JPH05297255A - 耐熱光ファイバ - Google Patents

耐熱光ファイバ

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JPH05297255A
JPH05297255A JP4077325A JP7732592A JPH05297255A JP H05297255 A JPH05297255 A JP H05297255A JP 4077325 A JP4077325 A JP 4077325A JP 7732592 A JP7732592 A JP 7732592A JP H05297255 A JPH05297255 A JP H05297255A
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JP
Japan
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optical fiber
heat
coating layer
layer
resistant
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Application number
JP4077325A
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English (en)
Inventor
Kimimichi Yamada
公道 山田
Yoshinori Kurosawa
芳宣 黒沢
Toshihide Tokunaga
利秀 徳永
Takeshi Okubo
豪 大窪
Masashi Nakamura
正志 中村
Takeyoshi Takuma
勇悦 詫摩
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】長距離伝送が可能で、耐熱性、疲労特性、耐水
素性にも優れたポリイミド被覆光ファイバを得る。 【構成】光ファイバ1の外周部にこれを囲繞するように
低引張弾性率の軟質シリコーン樹脂の被覆層3を形成す
る。軟質シリコーン樹脂被覆層3の引張弾性率は50k
gf/mm2 未満で、この被覆層の膜厚は4〜50μm
の範囲とする。軟質シリコーン樹脂被覆層3の外周部に
これを囲繞するように耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂
の被覆層2が形成されている。軟質シリコーン樹脂被覆
層3の内側にはカーボン層4が形成されている。カーボ
ン層が疲労特性、耐水素性を向上し、軟質シリコーン樹
脂がポリイミド樹脂の硬化収縮を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被覆構造を改善して特性
の向上を図った耐熱光ファイバに係り、特にポリイミド
樹脂を被覆した耐熱偏波面保存光ファイバにあっては消
光比特性を向上したものに関する。
【0002】
【従来の技術】石英ガラスで構成される光ファイバは一
般のガラスと同様表面に傷がつきやすいので、表面を保
護するため線引と同時に樹脂が被覆される。この光ファ
イバを保護する被覆材には、一般に紫外線硬化型樹脂
(UV樹脂)が用いられているが、この樹脂の保証温度
はたかだか100℃である。
【0003】通常の光ファイバの使用環境ではこの程度
の温度でもよいが、例えば光複合架空地線(OPGW)
や高温炉回りに組込まれるようなものには、これよりも
高温、高熱下での使用に耐える耐熱光ファイバが要請さ
れる。
【0004】また、偏波面保存光ファイバは、光の強弱
情報の他に位相や偏波面の情報も安定に伝送できるた
め、通信分野ばかりでなく、干渉や偏波を利用したセン
サ等の計測分野にも使用されている。偏波面保存光ファ
イバを応用した種々のセンサの中でも最も注目されてい
るのが、回転角速度を検出する光ファイバジャイロ(O
FG)である。現在OFGは、実用化の研究が進み、自
動車、無人搬送車等のナビゲーション用に一部製品化も
行われている。最近、OFGを高温環境下にある移動体
(例えばトンネル掘削機等)の方向制御システムに使用
するという要求が高まっている。このようなシステムに
OFGを適用するには、200℃程度の高温に耐える耐
熱偏波面保存光ファイバが要請される。
【0005】上述した要請に基づき、高い耐熱性を持た
せるための被覆材料としてUV樹脂に代えて金属、セラ
ミックス、ポリイミド樹脂等が検討されている。しか
し、金属被覆は、被覆プロセスの複雑さ、被覆膜の収縮
によるマイクロベンド等の問題があり、またセラミック
被覆は、被覆膜が延性に乏しいため曲げに対して極度に
弱かったり、初期強度が低かったりする等の問題があ
る。
【0006】これに対してポリイミド樹脂は通常の光フ
ァイバの耐熱被覆材料として度々使用されている(例え
ば特開平1−173006号公報)。このような従来の
耐熱光ファイバの断面構造を図3に示す。従来は光ファ
イバ裸線1の表面に単一の耐熱性樹脂層(ポリイミド、
ポリチタノカルボシラン、ラダー型シリコーン等)2を
厚さ10〜20μm被覆していた。即ち、この耐熱光フ
ァイバでは、耐熱性樹脂2を直接に光ファイバ裸線1の
表面に被覆していた。ここで、光ファイバ裸線とは通常
のシングルモード光ファイバにあってはコアとクラッド
からなるガラス光ファイバを意味し、偏波面保存光ファ
イバにあっては、コアないしクラッド、応力付与材、及
びサポート層からなる光ファイバを意味する。
【0007】しかし、光ファイバ裸線1の表面に直接ポ
リイミド樹脂などの耐熱性樹脂2を被覆すると、ポリイ
ミド樹脂は、UV樹脂と比べて硬く、引張弾性率が大き
い上、硬化時の収縮率も大きいので、その製造過程で光
ファイバ裸線に側圧を加え、マイクロベンドを受けて損
失が増加したり、消光比を劣化させてしまうという問題
があった。例えばポリイミドの場合、引張弾性率(ヤン
グ率)が250kgf/mm2 以上と大きく、焼付乾燥
炉での硬化収縮により光ファイバはマイクロベンドを受
け、φ125μmのSM光ファイバ(シングルモード光
ファイバ)では、損失が0.03〜0.08dB/km
(λ=1.30μm)増加した。
【0008】またSP光ファイバ(偏波面保存光ファイ
バ)では、2〜3dB/km(λ=0.80μm)の損
失増とともに、消光比が10〜15dB/km(λ=
0.80μm)劣化した。特に、ポリイミド樹脂層には
緩衝層としての機能が殆どなく、外部からの側圧が、直
接光ファイバ裸線に加わってしまうため、ポリイミド被
覆SP光ファイバは、コイル状に重ね巻きすると、消光
比が大きく劣化してしまうという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、耐熱
性樹脂を直接光ファイバに被覆した従来の耐熱光ファイ
バでは、被覆過程で損失が増加し、長距離伝送用として
の使用が難しかった。また、ポリイミド樹脂を被覆した
SP光ファイバでは、コイル状に重ね巻きすると、消光
比が大きく劣化するという欠点があった。
【0010】本発明の目的は、前述した従来技術の欠点
を解消して、伝送特性に優れた耐熱光ファイバを提供す
ることにある。また、本発明の目的は、さらに疲労特
性、耐水素性にも優れた耐熱光ファイバを提供すること
にある。また、本発明の目的は、高温環境下においても
使用でき、コイル状に重ね巻きしても消光比が劣化しな
い耐熱光ファイバを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバ裸
線の外方に低引張弾性率の軟質シリコーン樹脂の被覆層
を緩衝層として設け、この軟質シリコーン樹脂被覆層の
外方に耐熱性樹脂の被覆層を設けたものである。耐熱性
樹脂としてはポリイミド樹脂、ポリチタノカルボシラ
ン、またはラダー型シリコーンなどが好ましい。
【0012】また、伝送特性をさらに向上させるため
に、軟質シリコーン樹脂被覆層の引張弾性率を50kg
f/mm2 未満、好ましくは0.01〜30kgf/m
2 とし、この被覆層の膜厚を4〜50μmの範囲内、
好ましくは6〜50μmとする。ここで、シリコーンの
ヤング率を50kgf/mm2 未満としたのは、50k
gf/mm2 以上では緩衝効果がなくなるからである。
また、シリコーンの膜厚を4μmから50μmの範囲と
したのは、4μm未満では緩衝効果が低く伝送特性が劣
化し、50μm以上ではシリコーンとポリイミド等の耐
熱樹脂層との間に剥離が生じ機械的強度が低下するため
である。
【0013】また、本発明はSP光ファイバにも適用で
きる。耐熱性樹脂被覆層には例えばポリイミド樹脂被覆
層を用いて、SP光ファイバ裸線とポリイミド樹脂被覆
層の間に、側圧の緩衝層としてシリコーン樹脂被覆層を
設けたものである。特に消光比を向上させるために、ポ
リイミド樹脂被覆層の厚さを15μm以上にすることが
好ましく、この場合、シリコーン樹脂被覆層の引張弾性
率や膜厚は上記した範囲内にあることが好ましいが、必
ずしもその範囲内にある必要はない。
【0014】さらに、光ファイバ裸線と軟質シリコーン
樹脂被覆層との間、または軟質シリコーン樹脂被覆層と
耐熱性樹脂被覆層との間に任意層を設けてもよいが、特
に疲労特性、耐水素性を向上させるために、光ファイバ
と軟質シリコーン樹脂被覆層との間にカーボン層を設け
た3層構造とすることが好ましい。
【0015】
【作用】光ファイバ裸線の外方に緩衝層として軟質シリ
コーン樹脂被覆層を所定の厚さ設けると、引張弾性率の
大きい保護層である耐熱性樹脂の硬化収縮時の収縮力が
シリコーン樹脂被覆層により緩和され、光ファイバにマ
イクロベンドが発生するのが有効に防止される。これに
より伝送特性が大幅に改善する。
【0016】また、同様にSP光ファイバ裸線とポリイ
ミド樹脂被覆層との間に、シリコーン樹脂被覆層を介在
させることによって、コイル状に重ね巻きしたときに光
ファイバ裸線に加わる側圧が低減し、消光比が大幅に向
上する。
【0017】特に、本発明の耐熱SP光ファイバを、数
十mmの小さな径のボビンに数百m巻き付けるようなセ
ンシングコイルに適用する場合には、ポリイミド樹脂被
覆層の厚さが既述したように15μm以上であることが
望ましい。この理由をポリイミド樹脂被覆層の厚さとセ
ンシングコイルの消光比の関係を示した図6から説明す
る。ボビンの直径は30mm、巻き付けた光ファイバ長
さは500mである。図6から、ポリイミド樹脂被覆層
の厚さが15μm以下になると消光比が急激に悪くなる
ことが分かる。これは、被覆層の剛性が小さくなり、光
ファイバ心線の重なりによって発生する側圧が光ファイ
バ裸線に加わったためである。
【0018】なお、いずれの耐熱光ファイバでも、軟質
シリコーン樹脂被覆層の内側に更にカーボン層を設ける
ことで、光ファイバの耐水素特性、疲労特性が良好とな
り信頼性が一層向上する。
【0019】以上述べたように本発明の被覆光ファイバ
によれば、通常の光ファイバにせよ、SP光ファイバに
せよ、高温特性が優れていることは勿論、長距離伝送用
としての使用が可能となり応用範囲を広げることができ
る。さらに、カーボン被覆も可能となり、曲げ損失や耐
水素性も考慮した耐熱光ファイバとして有効である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0021】[実施例1]石英光ファイバ母材を線引速
度30m/minで溶融、紡糸し、光ファイバ外径φ1
25μmとした後、外周にシリコーン樹脂(ヤング率=
0.1kgf/mm2 )を塗布し、400℃で焼付乾燥
後の膜厚を8μmとした。その外側にポリイミド(東レ
(株)製トレニース2000)を塗布し、200℃〜4
00℃の焼付乾燥炉内で硬化させ、最終的なコーティン
グ外径をφ180μmとした。図2はこのとき得られた
耐熱光ファイバの断面構造を示したもので、光ファイバ
裸線1の外周部にこれを囲繞するようにシリコーン樹脂
被覆層3が形成され、この外周部にこれを囲繞するよう
にポリイミド樹脂被覆層2が形成されている。
【0022】このようにして得られた耐熱光ファイバの
初期強度は6kgf/mm2 であり、さらに常温で伝送
特性を評価したところ、従来のポリイミドのみを単層被
覆したSM光ファイバに比べ、本実施例のシリコーン/
ポリイミドを2層被覆したSM光ファイバは、波長1.
3μm帯での伝送損失が0.38dB/kmから0.3
3dB/kmに低下した。また、大気雰囲気で200℃
×300時間にわたり高温処理をした結果、SM光ファ
イバの伝送損失、消光比に変化は見られず、優れた高温
特性を示した。
【0023】[実施例2〜5及び比較例1〜4]実施例
1と同様に石英光ファイバ母材を溶融、紡糸し、光ファ
イバ外径φ125μmとした後、シリコーン樹脂(ヤン
グ率0.04kgf/mm2 ,熱膨張率2.6×10-4
/℃、信越化学(株)社製のOF−182)を塗布し、
400℃で焼付乾燥後の膜厚を3μm未満から60μm
以上と変えた。シリコーンの外側には、実施例1と同様
にポリイミドを塗布し、200℃〜400℃の焼付乾燥
炉内で硬化させ、最終的なコーティング外径をφ180
μmとした。このようにして得られたシリコーン膜厚の
異なる耐熱光ファイバについて、剥離と伝送特性を測定
した。その結果を表1に示す。シリコーン膜厚4μmで
は伝送特性が若干劣化するものの問題はないが、膜厚5
μm以下ではファイバがダイスに接触して製造が難しく
なるため、6μm以上が好ましい。
【0024】
【表1】
【0025】[実施例6〜10及び比較例5〜6]実施
例1と同様に光ファイバ母材を溶融、紡糸し、光ファイ
バ外径φ125μmとした後、ヤング率0.01未満か
ら55kgf/mm2 の異なるシリコーンを塗布し、4
00℃で焼付乾燥後の膜厚を8μmとした。そして、実
施例1と同様にポリイミドを塗布し、200℃〜400
℃の焼付乾燥炉内で硬化させ、最終的なコーティング外
径をφ180μmとした。このようにして得られたシリ
コーンヤング率の異なる耐熱光ファイバについて、伝送
特性と被覆状態を測定した。その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】[実施例11]図1に断面構造を示すよう
に、実施例1と同様な光ファイバ裸線1と軟質シリコー
ン樹脂被覆層3との間にカーボン層4を設け、中心より
カーボン−シリコーン−ポリイミドの3層構造とした。
即ち、外径125μmに紡糸した光ファイバ裸線1の外
周に、まずアモルファスカーボンを熱CVD法によって
被覆(厚さ500オングストローム)し、次にその外周
にシリコーン樹脂被覆層3を外径が140μmになるよ
うに形成した後、さらにその外周にポリイミド樹脂被覆
層2を外径が180μmになるように形成した。このよ
うにして得られた耐熱光ファイバの伝送特性は実施例1
と同等であり、さらに耐熱性とともに疲労特性、耐水素
性も向上した。
【0028】[実施例12]楕円ジャケット型SP光フ
ァイバ母材を線引炉によって外径125μmに紡糸した
後、外周にシリコーン樹脂を塗布し、これを350℃の
電気炉を通過させて焼付け硬化させ外径140μmの被
覆層を形成した。さらに、その外周にポリイミド(東レ
(株)製トレニース2000)を塗布し、500℃に設
定した電気炉を通過させて硬化させ外径180μmの被
覆層を形成した(ポリイミドの膜厚は20μm)。この
ようにして製造した耐熱SP光ファイバの断面構造を図
4に示す。同図において1は楕円ジャケット型SP光フ
ァイバ裸線で、コア5、クラッド6、楕円ジャケット層
7、サポート層8からなる。13はシリコーン樹脂の被
覆層、12はポリイミド樹脂の被覆層である。
【0029】このようにして得られた耐熱SP光ファイ
バの特性を束取り状態で測定したところ、波長0.8μ
mで伝送損失が2.8dB/kmから2.3dB/km
へと改善され、消光比が−16dB/kmから−28d
B/1kmへと改善された。この特性は通常のUV樹脂
を被覆したSP光ファイバの特性とほぼ同等である。次
に、この耐熱SP光ファイバ1kmを直径30mmのボ
ビン(材質:インバ合金)に重ね巻きしたセンシングコ
イルを試作し特性を評価したとろこ、重ね巻きによる損
失の増加、消光比の劣化は殆どなかった。さらに、この
センシングコイルの消光比は、−40℃〜200℃の温
度範囲で−26dB以下と良好であった。また、200
℃で400時間の加熱後も、SP光ファイバの伝送損
失、消光比に変化は見られず、優れた高温特性を示し
た。
【0030】
【表3】
【0031】なお、本実施例では楕円ジャケット型SP
光ファイバを用いているが、他のSP光ファイバ、例え
ば楕円コアファイバ、PANDAファイバ等を用いても
構わない。またSP光ファイバ裸線の外径も125μm
より太径でも、細径であっても差し支えない。
【0032】[実施例13]外径125μmに紡糸した
SP光ファイバ裸線の外周に、まずアモルファスカーボ
ンを熱CVD法によって被覆(厚さ500オングストロ
ーム)し、次にその外周にシリコーン樹脂被覆層を外径
が140μmになるように形成した後、さらにその外周
にポリイミド樹脂被覆層を外径が180μmになるよう
に形成した。このようにして得られた耐熱SP光ファイ
バの損失、消光比は実施例12と同等の特性であった。
さらに、本実施例の耐熱SP光ファイバの動疲労特性を
評価したところ、疲労係数n値は200以上(通常UV
樹脂被覆ファイバのn値は20〜30)であった。
【0033】[比較例7]外径125μmに紡糸したS
P光ファイバ裸線の外周に、直接ポリイミド樹脂被覆層
を外径が160μmになるように形成した。断面構造を
図5に示す。この耐熱SP光ファイバの消光比は、たか
だか−18dB(ファイバ1km)程度であった。
【0034】[比較例8]外径125μmに紡糸したS
P光ファイバ裸線の外周に、シリコーン樹脂被覆層を外
径が140μmになるように形成した後、さらにその外
周にポリイミド樹脂被覆層を外径が160μmになるよ
うに形成した(ポリイミドの膜厚は10μm)。このよ
うにして得られた耐熱SP光ファイバの、束取り状態で
測定した損失、消光比は実施例12と同等の特性であっ
た。しかし、この耐熱SP光ファイバを直径30mmの
ボビンに重ね巻きしたところ、消光比が著しく劣化し
た。
【0035】[実施例14(ポリチタノカルボシラン、
ラダー型シリコーンの実施例)]実施例1〜13及び比
較例1〜8において、ポリイミド樹脂被覆に代えて、ポ
リチタノカルボシラン又はラダー型シリコーンを被覆し
たところ、ポリチタノカルボシランを被覆したもの、ラ
ダー型シリコーンを被覆したもの共に、ポリイミド樹脂
を被覆した場合とほぼ同様な結果が得られた。
【0036】なお、ポリチタノカルボシラン被覆はポリ
チタノカルボシラン100重量部に、煙霧質シリカ20
重量部、テトラステアロキシチタン1.0重量部添加し
た組成物をキシレン、メチルセルソルブ混合溶剤で希釈
し、これを塗装ダイスを用いて紡糸した光ファイバに被
覆し、400℃の加熱炉を通過させて硬化させた。
【0037】またラダー型シリコーンは、下記構造式
(1)で表わされる重合体であるが、
【0038】
【化1】
【0039】(R1 、R2 、R3 、R4 は各々アルキル
基またはアリール基を表わし、同じでも異なってもよ
い。R1 、R2 、R3 、R4 で表わされるアルキル基は
例えばメチル基、エチル基である。R1 、R2 、R3
4 で表わされるアリール基は例えばフェニル基であ
る。rは重合度を表わす正の整数である。)各実施例及
び比較例では前記構造式(1)でR1 、R2 、R3 、R
4 が全てメチル基である前駆体のキシレン溶液を紡糸し
た光ファイバに塗布し、温度400℃の電気炉を通過さ
せて、乾燥、硬化させた。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば次の効果がある。
【0041】(1)請求項1〜2に記載の耐熱光ファイ
バによれば、光ファイバの表面に緩衝層としてシリコー
ン層を設け、保護層である耐熱性樹脂の硬化収縮時の収
縮力を緩和するようにしたので、伝送特性、引張強度を
向上することができる。
【0042】(2)請求項3〜4に記載の耐熱光ファイ
バによれば、表面に、シリコーン樹脂とポリイミド樹脂
を被覆することによって、200℃の高温状態でも消光
比が良好な耐熱偏波面保存光ファイバが得られる。さら
に、この偏波面保存光ファイバはコイル状に重ね巻きし
ても消光比が良好なので、センシングコイルに適用する
ことができる。従って、高温環境下における角速度、磁
界、電界等の計測が可能になり、工業上の寄与は極めて
大きい。
【0043】(3)請求項5に記載の耐熱ファイバによ
れば、更にカーボン層を設けるようにしたので、疲労特
性、耐水素性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるカーボン層を付加したシ
リコーン/ポリイミド被覆光ファイバの構造を示す断面
図。
【図2】本発明の実施例によるシリコーン/ポリイミド
被覆光ファイバの構造を示す断面図。
【図3】従来例の耐熱光ファイバの構造を示す断面図。
【図4】本実施例の耐熱偏波面保存光ファイバの構造を
示す断面図。
【図5】従来例の耐熱偏波面保存光ファイバの構造を示
す断面図。
【図6】偏波面保存光ファイバを用いたセンシングコイ
ルにおけるポリイミド樹脂被覆層の厚さ依存性を示す消
光比の特性図。
【符号の説明】
1 光ファイバ裸線 2 ポリイミド樹脂被覆層 3 軟質シリコーン樹脂被覆層 4 カーボン層 5 コア 6 クラッド 7 楕円ジャケット層 8 サポート層 11 偏波面保存光ファイバ裸線 12 ポリイミド樹脂被覆層 13 シリコーン樹脂被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大窪 豪 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内 (72)発明者 中村 正志 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 詫摩 勇悦 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社オプトロシステム研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバ裸線の外方に低引張弾性率の軟
    質シリコーン樹脂の被覆層を設け、この軟質シリコーン
    樹脂被覆層の外方に耐熱性樹脂の被覆層を設けたことを
    特徴とする耐熱光ファイバ。
  2. 【請求項2】前記軟質シリコーン樹脂被覆層の引張弾性
    率が0.01kgf/mm2 〜50kgf/mm2 の範
    囲内にあり、この被覆層の膜厚が4〜50μmの範囲内
    にあることを特徴とする請求項1に記載の耐熱光ファイ
    バ。
  3. 【請求項3】前記光ファイバ裸線が偏波面保存光ファイ
    バ裸線であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の耐熱光ファイバ。
  4. 【請求項4】前記耐熱性樹脂の被覆層がポリイミド樹脂
    被覆層であり、その厚さが15μm以上であることを特
    徴とする請求項3に記載の耐熱光ファイバ。
  5. 【請求項5】前記軟質シリコーン樹脂被覆層の内側に更
    にカーボン層を設けたことを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の耐熱光ファイバ。
JP4077325A 1991-09-12 1992-03-31 耐熱光ファイバ Pending JPH05297255A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016057629A (ja) * 2010-01-26 2016-04-21 コーニング インコーポレイテッド 光ファイバ
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