JPH05315085A - インバータ式x線装置 - Google Patents

インバータ式x線装置

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JPH05315085A
JPH05315085A JP13562992A JP13562992A JPH05315085A JP H05315085 A JPH05315085 A JP H05315085A JP 13562992 A JP13562992 A JP 13562992A JP 13562992 A JP13562992 A JP 13562992A JP H05315085 A JPH05315085 A JP H05315085A
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野 博 司 高
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インバータ式X線装置において、メタルX線
管と呼ばれるX線管を備えたものにおいてもそのX線管
の陽極・アース間電圧と陰極・アース間電圧とを均衡さ
せる。 【構成】 変圧器6の二つの脚13a,13bに巻かれ
た二次巻線は、それぞれ更に偶数個に分割し、各々の脚
13a,13bの偶数個の二次巻線4b1,4b2;5b
1,5b2のうち半数のもの同士4b1,5b1を直列接続
してX線管12の陽極9に接続された一方の整流器7に
接続すると共に、残りの半数のもの同士4b2,5b2
直列接続して上記X線管12の陰極10に接続された他
方の整流器8に接続したものである。これにより、上記
一方の整流器7を介してX線管12の陽極9側に電力を
供給する回路と、他方の整流器8を介して陰極10側に
電力を供給する回路とが全く対称に構成されたこととな
り、負荷としてのX線管12の陽極・アース間電圧Va
と陰極・アース間電圧Vkとを均衡させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電源からの直流電
圧をインバータを用いて交流電圧に変換し、その出力電
圧を昇圧すると共に整流して直流電圧をX線管に供給し
てX線を放射するインバータ式X線装置に関し、特に変
圧器が2脚に分かれていると共に出力が直列接続された
二つの整流器を有しメタルX線管と呼ばれるX線管を備
えた装置において、上記X線管の陽極・アース間電圧と
陰極・アース間電圧とを均衡させることができるインバ
ータ式X線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のインバータ式X線装置
は、図6に示すように、直流電源1と、この直流電源1
からの直流を受電して交流に変換するインバータ2と、
このインバータ2に接続されその出力電圧によって共振
電流を生じさせる共振素子3と、鉄心の二つの脚にそれ
ぞれ分けて巻かれ上記共振素子3に並列に接続された第
一の一次巻線4a及び第二の一次巻線5aを有すると共
にこの各一次巻線4a,5aに対応して巻かれた第一の
二次巻線4b及び第二の二次巻線5bを有し上記共振素
子3からの出力電圧E2を昇圧する変圧器6と、この変
圧器6の第一及び第二の二次巻線4b,5bにそれぞれ
接続されその出力を直流に変換する第一の整流器7及び
第二の整流器8と、上記一方の整流器7に陽極9が接続
されると共に他方の整流器8に陰極10が接続され且つ
容器の一部が金属で形成されこの金属部11を上記第一
の整流器7及び第二の整流器8の出力が直列に接続され
た部位に接続し更にこの接続部位がアースに接続され上
記第一及び第二の整流器7,8の出力電圧によってX線
を放射するX線管12とを有して成っていた。なお、上
記共振素子3は一つのコンデンサから成り、また、上記
X線管12はメタルX線管と呼ばれるものである。
【0003】このようなインバータ式X線装置において
は、X線管12の陽極・アース間電圧Vaと、陰極・ア
ース間電圧Vkとを、それぞれ陽極・陰極間電圧(以下
「管電圧」という)の半分に見積もり、変圧器6及び整
流器7,8並びにX線管12の耐圧設計を容易とするこ
とができる。例えば、最大管電圧が150kVのX線装置で
は、変圧器6の二次巻線の耐圧や、X線管12の陽極9
及び陰極10の対アース電圧は、それぞれその1/2の
75kVに見積もればよいとされる。
【0004】図7は図6における変圧器6の構造を一部
断面して示した説明図である。側面視でロの字形の鉄心
13の一方の脚13aには第一の一次巻線4aと第一の
二次巻線4bとが巻かれており、他方の脚13bには第
二の一次巻線5aと第二の二次巻線5bとが巻かれてい
る。そして、X線装置に使用される変圧器6は、高電圧
側になる二次巻線と低電圧側になる一次巻線との間の電
圧差が大きくなるために、それぞれの一次巻線4a,5
aと二次巻線4b,5bとの間に、所定の距離をあける
と共に絶縁物(図示省略)を介在させなければならな
い。このことから、磁束の一部が上記一次巻線4a,5
aと二次巻線4b,5bとの間を通過し、又は各巻線と
鉄心13との間を通過して漏れ磁束が生じ易いという特
徴がある。従って、一部の磁束は上記鉄心13を通ら
ず、見かけ上、第一の一次巻線4aと二次巻線4bとで
一つの変圧器を構成し、第二の一次巻線5aと二次巻線
5bとでもう一つの変圧器を構成しているとみなすこと
ができる。なお、上記の漏れ磁束は漏れインダクタンス
として作用し、別に設けられたコンデンサ3と共に共振
電流を生じさせ、高電圧を発生させるために積極的に用
いることもできる。
【0005】このような状態で、図6において、変圧器
6の第一の二次巻線4bの出力は第一の整流器7で整流
され、電流It′が、第一の整流器7→X線管12の陽
極9→陰極10→第二の整流器8の回路で流れる。この
とき、上記X線管12の陰極10から発生する熱電子の
一部は、容器の金属部11を介してアースに流れ込み、
電流Ic′が、第二の整流器8→X線管12の金属部1
1→陰極10→第二の整流器8の回路で流れる。すなわ
ち、上記第一の二次巻線4bは、第一の整流器7を介し
て電流It′を供給し、第二の二次巻線5bは、第二の
整流器8を介して電流It′とIc′とを供給することと
なる。このことから、上記変圧器6において、第二の二
次巻線5bに流れる電流は、第一の二次巻線4bに流れ
る電流よりもIc′だけ多くなる。ここで、前述のよう
に、変圧器6は、第一の一次巻線4a及び二次巻線4b
から成る第一の変圧器と、第二の一次巻線5a及び二次
巻線5bから成る第二の変圧器とに分けて考えられるか
ら、第二の一次巻線5aに流れる電流Ik′は、第一の
一次巻線4aに流れる電流Ia′よりも大きくなる。つ
まり、インバータ2の出力側から見ると、X線管12に
電力を供給する回路のうち、陰極10側の回路は陽極9
側の回路よりも負荷インピーダンスが低いとみなすこと
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のインバータ式X線装置において、X線管12の容器
の一部が金属で形成されると共にこの金属部11がアー
スに接続されている場合は、上記の金属部11によって
陽極・アース間電圧Vaと陰極・アース間電圧Vkとに不
均衡が生じ、特に陽極・アース間に生じた高電圧によっ
て装置の一部が破壊するおそれがあった。この現象につ
いて、図8及び図9を参照して説明する。
【0007】図8は従来のインバータ式X線装置におい
て、変圧器6の第一の一次巻線4a及び第二の一次巻線
5aに入力される電圧と電流との関係を示すグラフであ
る。このグラフからわかるように、陰極10の側のイン
ピーダンスが小さいと、第二の一次巻線5aに流れる電
流Ik′(破線で示す)が、第一の一次巻線4aに流れる
電流Ia′(実線で示す)よりもわずかに大きくなり、同
時に一次巻線側に供給される電圧E2に対して位相が少
し遅れる。ここで、共通の電圧源(E2)から見た第一
の一次巻線4aのリアクトルをL1,第二の一次巻線5
aのリアクトルをL2とし、さらにX線管12の陽極9
側の負荷抵抗をRa,陰極10側の負荷抵抗をRkとし、
電圧源の角周波数をωとすると、電圧源に対する電流I
a′,Ik′の位相は、 となる。いま、例えば、陽極側の負荷抵抗Raに比べて
陰極側の負荷抵抗Rkが約10%小さいとすると、 Rk≒0.9Ra …(3) であり、 L1=L2 …(4) と考えられるから、上記の式(1)及び式(2)から、
陰極側の負荷抵抗Rkが小さい分だけ、陰極側に供給さ
れる第二の一次巻線5aの電流Ik′の位相が遅れるこ
ととなる。
【0008】上記のように第二の一次巻線5aの電流I
k′の位相が遅れることから、この位相の遅れ分だけ力
率が小さくなり、陰極10側へ供給される出力電力が低
下する。その結果、図9に示すように、陽極・アース間
電圧Vaに比べ陰極・アース間電圧Vkが低下し、両電圧
間で不均衡が生じる。この電圧の差は、図6に示す電流
It′やIc′が大きい程増加し、実用領域で例えば20k
V以上にもなることがある。このように大きな電圧の不
均衡によって、主として陽極・アース間に異常な高電圧
が発生し、変圧器6や整流器7,8又はX線管12の耐
圧を超えることがあり、これらを破壊するおそれがあっ
た。
【0009】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、メタルX線管と呼ばれるX線管を備えた装置にお
いて、上記X線管の陽極・アース間電圧と陰極・アース
間電圧とを均衡させることができるインバータ式X線装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるインバータ式X線装置は、直流電源
と、この直流電源からの直流を受電して交流に変換する
インバータと、このインバータに接続されその出力電圧
によって共振電流を生じさせる共振素子と、鉄心の二つ
の脚にそれぞれ分けて巻かれ上記共振素子に並列に接続
された第一の一次巻線及び第二の一次巻線を有すると共
にこの各一次巻線に対応して巻かれた第一の二次巻線及
び第二の二次巻線を有し上記共振素子からの出力電圧を
昇圧する変圧器と、この変圧器の第一及び第二の二次巻
線にそれぞれ接続されその出力を直流に変換する第一の
整流器及び第二の整流器と、上記一方の整流器に陽極が
接続されると共に他方の整流器に陰極が接続され且つ容
器の一部が金属で形成されこの金属部を上記第一の整流
器及び第二の整流器の出力が直列に接続された部位に接
続し更にこの接続部位がアースに接続され上記第一及び
第二の整流器の出力電圧によってX線を放射するX線管
とを有するインバータ式X線装置において、上記変圧器
の二つの脚に巻かれた二次巻線は、それぞれ更に偶数個
に分割し、各々の脚の偶数個の二次巻線のうち半数のも
の同士を直列接続して上記X線管の陽極に接続された一
方の整流器に接続すると共に、残りの半数のもの同士を
直列接続して上記X線管の陰極に接続された他方の整流
器に接続したものである。
【0011】また、第二の発明によるインバータ式X線
装置は、上記と同様の直流電源と、インバータと、共振
素子と、変圧器と、第一及び第二の整流器と、X線管と
を有するインバータ式X線装置において、上記変圧器の
二つの脚に巻かれた一次巻線は、それぞれ更に偶数個に
分割し、各々の脚の偶数個の一次巻線のうち半数のもの
同士を直列接続して上記共振素子とインバータに接続す
ると共に、残り半数のもの同士を直列接続して上記の共
振素子とインバータに並列に接続したものである。
【0012】
【作用】このように構成されたインバータ式X線装置
は、変圧器の二つの脚に巻かれた二次巻線をそれぞれ更
に偶数個に分割すると共に、各々の偶数個の二次巻線の
うち半数ずつを直列接続して互いに一方の整流器及び他
方の整流器に接続することにより、上記一方の整流器を
介してX線管の陽極側に電力を供給する回路と、他方の
整流器を介して陰極側に電力を供給する回路とが全く対
称に構成されたこととなり、上記変圧器の二つの一次巻
線に流れる電流に位相差が生じないようにすることがで
き、上記X線管の陽極・アース間電圧と陰極・アース間
電圧とを均衡させることができる。
【0013】また、第二の発明によるインバータ式X線
装置は、変圧器の二つの脚に巻かれた一次巻線をそれぞ
れ更に偶数個に分割すると共に、各々の脚の偶数個の一
次巻線のうち半数ずつを直列接続して互いに共振素子と
インバータに並列に接続することにより、一方の整流器
を介してX線管の陽極側に電力を供給する回路と、他方
の整流器を介して陰極側に電力を供給する回路とが全く
対称に構成されたこととなり、上記変圧器の二つの一次
巻線に流れる電流に位相差が生じないようにすることが
でき、上記X線管の陽極・アース間電圧と陰極・アース
間電圧とを均衡させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明によるインバータ式X線
装置の実施例を示す回路図である。このインバータ式X
線装置は、直流電源からの直流電圧をインバータを用い
て交流電圧に変換し、その出力電圧を昇圧すると共に整
流して直流電圧をX線管に供給してX線を放射するもの
で、図に示すように、直流電源1と、インバータ2と、
コンデンサ3と、変圧器6と、整流器7,8と、X線管
12とを有して成る。
【0015】上記直流電源1は、直流電圧を供給する装
置であり、例えば50Hz又は60Hzの交流の商用電源の電力
を、ダイオードなどの整流素子で整流すると共にコンデ
ンサなどの平滑素子で平滑することによって、擬似的に
直流電圧を得るようになっている。そして、この直流電
圧が後述のインバータ2の入力電圧となる。
【0016】インバータ2は、上記直流電源1から出力
される直流電圧を受電して交流電圧に変換すると共に共
振現象を利用して電力を制御するもので、半導体から成
る四つのスイッチング素子141,142,143,144
を組み合わせてフルブリッジ型に構成されると共に、そ
れらのスイッチング素子141〜144にはそれぞれフラ
イホイールダイオードD1,D2,D3,D4が逆並列接続
されている。なお、上記スイッチング素子141〜144
としては、例えばゲート絶縁型バイポーラトランジスタ
が用いられている。
【0017】コンデンサ3は、インバータ2に並列に接
続され、そのインバータ2の出力電圧によって共振電流
を生じさせる共振素子となるものである。また、変圧器
6は、上記コンデンサ3からの出力電圧を昇圧するもの
で、鉄心の二つの脚13a,13bにそれぞれ分けて巻
かれ上記コンデンサ3に並列に接続された第一の一次巻
線4a及び第二の一次巻線5aを有すると共に、これら
の各一次巻線4a,5aに対応して巻かれた第一の二次
巻線4b及び第二の二次巻線5bを有している。その外
観構造は、図7に示すと同様に構成されている。
【0018】第一の整流器7及び第二の整流器8は、上
記変圧器6の第一の二次巻線4b及び第二の二次巻線5
bにそれぞれ接続され、その出力の交流電圧を直流に変
換するものである。なお、この二つの整流器7,8の出
力は直列に接続されている。
【0019】X線管12は、上記第一及び第二の整流器
7,8の出力電圧が印加されてX線を放射するもので、
熱電子を発生する陰極10と、この陰極10からの熱電
子が衝突することによってX線を発生する陽極9と、こ
の陽極9と陰極10とを収納する容器の一部である金属
部11とを有して成り、メタルX線管と呼ばれるもので
ある。そして、上記第一の整流器7に陽極9が接続され
ると共に、第二の整流器8に陰極10が接続され、且つ
上記第一の整流器7及び第二の整流器8の出力が直列に
接続された部位に金属部11が接続され、更にこの接続
部位がアースに接続されている。
【0020】ここで、本発明においては、上記変圧器6
の二つの脚13a,13bに巻かれた二次巻線を、図1
に示すように、それぞれ更に偶数個、例えば2個に分割
し、各々の脚13a,13bの2個の二次巻線4b1
4b2;5b1,5b2のうち、半数のもの同士を直列接
続して前記X線管12の陽極9に接続された第一の整流
器7に接続すると共に、残り半数のもの同士を直列接続
して上記X線管12の陰極10に接続された第二の整流
器8に接続したものである。すなわち、変圧器6の第一
の脚13aに巻かれた2個の二次巻線4b1,4b2のう
ちの一方の巻線4b1と、第二の脚13bに巻かれた2
個の二次巻線5b1,5b2のうちの一方の巻線5b1
を直列接続して第一の整流器7に接続すると共に、上記
第一の脚13aに巻かれた他方の二次巻線4b2と、第
二の脚13bに巻かれた他方の二次巻線5b2とを直列
接続して第二の整流器8に接続したものである。
【0021】次に、このように構成されたインバータ式
X線装置の動作について説明する。まず、図1におい
て、直流電源1の出力は、次のインバータ2ヘ入力して
交流電圧に変換される。次に、上記インバータ2から出
力される交流電圧は、コンデンサ3と変圧器6の第一の
一次巻線4aとからなる第一の共振回路に供給されると
共に、上記コンデンサ3と変圧器6の第二の一次巻線5
aとから成る第二の共振回路に供給される。このとき、
上記第一の共振回路においては、コンデンサ3と、上記
変圧器6の第一の一次巻線4a及び2個の二次巻線4b
1,4b2の間に生じる漏れインダクタンスとによって、
共振電流Iaが流れる。そして、この共振電流Iaによっ
て、上記2個の二次巻線4b1,4b2から交流電圧が出
力される。同様に、上記第二の共振回路においては、コ
ンデンサ3と、上記変圧器6の第二の一次巻線5a及び
2個の二次巻線5b1,5b2の間に生じる漏れインダク
タンスとによって、共振電流Ikが流れる。そして、こ
の共振電流Ikによって、上記2個の二次巻線5b1と5
2から交流電圧が出力される。
【0022】ここで、変圧器6の第一の脚13aに巻か
れた一方の二次巻線4b1と第二の脚13bに巻かれた
一方の二次巻線5b1とは、直列に接続されると共に、
第一の整流器7に接続されているので、各二次巻線4b
1,5b1からの出力電圧の和が上記整流器7に供給さ
れ、直流に変換されて、負荷であるX線管12の陽極9
から陰極10へ流れる電流Itを供給する。また、上記
変圧器6の第一の脚13aに巻かれた他方の二次巻線4
2と第二の脚13bに巻かれた他方の二次巻線5b2
は、直列に接続されると共に、第二の整流器8に接続さ
れているので、各二次巻線4b2,5b2からの出力電圧
の和が上記整流器8に供給され、直流に変換されて、負
荷であるX線管12の陽極9から陰極10へ流れる電流
Itと、容器の金属部11から陰極10へ流れる電流Ic
とを供給する。
【0023】結局、変圧器6の第一の一次巻線4aの電
流Iaと第二の一次巻線5aの電流Ikとの両者によっ
て、第一の脚13aの一方の二次巻線4b1と第二の脚
13bの一方の二次巻線5b1とを介してX線管12の
陽極9側に電力を供給し、同じく上記の電流Iaと電流
Ikとの両者によって、変圧器6の第一の脚13aの他
方の二次巻線4b2と第二の脚13bの他方の二次巻線
5b2とを介してX線管12の陰極10側に電力を供給
するものである。このことから、図1の実施例は、直流
電源1から第一及び第二の整流器7,8までの回路が、
負荷であるX線管12の陽極9側と、陰極10側とに対
して、全く対称に構成されていると言える。
【0024】図2は図1におけるインバータ2の出力電
圧E1と、第一の一次巻線4aに流れる電流Ia及び第二
の一次巻線5aに流れる電流Ikとの関係を示すグラフ
である。前述のように、変圧器6の第一の脚13aと第
二の脚13bの両者が、それぞれX線管12の陽極9側
と陰極10側の両方に電力を供給する構成となっている
ので、図2に示すように、変圧器6の第一の一次巻線4
aに流れる電流Iaと第二の一次巻線5aに流れる電流
Ikの位相は同一となり、上記インバータ2の出力電圧
1との間に力率の違いが生じない。その結果、図3に
示すように、X線管12の陽極・アース間電圧Vaと陰
極・アース間電圧Vkとは均衡し、陽極9から陰極10
へ流れる管電流Itに拘わらず、常に一定となる。従っ
て、異常な高電圧によるX線管12や整流器7,8及び
変圧器6の破壊を防止することができる。
【0025】図4は本発明の他の実施例を示す回路図で
ある。この実施例は、図1において共振素子としてのコ
ンデンサ3からの出力電圧を昇圧する変圧器を、別個独
立に形成された二つの鉄心のうち一方の第一の脚13a
に第一の一次巻線4a及び2個の二次巻線4b1,4b2
を巻いて成る第一の変圧器6aと、他方の第二の脚13
bに第二の一次巻線5a及び2個の二次巻線5b1,5
2を巻いて成る第二の変圧器6bとで構成したもので
ある。そして、上記第一の変圧器6aがX線管12の陽
極9側の電圧発生に寄与し、第二の変圧器6bが陰極1
0側の電圧発生に寄与するようになっている。
【0026】図5は第二の発明によるインバータ式X線
装置の実施例を示す回路図である。この実施例は、変圧
器6の二つの脚13a,13bに巻かれた一次巻線を、
図5に示すように、それぞれ更に偶数個、例えば2個に
分割し、各々の脚13a,13bの2個の一次巻線4a
1,4a2;5a1,5a2のうち、半数のもの同士を直列
接続してコンデンサ3とインバータ2に接続すると共
に、残り半数のもの同士を直列接続して上記のコンデン
サ3とインバータ2に並列に接続したものである。すな
わち、変圧器6の第一の脚13aに巻かれた2個の一次
巻線4a1,4a2のうちの一方の巻線4a1と、第二の
脚13bに巻かれた2個の一次巻線5a1,5a2のうち
の一方の巻線5a1とを直列接続してコンデンサ3とイ
ンバータ2に接続すると共に、上記第一の脚13aに巻
かれた他方の一次巻線4a2と、第二の脚13bに巻か
れた他方の一次巻線5a2とを直列接続して上記コンデ
ンサ3とインバータ2に並列に接続したものである。こ
の場合も、図1の実施例と同様に、直流電源1から第一
及び第二の整流器7,8までの回路が、負荷であるX線
管12の陽極9側と、陰極10側とに対して、全く対称
に構成されていると言える。
【0027】従って、図5において、変圧器6の第一の
脚13aと第二の脚13bの両者が、それぞれX線管1
2の陽極9側と陰極10側の両方に電力を供給するの
で、第一の脚13aの一方の一次巻線4a1と第二の脚
13bの一方の一次巻線5a1とにながれる電流と、第
一の脚13aの他方の一次巻線4a2と第二の脚13b
の他方の一次巻線5a2とにながれる電流との位相は同
一となる。その結果、図3に示すと同様に、X線管12
の陽極・アース間電圧Vaと陰極・アース間電圧Vkとは
均衡し、管電流Itに拘わらず、常に一定となる。この
ことから、図5の実施例においても、異常な高電圧によ
るX線管12や整流器7,8及び変圧器6の破壊を防止
することができる。なお、このような変圧器6の構成
は、図4の実施例に対して適用してもよい。
【0028】なお、図1、図4又は図5においては、変
圧器6の二つの脚13a,13bに巻かれた二次巻線又
は一次巻線を、それぞれ更に2個に分割したものとして
示したが、本発明はこれに限らず、例えば4個又は6個
に分割してもよい。また、以上説明した図1及び図4並
びに図5の実施例においては、インバータ2を構成する
四つのスイッチング素子としてゲート絶縁型バイポーラ
トランジスタを用いたものとして示したが、本発明はこ
れに限らず、例えばサイリスタまたはバイポーラトラン
ジスタ、電界効果トランジスタなどの他のスイッチング
素子を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
変圧器の二つの脚に巻かれた二次巻線をそれぞれ更に偶
数個に分割すると共に、各々の脚の偶数個の二次巻線の
うち半数ずつを直列接続して互いに一方の整流器及び他
方の整流器に接続することにより、上記一方の整流器を
介してX線管の陽極側に電力を供給する回路と、他方の
整流器を介して陰極側に電力を供給する回路とが全く対
称に構成されたこととなり、上記変圧器の二つの一次巻
線に流れる電流に位相差が生じないようにすることがで
き、上記X線管の陽極・アース間電圧と陰極・アース間
電圧とを均衡させることができる。従って、従来のよう
に主として陽極・アース間に異常な高電圧が発生するの
を防止して、変圧器や整流器又はX線管が破壊するおそ
れを無くすことができる。
【0030】また、図5に示す第二の発明においては、
変圧器の二つの脚に巻かれた一次巻線をそれぞれ更に偶
数個に分割すると共に、各々の脚の偶数個の一次巻線の
うち半数ずつを直列接続して互いに共振素子とインバー
タに並列に接続することにより、上記第一の発明と同様
の効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインバータ式X線装置の実施例
を示す回路図、
【図2】 図1におけるインバータの出力電圧と、第一
の一次巻線に流れる電流Ia及び第二の一次巻線に流れ
る電流Ikとの関係を示すグラフ、
【図3】 X線管の陽極・アース間電圧Vaと陰極・ア
ース間電圧Vkとが均衡する状態を示すグラフ、
【図4】 本発明の他の実施例を示す回路図、
【図5】 第二の発明によるインバータ式X線装置の実
施例を示す回路図、
【図6】 従来のインバータ式X線装置を示す回路図、
【図7】 図6における変圧器の構造を一部断面して示
す説明図、
【図8】 従来のインバータ式X線装置において、変圧
器の第一の一次巻線及び第二の一次巻線に入力される電
圧と電流との関係を示すグラフ、
【図9】 従来例において、陽極・アース間電圧Vaに
比べ陰極・アース間電圧Vkが低下し、両電圧間で不均
衡が生じる状態を示すグラフ。
【符号の説明】
1…直流電源、 2…インバータ、 3…コンデンサ、
4a,4a1,4a2,5a,5a1,5a2…一次巻
線、 4b,4b1,4b2,5b,5b1,5b2…二次
巻線、 6,6a,6b…変圧器、 7,8…整流器、
9…陽極、10…陰極、 11…金属部、 12…X
線管、 13…鉄心、 13a,13b…脚、 Ia…
陽極側の電流、 Ik…陰極側の電流、 Va…陽極・ア
ース間電圧、 Vk…陰極・アース間電圧。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源と、この直流電源からの直流を
    受電して交流に変換するインバータと、このインバータ
    に接続されその出力電圧によって共振電流を生じさせる
    共振素子と、鉄心の二つの脚にそれぞれ分けて巻かれ上
    記共振素子に並列に接続された第一の一次巻線及び第二
    の一次巻線を有すると共にこの各一次巻線に対応して巻
    かれた第一の二次巻線及び第二の二次巻線を有し上記共
    振素子からの出力電圧を昇圧する変圧器と、この変圧器
    の第一及び第二の二次巻線にそれぞれ接続されその出力
    を直流に変換する第一の整流器及び第二の整流器と、上
    記一方の整流器に陽極が接続されると共に他方の整流器
    に陰極が接続され且つ容器の一部が金属で形成されこの
    金属部を上記第一の整流器及び第二の整流器の出力が直
    列に接続された部位に接続し更にこの接続部位がアース
    に接続され上記第一及び第二の整流器の出力電圧によっ
    てX線を放射するX線管とを有するインバータ式X線装
    置において、上記変圧器の二つの脚に巻かれた二次巻線
    は、それぞれ更に偶数個に分割し、各々の脚の偶数個の
    二次巻線のうち半数のもの同士を直列接続して上記X線
    管の陽極に接続された一方の整流器に接続すると共に、
    残りの半数のもの同士を直列接続して上記X線管の陰極
    に接続された他方の整流器に接続したことを特徴とする
    インバータ式X線装置。
  2. 【請求項2】 直流電源と、この直流電源からの直流を
    受電して交流に変換するインバータと、このインバータ
    に接続されその出力電圧によって共振電流を生じさせる
    共振素子と、鉄心の二つの脚にそれぞれ分けて巻かれ上
    記共振素子に並列に接続された第一の一次巻線及び第二
    の一次巻線を有すると共にこの各一次巻線に対応して巻
    かれた第一の二次巻線及び第二の二次巻線を有し上記共
    振素子からの出力電圧を昇圧する変圧器と、この変圧器
    の第一及び第二の二次巻線にそれぞれ接続されその出力
    を直流に変換する第一の整流器及び第二の整流器と、上
    記一方の整流器に陽極が接続されると共に他方の整流器
    に陰極が接続され且つ容器の一部が金属で形成されこの
    金属部を上記第一の整流器及び第二の整流器の出力が直
    列に接続された部位に接続し更にこの接続部位がアース
    に接続され上記第一及び第二の整流器の出力電圧によっ
    てX線を放射するX線管とを有するインバータ式X線装
    置において、上記変圧器の二つの脚に巻かれた一次巻線
    は、それぞれ更に偶数個に分割し、各々の脚の偶数個の
    一次巻線のうち半数のもの同士を直列接続して上記共振
    素子とインバータに接続すると共に、残り半数のもの同
    士を直列接続して上記の共振素子とインバータに並列に
    接続したことを特徴とするインバータ式X線装置。
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WO2004036963A1 (ja) * 2002-09-09 2004-04-29 Hitachi Medical Corporation X線発生装置及びこれを用いたx線ct装置
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