JPH0531610Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、内視鏡の先端構成部、詳しくは、対
物レンズを含む観察光学系、照明光学系および処
置具挿通用チヤンネル等の内視鏡内蔵物の各先端
部を固定する内視鏡の先端構成部に関する。

［従来の技術］ 従来のこの種の内視鏡における先端構成部は、
対物レンズを含む観察光学系、照明窓用レンズを
有する照明光学系やイメージガイド（以下、IG
という）、ライトガイド（以下、LGという）、鉗
子チヤンネルパイプ、送気・送水パイプ等の内視
鏡構成要素の各先端部がそれぞれ嵌入される嵌着
孔が機械加工によつて精密に穿設され、洗浄した
上で各構成要素が上記嵌入孔にそれぞれ、ハンダ
付けや接着剤あるいはネジ止め等によつて固定さ
れるようになつていた。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、上述したような内視鏡構成要素の先
端構成部への取付固定手段においては、上記嵌着
孔は高精度の精密加工が要求され、ハンダ付、接
着等の衝合面の清浄度も厳しく要求される等、組
立工程およびその工程管理も大変でコスト高なも
のとなつていた。また、着脱を必要とする構成要
素に対してはネジ止めによつて固定するようにし
ていたが、細径のため、ネジ加工が極めて厄介で
あり、バリが出やすく、またネジの締め過ぎによ
るIG，LG等の破損や、締め不足のためのIG.LG
の移動（ピンボケが生じる）等が生じるという問
題点を有していた。

このために、上記先端構成部をゴム材等の弾力
性材で形成し、上記各構成要素の嵌着孔に弾力性
を持たせ、これらの嵌着孔に各構成要素をそれぞ
れクリツクストツプ機構を介して差し込むように
したものも既に知られている（実開昭58−54805
号公報参照）。しかし、このようにしても各構成
要素にクリツクストツプ機構がそれぞれ必要であ
るため、その分だけ各構成要素の径が大きくな
り、内視鏡先端部の外径も太くなるという欠点が
あり、しかも弾性部材からなる先端構成部に外力
が加わると変形し、嵌着孔と差し込まれた構成要
素との間に隙間が生じて、水洩れが生ずるという
欠点を生じていてた。

従つて、本考案の目的は、上述したような従来
の内視鏡の先端構成部が有する欠点を解決するた
めに、先端構成部内に、内蔵される内視鏡構成要
素の先端部を総ての性能を高度に維持し、確実
に、しかも極めて容易に固定できる内視鏡の先端
構成部を提供するにある。

［問題点を解決するための手段および作用］ 本考案は、上記目的を達成するために、上記内
視鏡先端構成部を、上記内蔵物の各先端部の一つ
以上が緊密に嵌入する嵌着孔の穿設された弾性体
で形成し、該嵌着孔に内蔵物先端部を嵌入したの
ち、弾性先端構成部を軸方向および／または径方
向に圧縮部材により締め付けて、上記嵌着孔の径
を圧縮して縮小させることによつて、上記内蔵物
先端部を固定するようにしたことを特徴とする。

［実施例］ 以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

第２図は、本考案が適用された内視鏡の全体構
成を示す斜視図であつて、第３図は、上記第２図
における内視鏡の先端部の拡大斜視図である。第
２，３図において符号１は内視鏡、２は操作部本
体、３は体腔内挿入部、４は弯曲部、５は先端
部、６はライトガイドケーブル、７は操作部本体
２に設けられた弯曲、送気・送水等の操作部材、
８は接眼部、９は鉗子挿入孔、１１は先端部５に
おける先端構成部、１２ａは観察用窓、１３は照
明用窓、１４は鉗子チヤンネル、１５は送気・送
水用ノズルをそれぞれ示している。そして、内視
鏡１は周知のように体腔内挿入部３が体腔内に挿
入され、その先端部５の照明用窓１３から体腔内
患部を照明し、同患部を観察窓１２ａを通じて接
眼部８で観察するようになつている。

このように構成された内視鏡における、本考案
による先端部５は第１図に示すように構成されて
いる。即ち、先端部５の主体を構成する先端構成
部１１はゴム材等の弾性材からなり、観察用窓１
２ａ、対物レンズ１２を含む観察光学系レンズを
保持する対物枠１６、照明用窓１３を含む照明光
学系を保持する照明枠２５、鉗子チヤンネル１４
を構成する鉗子チヤンネルパイプ２８、この鉗子
チヤンネルパイプ２８と連結するチヤンネルチユ
ーブ２９等の内視鏡に内蔵された各構成要素の先
端部がそれぞれ嵌着される嵌着孔１０１，１０
２，１０３がそれぞれ設けられていて、これらの
嵌着孔１０１，１０２，１０３の孔径は、それぞ
れに嵌入される内蔵構成要素の外径と同等か僅か
に小さくしてある。

そして、上記嵌着孔１０１，１０２，１０３に
それぞれ嵌着される対物枠１６、照明枠２５、鉗
子チヤンネルパイプ２８および同チヤンネルチユ
ーブ２９の先端部をそれぞれ差し込み、位置出し
をした後、先端構成部１１の外周面に予じめ嵌め
込まれていた収縮リング３３を外周から締め付
け、収縮させることによつて、先端構成部１１を
圧縮して密度を上げ上記嵌着孔１０１，１０２，
１０３とそれぞれに嵌入された対物枠１６、照明
枠２５、鉗子チヤンネルパイプ２８および同チヤ
ンネルチユーブ２９とを互いに密着させて締結固
定させる。このように密着して固定することによ
つて、水密性も確保されるが、更に各嵌着孔１０
１〜１０３に上記各内蔵構成要素１６，２５，２
８，２９を差し込む際に、シリコンゴム系の経時
硬化型の充填剤を各嵌着孔１０１〜１０３の内面
に塗布して水密性を向上させても良い。

また、上記対物枠１６、照明枠２５に、それぞ
れ嵌着されるIG１７の口金２４，LG２６の口金
２７の軸方向の固定は、対物枠１６、照明枠２５
の嵌合部に軸方向のスリツト（図示されず）を設
け、それぞれの嵌着孔１０１，１０２が圧縮され
たとき、それによつて対物枠１６、照明枠２５が
収縮して上記口金２４，２７をそれぞれしつかり
と固定する。また、上記収縮リング３３の後端側
には弯曲部４（第２図参照）を構成する関節々輪
３０を嵌入させ係止ピン３８で固定し、その外周
面を弯曲ゴムチユーブ３２で覆い、これを糸３７
で縛り込んで接着固定する。このままでも支障は
ないが、外観上、上記金属製の収縮リングの露出
を避けるために非金属の絶縁性の外周リング３６
で覆うようにしてある。

なお、上記収縮リング３３の収縮方法は、スウ
エージング加工によるものや単なるプレス加工に
よつて行なつても良く、また内蔵する構成要素を
先端構成部１１から引き抜いて再利用する場合を
考慮して上記収縮リング３３に２方向性SMA（形
状記憶合金）を使用し、温度制御により締め付け
を行なうようにしても良い。

また、本実施例においては、上記対物枠１６、
照明枠２５、鉗子チヤンネルパイプ２８等を同時
に固定する場合について説明したが、これは何れ
か１つの場合でも良く、更に上記構成要素に限る
ことなく、例えば送気・送水ノズルおよびその管
路等の構成枠であつても良い。更に、本実施例で
は先端構成部１１を径方向に縮小するようにして
いるが、同先端構成部１１を軸方向に圧縮して、
上記嵌着孔１０１，１０２，１０３の径を縮少し
ても良い。軸方向の圧縮手段は、先端構成部１１
の先端面と後端面とをネジ部材を介して円板で挟
み込んで圧縮するようにすれば良い。この圧縮に
よつて上記各嵌着孔１０１，１０２，１０３等の
径も縮小される。また、上記圧縮手段は径方向と
軸方向との両方を同時に行なうようにしても良
い。

なお、本実施例は直視型内視鏡について述べた
が、側視型内視鏡についても適用できることは勿
論である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、 弾性体は成型加工で容易に形成でき、金属加
工で形成する従来のものより安価になる。

対物枠、照明枠等の固定に、従来のもののよ
うに接着、ハンダ付、ネジ止め等を使用せず、
収縮リングの一加工だけで全てを一回で固定で
き、ハンダ付後の洗浄、ネジ加工およびネジも
不要となるため、簡単に安価に各要素の固定が
できる。

２方向性SMAを収縮リングに使うと修理も
容易になる。

各孔の間隔をつめることができるため、先端
部の外径が小さくなる。

等の顕著な効果を発揮し、従つて、内視鏡先端構
成部内に内蔵される内視鏡構成要素の先端部を総
ての性能を高度に維持して、確実にしかも極めて
容易に固定できる、従来のこの種の固定手段にお
ける欠点を見事に解消した内視鏡の先端構成部を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す内視鏡先端
構成部の断面図、第２図は、本考案が適用された
内視鏡の全体構成を示す斜視図、第３図は、第２
図における内視鏡の先端部の拡大斜視図である。 １……内視鏡、１１……先端構成部、１２，１
２ａ……観察光学系（対物レンズ）、１３……照
明光学系、１４……処置具挿通用チヤンネル、３
３……圧縮部材（収縮リング）、１０１，１０２，
１０３……嵌着孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 対物レンズを含む観察光学系、照明光学系およ
   び処置具挿通用チヤンネル等の内視鏡内蔵物の各
   先端部を固定する内視鏡先端構成部において、 上記内視鏡先端構成部を、上記内蔵物の各先端
   部の一つ以上が緊密に嵌入する嵌着孔の穿設され
   た弾性体で形成し、該嵌着孔に内蔵物先端部を嵌
   入したのち、弾性先端構成部を軸方向および／ま
   たは径方向に圧縮部材により締め付けて、上記嵌
   着孔の径を圧縮して縮小させることによつて上記
   内蔵物先端部を固定するようにしたことを特徴と
   する先端構成部。