JPH0530064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はエレベータのガバナロープ保持装置に
係り、特に複数のガバナロープに対応するのに好
適なエレベータのガバナロープ保持装置に関す
る。

［従来の技術］ 従来、例えば実開昭63−123569号公報に示され
るものが提案されている。

第４図ないし第６図はこの種の従来のエレベー
タのガバナロープ保持装置を示す説明図で、第４
図は調速機に装着される状態を示す斜視図、第５
図は平面図、第６図は側面図である。

第４図に示す従来のエレベータのガバナロープ
保持装置２は、図示しないかごと同期して移動す
るガバナロープ４と、このガバナロープ４が巻掛
けられる綱車３とを有する調速機１に装着されて
いる。そして、このガバナロープ保持装置２は、
第２図に示すように、ガバナロープ４が嵌入可能
な溝５ａを設けた溝金具５と、この溝金具５に対
向し、調速機１のフレーム１ａに支持される平金
具６と、この平金具６に溝金具５を締結する締付
具、例えばボルト８とを含んでいる。上述した平
金具６は、第６図に示すように、第４図のフレー
ム１ａ上に立設される一対の脚部６ａ，６ｂを有
し、一方、上述した溝金具５には、ボルト８が螺
合するねじ穴５ｂが設けられている。

このガバナロープ保持装置２にあつては、ガバ
ナロープ４を溝金具５の溝５ａに嵌入して、この
溝金具５と平金具６が対向した状態でボルト８に
より締め込み、これによつて、ガバナロープ４を
溝金具５と平金具６とで把持するとともに、綱車
３より離隔させるようになつている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上述した従来のガバナロープ保持装
置２では、外径の異なる複数のガバナロープを保
持する場合、溝の形状や寸法が異なる複数の溝金
具を要することから、製作費が高くなるという問
題があつた。また、このような製作費の低減を図
るため、ガバナロープ保持装置２のボルト８の締
結力を調節することにより複数のガバナロープに
対応しようとすると、ボルト８の締結力の管理が
困難であるので、ガバナロープを損傷しやすいと
いう問題があつた。

本考案はこのような従来技術における実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、外径の異なる
複数のガバナロープに容易に対応することのでき
るエレベータのガバナロープ保持装置を提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために本考案は、かごと同
期して移動するガバナロープと、このガバナロー
プが巻掛けられる綱車とを有する調速機に装着さ
れるとともに、上記ガバナロープが嵌入可能な溝
を設けた溝金具と、この溝金具に対向する平金具
と、これらの溝金具と平金具とを締結する締結具
とを含み、これらの溝金具と平金具とによりガバ
ナロープを把持するエレベータのガバナロープ保
持装置において、上記溝金具と上記平金具間に挿
入可能な隙間金具を備えた構成にしてある。

［作用］ 本考案は上記のように構成したので、ガバナロ
ープの外径が比較的小さい場合、ガバナロープを
溝金具の溝に嵌入して、この溝金具と平金具とが
対向した状態で締結具により溝金具および平金具
が互いに密着するまで締結する。一方、ガバナロ
ープの外径が比較的大きい場合、上記の溝金具と
平金具間に隙間金具を挿入し、締結具により溝金
具および隙間金具、この隙間金具および平金具が
それぞれ互いに密着するまで締結する。これによ
つて、締結具の締結力の管理を特別に要すること
なく、外径の異なる複数のガバナロープに容易に
対応することができる。

［実施例］ 以下、本考案のエレベータのガバナロープ保持
装置の一実施例を説明する。

第１図ないし第３図は本考案のエレベータのガ
バナロープ保持装置の一実施例を示す説明図で、
第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は隙間
金具を示す斜視図である。なお、第１図および第
２図において、前述した第４図〜第６図に示すも
のと同等のものは同一符号を付してある。

第１図に示す本実施例のエレベータのガバナロ
ープ保持装置１３は、溝金具５と平金具６間に挿
入可能な隙間金具９を備えている。この隙間金具
９は、第３図に示すように、把持可能な上板部１
０と、この上板部１０の両側に設けられる一対の
脚部１１，１２とからなつている。そして、これ
らの脚部１１，１２は、第２図に示すように、溝
金具５の両端部と平金具６間に挿入可能である。

この実施例にあつては、ガバナロープ４の外径
が比較的小さい場合、ガバナロープ４を溝金具５
の溝５ａに嵌入して、この溝金具５と平金具６と
が対向した状態でボルト８を締め込んで、これら
の溝金具５と平金具６とによつてガバナロープ４
を把持する。また、ガバナロープ４の外径が比較
的大きい場合、溝金具５と平金具６間に隙間金具
９を挿入し、上記の場合と同様に、ボルト８を締
め込み、溝金具５と平金具６とによつてガバナロ
ープ４を把持する。

このように構成した実施例では、隙間金具９の
着脱により１台のガバナロープ保持装置１３で外
径の異なる複数のガバナロープに対応することが
できる。また、ガバナロープ４の外径が比較的大
きい場合であつても、溝金具５および隙間金具
９、この隙間金具９および平金具６がそれぞれ互
いに密着するまでボルト８を締め込めばよく、す
なわち、特別な締付力の管理を要することがな
く、容易に外径の比較的大きい場合にも対応する
ことができる。

［考案の効果］ 本考案のエレベータのガバナロープ保持装置
は、以上のように構成したので、１台で外径の異
なる複数のガバナロープに対応することができ、
したがつて、複数の溝金具などを要することがな
いので、製作費の低減を図ることができるという
効果がある。また、特別な締付力の管理を必要と
せずに、締結具を締め込むことができ、したがつ
て、作業性の向上を図るとともに、ガバナロープ
の損傷を防止することができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案のエレベータのガ
バナロープ保持装置の一実施例を示す説明図で、
第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は隙間
金具を示す斜視図、第４図ないし第６図は従来の
エレベータのガバナロープ保持装置を示す説明図
で、第４図は調速機に装着される状態を示す斜視
図、第５図は平面図、第６図は側面図である。 ４……ガバナロープ、５……溝金具、５ａ……
溝、６……平金具、８……ボルト（締結具）、９
……隙間金具、１３……ガバナロープ保持装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. かごと同期して移動するガバナロープと、この
   ガバナロープが巻掛けられる綱車とを有する調速
   機に装着されるとともに、上記ガバナロープが嵌
   入可能な溝を設けた溝金具と、この溝金具に対向
   する平金具と、これらの溝金具と平金具とを締結
   する締結具とを含み、これらの溝金具と平金具と
   によりガバナロープを把持するエレベータのガバ
   ナロープ保持装置において、上記溝金具と上記平
   金具間に挿入可能な隙間金具を備えたことを特徴
   とするエレベータのガバナロープ保持装置。