JPH05300993A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 すすぎ運転を給水能力に応じて始め、その終
了、ひいては全運転の終了時期を極力一定にできるよう
にする。 【構成】 洗濯槽に対する給水能力を検知し、その検知
結果から、給水能力が低いと判断されるときほどすすぎ
時に早くすすぎ運転を始める制御をするようにした。
又、この場合、給水能力の検知は、洗濯槽内の水位を検
知する水位センサのその検知結果をもとに、洗濯槽内の
水位が所定の水位に達するまでの時間を計測するだけで
行ない得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はすすぎの制御方式を改良
した洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、洗濯機においては、すすぎ
を、一律に、洗濯槽内の水位が洗濯物の量に適した規定
の水位に達するのを待って開始するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗濯槽
に対する給水能力は、各家庭ごと、あるいは時間帯によ
って異なるもので、給水能力の低いところ、ときでは、
すすぎ時に洗濯槽内の水位が上述の規定の水位に達する
のも遅く、すすぎ運転が始まるのが遅くなるから、終わ
るのも遅くなる。

【０００４】従ってこの場合、洗濯機の全運転が終わる
のが遅くなり、使用者が、コースによっておおむね分か
っている全運転の終了時期を見計らって、洗濯物を取出
すべく、洗濯機の前に行っても、洗濯機の運転が続いて
いて、終わるまで待たされるという問題点を有してい
た。

【０００５】一方、上述とは反対に、給水能力の高いと
ころ、ときでは、すすぎ時に洗濯槽内の水位が規定の水
位に達するのが早く、すすぎ運転が始まるのが早くなる
から、終わるのも早くなる。

【０００６】従ってこの場合、洗濯機の全運転が終わる
のが早くなり、使用者が、上述同様、全運転の終了時期
を見計らって、洗濯物を取出すべく、洗濯機の前に行っ
たときには、洗濯機の運転がはや終了していて、それま
での間、洗濯物が放置され、しわが寄るといった問題点
を有していた。

【０００７】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその第１の目的は、すすぎ運転を給水能
力に応じて始めることができて、その終了、ひいては全
運転の終了時期を極力一定にすることのできる洗濯機を
提供するにある。

【０００８】本発明の第２の目的は、上述のものにあっ
て、更に、給水能力の検知が容易にできる洗濯機を提供
するにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の洗濯機においては、洗濯槽内に給水する給
水手段と、この給水手段を通じての給水能力を検知する
給水能力検知手段とを具備すると共に、この給水能力検
知手段による検知結果から給水能力が低いと判断される
ときほどすすぎ時に早くすすぎ運転を始める制御をする
制御手段を具備したことを特徴とする。

【００１０】この場合、上記給水能力検知手段は、洗濯
槽内の水位を検知する水位センサのその検知結果をもと
に、洗濯槽内の水位が所定の水位に達するまでの時間を
計測して給水能力を検知するようになっていると良い。

【００１１】

【作用】上記手段によれば、給水能力が低いと判断され
るときにはそれだけ早く、逆に給水能力が高いと判断さ
れるときにはそれより遅く、すすぎ運転が始められて、
その終了時期が極力一定にされる。

【００１２】又、この場合、給水能力検知手段が、洗濯
槽内の水位を検知する水位センサのその検知結果をもと
に、洗濯槽内の水位が所定の水位に達するまでの時間を
計測して給水能力を検知するようになっているもので
は、複雑な計算等を要せず、時間を計測するだけで給水
能力の検知ができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面を参照
して説明する。

【００１４】まず図２には、洗濯機、中でも全自動洗濯
機の外箱１を示しており、外槽２及び内槽３の二重槽か
ら成る洗濯槽４を内設している。この場合、外槽２は底
部に排水口５を有する以外無孔状のもので、一部のみ図
示した弾性吊持機構６により支持されている。これに対
して、内槽３は周側部に脱水孔７を多数有するもので、
外槽２内に配設され、更に、内槽３の内底部には撹拌体
８を配設している。

【００１５】又、外槽２の外下方部には、モータ９を主
体とする駆動機構１０を配設しており、これによって、
洗い及びすすぎ時に内槽３を制止して撹拌体８を回転さ
せ、脱水時に内槽３を撹拌体８と共に回転させるように
している。このほか、外槽２底部の前記排水口５には、
排水弁１１及びエアトラップ１２を有する排水ケース１
３を介して、排水ホース１４を接続している。

【００１６】一方、外箱１上にはトップカバー１５を装
着しており、これの後部内方に内槽３内に給水する給水
手段である給水弁１６を配設すると共に、外槽２内の水
位を検知する水位センサ１７を配設している。なお、水
位センサ１７は、詳しくは図示しないが、上記外槽２内
の水位の上昇又は下降に応じて変化する前記エアトラッ
プ１２内の空気圧を導圧チューブ１８により受けて、外
槽２内の水位に応じた水位検知信号を発するようになっ
ている。

【００１７】加えて、トップカバー１５の前部内方に
は、給水能力検知手段並びに制御手段として機能する制
御装置１９を配設している。この制御装置１９は、詳細
にはマイクロコンピュータから成るもので、図３に示す
ように、各種操作スイッチから成るスイッチ入力部２０
より各種操作信号が入力されると共に、上記水位センサ
１７より水位検出信号が入力されるようになっており、
それらの入力並びにあらかじめ記憶された制御プログラ
ムに基づき、各種表示素子から成る表示部２１と、前記
給水弁１６、モータ９、及び排水弁１１をそれぞれに駆
動する駆動回路２２〜２５に駆動制御信号を与えるよう
になっている。

【００１８】そこで、以下には上記制御装置１９による
制御内容について述べる。運転を開始させると、制御装
置１９は、図１に示すように、最初、給水弁１６を開放
させて内槽３内への給水を開始する（ステップＳ１）。
次に、水位センサ１７からの水位検知信号により、内槽
３内と通じた外槽２内の水位が、この場合、「少量」水
位に達したか否かの判断をし（ステップＳ２）、達した
と判断されたところで、時間の計測を開始する（ステッ
プＳ３）。そして次に、水位センサ１７からの水位検知
信号により、外槽２内の水位が上記「少量」水位より一
段高い「低」水位に達したか否かの判断をし（ステップ
Ｓ４）、達したと判断されたところで、時間の計測を終
了する（ステップＳ５）。

【００１９】この後、上記時間の計測結果に基づいて、
すすぎ運転の開始水位の設定をするもので（ステップＳ
６）、それは具体的には以下のようにして行なう。

【００２０】すなわち、図４の表に示すように、給水能
力を、毎分、５リットルと、１０リットル、及び１５リ
ットルの３段階に分けた場合、いずれも洗濯物量が１ｋ
ｇと３ｋｇ及び５ｋｇでは、洗濯物の種類（さらし、化
繊、天然繊維及び化学繊維混合の標準実布）によって、
上記外槽２内の水位が「少量」水位から「低」水位に達
するまでの時間は相違する。この場合、給水能力が毎分
５リットルであれば、外槽２内の水位が「少量」水位か
ら「低」水位に達するまでの時間は１００〜１３２秒
で、毎分１０リットルであれば、４６〜７６秒であり、
更に、毎分１５リットルであれば、３３〜５２秒である
（いずれの場合も、洗濯物量が多いほど早く「低」水位
に達し、又、吸水性の低い布質ほど早く「低」水位に達
する）。従って、その時間が８０秒を超えるようである
と、給水能力は洗濯物の量及び種類に関係なく毎分５リ
ットルと判定でき、４９秒以上８０秒以下では、給水能
力は同様に洗濯物の量及び種類に関係なく毎分１０リッ
トルと判定できるものであり、更に、４９秒未満では、
給水能力はやはり洗濯物の量及び種類に関係なく毎分１
５リットルと判定できる。

【００２１】これに基づき、先のステップＳ６での時間
の計測結果から、給水能力が毎分５リットルの「低」と
判断できる場合には、図５に示すように、すすぎ運転の
開始水位はすすぎ運転の規定水位から水位Ａを減じた水
位に設定するものであり、給水能力が毎分１０リットル
の「中」と判断できる場合には、すすぎ運転の開始水位
はすすぎ運転の規定水位から上述の水位Ａより少ない水
位Ｂを減じた水位に設定し、更に、給水能力が毎分１５
リットルの「高」と判断できる場合には、すすぎ運転の
開始水位はすすぎ運転の規定水位にそのまま設定する。
この場合、その各水位は図６に例示するごとくである。
又、いずれの場合も、すすぎ時の給水終了水位は規定水
位とする。

【００２２】さて、このようにしてすすぎ運転の開始水
位の設定をした後、外槽２内の水位が洗い運転の規定水
位（例えばすすぎ運転の規定水位と同じ）に達したか否
かの判断をし（ステップＳ７）、達したと判断されたと
ころで、給水弁１６を閉塞させ給水を終了する（ステッ
プＳ８）。

【００２３】そしてその後、モータ９を起動させて内槽
３内の撹拌体８を回転させることにより洗い運転を開始
し（ステップＳ９）、次いで、洗い運転の規定時間が満
了したか否かの判断をして（ステップＳ１０）、満了し
たと判断され次第、モータ９を停止させ洗い運転を終了
する（ステップＳ１１）。

【００２４】この後、排水弁１１を開放させて排水を開
始し（ステップＳ１２）、排水終了か否かの判断をして
（ステップＳ１３）、終了と判断され次第、排水弁１１
を閉塞させて排水を終了する（ステップＳ１４）。

【００２５】次いで、ステップＳ１同様にして給水を開
始し（ステップＳ１５）、外槽２内の水位が先のステッ
プＳ６で設定したすすぎ運転開始水位に達したか否かの
判断をして（ステップＳ１６）、達したと判断され次
第、モータ９を起動させて内槽３内の撹拌体８を回転さ
せることによりすすぎ運転を開始する（ステップＳ１
７）。

【００２６】そして、すすぎ運転を続けながら、外槽２
内の水位がすすぎ運転の規定水位に達したか否かの判断
をし（ステップＳ１８）、達したと判断され次第、給水
弁１６を閉塞させ給水を終了する（ステップＳ１９）。

【００２７】又、上記給水の終了後には、すすぎ運転の
規定時間が満了したか否かの判断をして（ステップＳ２
０）、満了したと判断され次第、モータ９を停止させ、
すすぎ運転を終了する（ステップＳ２１）。

【００２８】更に、その後には先のステップＳ１２同様
にして排水を開始し（ステップＳ２２）、ステップＳ１
３同様に排水終了か否かの判断をして（ステップＳ２
３）、終了と判断され次第、モータ９を起動させて、こ
の場合、内槽３を撹拌体８と共に回転させることにより
脱水運転を開始する（ステップＳ２４）。

【００２９】次いで、脱水運転の規定時間が満了したか
否かの判断をし（ステップＳ２５）、満了したと判断さ
れ次第、モータ９を停止させて脱水運転を終了し（ステ
ップＳ２６）、全運転を終了する。

【００３０】このように本構成のものでは、外槽２に対
する給水能力を検知して、その検知結果から、給水能力
が低いと判断されるときほどすすぎ時に低い水位から、
すなわち時間的に早く、すすぎ運転を始める制御をする
ようにしたもので、それにより、給水能力が低いと判断
されるときにはそれだけ早く、逆に給水能力が高いと判
断されるときにはそれより遅く、すすぎ運転が始められ
るから、その終了時期を極力一定にできるものであり、
よって、使用者が洗濯機の運転が終わるまで待たされた
り、あるいは洗濯物が放置されてしわが寄ったりする問
題の発生も避けることができる。

【００３１】又、この場合、上記給水能力の検知を、外
槽２内の水位を検知する水位センサ１７のその検知結果
をもとに、外槽２内の水位が「少量」水位から「低」水
位に達するまでの時間を計測して行なうようにしたこと
により、複雑な計算等を要せず、その時間を計測するだ
けで容易に給水能力の検知を行なうことができる。

【００３２】なお、上述のようなすすぎの制御には、洗
濯物の量や汚れ度合を検出することを併せて行なうこと
により、より細かな制御をするようにしても良い。

【００３３】そのほか、本発明は上記し且つ図面に示し
た実施例にのみ限定されるものではなく、特に、給水能
力に応じたすすぎ運転の開始は、洗濯槽内の水位ではな
く、時間を決めて行なうようにしても良いなど、要旨を
逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００３４】

【発明の効果】本発明の洗濯機は以上説明したとおりの
もので、下記の効果を奏する。

【００３５】請求項１の洗濯機においては、洗濯槽内に
給水する給水手段と、この給水手段を通じての給水能力
を検知する給水能力検知手段とを具備すると共に、この
給水能力検知手段による検知結果から給水能力が低いと
判断されるときほどすすぎ時に早くすすぎ運転を始める
制御をする制御手段を具備したことにより、すすぎ運転
を給水能力に応じて始めることができて、その終了、ひ
いては全運転の終了時期を極力一定にすることができ
る。

【００３６】請求項２の洗濯機においては、更に、給水
能力検知手段を、洗濯槽内の水位を検知する水位センサ
のその検知結果をもとに、洗濯槽内の水位が所定の水位
に達するまでの時間を計測して給水能力を検知するよう
にしたことにより、給水能力の検知を容易に行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す作用説明用のフローチ
ャート

【図２】全体の破断側面図

【図３】概略電気構成図

【図４】給水能力と水位の上昇速度との関係を各種条件
で表わした図

【図５】給水能力とすすぎ運転の開始及び終了の各設定
水位との関係を表わした図

【図６】すすぎ運転の開始及び終了の各設定水位を洗濯
槽で具体的に示した概略縦断面図

【符号の説明】

４は洗濯槽、１６は給水弁（給水手段）、１７は水位セ
ンサ、１９は制御装置（給水能力検知手段・制御手段）
を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯槽内に給水する給水手段と、この給
   水手段を通じての給水能力を検知する給水能力検知手段
   とを具備すると共に、この給水能力検知手段による検知
   結果から給水能力が低いと判断されるときほどすすぎ時
   に早くすすぎ運転を始める制御をする制御手段を具備し
   たことを特徴とする洗濯機。
2. 【請求項２】 給水能力検知手段が、洗濯槽内の水位を
   検知する水位センサのその検知結果をもとに、洗濯槽内
   の水位が所定の水位に達するまでの時間を計測して給水
   能力を検知するようになっていることを特徴とする請求
   項１記載の洗濯機。