
ルアルコール、オクチルベンジルアルコール、ノニルベ
ンジルアルコール、デシルベンジルアルコール、ドデシ
ルベンジルアルコール、ペンタデシルベンジルアルコー
ル、オクタデシルベンジルアルコール、エイコシルベン
ジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、トリメ
チルベンジルアルコール、ジブチルベンジルアルコー
ル、ジオクチルベンジルアルコール、メチルエチルベン
ジルアルコール、メチルプロピルベンジルアルコール、
メチルブチルベンジルアルコール、ジメチルブチルベン
ジルアルコール、メチルフェニルベンジルアルコール、
オクテニルベンジルアルコール、ドデセニルベンジルア
ルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピ
ルアルコール、フェニルブチルアルコールなどを挙げる
ことができる。
【0022】反応原料であるアクリル酸またはメタクリ
ル酸とアルコールの使用割合は、用いるアルコールの沸
点により適宜選ぶことが望ましい。たとえば、常圧での
沸点が概略200℃以上のアルコールを用いてエステル
化反応を行う場合には、アルコールの沸点が高いため
に、反応後の蒸留操作において、未反応のアルコールの
分離除去が困難であることから、通常アクリル酸または
メタクリル酸に対するアルコールのモル比が小さい、す
なわちアクリル酸またはメタクリル酸が過剰な反応系で
エステル化反応を行うのが好ましい。
【0023】一方、常圧での沸点が概略200℃以下の
アルコールを用いてエステルを製造する場合には、前記
のようにアクリル酸またはメタクリル酸が過剰な反応系
でエステル化反応を行ってもよいし、逆にアルコールが
過剰な反応系で該反応を行ってもよい。
【0024】具体的には、アクリル酸またはメタクリル
酸が過剰な反応系では、アルコール1モルに対し、アク
リル酸またはメタクリル酸が通常1〜7モル、好ましく
は1〜4モルの割合で用いられ、一方、アルコールが過
剰な反応系では、アクリル酸またはメタクリル酸1モル
に対し、アルコールが通常1〜50モル、好ましくは1
〜20モルの割合で用いられる。
【0025】本発明で使用しうる溶媒としては、副生す
る水を共沸除去しうるような溶媒、たとえば水と共沸混
合物を形成して、沸点が水の沸点より低くなるような溶
媒である。
【0026】このような溶媒としては、たとえばペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、石油エー
テル、石油ベンジン、ナフサ、ガソリン、灯油、リグロ
イン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭
化水素化合物、あるいはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチ
ルベンゼン、クメン、その他炭素数9〜11の芳香族炭
化水素や、クロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水
素などの芳香族化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチル
エーテルなどの水不溶性エーテルなどが挙げられ、これ
らは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0027】溶媒の使用量は、(アクリル酸またはメタ
クリル酸+アルコール)の仕込量100重量部に対し、
溶媒が通常3〜500重量部、好ましくは10〜100
重量部である。
【0028】アクリル酸またはメタクリル酸とアルコー
ルとのエステル化反応の反応温度は、通常50〜250
℃、好ましくは80〜200℃の範囲である。反応時間
は、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程
度である。反応は大気圧下で行ってもよいし、生成した
水を容易に除去するために、減圧下で行ってもよい。ま
た留出した水のみを分離し、溶媒や原料を還流させるた
めの分水器を反応装置に設置して、反応を行ってもよ
い。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】実施例1〜9撹拌装置、酸素含有窒素ガス
導入管、冷却管、分水器(ディーンスタークトラップ)
および温度計を取付けた1リットルの四つ口フラスコ
に、表1及び2に示す量のアルコール、アクリル酸また
はメタクリル酸、溶媒、重合禁止剤および酸触媒として
濃硫酸0.50gを仕込んだ。次に、フラスコ内に6v
ol%の酸素を含有した窒素ガスを表1及び2に示す流
量で導入し(但し、実施例9は、6vol%酸素含有窒
素の代わりに純窒素を導入した)、液相部にバブリング
しながら反応混合物を油浴中で加熱、撹拌した。この条
件下で、溶媒と副生する水が共沸し始めてから、表1に
示した反応時間、大気圧下に分水器で水を共沸除去しな
がら溶媒のみをフラスコ内に還流して反応を続けた。フ
ラスコ内の反応混合物の温度は、表1及び2に示す通り
であった。
【0031】反応終了後に、3wt%−NaOH水溶液
でアルカリ洗浄し、引き続いて水洗し、さらにロータリ
ーエバポレータを使用して油相を濃縮(溶媒留去)し、
目的物のエステルを得た。生成物のガスクロマトグラフ
ィー分析により得たアルコールの転化率とエステルの収
率を表1及び2に示した。
【0032】なお、アクリル酸またはメタクリル酸の重
合物は、反応液に不溶のポップコーンポリマーとなるた
め、目視によりその有無を確認し、生成エステルの重合
物の有無は、精製したエステルにメタノールを添加し、
白濁するか否かを目視により判定し、その結果を表1及
び2に示した。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】表1及び2中、*1〜5は、次の通りであ
る。*1:反応温度は、溶媒と水の共沸状態における反
応液相の温度で示した。*2:重合物Aは、アクリル酸
またはメタクリル酸の重合物を示す。*3:重合物B
は、生成エステルの重合物を示す。*4:エステルの色
相は、精製エステルを「JIS K 2580」による
方法で測定し、ASTM色として示した。*5:三菱油
化社製ドバノール25(炭素数12〜15のアルキルア
ルコールの異性体混合物)。
【0035】比較例1〜6比較例1〜6においては、原
料、溶媒、重合禁止剤等を表3に示す量で仕込んだ以外
は、実施例1〜9と同様にしてエステル化反応を行っ
た。これらの結果を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】表3中、*1〜4は表1及び2と同様であ
り、*6〜8は、次の通りである。*6:BHTは、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールである。*
7:チバガイギー社製イルガノックス1010、化学
名:テトラキス−[メチレン−3−(3´,5´−ジ−
t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン。*8:反応を途中で中止したため、アルコ
ールの転化率およびエステルの収率は得られなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明のアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルの製造方法によれば、アクリル酸若しく
はメタクリル酸、またはこれらの反応生成物であるエス
テルの重合を効果的に抑制できるとともに、生成物エス
テルの着色をも抑制することができる。
【0039】本発明の重合禁止剤の使用に加えて、0.
1〜10vol%の酸素を含む不活性ガスを反応液中に
供給することにより、より一層の重合抑制効果が得られ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/02 103 X 7821−4G C07C 67/08 8018−4H 67/62 8018−4H // C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒及び溶媒の存在下、アクリル酸又
    はメタクリル酸とアルコールとを反応させてそのエステ
    ルを製造するにあたり、重合禁止剤として、1つのベン
    ゼン環につき少なくとも1つのアルキル基および少なく
    とも2つの水酸基を有する芳香族化合物を用いることを
    特徴とするアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 重合禁止剤の芳香族化合物中のアルキル
    基の炭素数が1〜10であることを特徴とする請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 0.1〜10vol%の酸素を含む不活
    性ガスを反応液中に供給することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の方法。
JP4128363A 1992-05-21 1992-05-21 アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 Withdrawn JPH05320095A (ja)

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