JPH05310904A - ポリカーボネート系重合体とその製造法及びこれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ポリカーボネート系重合体とその製造法及びこれを用いた電子写真感光体

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JPH05310904A
JPH05310904A JP4137630A JP13763092A JPH05310904A JP H05310904 A JPH05310904 A JP H05310904A JP 4137630 A JP4137630 A JP 4137630A JP 13763092 A JP13763092 A JP 13763092A JP H05310904 A JPH05310904 A JP H05310904A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光導電性を有し、電子写真感光体の電荷輸送
層に電荷輸送物質、電荷輸送物質兼バインダー樹脂とし
て利用可能なポリカーボネート系重合体。 【構成】 式(I)の繰り返し単位、及び又は一般式
(II)の繰り返し単位とを有し、塩化メチレンを溶媒
とする0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元
粘度[ηsp/c]が0.3dl/g以上であるポリカーボ
ネート系重合体 [式(I)中、R1、R2はハロゲン原子、アルキル基又は
アリール基を、a、bは0〜4の整数を、Arは9−エチル
カルバゾール−3−イル等を示し、式(II)中、R3
R4はハロゲン、アルキル基、アリール基又はシクロアル
キル基を、c、dは0〜4の整数を、Xは-CR5R6-(ただ
し、R5及びR6はH、CF、アルキル基又はアリール
基。)、1,1−シクロアルキレン基、α,ω−アルキ
レン基、単結合、-O-、-S-、-SO-又は-SO2-を示
す。]。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリカーボネー
ト系重合体とその製造法及びこれを用いた電子写真感光
体に関する。より詳しくは、本発明は、電子写真感光体
の感光層中の電荷輸送物質、電荷輸送物質兼バインダー
樹脂又はバインダー樹脂、あるいはEL材料等として好
適に利用することができる新規なポリカーボネート系重
合体とその製造法、並びにこのポリカーボネート系重合
体を用いて製造される耐刷性及び電子写真特性に優れた
電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは様々な分野で素材と
して用いられているが、用途分野の拡大に伴って更に性
能の優れたものの開発が望まれている。
【0003】最近の電子写真感光体においては、積層型
の電子写真感光体、即ち、感光層が、露光により電荷を
発生させる電荷発生層(CGL)と電荷を輸送する電荷
輸送層(CTL)との少なくとも2層を有する積層型の
有機電子写真感光体(OPC)や、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送物質をバインダー樹脂に分散させた単一
層からなる単層型の電子写真感光体が提案され利用され
ている。積層型の電子写真感光体の電荷輸送層及び単層
型電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂としては、
ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂が
広く利用されている。ビスフェノールAを原料とするポ
リカーボネート樹脂は、電荷輸送物質との相溶性が良い
ため、これをバインダー樹脂とした感光層を有する感光
体とした場合に電気特性が良好であり、また比較的機械
的強度が大きいという特徴を有している。
【0004】しかしながら、従来のこの種の有機電子写
真感光体においては、電荷輸送層の光導電性を向上させ
るためにバインダー樹脂であるポリカーボネート中に大
量の低分子の電荷輸送物質を分散させており、その電荷
輸送物質の割合は重量部で4〜5割をも占めている。こ
のため耐刷性の向上を目的としたバインダー樹脂として
のポリカーボネート本来の機能が十分に発揮されていな
いという問題点がある。
【0005】ところで、特開平1−9964号公報及び
特開平4−31404号公報には、低分子電荷輸送物質
であるアリールアミン化合物を重合させたポリアリール
アミン及び、ヒドラゾン化合物を共重合させたスチレン
共重合体が各々開示されている。このポリアリールアミ
ン及びヒドラゾンを有したスチレン共重合体は、それ自
体で光導電作用を有するポリマーであり、これを従来の
電荷輸送物質分散型のものに代えて電荷輸送層に利用す
ることにより、上記の問題点を解決しようとすることが
提案されている。このようにそれ自身で光導電性を有す
るポリマーを電荷輸送物質兼バインダー樹脂として電荷
輸送層に利用するという考えは、上記の問題点の解決に
有効な手法と思われる。しかしながら、上記従来の光導
電性ポリアリールアミン及びヒドラゾンを有したスチレ
ン共重合体を電荷輸送層に利用した場合には、十分な耐
刷性が得られないという問題点がある。また、その電子
写真特性は従来の分散型のものと比べて幾分向上してい
るものの、大幅な改善には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
基づいてなされたものである。
【0007】本発明の目的は、前記問題点を解決し、電
子写真感光体の電荷輸送層中の電荷輸送物質、電荷輸送
物質兼バインダー樹脂又はバインダー樹脂として、ある
いはEL材料等として好適に利用することができ、特に
耐刷性及び電子写真特性に優れた電荷輸送層を有する電
子写真感光体を容易に実現し、電子写真感光体の製造分
野をはじめとする各種の高分子材料利用分野に好適に使
用することができる新規な構造のポリカーボネート系重
合体を提供することにある。
【0008】また、本発明は、上記新規なポリカーボネ
ート系重合体の好適な製造法、及びそのポリカーボネー
ト系重合体を用いて製造される耐刷性及び電子写真特性
に優れた電子写真感光体を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、二価フェノール
型のヒドラゾン化合物を原料とするポリカーボネート系
重合体が光導電性を示し、電子写真感光体の電荷輸送層
の電荷輸送物質、電荷輸送物質兼バインダー樹脂又はバ
インダー樹脂として好適に用いられ、また、これを用い
て製造される電子写真感光体が耐刷性及び電子写真特性
に優れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は、下記一般式(I)
【0010】
【化9】 [式中、R1及びR2は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を
示し、a及びbは各々独立に、0〜4の整数を示し、Arは
【0011】
【化10】 を示す(ただし、式中、R7、R8、R10、R11、R12、R13
R14、R15及びR16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を
示し、R9及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1〜
20のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を示
し、eは0〜3の整数を示し、fは0〜4の整数を示し、
gは0〜6の整数を示し、hは0又は1の整数を示し、i
は0〜5の整数を示し、jは0〜2の整数を示し、kは0
〜4の整数を示し、pは0〜1の整数を示し、qは0〜2
の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、R18
【0012】
【化11】 を示し、ただし、R19、R20及びR21は各々独立に、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜18
のアリール基を示す。)。]で表される繰り返し単位、
又は一般式(I)で表わされる繰り返し単位と下記一般
式(II)
【0013】
【化12】 [式中、R3及びR4は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は
炭素数5〜7のシクロアルキル基を示し、c及びdは各々
独立に0〜4の整数を示し、Xは-CR5R6-(ただし、R5
びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、
炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリー
ル基を示す。)、炭素数5〜11の1,1−シクロアル
キレン基、炭素数2〜10のα,ω−アルキレン基、単
結合、-O-、-S-、-SO-又は-SO2-を示す。]で表わされ
る繰り返し単位とを有し、塩化メチレンを溶媒とする
0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度
[ηsp/c]が0.3dl/g以上であるポリカーボネー
ト系重合体を提供するものである。
【0014】本発明のポリカーボネート系重合体が一般
式(I)で表わされる繰り返し単位と一般式(II)で
表わされる繰り返し単位とを有する場合、一般式(I)
で表わされる繰り返し単位の含有割合を、一般式(I)
で表わされる繰り返し単位と一般式(II)で表わされ
る繰り返し単位の合計に対するモル比で1モル%以上、
より好ましくは、10モル%以上とすることが好まし
い。このモル比が1モル%未満であると、電子写真感光
体において電荷輸送物質又は電荷輸送物質兼バインダー
樹脂として用いた場合に、十分な電子写真特性が得られ
ないことがある。
【0015】なお、本発明に用いられるポリカーボネー
ト系重合体は、本発明の目的に支障のない範囲で、前記
以外の他の繰り返し単位を有していてもよく、また、他
のポリカーボネート成分や添加物を適宜添加配合して使
用することもできる。
【0016】本発明のポリカーボネート系重合体は、塩
化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の2
0℃における還元粘度[ηsp/c]が0.3dl/g以
上、好ましくは、0.3〜2.0dl/gの範囲にあ
る。還元粘度[ηsp/c]が0.3dl/g未満ではポリ
カーボネート系重合体の機械的強度が低く、特にこのポ
リカーボネート系重合体を含有する層の表面硬度が不足
し、感光体が摩耗して耐刷寿命が短くなる。一方、還元
粘度[ηsp/c]が2.0dl/gを超えるとポリカーボ
ネート系重合体の溶液粘度が上昇し、溶液塗工法による
感光体製造が困難になることがある。
【0017】本発明のポリカーボネート系重合体は、例
えば本発明の製造法に従い、下記一般式(III)
【0018】
【化13】 [式中、R1、R2、a、b及びArは上記と同じ意味を示
す。]で表される二価フェノールを単独で、あるいはこ
の二価フェノールと下記一般式(IV)
【0019】
【化14】 [式中、R3、R4、c、d及びXは上記と同じ意味を示
す。]で表わされる二価フェノールとの混合物とを、炭
酸エステル形成性化合物と反応させることにより製造す
ることができる。
【0020】この反応は、炭酸エステル形成性化合物と
してホスゲンをはじめとする各種のジハロゲン化カルボ
ニル、クロロホルメート化合物等のハロホルメート類又
は炭酸エステル化合物などを用いて、適当な酸結合剤の
存在下に重縮合反応を行うか、あるいは、炭酸エステル
形成性化合物としてビスアリールカーボネート類を用い
るエステル交換反応を行うなどの方法によって行われ
る。
【0021】前記一般式(III)で表される二価フェ
ノール(以下、二価フェノール型ヒドラゾン化合物と呼
ぶことがある。)は、下記反応式に示される如く、公知
の方法により、アルデヒド誘導体とヒドラジン誘導体と
を反応させることにより合成することができる。
【0022】
【化15】 なお、原料として用いる上記誘導体の構造によっては、
重合法により得られる重合体の配向が同一であったり、
ランダムであったりするが、どちらであってもよい。
【0023】本発明に用いられる上記二価フェノール型
ヒドラゾン化合物の具体例としては、下記のものが挙げ
られる。
【0024】
【化16】 これら二価フェノール型ヒドラゾン化合物は1種単独で
用いることもできるし、また、2種以上を併用すること
もできる。
【0025】前記一般式(III)で表される二価フェ
ノールとしては、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス
(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1
−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−ク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,
5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒド
ロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−
フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3
−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、1,
1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルビフ
ェニル、4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジメチル
ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジシ
クロヘキシルビフェニル、3,3′−ジフルオロ−4,
4′−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。これら
ビスフェノール化合物は、1種単独で用いることもでき
るし、また2種以上を併用することもできる。
【0026】特に好ましくは、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサンが用いられる。
【0027】前記炭酸エステル形成性化合物として上記
ジハロゲン化カルボニル、ハロホルメート類、炭酸エス
テル化合物などを用い、酸結合剤の存在下に重縮合を行
う反応は、通常、溶媒中で行われる。
【0028】炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、
反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよ
い。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化
合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好
適に採用できる。
【0029】前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物など
が用いられる。
【0030】酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応
の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具
体的には、使用する二価フェノール(III)のモル
数、又は二価フェノール(III)と(IV)との合計
モル数(通常1モルは当量に相当)に対して2当量若し
くはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ま
しい。
【0031】前記溶媒としては、公知のポリカーボネー
トの製造に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独で
あるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例と
しては、例えば、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチ
レン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水
素溶媒などが挙げられる。互いに混ざり合わない2種の
溶媒を用いて界面重縮合反応を行なってもよい。
【0032】また、重縮合反応を促進するために、トリ
エチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニ
ウム塩などの触媒を、また、重合度を調整するために、
p−tert−ブチルフェノールやフェニルフェノール
などの分子量調節剤を添加して反応を行なうことが望ま
しい。また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロ
サルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
反応は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範
囲の温度で行なわれる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧
のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応
系の自圧程度で好適に行ない得る。反応時間は、反応温
度等によって左右されるが、通常0.5分間〜10時
間、好ましくは1分間〜2時間程度である。
【0033】また、まず二価フェノール(III)、又
は二価フェノール(III)及び(IV)からなる反応
原料の一部と炭酸エステル形成性化合物とを反応させて
オリゴマーを生成せしめ、次いで残りの反応原料を添加
して重縮合を完結させる2段階法を用いることもでき
る。このような2段階法によれば、反応の制御が容易で
あり、精度の高い分子量コントロールを行なうことがで
きる。
【0034】後者の二価フェノール(III)、又は二
価フェノール(III)及び(IV)とビスアリールカ
ーボネートとのエステル交換法を用いる場合の反応形式
としては、溶融重縮合法、固相重縮合法などが好適であ
る。溶融重縮合法を行なう場合は、上記2種又は3種の
単量体を混合し、減圧下で高温において溶融状態で反応
させる。反応は、通常150〜350℃、好ましくは2
00〜300℃の範囲の温度において行なわれる。固相
重縮合法を行なう場合は、上記2種又は3種の単量体を
混合し、固相状態のまま、生成ポリカーボネート系重合
体の融点以下の温度に加熱して重縮合を行なう。いずれ
の場合においても、反応の最終段階で減圧度を好ましく
は1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成
した上記ビスアリールカーボネートから由来するフェノ
ール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧
度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度であ
る。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で
行なうことが好ましく、また、所望に応じて前記の分子
量調節剤や酸化防止剤などを添加して反応を行なっても
よい。
【0035】得られるポリカーボネート系重合体の還元
粘度[ηsp/c]を前記の範囲にするには、例えば、前
記反応条件の選択、分子量調節剤の使用量の調節など各
種の方法によってなすことができる。また、場合によ
り、得られたポリカーボネート系重合体に適宜物理的処
理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー
反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所定の還
元粘度[ηsp/c]のポリカーボネート系重合体として
取得することもできる。
【0036】得られた反応生成物(粗生成物)は公知の
分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精
製度)のポリカーボネート系重合体として回収すること
ができる。
【0037】本発明はまた、導電性基板上に感光層を設
けた電子写真感光体において、該感光層中の電荷輸送物
質又はバインダー樹脂として本発明のポリカーボネート
系重合体を用いた電子写真感光体を提供するものであ
る。本発明の電子写真感光体は、上記本発明のポリカー
ボネート系重合体を電荷輸送物質又はバインダー樹脂と
して用いている限り、公知の種々の形式の電子写真感光
体はもとよりどのようなものとしてもよいが、感光層
が、少なくとも1層の電荷発生層と少なくとも1層の電
荷輸送層を有する積層型電子写真感光体において、電荷
輸送層の電荷輸送物質又はバインダー樹脂として用いる
ことが好ましい。
【0038】積層型電子写真感光体としては、感光層
中、電荷発生層上に電荷輸送層が積層されているもので
もよく、また、電荷輸送層上に電荷発生層が積層されて
いるものでもよい。また、必要に応じて表面層に導電性
又は絶縁性の保護膜が形成されていてもよい。さらに、
各層間の接着性を向上させるための接着層あるいは電荷
のブロッキングの役目を果たすブロッキング層等の中間
層などが形成されているものであってもよい。
【0039】本発明の電子写真感光体において、前記本
発明のポリカーボネート系重合体は、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。また、
所望に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他のポ
リカーボネート等をバインダー樹脂成分として含有させ
てもよい。さらに、酸化防止剤等の添加物を含有させて
もよい。
【0040】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性基板材料としては、公知のものなど各種のものを使用
することができ、具体的には、例えば、アルミニウム、
真ちゅう、銅、ニッケル、鋼等の金属板、金属ドラム若
しくは金属シート、プラスチックシート上にアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、パラジウム、グラファイト等の
導電性物質を蒸着、スパッタリング、塗布等によりコー
ティングするなどして導電化処理を施したもの、金属ド
ラムの表面を電極酸化などにより金属酸化物処理したも
の、あるいは、ガラス、プラスチック板、布、紙等の基
板に導電化処理を施したもの等を使用することができ
る。
【0041】積層型電子写真感光体の電荷発生層は少な
くとも電荷発生物質を有するものであり、この電荷発生
層はその下地となる基板上に真空蒸着、スパッタ法等に
より電荷発生物質の層を形成せしめるか、又はその下地
となる基板上に電荷発生物質をバインダー樹脂を用いて
結着してなる層を形成せしめることによって得ることが
できる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法
としては公知の方法等各種の方法を使用することができ
るが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂と
共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗工液を、
所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥せしめる方法等
が好適に使用される。
【0042】前記電荷発生物質としては、公知のものな
ど各種のものを使用することができ、具体的には、例え
ば、非晶質セレン、三方晶セレン等のセレン単体、セレ
ン−テルル等のセレンの合金、As2Se3 等のセレン
化合物若しくはセレン含有組成物、酸化亜鉛、CdS−
Se等の第II族及び第IV族元素からなる無機材料、
酸化チタン等の酸化物系半導体、アモルファスシリコン
などのシリコン系材料等の各種の無機材料、金属若しく
は無金属フタロシアニン、シアニン、アントラセン、ビ
スアゾ化合物、ピレン、ペリレン、ピリリウム塩、チア
ピリリウム塩、ポリビニルカルバゾール、スクェアリウ
ム顔料等の各種の有機材料等を挙げることができる。
【0043】なお、これらは、1種単独で用いてもよ
く、あるいは、2種以上を混合するなどして、併用する
こともできる。
【0044】前記電荷発生層におけるバインダー樹脂と
しては、特に制限はなく、公知のものなど各種のものを
使用でき、具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アク
リル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラ
ール樹脂、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹
脂を使用することができる。
【0045】なお、上記電荷発生層におけるバインダー
樹脂として、本発明のポリカーボネート系重合体を使用
することもできる。
【0046】次に、前記電荷輸送層は、下地となる基板
上に、本発明のポリカーボネート系重合体の層を形成す
るか、又は他の電荷輸送物質を本発明のポリカーボネー
ト系重合体をバインダー樹脂として用いて結着してなる
層を形成することによって得ることができる。
【0047】この電荷輸送層の形成方法としては、公知
の方法等の各種の方式を使用することができるが、通
常、本発明のポリカーボネート系重合体を、又は他の電
荷輸送物質を本発明のポリカーボネート系重合体と共に
適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所定の下
地となる基板上に塗布し、乾燥する方式などが使用され
る。
【0048】この電荷輸送層において、本発明のポリカ
ーボネート系重合体は1種単独で用いることもできる
し、また2種以上を混合して用いることもできる。本発
明のポリカーボネート系重合体を電荷輸送層中の電荷輸
送物質として用いる場合、光導電性を持たない他のバイ
ンダー樹脂を用いずに電荷輸送層を形成することがで
き、優れた電子写真特性を実現することができる。ま
た、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー
樹脂を本発明のポリカーボネート系重合体と併用するこ
とも可能である。また、本発明のポリカーボネート系重
合体をバインダー樹脂とし、そこに他の電荷輸送物質を
分散してなる電荷輸送層においては、本発明のポリカー
ボネート系重合体の割合を、両者の合計に対し、少なく
とも30重量%、好ましくは40〜90重量%とするこ
とが好ましい。30重量%未満では、十分な機械的強度
が得られなくなることがある。
【0049】本発明において使用することのできる電荷
輸送物質としては、例えば、従来用いられている電子輸
送性物質及び正孔輸送性物質がある。
【0050】電子輸送性物質の具体例としては、例えば
クロラニル、ブロマニル、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−テ
トラフルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシ
アノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テトラニ
トロキサントン、2,4,9−トリニトロチオキサント
ン等の電子吸引物質やこれらの電子吸引物質を高分子化
したもの等がある。なお、これらは1種単独で用いても
よく、あるいは、2種以上を混合するなどして併用する
こともできる。
【0051】正孔輸送性物質としては、ピレン、N−エ
チルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N
−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−
9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジ
ノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N
−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチ
ルフェノチアジン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3
−メチリデン−10−エチルフェノキサジン、p−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N−α
−ナフチル−N−フェニルヒドラゾン、p−ピロリジノ
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、
1,3,3−トリメチルインドレニン−ω−アルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルベンズ
アルデヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒド
ラゾン、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ
キノリン−6−カルボキシアルデヒド−1′,1′−ジ
フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン類、2,5−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノ
スチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラ
ゾリン、1−[キノリル(2)]−3−(p−ジエチル
アミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−[レピジル(2)]−3−(p−
ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノ
フェニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシ−ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(5)]−3−(p−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル
(2)]−3−(α−メチル−p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(α−ベンジル−
p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルア
ミノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリン等のピラ
ゾリン類、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−δ−
ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾール等のオ
キサゾール系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチアゾ
ール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチル
フェニル)−フェニルメタン等のトリアリールメタン系
化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−
2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テト
ラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェ
ニル)エタン等のポリアリールアミン類、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(メチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(エチルフ
ェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(プロピルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(ブチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(イソプロ
ピルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(tert
−ブチルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(クロロフェニル)ベンジジン等のベ
ンジジン系化合物、あるいはブタジエン系化合物、トリ
フェニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルア
クリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、有
機ポリシラン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチル
カルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることが
できる。
【0052】なお、これらは、1種単独で用いてもよ
く、あるいは、2種以上を混合するなどして併用しても
よい。
【0053】前記電荷発生層、電荷輸送層形成の際に使
用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等の
エステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムア
ミド等を挙げることができる。
【0054】これらの溶媒は、1種単独で使用してもよ
く、あるいは、2種以上を混合溶媒として併用してもよ
い。
【0055】各層の塗布は公知のものなど各種の塗布装
置を用いて行なうことができ、具体的には、例えば、ア
プリケーター、スプレーコーター、バーコーター、チッ
プコーター、ロールコーター、ディップコーター、ドク
タブレード等を用いて行なうことができる。
【0056】単層型電子写真感光体の感光層は、少なく
とも、本発明のポリカーボネート系重合体及び前記電荷
発生物質、又は本発明のポリカーボネート系重合体、前
記電荷輸送物質及び前記電荷輸送物質を含有するもので
ある。この感光層の形成方法としては公知の方法等各種
の方法を使用することができるが、通常、例えば、電荷
発生物質、又は電荷発生物質及び電荷輸送物質を、本発
明のポリカーボネート系重合体と共、に適当な溶媒によ
り分散若しくは溶解して得た塗工液を、所定の下地とな
る基板上に塗布し、乾燥せしめる方法等を好適に使用す
ることができる。
【0057】また、本発明の目的を阻害しない範囲で、
他のバインダー樹脂を本発明のポリカーボネート系重合
体と併用することも可能である。
【0058】本発明の電子写真感光体は、その作製時に
塗工液が白化(ゲル化)したりすることがなく、しか
も、繰り返し長時間にわたって使用しても優れた機械的
強度及び電子写真特性を維持する実用上著しく優れた電
子写真感光体であり、各種の電子写真分野に好適に利用
することができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】実施例1 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン74
gを、6%水酸化ナトリウム水溶液550mlに溶解し
た溶液と、塩化メチレン250mlとを混合して攪拌し
ながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ml/分
の割合で15分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静
置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端に
クロロホルメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン
溶液を得た。得られたオリゴマー塩化メチレン溶液に塩
化メチレンを加えて全量を450mlとした後、9−エ
チルカルバゾール−3−カルバルデヒド−1′,1′−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒドラゾン44.3g
を8%濃度の水酸化ナトリウム水溶液150mlに溶解
した溶液と混合し、これに分子量調節剤であるp−te
rt−ブチルフェノール3.0gを加えた。次いでこの
混合溶液を激しく攪拌しながら触媒として7%トリエチ
ルアミン水溶液2mlを加え、28℃において、攪拌
下、1.5時間反応を行った。反応終了後に、反応生成
物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5
リットルで2回、0.01N塩酸1リットル、水1リッ
トルで2回の順で洗浄し、有機相をメタノール中に投入
し再沈精製した。このようにして得られた共重合体は、
塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の
20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.74dl/g
であった。
【0061】得られた共重合体を1H−NMRスペクト
ルにより分析したところ、1.46(0.53H,t,
J=7Hz)、1.70(6H,s)、4.39(0.
35H,q,J=7Hz)、7.1〜7.55(9.5
8H,m)、7.61(0.70H,dm,J=9H
z)、7.89(0.18H,dd,J=8.5,1.
5Hz)、8.09(0.18H,dt,J=7.5,
1.5Hz)、8.22(0.18H,dd,J=1.
5,0.5Hz)(いずれもppm)の結果を得た。ま
た、IRスペクトル分析の結果は、3030cm-1、1
590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸収、16
50cm-1にカルボニル基による吸収、1240cm-1
にエーテル結合による吸収がみられ、カーボネート結合
を有することが認められた。これらの分析結果から、得
られた共重合体が下記の構造及び組成を有することが確
認された。
【0062】
【化17】
【0063】実施例2 実施例1の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン74gの代りに、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン87gを用いた以外は、実施
例1と同様の操作で、下記の構造及び組成からなる共重
合体([ηsp/c]=0.68dl/g)を得た。この共
重合体の構造と組成をIRスペクトル分析により確認し
たところ、実施例1で得られた共重合体と同様の吸収が
みられ、下記の構造と組成を有することがわかった。
【0064】
【化18】
【0065】実施例3 濃度3規定の水酸化ナトリウム水溶液600mlに、9
−エチルカルバゾール−3−カルバルデヒド−1′,
1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒドラゾン5
2.6gと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン28.5gを溶解させた溶液、及び、塩化メチレ
ン200mlを、1リットルのフラスコに導入した。外
部冷却により液温10℃付近に保持しながら反応液を激
しく攪拌し、ホスゲンガスを340ml/分の割合で3
0分間吹き込んだ。その後、1時間攪拌を続け、重合を
完了させた。反応終了後、有機相に塩化メチレン500
mlを加えて希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した
後、メタノール中に投入して下記構造及び組成の共重合
体([ηsp/c]=0.73dl/g)を得た。
【0066】得られた共重合体を1H−NMRスペクト
ルにより分析したところ、1.46(3H,t,J=7
Hz)、1.70(6H,s)、4.39(2H,q,
J=7Hz)、7.1〜7.55(17H,m)、7.
61(4H,dm,J=9Hz)、7.89(1H,d
d,J=8.5,1.5Hz)、8.09(1H,d
t,J=7.5,1.5Hz)、8.22(1H,d
d,J=1.5,0.5Hz)(いずれもppm)であ
った。また、IRスペクトル分析の結果は、3030c
-1、1590cm-1、830cm-1にベンゼン環の吸
収、1650cm-1にカルボニル基による吸収、124
0cm-1にエーテル結合による吸収がみられ、カーボネ
ート結合を有することが認められた。これらの分析結果
から、得られた共重合体が下記の構造及び組成を有する
ことが確認された。
【0067】
【化19】
【0068】実施例4 実施例1の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン74gの代りに9−エチルカルバゾール−3−カ
ルバルデヒド−1′,1′−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヒドラゾン136gを用いた以外は実施例1と同
様の操作で、下記の構造からなる重合体([ηsp/c]=
0.92dl/g)を得た。このポリカーボネート重合
体の構造と組成を1H−NMRスペクトルにより分析し
たところ、1.46(3H,t,J=7Hz)、4.3
9(2H,q,J=7Hz)、7.2〜7.55(9
H,m)、7.61(4H,dm,J=9Hz)、7.
89(1H,dd,J=8.5,1.5Hz)、8.0
9(1H,dt,J=7.5,1.5Hz)、8.22
(1H,dd,J=1.5,0.5Hz)(いずれもp
pm)であった。また、IRスペクトル分析の結果は、
3030cm-1、1590cm-1、830cm-1にベン
ゼン環の吸収、1650cm-1にカルボニル基による吸
収、1240cm-1にエーテル結合による吸収がみら
れ、カーボネート結合を有することが認められた。これ
らの分析結果より、得られた重合体が下記の構造を有す
ることが確認された。
【0069】
【化20】
【0070】実施例5 実施例1の9−エチルカルバゾール−3−カルバルデヒ
ド−1′,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒド
ラゾン44.3gの代りに2−ナフトアルデヒド−
1′,1′−ビス(3−ヒドロキシフェニル)ヒドラゾ
ン37.3gを用いた以外は実施例1と同様の操作で、
下記の構造及び組成からなる共重合体([ηsp/c]=
0.75dl/g)を得た。この共重合体の構造と組成
をIRスペクトル分析により確認したところ、実施例1
で得られた共重合体と同様の吸収がみられ、下記の構造
と組成を有することがわかった。
【0071】
【化21】
【0072】実施例6 実施例5の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン74gの代りに2−ナフトアルデヒド−1′,
1′−ビス(3−ヒドロキシフェニル)ヒドラゾン11
5gを用いた以外は実施例5と同様の操作で、下記の構
造及び組成からなる重合体([ηsp/c]=0.88dl
/g)を得た。この重合体の構造と組成をIRスペクト
ル分析により確認したところ、実施例4で得られた重合
体と同様の吸収がみられ、下記の構造を有することがわ
かった。
【0073】
【化22】
【0074】実施例7 実施例1の9−エチルカルバゾール−3−カルバルデヒ
ド−1′,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒド
ラゾン44.3gの代りに1−フェニル−1,2,3,
4−テトラヒドロキノリン−6−カルバルデヒド−
1′,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒドラゾ
ン45.8gを用いた以外は実施例1と同様の操作で、
下記の構造及び組成からなる共重合体([ηsp/c]=
0.73dl/g)を得た。この共重合体の構造と組成
をIRスペクトル分析により確認したところ、実施例1
で得られた共重合体と同様の吸収がみられ、下記の構造
と組成を有することがわかった。
【0075】
【化23】
【0076】実施例8 実施例7の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン74gの代りに1−フェニル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン−6−カルバルデヒド−1′,
1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒドラゾン14
1gを用いた以外は実施例7と同様の操作で、下記の構
造からなる重合体([ηsp/c]=0.91dl/g)を
得た。この重合体の構造と組成をIRスペクトル分析に
より確認したところ、実施例4で得られた重合体と同様
の吸収がみられ、下記の構造を有することがわかった。
【0077】
【化24】
【0078】実施例9 実施例1の9−エチルカルバゾール−3−カルバルデヒ
ド−1′,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヒド
ラゾン44.3gの代りにp−ジフェニルアミノベンズ
アルデヒド−1′,1′−ビス(3−ヒドロキシフェニ
ル)ヒドラゾン49.6gを用いた以外は実施例1と同
様の操作で、下記の構造及び組成からなる共重合体
([ηsp/c]=0.78dl/g)を得た。この共重合
体の構造と組成をIRスペクトル分析により確認したと
ころ、実施例1で得られた共重合体と同様の吸収がみら
れ、下記の構造と組成を有することがわかった。
【0079】
【化25】
【0080】実施例10 実施例9の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン74gの代りにp−ジフェニルアミノベンズアル
デヒド−1′,1′−ビス(3−ヒドロキシフェニル)
ヒドラゾン153gを用いた以外は実施例9と同様の操
作で、下記の構造からなる重合体([ηsp/c]=0.8
9dl/g)を得た。この重合体の構造と組成をIRス
ペクトル分析により確認したところ、実施例4で得られ
た重合体と同様の吸収がみられ、下記の構造を有するこ
とがわかった。
【0081】
【化26】
【0082】実施例11 電荷輸送物質として下記構造のヒドラゾン誘導体を用い
て、電荷輸送物質:実施例1のポリカーボネート系重合
体:塩化メチレン=1:1:8(重量比)からなる塗工
液を調整した。この塗工液は1カ月放置しても、白濁、
ゲル化は見られなかった。アルミニウム製導電性基板上
に形成されたオキソチタニウムフタロシアニンからなる
電荷発生層上に、この塗工液を浸漬塗工法により塗布し
て電荷輸送層を形成し、積層型電子写真感光体を作製し
た。塗工時において電荷輸送層が結晶化することはなか
った。
【0083】電子写真特性の評価は、静電気帯電試験装
置EPA−8100((株)川口電気製作所製)を用
い、−6kVのコロナ放電を行い、初期表面電位
(V0)、光照射(5秒)後の残留電位(VR)、半減露
光量(E1/2)を測定して行った。結果を表1に示す。
【0084】電荷輸送層の耐摩耗性をスガ摩耗試験機を
用いて、200gの荷重をかけた摩耗紙上でサンプルを
1200回往復運動させ、その減少量を測定することに
より評価した。結果を表2に示す。
【0085】
【化27】
【0086】実施例12 実施例2で得られたポリカーボネート系重合体を用いて
実施例11と同様に積層型電子写真感光体を作製した。
塗工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも
実施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐
摩耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0087】実施例13 実施例3で得られたポリカーボネート系重合体を用いて
実施例11と同様に積層型電子写真感光体を作製した。
塗工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも
実施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐
摩耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0088】実施例14 実施例4で得られたポリカーボネート系重合体を用いて
実施例11と同様に積層型電子写真感光体を作製した。
塗工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも
実施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐
摩耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0089】実施例15 実施例5で得られたポリカーボネート系重合体を用いて
実施例11と同様に積層型電子写真感光体を作製した。
塗工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも
実施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐
摩耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0090】実施例16 実施例7で得られたポリカーボネート系重合体を用いて
実施例11と同様に積層型電子写真感光体を作製した。
塗工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも
実施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐
摩耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0091】実施例17 実施例9で得られたポリカーボネート系重合体を用いて
実施例11と同様に積層型電子写真感光体を作製した。
塗工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも
実施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐
摩耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0092】実施例18 電荷輸送物質として実施例3のポリカーボネート系重合
体の10重量%の塩化メチレン溶液を調整し、実施例1
1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。塗工
液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも実施
例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐摩耗
性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0093】実施例19 電荷輸送物質として実施例4のポリカーボネート系重合
体の10重量%の塩化メチレン溶液を調整し、実施例1
1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。塗工
液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも実施
例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐摩耗
性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0094】実施例20 電荷輸送物質として実施例6のポリカーボネート系重合
体の10重量%の塩化メチレン溶液を調整し、実施例1
1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。塗工
液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも実施
例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐摩耗
性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0095】実施例21 電荷輸送物質として実施例8のポリカーボネート系重合
体の10重量%の塩化メチレン溶液を調整し、実施例1
1と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。塗工
液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも実施
例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐摩耗
性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0096】実施例22 電荷輸送物質として実施例10のポリカーボネート系重
合体の10重量%の塩化メチレン溶液を調整し、実施例
11と同様にして積層型電子写真感光体を作製した。塗
工液の安定性、塗布時の結晶性の評価結果はいずれも実
施例11と同様であった。また、電子写真特性及び耐摩
耗性の評価結果をそれぞれ表1、表2に示した。
【0097】比較例1 下記構造を有する市販の2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンのポリカーボネート([ηsp/c]=
0.78dl/g)を用いて実施例11と同様に積層型
電子写真感光体を作製した。その結果、塗工液は二日目
には白濁し、ゲルが生成し、電荷輸送層の一部が結晶化
した。その電子写真特性及び耐摩耗性を表1、表2に示
した。
【0098】
【化28】
【0099】比較例2 電荷輸送物質として下記構造を有するヒドラゾン誘導体
を用い、バインダー樹脂として比較例1で用いたポリカ
ーボネートを用い、実施例11と同様に積層型電子写真
感光体を作製した。その結果、塗工液は二日目には白濁
し、ゲルが生成し、電荷輸送層の一部が結晶化した。ま
た、電子写真特性及び耐摩耗性の評価結果をそれぞれ表
1、表2に示した。
【0100】
【化29】
【0101】比較例3 電荷輸送物質として下記構造を有するヒドラゾン誘導体
を用い、バインダー樹脂として比較例1で用いたポリカ
ーボネートを用い、実施例11と同様に積層型電子写真
感光体を作製した。その結果、塗工液は二日目には白濁
し、ゲルが生成し、電荷輸送層の一部が結晶化した。ま
た、電子写真特性及び耐摩耗性の評価結果をそれぞれ表
1、表2に示した。
【0102】
【化30】
【0103】比較例4 電荷輸送物質として下記構造を有するヒドラゾン誘導体
を用い、バインダー樹脂として比較例1で用いたポリカ
ーボネートを用い、実施例11と同様に積層型電子写真
感光体を作製した。その結果、塗工液は二日目には白濁
し、ゲルが生成し、電荷輸送層の一部が結晶化した。ま
た、電子写真特性及び耐摩耗性の評価結果をそれぞれ表
1、表2に示した。
【0104】
【化31】
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】本発明によると、電子写真感光体の電荷
輸送層に電荷輸送物質兼バインダー樹脂として好適に利
用することができ、特に耐刷性及び電子写真特性に優れ
た電荷輸送層を有する電子写真感光体を容易に実現する
ことができる優れた光導電性ポリカーボネートであり、
電子写真感光体の製造分野をはじめとする各種の高分子
材料利用分野に好適に使用することができる新規な構造
のポリカーボネート系重合体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 秀幸 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 [式中、R1及びR2は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を
    示し、a及びbは各々独立に、0〜4の整数を示し、Arは 【化2】 を示す(ただし、式中、R7、R8、R10、R11、R12、R13
    R14、R15及びR16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を
    示し、R9及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1〜
    20のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を示
    し、eは0〜3の整数を示し、fは0〜4の整数を示し、
    gは0〜6の整数を示し、hは0又は1の整数を示し、i
    は0〜5の整数を示し、jは0〜2の整数を示し、kは0
    〜4の整数を示し、pは0〜1の整数を示し、qは0〜2
    の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、R18は 【化3】 を示し、ただし、R19、R20及びR21は各々独立に、水素
    原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜18
    のアリール基を示す。)。]で表される繰り返し単位、
    又は一般式(I)で表わされる該繰り返し単位と下記一
    般式(II) 【化4】 [式中、R3及びR4は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は
    炭素数5〜7のシクロアルキル基を示し、c及びdは各々
    独立に0〜4の整数を示し、Xは-CR5R6-(ただし、R5
    びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリー
    ル基を示す。)、炭素数5〜11の1,1−シクロアル
    キレン基、炭素数2〜10のα,ω−アルキレン基、単
    結合、-O-、-S-、-SO-又は-SO2-を示す。]で表わされ
    る繰り返し単位とを有し、塩化メチレンを溶媒とする
    0.5g/dl濃度の溶液の20℃における還元粘度
    [ηsp/c]が0.3dl/g以上であるポリカーボネー
    ト系重合体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(III) 【化5】 [式中、R1及びR2は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を
    示し、a及びbは各々独立に、0〜4の整数を示し、Arは 【化6】 を示す(ただし、式中、R7、R8、R10、R11、R12、R13
    R14、R15及びR16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を
    示し、R9及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1〜
    20のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を示
    し、eは0〜3の整数を示し、fは0〜4の整数を示し、
    gは0〜6の整数を示し、hは0又は1の整数を示し、i
    は0〜5の整数を示し、jは0〜2の整数を示し、kは0
    〜4の整数を示し、pは0〜1の整数を示し、qは0〜2
    の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、R18は 【化7】 を示し、ただし、R19、R20及びR21は各々独立に、水素
    原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜18
    のアリール基を示す。)。]で表される二価フェノール
    を単独で、あるいは一般式(III)で表わされる二価
    フェノールと下記一般式(IV) 【化8】 [式中、R3及びR4は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数
    1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は
    炭素数5〜7のシクロアルキル基を示し、c及びdは各々
    独立に0〜4の整数を示し、Xは-CR5R6-(ただし、R5
    びR6は各々独立に、水素原子、トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリー
    ル基を示す。)、炭素数5〜11の1,1−シクロアル
    キレン基、炭素数2〜10のα,ω−アルキレン基、単
    結合、-O-、-S-、-SO-又は-SO2-を示す。]で表わされ
    る二価フェノールとの混合物を、炭酸エステル形成性化
    合物と反応させることを特徴とする請求項1記載のポリ
    カーボネート系重合体の製造法。
  3. 【請求項3】 導電性基板上に感光層を設けた電子写真
    感光体において、該感光層の電荷輸送物質として、請求
    項1記載のポリカーボネート系重合体を用いたことを特
    徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性基板上に感光層を設けた電子写真
    感光体において、該感光層のバインダー樹脂として、請
    求項1記載のポリカーボネート系重合体を用いたことを
    特徴とする電子写真感光体。
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