JPH05312224A - 電磁連結装置 - Google Patents

電磁連結装置

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JPH05312224A
JPH05312224A JP4142066A JP14206692A JPH05312224A JP H05312224 A JPH05312224 A JP H05312224A JP 4142066 A JP4142066 A JP 4142066A JP 14206692 A JP14206692 A JP 14206692A JP H05312224 A JPH05312224 A JP H05312224A
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JP
Japan
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armature
rotor
slits
friction surface
slit
Prior art date
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JP4142066A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Yoshihara
弘泰 吉原
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Ogura Clutch Co Ltd
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Ogura Clutch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との
密着性を良好にし、鳴き音や吸着音などの異音の発生を
抑制することと装置の小形化とを可能にした装置を提供
することを目的としている。 【構成】 板状アーマチュア34のほゞ同一円周上に、
磁束を迂回させる複数個の円弧状スリット38をほゞ等
間隔で設けた。これら各円弧状スリット38の一端から
アーマチュア34の半径方向に延びる直線状スリット3
9を設けた。これら両方のスリット38,39を設ける
ことによりこれら両スリット38,39で囲まれた円弧
片40を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁コイルの励磁,非励
磁により回転体の回転伝達を断接する電磁クラッチや回
転体の回転を制動する電磁ブレーキ等の電磁連結装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば車両用エンジンのクランクプーリ
と、エアコンデショナ用コンプレッサやパワーステアリ
ング用ポンブ等の補助機械(以下補機という)に設けら
れているプーリとは、変速装置を備えたベルト装置で駆
動連結されており、上記補機が適性回転数よりも高速回
転になることを不要とする補機の場合には、上記変速装
置のプーリ間に電磁クラッチを設け、この電磁クラッチ
を ON −OFF 制御することにより補機の回転数が適性回
転数以上にならないようにし、エンジンの省動力化や補
機の騒音低減,小形軽量化等を図っている。
【0003】この種の電磁クラッチを備えた変速装置
は、従来次のように構成されている。すなわち、機体側
の回転軸に支持された円筒状のハウジング上には、エン
ジンとベルト連結されたロータと、補機としての圧縮機
とベルト連結されたアーマチュアハブとが、軸受を介し
て回転自在かつ軸線方向への移動を規制されて軸線方向
に並設されており、このうちのロータに設けられた環状
溝には、前記ハウジングのフランジに取付け板を介して
支持された環状のフィールドコアが係入されている。フ
ィールドコアの環状溝には、電磁コイルが内設されてお
り、また、アーマチュアハブは前記回転軸のハウジング
からの突出部に固着された円板状のカップリングにボル
ト止めされていて、ロータとアーマチュアハブとの対向
平面間にはアーマチュアハブの平面に板ばねを介して支
持されたアーマチュアが介装されている。
【0004】このように構成されていることにより、エ
ンジンが回転してこれとベルト連結されたロータが回転
しているときに電磁コイルが励磁されると、ロータとア
ーマチュアとを迂回する磁束が形成されることにより、
アーマチュアが板ばねのばね力に抗しロータの摩擦面に
吸着されてアーマチュアとロータとが一体化されるの
で、アーマチュアと回転方向へ一体のアーマチュアハブ
が回転し、アーマチュアハブとベルト連結された圧縮機
が回転する。この状態から電磁コイルが消磁されると、
アーマチュアが板ばねの復元力でロータの摩擦面から離
れてアーマチュアハブが停止し、これとベルト連結され
た圧縮機が停止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように動作する電
磁クラッチにおいては従来、ロータおよびアーマチュア
の構成において問題があった。図10は従来におけるロ
ータの縦断面図、図11は同じく正面図であって、ロー
タ1は断面L字形の環状に形成された内極部材2と、そ
の外周部に溶着された環状の外極部材3とで一体形成さ
れており、外極部材3の周面には、前述したようにエン
ジンとロータ1とを駆動連結するベルト4を添接させる
V溝5が設けられている。そして、図示しない前記アー
マチュアを吸着させる摩擦面6には、同心円状に形成さ
れて円周方向に分割された3条のスリット7が、プレス
打抜き加工によって形成されている。
【0006】このように構成されたロータ1にベルト4
を掛けて回転させた試験の結果におけるロータ摩擦面6
の歪みは、ベルト4の張力BTを100kgとした場
合、図12,13に示すような結果になる。すなわち、
図12は横軸にロータ1の直径方向の位置をとり縦軸に
歪の大きさtをとって示す線図、図13は歪の状態を示
すロータの縦断面図であって、図11における摩擦面6
の中心を通る直線上のA区間a1 〜a2 とB区間b1
2 とにおける歪みの分布は、図12に符号L1,2
示すような曲線になる。ここで、L1 はベルト4を図1
3に符号4Aで示す摩擦面6側のV溝のみに掛けた場合
における曲線を示しており、また、L2 はベルト4を、
図13に符号5Bで示す反摩擦面6側のV溝のみに掛け
た場合における曲線を示している。図12に示す曲線
と、図13に摩擦面6の歪み状態を誇張して示す鎖線6
Aにより明らかなように、ロータ1の摩擦面6には、そ
の内径側と外径側とで異なった波打ち状の歪みが見られ
る。
【0007】また、図14は従来におけるアーマチュア
の縦断面図、図15は同じく正面図であって、このアー
マチュア8は鋼板をプレス打抜きすることにより円板状
に形成されており、その摩擦面11には、同心円状に形
成されて円周方向に分割された2条のスリット9がプレ
ス打抜き加工によって形成されている。10は図に符合
Rで示すように円周方向3等分位置に穿設されて前記板
ばねを固定するリベットのためのリベット孔である。こ
のようなアーマチュア8はプレスで打抜き加工されるの
で、この加工時に内周側から外周側に向って次第に高く
なるような歪みが発生する。
【0008】このように従来の電磁クラッチは、上記の
ような使用条件や製造条件により、またロータ1やアー
マチュア8が磁気回路を構成していることと、これらが
熱間圧延軟鋼板や機械構造用炭素鋼などのように比較的
剛性の低い材料で形成されていることとにより、ロータ
1の摩擦面6やアーマチュア8の摩擦面11に歪みが発
生する。
【0009】したがって、ロータ1の摩擦面6にアーマ
チュア8の摩擦面11が磁気吸着されたのちのトルク立
上がり時において、アーマチュア8の摩擦面11が部分
的にロータ1の摩擦面6に、くっついたり滑ったりする
いわゆるスティックスリップ現象が発生すると、これら
ロータ1やアーマチュア8が加振され易いという問題が
あり、この現象は、摩擦面6,11に磨耗粉が付着して
いるときに顕著に見られる。さらに、円板状ディスクな
どは、円周方向の重量を均一にしたり、部材を等間隔で
取付けたりすると、円周方向に等分割による共振波形が
生じ易く、鳴き音が発生するという問題がある。
【0010】さらに、図16〜図19は本発明に係る電
磁連結装置とアーマチュア以外が同構成でアーマチュア
の半径方向スリットの無いものの試験結果を示し、図1
6は周波数の分析結果を示す線図、図17はマイクロホ
ンの電波波形を示す線図、図18は電磁クラッチの動作
特性を示す線図、図19は吸着音評価結果を示す線図で
ある。図16のFFTアナライザによる周波数分析結果
によると、着脱回数が2000回目において音圧レベル
DBが113dBである。また、図18の動作特性を見
ると、アーマチュアの吸引時間は37.90msであ
る。図19は電磁クラッチをカーエアコン用コンプレッ
サに装着したときの吸着音すなわちアーマチュアがロー
タに当打される音を毎着脱ごとに測定したものであっ
て、着脱回数5000回目において105dBの高い吸
着音があったことを示している。
【0011】また、このような振動による異音発生の問
題は米国特許第3368657号明細書や、米国特許第
3307669号明細書,米国特許第3727736号
明細書に開示されているように、アーマチュアの振動部
分を分割して可聴振動を減衰させるとか、振動の固有周
波数を可聴領域外にするなどの対策が提案されている
が、必ずしも満足すべき効果が期待できないという問題
がある。
【0012】さらに、実公平2−1541号公報に、ダ
ンピング材としてゴムをアーマチュアやロータに当接さ
せることにより振動による異音の発生を小さくすること
が開示されているが、使用履歴が長くなると、ゴムの減
衰効果が低下して振動減衰作用が低下するという問題が
ある。
【0013】本発明は以上のような点に鑑みなされたも
ので、共振周波数の振動モードを変え、摩擦面の密着性
を良好にすることにより、鳴き音や吸着音などの異音の
発生を抑制することと装置の小形化とを可能にした電磁
連結装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明では、ロータの摩擦面にアーマチュアの
摩擦面を吸着させて動力の伝達を行う電磁連結装置にお
いて、前記アーマチュアに、ほゞ同一円周上に配置され
て磁束を迂回させる複数個の円弧状スリットとこの円弧
状スリットの一端からアーマチュアの半径方向に延びア
ーマチュアの内周または外周に開口する直線状スリット
とを設け、これら円弧状スリットと直線状スリットとで
囲まれた円弧片を形成した。
【0015】
【作用】電磁コイルが励磁されると、ロータのスリット
とアーマチュアのスリットとを迂回する磁束が形成さ
れ、アーマチュアはその摩擦面をロータの摩擦面に磁気
吸着されるので、ロータ側の回転体とアーマチュア側の
回転体との間で動力の伝達が行われるが、アーマチュア
がロータに磁気吸着されたのちのトルク立上がり時にお
いては、アーマチュアにスリットで囲まれた円弧片を設
けたことにより、摩擦面同士がよく密着してロータやア
ーマチュアが加振されにくいし、また円周方向に等分割
による共振波形が生じにくく鳴き音が発生しない。
【0016】
【実施例】図1ないし図7は本発明に係る電磁連結装置
をカーエアコン用コンプレッサの電磁クラッチに適用し
た例を示し、図1は電磁クラッチの正面図、図2は図1
のII−II断面図、図3は図2の摩擦面側から見たアーマ
チュアの正面図、図4は図2の摩擦面側から見たロータ
の正面図、図5は図16に対応する周波数の分析結果を
示す線図、図6は図17に対応するマイクロホンの電波
波形を示す線図、図7は図18に対応する電磁クラッチ
の動作特性を示す線図である。
【0017】図1ないし図3において、コンプレッサの
ハウジング21の端面には、環状溝22aを有するフィ
ールドコア22が複数個のボルト23で固定されてい
て、環状溝22a内には、電源に接続された環状の電磁
コイル24が内設されており、フィールドコア22の中
心部には、ハウジング21の円筒部21aがハウジング
本体から突設されている。符号25で示すものは、ハウ
ジング21の円筒部21aに軸受26を介し回転自在に
支持されたロータであって、このロータ25の環状溝2
5aには、電磁コイル24が内設された前記フィールド
コア22の環状部が係合されており、また、ロータ25
の外周には、図示しないエンジン側のVベルト溝に添接
されて張架されたVベルト27を添接させるVベルト溝
25bが転造加工により形成されている。
【0018】一方、ハウジング21の円筒部21内孔に
は、これと同心状に形成されたコンプレッサの回転軸2
8が係入されていて、この回転軸28の係入端部には、
鍔付き円筒状に形成されたアーマチュアハブ29がスプ
ライン嵌合されており、ロータ25との間に間隔をおい
てアーマチュアハブ29に鋲着された正三角形板状のス
トッパプレート30とともにボルト31で固定されてい
る。32は薄形有底円筒状に形成されてストッパプレー
ト30の三角形頂点部に固着された3個のダンパカバー
であって、これら各ダンパカバー32内には圧縮可能な
ダンパーゴム33が装填されている。
【0019】34は円板状に形成されダンパーゴム33
と一体のピン35に支持されてロータ25とダンパカバ
ー32との間に配設されたアーマチュアであって、ロー
タ25の摩擦面25cと対向する摩擦面34aを備えて
おり、電磁コイル24の非励磁時には、ダンパゴム33
の弾発力により図に符号Gで示すエアギャップを隔てて
摩擦面25c,34aを対向させるように構成されてい
る。また、電磁コイル24の励磁時にはダンパゴム33
の弾発力に抗し摩擦面34aが摩擦面25cに吸着され
るように構成されている。
【0020】そして、前記ロータ25の摩擦面となる平
板部には、図4に示すように、径の異なる同心2条の各
同一円周上にほゞ等間隔で配置された複数個ずつの磁束
迂回用円弧状スリット36,37が、ロータ25の平板
部表裏を貫通してプレス打ち抜きされている。また、ア
ーマチュア34には、円弧状に形成されて同一円周上に
ほゞ等間隔で配置された複数個の磁束迂回用円弧状スリ
ット38が表裏を貫通してプレス打ち抜きされており、
各円弧状スリット38の一端からは、アーマチュア34
の半径方向に延びてアーマチュア34の内周に開口する
直線状スリット39が表裏を貫通してプレス打ち抜きさ
れている。このようにして両スリット38,39を設け
ることにより、アーマチュア34には、これら両スリッ
ト38,39で囲まれた円弧片40が形成されている。
さらに、隣接するスリット38の間には、アーマチュア
34の半径方向に延びてアーマチュア34の内周,外周
に開口する分割スリット41がプレス打ち抜きされてい
る。42は前記ピン35をかしめによって固着するピン
孔である。
【0021】以上のように構成された電磁クラッチの動
作を説明する。電磁コイル24が消磁状態にあるときに
エンジンが回転すると、これとベルト連結されたロータ
25が回転するが、このとき、アーマチュア34の摩擦
面34aがダンパゴム33の復元力によりロータ25の
摩擦面25cから離れて摩擦面34a,25c間に所定
のエアギャップGが形成されているので、アーマチュア
34およびこれと一体のストッパプレート30がアーマ
チュアハブ29を介し固定された回転軸28が回転せ
ず、エンジンの回転がコンプレッサに伝達されない。
【0022】この状態から電磁コイル24に通電されて
これが励磁されると、アーマチュア34が、Vベルト2
7を介してエンジンの回転が伝達されているロータ25
に、ダンパゴム33の弾発力に抗して磁気吸着されるの
で、アーマチュア34とストッパプレート30およびア
ーマチュアハブ29からなるアーマチュア組立体が装着
されたコンプレッサの回転軸28に、エンジンの回転が
伝達される。
【0023】そして、上記のような電磁コイル24の励
磁によりアーマチュア34の摩擦面34aがロータ25
の摩擦面25cに磁気吸着されたのちのトルク立上がり
時においては、アーマチュア34にスリット38,39
を設けてこれらのスリット38,39で囲まれた円弧片
40を形成したことにより、摩擦面25c,34a同士
がよく密着し、ロータ25やアーマチュア34が加振さ
れにくいし、また円周方向に等分割による共振波形が生
じにくく鳴き音が発生しない。
【0024】図5は本装置における周波数の分析結果
を、図16に示す従来装置の分析結果に対応して示す線
図であって、FFTアナライザによる周波数の分析結果
は、着脱回数の2000回目において従来は113dB
であった音圧レベルが、本装置においては87dBと低
くなり、周波数特性も特にピークがない。
【0025】また、図6は本装置におけるマイクロホン
の電波波形のあらわれ方を図17に示す従来装置のあら
われ方に対応して示す線図であって、図から明らかなよ
うに鳴き音は大幅に小さくなり、車の運転者などに不快
感を与えることがない。
【0026】さらに、図7は本装置における動作特性
を、図18に示す従来装置における動作特性に対応して
示す線図であって、本装置の動作特性を見ると、アーマ
チュア吸引時間が37.90msから39.90msと
多少長くなるが、実トルク立上がり時間内における波形
の立上がりが従来のように微小に波立ちながら上がって
いかないことから、連結が円滑に行われ、アーマチュア
の剛性を低くしても衝撃が小さく、耐久性が低下するこ
とがない。
【0027】また、図19は横線に着脱回数をとり縦軸
に音圧レベルdBをとって示す線図であって、曲線Aは
従来装置の曲線を示し、曲線Bは本願装置の曲線を示し
ている。図から明らかなように、本願装置における吸着
音の差は、着脱初期を除けば15dB程度であり、車の
運転者などに不快感を与えるような騒音が発生すること
がない。さらに図3においてスリット38,39で囲ま
れた円弧片42を形成し、アーマチュア34の摩擦面3
4aとロータ25の摩擦面25cとの密着性を良くして
摩擦面34cと25cとを小径化したが、伝達トルクが
低下することがない。さらにまた、加工面から見ると、
スリットを打ち抜くプレスの型を変更するだけでよく、
価格が大きく嵩むことがない。
【0028】図8と図9とはそれぞれ本発明の他の実施
例としてのアーマチュアの正面図であって、先ず図18
に示す実施例において、アーマチュア51には、円弧状
に形成されて同一円周上にほゞ等間隔で配置された複数
個の磁束迂回用スリット52が表裏を貫通してプレス打
ち抜きされており、各スリット52の一端からは、アー
マチュア51の半径方向両側へ延びアーマチュア51の
内周に開口する直線状スリット53が、表裏を貫通して
プレス打ち抜きされている。こうすることにより、アー
マチュア51には、両方のスリット52,53で囲まれ
た3個の円弧片54が形成されている。さらに、各スリ
ット52の反スリット53側の端部にはアーマチュア5
1の半径方向両側に延びてアーマチュア51の内周に開
口しないスリット55がプレス打ち抜きされている。こ
のアーマチュア51の作用効果は前記実施例と同じであ
る。
【0029】次に図9に示す実施例において、アーマチ
ュア61には、円弧状に形成されて同一円周上に等間隔
で配置された複数個の磁束迂回用スリット62が表裏を
貫通してプレス打ち抜きされており、各スリット62の
一端からは、アーマチュア61の半径方向両側へ延びア
ーマチュア61の内周に開口するスリット63が、表裏
を貫通してプレス打ち抜きされている。こうすることに
より、アーマチュア61には、両方のスリット62,6
3で囲まれた3個の円弧片64が形成されている。ま
た、隣接するスリット62間には、アーマチュア61の
半径方向へ延びアーマチュア61の外周へ開口するスリ
ット65がプレス打ち抜きされている。このアーマチュ
ア61の作用効果は前記実施例と同じである。
【0030】なお、前記各実施例は、本発明に係る電磁
連結装置をカーエアコン用コンプレッサの電磁クラッチ
に適用した例を示したが、適用する機器を限定するもの
ではなく、また、電磁ブレーキにも適用できて同様の効
果が得られる。さらに、円弧状スリットの一端からアー
マチュアの半径方向に延びてアーマチュアの外周に開口
する直線状スリットを設け、外側に円弧片を形成しても
よい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によればロータの摩擦面にアーマチュアの摩擦面を吸
着させて動力の伝達を行う電磁連結装置において、前記
アーマチュアに、ほゞ同一円周上に配置されて磁束を迂
回させる複数個の円弧状スリットとこの円弧状スリット
の一端からアーマチュアの半径方向に延びアーマチュア
の内周または外周に開口する直線状スリットとを設け、
これら両方のスリットで囲まれた円弧片を形成したこと
により、ロータとアーマチュアとの摩擦面同士の密着性
が良好になり、吸着時におけるロータやアーマチュアの
振動が抑制されるとともに、円周方向に等分割による共
振波形が生じにくいので、吸着音や鳴き音が小さくな
り、環境が良化される。また、ロータとアーマチュアと
を小径化しても大きなトルクの伝達力を確保することが
できるので装置の小形化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁クラッチの正面図である。
【図2】図1のII−II断面図である
【図3】図2の摩擦面側から見たアーマチュアの正面図
である。
【図4】図2の摩擦面側から見たロータの正面図であ
る。
【図5】図16に対応する周波数の分析結果を示す線図
である。
【図6】図17に対応するマイクロホンの電波波形を示
す線図である
【図7】
.図18に対応する電磁クラッチの動作
特性を示す線図である。
【図8】本発明の他の実施例としてのアーマチュアの正
面図である。
【図9】本発明の他の実施例としてのアーマチュアの正
面図である。
【図10】従来におけるロータの縦断面図である。
【図11】従来におけるロータの正面図である。
【図12】従来におけるロータの直径方向の位置と歪の
大きさとの関係線図である。
【図13】従来における歪の状態を示すロータの縦断面
図である。
【図14】従来におけるアーマチュアの縦断面図であ
る。
【図15】従来におけるアーマチュアの正面図である。
【図16】従来における周波数の分析結果を示す線図で
ある。
【図17】従来におけるマイクロホンの電波波形を示す
線図である
【図18】従来における電磁クラッチの動作特性を示す
線図である。
【図19】従来装置と本願発明装置とを比較して示す吸
着音評価結果の線図である。
【符号の説明】
24 電磁コイル 25 ロータ 25c 摩擦面 34 アーマチュア 34a 摩擦面 38 円弧状スリット 39 直線状スリット 40 円弧片 41 分割スリット 51 アーマチュア 52 円弧状スリット 53 直線状スリット 54 円弧片 55 分割スリット 61 アーマチュア 62 円弧状スリット 63 直線状スリット 64 円弧片 65 分割スリット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルの励磁によりこの電磁コイル
    が内設されたロータの摩擦面にアーマチュアの摩擦面を
    吸着させて動力の伝達を行う電磁連結装置において、前
    記アーマチュアに、ほゞ同一円周上に配置されて磁束を
    迂回させる複数個の円弧状スリットと、この円弧状スリ
    ットの一端からアーマチュアの半径方向に延びアーマチ
    ュアの内周または外周に開口する直線状スリットとを設
    け、これら円弧状スリットと直線状スリットとで囲まれ
    た円弧片を形成したことを特徴とする電磁連結装置。
JP4142066A 1992-05-08 1992-05-08 電磁連結装置 Pending JPH05312224A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011142229A1 (ja) * 2010-05-14 2011-11-17 サンデン株式会社 電磁クラッチ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011142229A1 (ja) * 2010-05-14 2011-11-17 サンデン株式会社 電磁クラッチ

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