JPH05310141A - 車両用後輪舵角制御装置 - Google Patents

車両用後輪舵角制御装置

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Publication number
JPH05310141A
JPH05310141A JP11768092A JP11768092A JPH05310141A JP H05310141 A JPH05310141 A JP H05310141A JP 11768092 A JP11768092 A JP 11768092A JP 11768092 A JP11768092 A JP 11768092A JP H05310141 A JPH05310141 A JP H05310141A
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JP
Japan
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rear wheel
wheel steering
yaw rate
steering angle
calculation
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Application number
JP11768092A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Haseda
哲志 長谷田
Yoshihiko Tsuzuki
嘉彦 都築
Tetsuya Nakamura
哲也 中村
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前輪舵角の中立補正が完了する前においても
的確に後輪を転舵制御することにより、エンジン始動後
直ちに発進し、所定以上のスピードで旋回し始めた様な
場合においても、当該旋回中の横滑りの発生を適切に防
止すること。 【構成】 相対的な値として前輪転舵量を検出し、中立
補正によって絶対舵角に換算し、この絶対舵角と車両の
車速に基づいて目標ヨーレイトを算出し、実際に検出さ
れる実ヨーレイトをこの目標ヨーレイトに一致させる制
御をする装置であって、中立補正完了前と判定された場
合には、車速Vと実ヨーレイトWaのみから後輪位置指
令値を算出する第2の算出方法を選択する(ステッフ゜701→7
02) 。一方、中立補正完了後は、前輪操舵角信号を用い
た第1の後輪位置指令算出方法の方を選択する(ステッフ゜70
1→703) 。算出方法が切り替わった際に、後輪に急転舵
が発生しないよう、新たな算出方法への移行は徐々に実
行する(ステッフ゜704〜708) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、後輪を転舵する機構を
備えた車両において、旋回時の横滑りの発生を防止すべ
く後輪を転舵制御する車両用後輪舵角制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のヨーレイトを検出して後輪
舵角を制御している例として、特開昭60−12457
2号公報記載の技術がある。この技術では、車両前輪の
絶対的な転舵角と車速とから車両の目標ヨーレイトを算
出すると共に、角速度センサで検出した車両の実ヨーレ
イトを、この目標ヨーレイトに一致させるように後輪舵
角を制御している。
【0003】ここで、前輪の絶対的な転舵角は直接は検
出できず、ステアリングシャフト等に配設され、前輪の
転舵に応じてパルス信号を発生する前輪転舵量検出セン
サを用いて相対的な転舵量を検出し、この検出値に対し
て各種の中立補正ロジックによる演算を実行して算出さ
れている。
【0004】この公報記載の技術では、中立補正ロジッ
クとして、一定走行距離間において、前輪転舵量検出セ
ンサで検出される転舵量(相対的な舵角)の変化が所定
以上小さい状態が続いたら車両直進中と判断し、そのと
きを仮の中立位置として決定し、さらに真の中立位置へ
の補正をするという手法が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、前輪転舵量
の相対値を検出してから中立補正ロジックによる前輪舵
角の中立補正を完了し、前輪転舵量を絶対角として検出
できるまでには、相当の時間を要した。従って、従来の
装置では、エンジン始動後相当の時間が経過しないと後
輪転舵制御による横滑り防止を実施することができなか
った。特に、発進後に直ちに所定以上のスピードで旋回
し始めた様な場合においては、当該旋回が完了するまで
は中立位置補正ができず、この間については後輪を転舵
制御することができず、適切な横滑り防止対策を施すこ
とができなかった。
【0006】そこで、本発明は、この様なシステムの装
置において、前輪舵角の中立補正が完了する前において
も、後輪を的確に転舵制御して横滑り防止対策を講じる
ことのできる車両用後輪舵角制御装置を提供することを
目的として完成された。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成するためになされた本発明の車両用後輪舵角制御装置
は、図1に例示する様に、後輪を転舵する後輪転舵手段
と、車両の車速を検出する車速検出手段と、前輪の転舵
量を検出する前輪転舵量検出手段と、前輪転舵の中立位
置を算出する中立位置算出手段と、該算出された中立位
置と前記検出された転舵量とに基づいて、前輪の絶対的
な転舵角を算出する絶対転舵角算出手段と、旋回によっ
て車両に生じる実際のヨーレイトを検出する実ヨーレイ
ト検出手段と、該算出される前輪の絶対的な転舵角と前
記検出される車速とを用いて、車両の旋回時における目
標のヨーレイトを算出し、該目標のヨーレイトと前記実
際のヨーレイトとを比較し、実際のヨーレイトと目標の
ヨーレイトとを一致させるのに必要な後輪転舵量を算出
する後輪転舵量算出手段と、該算出された後輪転舵量に
基づいて、前記後輪転舵手段を駆動制御する後輪転舵制
御手段とを備える車両用後輪舵角制御装置において、前
記中立位置算出手段による中立位置の算出が完了してい
るか否かを判定する算出完了判定手段と、該算出完了判
定手段により中立位置の算出が完了していないと判定さ
れた場合には、前記後輪転舵量算出手段に代わって、車
速と実際のヨーレイトとからヨーレイトの増大を抑制す
る後輪転舵量を算出する第2の後輪転舵量算出手段とを
備えたことを特徴とする。
【0008】本発明の車両用後輪舵角制御装置によれ
ば、前輪転舵の中立位置の算出が完了するまでは、第2
の後輪転舵量算出手段が算出した後輪転舵量を用いて後
輪の転舵制御をし、前輪転舵の中立位置の算出が完了し
たら、従来通りの後輪転舵量算出手段が算出した後輪転
舵量を用いて後輪の転舵制御をする。
【0009】ここで、第2の後輪転舵量算出手段は、前
輪の絶対的な転舵角を用いずに、車速と実際のヨーレイ
トとからヨーレイトの増大を抑制する後輪転舵量を算出
する手段であるから、前輪の絶対的な転舵量が求められ
なくても制御量を算出することができる。また、この
際、ヨーレイトの増大を抑制するものとして制御量を算
出することで、本来の目的である横滑りの防止をするこ
とができる。この前輪舵角を用いない制御量によって横
滑りをできる理由は、本発明の装置によれば、単に車速
のみによって制御量を算出するのではなく実際のヨーレ
イトをも加味して算出する構成とした結果、横滑りの強
さに関係する転舵量の大小も反映した制御量を算出する
ことができるからである。
【0010】以上の結果、本発明の車両用後輪舵角制御
装置によれば、中立位置算出手段による前輪転舵の中立
位置の算出が完了する前においても、後輪を横滑り防止
対策として有効に転舵制御することができる。
【0011】
【実施例】以下、この発明を車両の後輪舵角制御装置に
具体化した一実施例を図面に従って説明する。図2に装
置の全体構成を、図3に制御系のブロック図を示す。図
2に示す様に、本実施例の車両は後輪操舵機構1を備え
ている。この後輪操舵機構1内には直流サーボモータ2
が取り付けられている。この直流サーボモータ2は、制
御装置3の電気的指令信号を受けて正逆方向に回転し、
減速ギア4を介して油圧パワーアシスト付ラック・アン
ド・ピニオン機構を動作させる。この減速ギア4は、油
圧パワーアシスト付ラック・アンド・ピニオン機構、つ
まり後輪操舵機構1の入力軸(図示しないトーションバ
ー)に連結されている。そして、このトーションバーの
他端には、ピニオンギア5が装着されており、このピニ
オンギア5がパワーピストン6の一端に形成されたラッ
ク7と噛み合っている。また、トーションバーにはその
捩じれに応じて絞り面積の変化する油圧バルブ8が取り
付けられている。この油圧バルブ8は、パワーピストン
6のシリンダ室と連通されており、絞り面積の変化に応
じてパワーピストン6を動作させる。以上の構成によ
り、、直流サーボモータ2によってトーションバーの一
端が回されると、トーションバーが捩じれ、その結果油
圧バルブ8の絞り面積が変化し、トーションバーの捩じ
れを修正する方向に油圧を供給してパワーピストン6を
動かす。
【0012】この様にして動かされるパワーピストン6
の両端は、それぞれタイロッド9を介してナックルアー
ム10に連結されている。そして、このナックルアーム
10によって、後輪11が左右方向へ揺動自在に支持さ
れている。従って、図中の矢印A方向にパワーピストン
6が動くことで、後輪11は左右に転舵される。
【0013】このときの後輪11の操舵角は、トーショ
ンバーの捩じれがなくなって油圧バルブ8の絞り面積が
「0」となり、パワーピストン6への作動油の給排が停
止する位置として制御される。ここで、パワーピストン
6の近傍に設置された後輪操舵角センサ12は、パワー
ピストン6の位置を検出し、信号を出力する。制御装置
3は、この信号に基づいて、後輪実舵角を求めるととも
に、後輪実舵角のその変化率より操舵角速度も求める。
そして、サーボモータ2を含む操舵機構1と制御装置3
とによって、後輪操舵角指令値に後輪実舵角が一致する
ように後輪11を位置決め制御する位置決めサーボ系を
構成している。尚、13は油圧バルブ8を介してパワー
ピストン6に油圧を供給する油圧ポンプ、14はオイル
タンクを示す。
【0014】車速センサ15は、車軸又は車輪の回転速
度を検出して車速Vに応じた車速信号を制御装置3に出
力するタイプのものである。前輪操舵角センサ16は、
インクリメントタイプのロータリエンコーダよりなり、
被回転体としてのステアリングシャフト17に設けられ
ている。そして、ステアリングホイール18のハンドル
操作に伴うステアリングシャフト17の回転を検出し、
前輪19の操舵角(相対的な値)θsに応じた前輪操舵
角信号を制御装置3に出力する。ヨーレイトセンサ20
はジャイロ等で構成され、車両の重心を中心とした車両
の回転角速度(ヨーレイトWa)に応じたヨーレイト信
号を制御装置3に出力する。左車輪速センサ21は前輪
19の左車輪の回転速(左車輪速ωL )を検出し、右車
輪速センサ22は前輪19の右車輪の回転速(右車輪速
ωR )を検出する。ブレーキスイッチ23はABS(ア
ンチロックブレーキシステム)制御実行中、もしくは、
ブレーキペダル操作が行われるとオンする。
【0015】制御装置3を図3に基づいて説明すると、
制御装置3はマイクロコンピュータ(以下、マイコンと
いう)24と、波形整形回路25〜28と、アナログバ
ッファ29と、A/Dコンバータ30と、デジタルバッ
ファ31と、駆動回路32とから構成されている。波形
整形回路25〜28は車速センサ15、左車輪速センサ
21、右車輪速センサ22、前輪操舵角センサ16から
の信号を波形整形してマイコン24に取り込ませる。
又、アナログバッファ29は後輪操舵角センサ12とヨ
ーレイトセンサ20からの各信号を取り込み、A/Dコ
ンバータ30はアナログデジタル変換を行う。デジタル
バッファ31はブレーキスイッチ23からの信号をラッ
チする。さらに、駆動回路32はマイコン24からの電
流指令値信号Ifに応じた電流を直流サーボモータ2に
供給する。
【0016】次に、このように構成した後輪舵角制御装
置の作用を説明する。図4にはマイコン24のメイン処
理ルーチンを示し、図5には車速センサ15からのパル
ス信号による車速パルス処理を示し、図6には所定時間
毎(例えば、5ms毎)の割り込み処理ルーチンを示
す。
【0017】図4に示すように、マイコン24は起動時
にステップ101で初期化し、ステップ102で各種処
理を繰り返し行う。一方、図5に示すように、マイコン
24はステップ201で前回のパルス割り込みが発生し
た時刻と今回の割り込み発生時刻とから車速パルス幅P
Hを算出して記憶する。同様に各車輪速パルス幅WPH
も算出する。
【0018】そして、図6に示すように、マイコン24
は、ステップ300において、車速パルス割り込み処理
で記憶された車速パルス幅PHから車速Vを算出する。
このステップ300では、さらに、同様にして、左車輪
速センサ21と右車輪速センサ22についても、その車
輪速パルス幅WPHにより前輪19の左右の車輪速ωL
,ωR が計算される。尚、本実施例では車速センサ1
5にて車速Vを求めたが、車速Vを(ωL +ωR )/2
として求めるようにしてもよい。
【0019】そして、マイコン24は、ステップ400
で後輪操舵角センサ12とヨーレイトセンサ20とか
ら、A/Dコンバータ30を介して各種A/D変換デー
タを取り込み、ステップ500で後輪実舵角θrと実ヨ
ーレイトWaを算出する。さらに、マイコン24は、ス
テップ600で前輪の絶対操舵角θを算出するルーチン
を実行する。この前輪操舵角算出ルーチンを図7に示
す。又、図8には、図7の前輪操舵角算出ルーチンの制
御ブロック図を示す。
【0020】図7において、マイコン24はステップ6
01で前輪操舵角センサ16の読み取り操舵角θsを取
り込み、ステップ602で一次遅れの伝達特性を用いて
一次遅れの操舵角θcを演算する。即ち、次式にて一次
遅れ操舵角θcを演算する。
【0021】
【数1】
【0022】そして、マイコン24は、ステップ603
で左車輪速センサ21による左車輪速ωL と右車輪速セ
ンサ22による右車輪速ωR とから次式にて推定舵角θ
pを算出する。
【0023】
【数2】
【0024】この際、前輪舵角θfは、図9に示すよう
に、
【0025】
【数3】
【0026】であり、又、旋回半径Rは、図10に示す
ように、
【0027】
【数4】
【0028】であるので、上記(3),(4)式を用い
て上記(2)式が導かれる。ただし、(2)式はθf>>
θrとして後輪操舵による影響を無視している。そし
て、マイコン24は、ステップ604で一次遅れ操舵角
θcと推定舵角θpのローパスフィルタ処理を行う。即
ち、次の処理を実行する。
【0029】
【数5】
【0030】マイコン24は、ステップ605でローパ
スフィルタ処理後の推定舵角θ*pと前輪操舵角θ*
との差(=θ*c −θ*p )を中立位置θD として算出
する。そして、マイコン24は、ステップ606で補正
条件が成立しているか否かを判断する。この補正条件の
成立とは、上記一次遅れが成り立つ運転状態及び車両運
転特性が線形で方程式にのる領域であることを意味す
る。即ち、推定舵角 θ*pの絶対値がθMAX 以下で、か
つ、車速VがVLOW 〜VHIGHの範囲内で、かつ、ブレー
キスイッチ23によりブレーキ操作が行われていない
(アンチブレーキロックシステム制御中でない)とき、
補正条件が成立しているものとする。
【0031】ステップ606で補正条件が成立した場合
はステップ607へ進む。ステップ607では、T秒間
の間にステップ605で算出された中立位置θD を平均
してθDMを算出する。ステップ606で補正条件が成立
していない場合はステップ608へ進み、補正完了フラ
グFの状態に応じてステップ612へ進むか処理をぬけ
る。
【0032】制御装置が起動されてマイコン24が初期
化された後、以上の処置が行なわれ、ステップ609に
おいては、ステップ607でθDMがマイコン初期化後n
回以上算出されたかどうかを判定する。n回以上算出さ
れたと判定された場合には、ステップ610で前輪操舵
角の中立補正完了フラグFに「1」をセットする。
【0033】ステップ609でn回に満たないと判定さ
れた場合は、そのまま処理をぬける。なお、フラグFは
初期化時に「0」にリセットされている。次に、ステッ
プ610でフラグF=1とした後、マイコン24はステ
ップ611へ進み、θDMのローパスフィルタ処理を行
い、最終的な中立位置θN を算出する。即ち、次の処理
を実行する。
【0034】
【数6】
【0035】このローパスフィルタ処理により車輪速に
加わるノイズが除去される。その後、マイコン24はス
テップ612で前輪操舵角センサ16による操舵角θs
と最終中立位置θN との差(=θs−θN )を絶対操舵
角θとする。ところで、θMAX ,VLOW ,VHIGH,T
は、車両に応じた定数を予め設定してある。
【0036】次に、再び図6のメインルーチンの説明に
戻る。ステップ600の処理の後、マイコン24はステ
ップ700で後輪操舵角指令値θ*r を算出する。ここ
で、上述の絶対操舵角θが算出されていない場合にもス
テップ700は実行される。即ち、ステップ600から
ステップ700の処理への移行は、絶対操舵角θが算出
された後に限られないのである。
【0037】このステップ700は後輪操舵角指令値
θ*rを算出する処理である。要約すると、このステッ
プ700では、エンジン始動後に前輪操舵角センサの中
立補正が完了したか否かに応じて、2種類の後輪操舵角
指令値の算出方法の内のいずれかに基づいて後輪操舵角
指令値 θ*rを選択する。
【0038】図11にその具体的処理内容のフローチャ
ートを示す。まず、ステップ701では、前輪操舵角中
立補正完了フラグFの状態を判定する。この判定におい
て、F=0、即ち中立補正完了前と判定された場合に
は、ステップ702に進み、本実施例特有の第2の後輪
位置指令値算出方法にて後輪位置指令値を算出する。こ
の第2の後輪位置指令値算出方法は、前輪操舵角情報を
用いないで指令値を算出する方法となっており、例えば
以下に示す様に、車速Vと実ヨーレイトWaのみから後
輪位置指令値を算出する。
【0039】
【数7】
【0040】ここで、θ*r は第2の後輪位置指令値算
出式により算出した指令値、 K2(V) は車速Vによ
り変化する係数である。 K2(V)の設定例を図12に
示す。この係数 K2(V)は、図示の様に、所定以下の
車速では値0となり、その後車速の増大に従って増加
し、ある程度増加したところからほぼ一定値となってい
る。即ち、この係数 K2(V)は、前輪操舵方向と同相
方向への操舵指令しか与えない様に設定されている。
【0041】一方、ステップ701で前輪操舵角中立補
正完了フラグFが「1」であると判定された場合には、
ステップ703へ進み、従来より知られている前輪操舵
角信号を用いた第1の後輪位置指令算出方法に基づいて
後輪位置指令値を算出する。このステップ703の処理
を図15のフローチャートで説明する。まず最初の処理
であるステップ731で、車速Vと前輪の絶対操舵角θ
とから、下記(9)式に基づいて定常時目標ヨーレイト
Wsを算出する。
【0042】
【数8】
【0043】ここで、Khは車両のアンダーステアある
いはオーバーステア特性を表わすスタビリティファクタ
で、通常一定値として予め設定される値である。また、
このスタビリティファクタKhは、図13(a)〜
(c)に示すように、車速Vと操舵角θsをパラメータ
とした関数値として決定することもできる。lは車両の
ホイールベース、Nはステアリングギヤ比で、各々車両
諸元より決定されている。
【0044】次のステップ732では、ステップ731
で算出した定常時目標ヨーレイトWsを入力として、
(10)式に示す伝達関数H(s)で定める過渡特性を
持たせ、最終的な目標ヨーレイトWiを算出する。
【0045】
【数9】
【0046】ここで、Kは過渡時のゲインを表わし、K
>0に値が設定されている。また、Tは時定数、sはラ
プラス演算子である。なお、(10)式は連続系の伝達
特性で示されているが、本例ではゼロ次ホールダによる
厳密な離散化を行って実現している。
【0047】以下、このステップ732での演算処理、
すなわち(11)式に示す処理方法について説明する。
【0048】
【数10】
【0049】まず、(11)式をサンプリングインター
バルh(図6に示す定時割込処理の周期)で離散化す
る。以下、伝達関数H(s)の入力をu(s)、出力を
y(s)として説明する。(11)式を状態方程式表現
に変換すると次の様になる。即ち、
【0050】
【数11】
【0051】であるから、
【0052】
【数12】
【0053】が得られる。この(13)式を離散化する
と、
【0054】
【数13】
【0055】ここで、h,Tは既知の定数であるからe
-h/Tは定数として扱うことができる。従って、x,e
-h/T,K を適宜にスケーリングして、(14)式を演
算することにより伝達特性H(s)の出力y(s)を算
出することができる。すなわち、u=Ws、y=Wiと
し、(14)式を演算することで、定常時目標ヨーレイ
トWsから最終的な目標ヨーレイトWiを算出できる。
【0056】次のステップ733では、図6のステップ
500で算出した実ヨーレイトWaと、ステップ732
で算出した目標ヨーレイトWiとの誤差△Wを(15)
式に従って算出する。
【0057】
【数14】
【0058】ステップ734では、ステップ733で算
出した誤差△Wと、ステップ300で算出した車速Vよ
り、(16)式に従って後輪操舵角指令値第1項θ*r1
を算出する。
【0059】
【数15】
【0060】ここで、F(△W,V)はヨーレイト誤差
△Wと車速Vをパラメータとする関数であり、図14
(a)に示すように2次元のマップを検索して算出する
様にしている。一般に車速が中速域の場合は、(9)式
に示すヨーレイトゲイン、すなわち前輪舵角に対するヨ
ーレイトの比は高くなるため、図14(a)に示すよう
に、後輪操舵角指令値第1項θ*r1は、車速Vに対して
低速域では大きく、中速域では小さくし、高速域ではゆ
るやかに大きくなる様に設定されている。また、ヨーレ
イト誤差△Wに対しては、比例的に後輪操舵角指令値第
1項θ*r1を設定している。なお、ヨーレイト誤差△W
が極めて小さい領域(△W≦△W0 )ではθ*r1 =0
とする。また、後輪操舵角指令値第1項θ*r1は、図1
4(b)に示すように、単にヨーレイト誤差△Wから算
出するようにしてもよい。
【0061】続いてステップ735に進むと、前輪に比
例した分だけ後輪操舵量を与える前後輪操舵比 K1
(V)を算出する。これは図16に示す様に車速Vに応
じてあらかじめ定められた値をマップ検索して算出す
る。なお、この図16と図12とを比較すると分かる様
に、第1の算出方法による処理では、前輪操舵と逆相に
も後輪が転舵される。
【0062】次のステップ736では、前輪操舵角θに
K1(V)を掛けて後輪操舵角指令値第2項θ*r2を算
出する。即ち、θ*r2= K1(V)・θの演算を実行す
る。そして、ステップ737では、最終的な後輪操舵角
指令値θ*r を算出する。即ち、θ*r =θ*r1+θ*
r2の演算を実行する。
【0063】以上述べた様に図11のステップ703で
は、前輪操舵角信号を用いて後輪操舵角指令値を算出す
る。なお、ステップ703での処理は上述の内容に限定
されるものでなく、例えば図15のステップ735〜7
36で述べた前輪に比例した量のみ後輪を操舵する公知
の前輪比例制御による後輪操舵角指令値の算出でも良
い。
【0064】図17に、ステップ703で実現している
後輪制御ブロック図を示す。前輪操舵角すなわち前輪操
舵角θと車速Vとからヨーレイトゲインを考慮して決定
された定常状態での目標ヨーレイトすなわち定常時目標
ヨーレイトWsを(9)式により算出し、この定常時目
標ヨーレイトWsを入力として、(10)式に示す一次
の伝達関数H(s)を通した信号を最終的な目標ヨーレ
イトWiとし、実際に車両に発生している実ヨーレイト
Waとの誤差信号△Wから後輪舵角指令第1項θ*r1を
算出する。ここで、この一次の伝達特性H(s)が車両
の旋回過渡時の特性補正を決定している。また前後輪操
舵角より決定される後輪舵角指令第2項θ*r2をフィー
ドフォワード項として付加している。
【0065】再び、図11のフローチャートの説明に戻
る。ステップ702又は703に続くステップ704で
は、第1後輪位置指令と第2後輪位置指令が切り替わっ
た際に、後輪に急転舵が発生しないよう、前輪操舵角中
立補正完了フラグFが変化したか否か、即ち、指令算出
方法が変更された直後か否かを判定する。指令算出方法
の切り替えがなされた直後であると検出されたときは、
ステップ705に進む。このステップ705では、切り
替え前に算出された指令値θ*ri-1と、切り替え後に算
出された指令値θ*riとから、指令値算出方法の切替え
により発生する差分△θ*r を求める。そして、続くス
テップ706でこの差分△θ*r をオフセット値θ*ro
ffset とし、ステップ707でこのオフセット値θ*ro
ffset を今回の指令値θ*riに加算する。
【0066】一方、ステップ704で算出方法の切り替
え直後ではないと判定された場合には、ステップ708
へ進み、オフセット値θ*roffset の絶対値を所定量d
だけ減少させる。この減少処理は、(|θ*roffset |
−d)が負になる場合には「0」にガードされる。
【0067】即ち、本実施例においては、ステップ70
4〜ステップ708の処理により、後輪指令値の算出方
法が切り換えられた直後には、直ちに新たな算出方法に
より算出された値にはせず、時間の経過と共に、新たな
算出方法による値そのものへ近づけていくのである。こ
の制御によって、新たな算出方法に沿いつつ急転舵の発
生を防止している。
【0068】以上述べた様に、図6の割り込み処理ルー
チンで示すステップ700では、前輪転舵角の中立位置
補正が完了したか否かに応じて、第1又は第2の算出方
法のいずれかに基づいて後輪指令値が算出される。そし
て、マイコン24は、ステップ800において後輪指令
値θ*r と後輪実位置θrとを比較し、両者の差をなく
すべく一般に公知の後輪位置決めサーボ演算を行ない、
この演算結果によりステップ900で電流指令値Ifを
算出しサーボモータ2を駆動すべく駆動回路32に出力
する。
【0069】以上説明した様に、本実施例によれば、始
動直後の様に、前輪舵角の中立位置補正が完了しない状
態においても、第2の算出方法に基づいて後輪位置指令
値を算出することができる。この際、逆相方向への後輪
転舵はなされず、同相方向のみの後輪転舵が実行され
る。しかも、この後輪転舵に必要な後輪位置指令は、車
速Vと実ヨーレイトWaに基づいて算出され、その傾向
としては、車速が速いほど同相方向へ大きく転舵され、
実ヨーレイトWaが大きいほどその同相方向への転舵量
が大きくされる。従って、前輪転舵量が不明であって
も、現在発生している実ヨーレイトWaが増大する様な
横滑りは発生することがなく、現在横滑りが発生してい
るならばその横滑りを減少させる方向への制御として後
輪操舵制御が実行される。
【0070】また、中立補正が完了した後は、従来と同
様に、目標ヨーレイトに実ヨーレイトを一致させる制御
が実行され、やはり横滑りの発生を防止できる。この中
立補正完了後においては、同相方向だけでなく、低速時
には逆相方向へも転舵制御が実行され、低速時における
切れのよい旋回をも実現することができる。
【0071】さらに、本実施例によれば、かかる二つの
算出方法を切り替える際に、オフセット値を用いて徐々
に新たな算出方法のみによる算出値に従った制御へ移行
させるので、上述の様な切り替え制御を行うに当たっ
て、急転舵を生じることがなく、安定した制御を実現す
ることができる。
【0072】以上本発明の一実施例について詳細に説明
したが、本発明は何等この実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様
で実現することができることはもちろんである。
【0073】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明の車両用後輪
舵角制御装置によれば、前輪舵角の中立補正が完了する
前においても、後輪を転舵制御することにより、横滑り
防止に対して対策を講じることができる。
【0074】この結果、エンジン始動後直ちに発進し、
所定以上のスピードで旋回し始めた様な場合において
も、当該旋回中の横滑りの発生を適切に防止することが
できる。そして、この様に前輪舵角が不明の中での制御
であるにもかかわらず、車速と実ヨーレイトとを用い
て、ヨーレイトの増大を抑制する様に後輪転舵量を算出
するから、誤って横滑りを増大させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的構成を例示する基本構成図で
ある。
【図2】 実施例の後輪舵角制御装置の概略構成図であ
る。
【図3】 実施例の装置における制御系統の構成図であ
る。
【図4】 実施例におけるメインルーチンのフローチャ
ートである。
【図5】 実施例における車速パルス処理のフローチャ
ートである。
【図6】 実施例における後輪転舵制御処理のための割
り込み処理のフローチャートである。
【図7】 実施例における中立位置補正ロジックのフロ
ーチャートである。
【図8】 実施例における中立位置補正ロジックの制御
ブロック図である。
【図9】 実施例における操舵の際の説明図である。
【図10】 実施例における操舵の際の説明図である。
【図11】 実施例における後輪位置指令算出処理のフ
ローチャートである。
【図12】 実施例における後輪位置指令算出処理で、
第2の算出方法を用いる場合の係数 K2(V)の説明図
である。
【図13】 実施例における第1の算出方法でのスタビ
リティファクタKhの設定方法を示す特性図である。
【図14】 実施例における第1の算出方法での後輪操
舵角指令値算出方法の特性図である。
【図15】 実施例における第1の算出方法で後輪位置
指令算出する処理の詳細なフローチャートである。
【図16】 実施例における後輪位置指令算出処理で、
第1の算出方法を用いる場合の係数 K1(V)の説明図
である。
【図17】 実施例における第1の算出方法の制御ブロ
ック図である。
【符号の説明】
1・・・後輪操舵機構、2・・・直流サーボモータ、3
・・・電気的制御装置、4・・・減速ギア、5・・・ピ
ニオンギア、6・・・パワーピストン、7・・・ラッ
ク、8・・・油圧バルブ、9・・・タイロッド、10・
・・ナックルアーム、11・・・後輪、12・・・後輪
操舵角センサ、15・・・車速センサ、16・・・前輪
操舵角センサ、17・・・ステアリングシャフト、18
・・・ステアリングホイール、19・・・前輪、20・
・・ヨーレイトセンサ、21・・・左車輪速センサ、2
2・・・右車輪速センサ、23・・・ブレーキスイッ
チ、24・・・マイコン、25〜28・・・波形成形回
路、29・・・アナログバッファ、30・・・A/Dコ
ンバータ、31・・・デジタルバッファ、32・・・駆
動回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪を転舵する後輪転舵手段と、 車両の車速を検出する車速検出手段と、 前輪の転舵量を検出する前輪転舵量検出手段と、 前輪転舵の中立位置を算出する中立位置算出手段と、 該算出された中立位置と前記検出された転舵量とに基づ
    いて、前輪の絶対的な転舵角を算出する絶対転舵角算出
    手段と、 旋回によって車両に生じる実際のヨーレイトを検出する
    実ヨーレイト検出手段と、 該算出される前輪の絶対的な転舵角と前記検出される車
    速とを用いて、車両の旋回時における目標のヨーレイト
    を算出し、該目標のヨーレイトと前記実際のヨーレイト
    とを比較し、実際のヨーレイトと目標のヨーレイトとを
    一致させるのに必要な後輪転舵量を算出する後輪転舵量
    算出手段と、 該算出された後輪転舵量に基づいて、前記後輪転舵手段
    を駆動制御する後輪転舵制御手段とを備える車両用後輪
    舵角制御装置において、 前記中立位置算出手段による中立位置の算出が完了して
    いるか否かを判定する算出完了判定手段と、 該算出完了判定手段により中立位置の算出が完了してい
    ないと判定された場合には、前記後輪転舵量算出手段に
    代わって、車速と実際のヨーレイトとからヨーレイトの
    増大を抑制する後輪転舵量を算出する第2の後輪転舵量
    算出手段とを備えたことを特徴とする車両用後輪舵角制
    御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6208921B1 (en) 1997-04-16 2001-03-27 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle behavior control system
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KR20190034831A (ko) * 2017-09-25 2019-04-03 현대모비스 주식회사 차량의 후륜 조향장치 및 그 제어방법

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