JPH0530818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はワークをボルスタに複数配列された金
型上を所定ピツチ送りさせて順次複数回のプレス
加工を行うプレス用ロボツトのワーク搬送装置に
関する。

（従来の技術） 一般に一台のプレス用ロボツトと一台のプレス
機とによつてワークを高速運転で複数回のプレス
加工を順次効率的に行うようにするには、フイー
ドバーの可動部を軽量化すると共に装置の構成を
簡素化する必要がある。従来、プレス用ロボツト
のワーク搬送装置は、プレス用ロボツトのフイー
ドバーに金型数に対応して配設されたフインガー
によつて３個以上の吸着具でワークを吸着して上
昇した後所定ピツチ送りさせ、吸着具のピツチま
たはその整数倍のピツチで加工順に配設した複数
組の上、下型間に搬送し加工位置させ、これらの
型を上記プレス機によつて作動させてワークにプ
レス加工を施し、プレス用ロボツトの上昇及び回
避動作によつて吸着具全体をワーク位置に後退さ
せ、これらの操作を繰り返すことにより、異なつ
た加工に簡単な操作で対処できるようにし、かか
るプレス用ロボツトのワーク搬送装置の稼働効率
を向上させようとするものであつた。またこの種
の装置におけるフインガーの吸着具への配管或は
配線は、プレス用ロボツトに装着された真空発生
装置あるいはマグネツト電源からフイードバーを
経てわたり配管或はわたり配線を設けてフインガ
の基部に供給し、吸着具に接続していた。またフ
インガは、ボルスタ上に複数配列される金型数に
より使用数が異なり、そのために使用金型数が予
め用意されたフインガを有するワンセツトのフイ
ードバーがフインガホルダに着脱自在に取着され
るようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが従来の装置では、ロボツトのロツド、
フインガホルダ、フイードバーの往復動及び昇降
動にわたつて配管或は配線のわたり部分が多岐に
配設され、設備作業の邪魔になつたり、振られた
りして切損事故を起こすことがあつた。また、金
型数、金型ピツチに応じたフインガを有するワン
セツト・フイードバーのフインガーホルダの着脱
時にあつては、フインガからの配管或は配線をロ
ボツトからの配管或は配線に接続する作業が極め
て面倒であり、ワンセツト・フイードバーのフイ
ンガホルダへの着脱と同時に配管或は配線の接
続・離脱がワンタツチで行えるものが望まれてい
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこれら欠点を除き、ロボツトからフイ
ードバーへのわたり配管或はわたり配線を無く
し、整備作業を容易にすると共にそれら配管或は
配線の切損事故を無くすことはもとより、ワンセ
ツト・フイードバーのフインガホルダへのワンタ
ツチ取付による作業効率化を果たすことのできる
プレス用ロボツトのワーク搬送装置を提供するた
めになされたもので、その要旨は、ワークがボル
スタに複数配列された金型上に所定ピツチ送りさ
れ、当該ワークに順次複数回のプレス加工を行わ
せしめるべく１台のプレス機前面に設けられたプ
レス用ロボツトのワーク搬送装置において、ワー
クを吸着解除する吸着具と、該吸着具を保持する
フインガーと、該フインガーを調整自在に取着固
定する長孔を有するとともに該フインガーを介し
て吸着具に接続する配管或は配線と該フインガー
からの配管或は配線と接続するマニホールドを収
容する収納部を有し、且つ該フインガーを上記金
型に対応したピツチで配設してなるフイードバー
と、一端がプレス用ロボツトのロツドに取着固定
する基部を有し、他端が上記フイードバーの中間
部を着脱自在に支持せしめる嵌合部を有するフイ
ンガホルダとからなり、上記フイードバーは上記
嵌合部にあつて上記収納部を形成するアングル材
と上記長孔を穿設するとともに該アングル材の幅
方向に上記フインガーを支持するフラツトバーと
を一体的に形成してなる角パイプからなり、上記
フインガホルダは上記フイードバーの中間部が当
該嵌合部に嵌合する際、上記マニホールドを介し
て上記フインガーからの配管或は配線に接続し連
通する管路或は線路を形成してなることを特徴と
するプレス用ロボツトのワーク搬送装置にある。

（作用） ボルスタ上に複数配列された金型の所定ピツチ
に応じたフインガを有するフイードバーをフイン
ガホルダに取着するに際して、フイードバーをフ
インガホルダの位置決めピンを介してフインガホ
ルダの凹部に嵌合し取着固定することで吸着具の
配管或は配線と真空発生器或はマグネツト電源の
配管或は配線とが接続、連絡できる。

（実施例） 以下、本考案の詳細を図示した実施例に基づい
て説明する。

第１図中、符号１はワークＷを加工するプレス
機であり、本実施例の場合、１回の作動で４工程
のプレス作業を同時に処理するプレス機１が用い
られる。このプレス機１は、２工程以上を同時プ
レス作業を対象としており、各工程間のワークＷ
の移動はワーク搬送装置２によつている。

このワーク搬送装置２は、ワークＷを吸着する
例えばベンチエリー式の複数の真空吸着具３…
と、複数の金型５…数に対応した数を有し、それ
ら吸着具３…を先端に保持すると共に材軸方向に
長孔４ａ，４ｂを設けたフインガー４…と、それ
らフインガー４…を調整自在に取着固定する長孔
１０ａをその材軸方向に複数有すると共に吸着具
３に接続する配管６例えば合成ゴム製の管を収容
する収容部７を有し、ボルスタ８上に複数配列さ
れた金型５に沿つて延伸するフイードバー９と、
一端がプレス用ロボツトＲのロツド１０に取着固
定する基部１１ａを有し、他端がフイードバー９
の中間を着脱自在に支持せしめる嵌合部１１ｂを
有すると共にフイードバー９をその嵌合部１１ｂ
に取着固定する際に、フインガ４の配管６に接続
し連絡する管路１１ｃを形成してなるフインガホ
ルダ１１とから構成されている。

そのうち上記フイードバー９は、角パイプ９ｂ
とフラツトバー９ｃとアングル材９ｄとからなる
断面形状が日形状の剛性構造をなし、そのフラツ
トバー９ｃとアングル材９ｄ間にマニホールド１
２とマニホールド用パツキン１３が収納されてい
る。また、そのアングル材９ｄとマニホールド１
２とマニホールド用パツキン１３には、後述する
位置決めピン１４に嵌合する位置決め穴９ｅ，１
２ａ，１３ａが設けられ、フインガホルダ１１の
所定位置に位置決め可能になつている。さらにマ
ニホールド１２は、適宜な厚みを有し、圧フイン
ガホルダ１１の軸方向寸法に略一致した長方形を
なし、その長手方向の中心に上記位置決め穴１２
を有すると共にその位置決め穴１２ａを中心にし
てその幅方向に各一対の管路１５ａ，１５ｂ，１
５a′，１５b′が対称に振り分けられている。この
マニホールド１２の各一対の管路１５ａ，１５
ｂ，１５a′，１５b′は、それらの接合部が下向き
に形成され、そのうちの管路１５ａ，１５a′の接
合部が内に向かつて位置決め穴９ｅに接近して設
けられており、他方の管路１５ｂ，１５b′の接合
部が外に向かつて位置決め穴９ｅから離れて設け
られている。そして、これら各一対の管路１５
ａ，１５ｂ，１５a′，１５b′は、それぞれがマニ
ホールド１２の長手方向両端に向かつて互いに相
反して形成され、それら両端に形成された管路１
５ａ，１５ｂ，１５a′，１５b′に配管６が接続さ
れる接合部を設けている。またマニホールド用パ
ツキン１３は、マニホールド１２の下部とフイー
ドバー９のアングル材９ｄ間に挟装され、マニホ
ールド１２に設けられた管路１５ａ，１５ｂ，１
５a′，１５b′の接合部と同様な位置に、アングル
材９ｄと共に管路１５ａ，１５ｂ，１５a′，１５
b′と同様な径の穴が穿設されている。なお、フイ
ードバー９は、金型８を交換する際に、その金型
の数に見合つたフインガー４を備えた他のワンセ
ツトのフイードバーに交換すればよい。

また、上記フインガホルダ１１は、第３図に示
すように、一端に基部１１ａと、他端に側面凹形
状の嵌合部１１ｂを形成し、さらに嵌合部１１ｂ
からその中間部にかけてマニホールド１２の管路
１５ａ，１５ｂ，１５a′，１５b′に対応した管路
１１ｃを形成した軽量な一体成型部材よりなり、
基部１１ａにはロツド１０に取着固定するための
すり割１１ｄとともに締め付けボルト１６が螺着
され、嵌合部１１ｂにはその幅方向中央にあつて
フインガホルダ１１の先端近傍に位置決めピン１
４が植設されている。また、嵌合部１１ｂ近傍に
は、押え板１７を案内するガイド１１ｅとともに
締め付けボルト用雌ねじ部１１ｆが設けられ、さ
らにガイド１１ｅと基部１１ａとの間に管路１１
ｃの接合部１１ｇが上向きに設けられている。

上述したワーク搬送装置２は第２図に示すよう
に吸着具３…を具備したフインガ４…を所定の間
隔で配設してワンセツト化されたフイードバー９
をフインガホルダ１１の嵌合部１１ｂに着脱自在
に取着固定している。即ち、フイードバー９は、
フインガホルダ１１に植設された位置決めピン１
４に嵌入されてその長手方向の適宜な位置決めが
なされ、フインガホルダ１１の嵌合部１１ｂに嵌
合される。

さらにフイードバー９は、そのフラツトバー９
ｃとフインガホルダ１１の先端縁部との間にクラ
ンプナツト１８を挟み込み、そして雌ねじ１１ｆ
に螺着される締め付けボルト１１ｈの締め付けに
よつてその角パイプ９ｄの上縁部に押し当てられ
た押え板１７が下部に押え付けられるように固定
される。この時、マニホールド１２側管路１５
ａ，１５ｂ，１５a′，１５b′とフインガホルダ１
１側管路１１ｃとは密着結合し、フイードバー９
のアングル材９ｄ、パツキン１３の各穴及びマニ
ホールド１２の管路１５ａ，１５ｂ，１５a′，１
５b′の接合部を経て互いに連絡するように形成さ
れる。

即ち、フイードバー９はフインガホルダ１１に
対して締め付けボルト１１h1本で取着固定され、
同時に吸着具３の排気経路との連通をワンタツチ
で果たすことができる。またフインガー４…は、
その長孔４ａ，４ａに取着ボルト１９をフイード
バー９の長孔９ａを介してマニホールド１２とフ
ラツトバー９ｃ間に設けられたナツト２０に螺着
すると共に、もう一方の取着ボルト１９をクラン
プナツト１８に螺着することによつてフイードバ
ー９に取着固定される。さらにワークＷの吸着
は、ロボツトＲに設けられた真空発生器（図示せ
ず）からの配管２１、フインガホルダ１１の管路
１１ｃ、フインガ４の配管５を介して吸着具３…
によつてなされる。

そして、吸着具３…に吸着されたワークＷは、
プツシヤーフイード２２や図示しないロールフイ
ーダ或はローダ等の搬入装置により第１工程用に
金型５ａ上にセツトされ、プレス機１の作動とワ
ーク搬送装置２による送りとを繰り返しつつ順次
所定のプレス加工が施される。そして、最終の金
型５ｄで第４工程の加工を終えたワークｗは、ワ
ーク搬送装置２によりボルスタ８上の搬出位置に
送出され、例えば図示しないコンベヤやシユート
或はアンローダ等の搬出装置によりプレス機１外
に取り出される。

本考案は上記実施例に制約されず種々の態様が
可能である。例えば、本考案装置１回の作動で４
工程以上のプレス作業を同時に処理するプレス機
１に用いるも可能である。また、吸着具の代わり
に、マグネツト吸着式或はチヤツク式のものを用
いてもよく、配管の代わりに電線を用いてもよ
い。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、プレス
用ロボツトからフイードバーへのわたり配管或は
わたり配線を無くし、整備作業を容易にすると共
にそれら配管或は配線の切損事故を無くし得るこ
とは勿論のこと、フインガホルダは、上記フイー
ドバーの中間部が当該嵌合部に嵌合する際、マニ
ホールドを介してフインガーからの配管或は配線
に接続し連通する管路或は線路を形成してなるの
で、複数のフインガーが取着されたワンセツト・
フイードバーを着脱して交換するに際し、フイン
ガー側の配管或は配線に対してそのフイードバー
をフインガホルダにはめ込み、ボルト締めするだ
けのワンタツチ操作で接続することができると同
時に、ワンセツト・フイードバーの複数のフイー
ンガーにおける総ての吸着具にわたつて吸着機能
を生ぜしめ、従来のようにフインガーを１個毎、
フイードバーに接続してフインガー１個毎に吸着
機能を得るものに比べて極めて作業効率が高い。

しかも、ワンセツト・フイードバーは、嵌合部
にあつて収納部を形成するアングル材と、長孔を
穿設するとともにアングル材の幅方向にフインガ
ーを支持するフラツトバーとを一体的に形成して
なる角パイプからなるので、剛性を有すると共に
軽量化され、フイードバーの可動部として軽量で
その動きを軽快にし、高速運転に対する高い追従
性を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の使用態様を示す平面図、第２
図は本考案装置の部分拡大平面図、第３図は第２
図のＡ−A′線に沿う縦断面図、第４図は第２図
のＢ−B′線に沿う縦断面図、第５図は第２図の
Ｃ−Ｃ線に沿う縦断面図である。 １……プレス機、２……ワーク搬送装置、３…
…真空吸着具、４……フインガー、４ａ，４ｂ…
…長孔、５……金型、６……配管、７……収納
部、８……ボルスタ、９……フイードバー、９ａ
……長孔、９ｂ……角パイプ、９ｃ……フラツト
バー、９ｄ……アングル材、１０……ロツド、１
１……フインガホルダ、１１ａ……基部、１１ｂ
……嵌合部、１１ｃ……管路、１１ｄ……すり
割、１１ｅ……ガイド、１１ｆ……ボルト用雌ね
じ部、１１ｇ……接合部、１１ｈ……締め付けボ
ルト、１２……マニホールド、１２ａ……位置決
め穴、１３……マニホールド用パツキン、１４…
…位置決めピン、１５ａ，１５ｂ，１５a′，１５
b′……管路、１６……締め付けボルト、１７……
押板、１８……クランプナツト、１９，１９′…
…取着ボルト、２０……ナツト、２１……配管、
Ｗ……ワーク、Ｒ……プレス用ロボツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークＷがボルスタ８に複数配列された金型５
   …上に所定ピツチ送りされ、当該ワークＷに順次
   複数回のプレス加工を行わせしめるべく１台のプ
   レス機１前面に設けられたプレス用ロボツトＲの
   ワーク搬送装置において、ワークＷを吸着解除す
   る吸着具３と、該吸着具３を保持するフインガー
   ４と、該フインガー４を調整自在に取着固定する
   長孔９ａを有するとともに該フインガー４を介し
   て吸着具３に接続する配管或は配線と該フインガ
   ー４からの配管或は配線と接続するマニホールド
   １２を収容する収納部７を有し、且つ該フインガ
   ー４を上記金型５…に対応したピツチで配設して
   なるフイードバー９と、一端がプレス用ロボツト
   Ｒのロツド１０に取着固定する基部１１ａを有
   し、他端が上記フイードバー９の中間部を着脱自
   在に支持せしめる嵌合部１１ｂを有するフインガ
   ホルダ１１とからなり、上記フイードバー９は上
   記嵌合部１１ｂにあつて上記収納部７を形成する
   アングル材９ｄと上記長孔９ａを穿設するととも
   に該アングル材９ｄの幅方向に上記フインガー４
   を支持するフラツトバー９ｃとを一体的に形成し
   てなる角パイプ９ｂからなり、上記フインガホル
   ダ１１は上記フイードバー９の中間部が当該嵌合
   部１１ｂに嵌合する際、上記マニホールド１１を
   介して上記フインガー４からの配管或は配線に接
   続し連通する管路或は線路１１ｃを形成してなこ
   とを特徴とするプレス用ロボツトのワーク搬送装
   置。