JPH0529438U - 引き出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レールを、左右兼用にできるとともに、抽斗
の前板が家具等の本体に直接衝突しないようにした引き
出し装置を得ること。 【構成】 抽斗(５)を引き出した際は、レール(１)に形
成された前部のストッパー凸部(２)に抽斗(５)のストッ
パー(９)が当接し、抽斗(５)の抜け落ちが防止され、抽
斗(５)を押し込んだ際は、レール(１)に形成された後部
のストッパー凸部(２)に抽斗(５)のストッパー(９)が当
接することによって、抽斗(５)の前板(６)が家具等の本
体(10)に直接衝突するのを防ぐことができる。また、レ
ール(１)はストッパー凸部(２)と傾斜部(３)とを前後対
称に有しているので、これ等のレール(１)は全て左右両
方に利用できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、家具等における抽斗の引き出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、家具等の抽斗を無造作に引き抜いても、抽斗が抜け落ちないように抜け 落ち防止機構を備えた引き出し装置として、実開平３−３１３３３号に見られる ようなものがある。これは、図６、図７に示されるように、家具等の本体の左右 の内側面に、前端部にストッパー凸部(02)を有するレール(03)がそれぞれ取り付 けられている。さらに、抽斗(04)の両側の引き出し枠(05)には案内溝(06)が前後 方向に形成されるとともに、その引き出し枠(05)の適所にはストッパー(07)が形 成されている。

【０００３】 これ等の案内溝(06)は前記レール(03)に外嵌され、抽斗(04)はレール(03)に対 して前後に摺動自在に支持されている。そのため、抽斗(04)の前板(08)を手前に 引いていくと、引き出し枠(05)に設けられたストッパー(07)がレール(03)のスト ッパー凸部(02)に当接し、それ以上の引き出しが規制され、抽斗(04)の抜け落ち が防止されるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、家具等の本体の左右内側面に取り付けられるレール(03)は、図７に示 されるように一様に２種類の形状が必要になり、これに伴い２種類の金型を用意 しなければならず、生産効率上問題がある。また、レール(03)取り付けに際して 、形状の異なるレール(03)を間違わずに１セットとして用意することは非常に手 間の掛かる作業でもある。

【０００５】 さらに、抽斗(04)を勢いよく閉めると、抽斗(04)の前板(08)が本体(01)に衝突 し、衝突による不快音が発生するとともに、幾度もの衝突により抽斗(04)本体と その前板(08)とが分離してしまう恐れもある。

【０００６】 本考案は、レールを、左右兼用にできるとともに、抽斗の前板が家具等の本体 に直接衝突しないようにした引き出し装置を得ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案引き出し装置机は、家具等の本体の各内側面に、前後方向にわたって取 り付けられる合成樹脂のレールと、この各レールに外嵌する抽斗の引き出し枠に 形成された前後方向の案内溝よりなる引き出し装置であって、前記レールの上面 には、前後対称となるように前後両端にストッパー凸部を突設するとともに、レ ールの下面には、前後対称となるように前後両端に傾斜部を形成し、前記抽斗の 引き出し枠の適所にはレール前後の両ストッパー凸部と当接しうるストッパーを 設けたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

抽斗を引き出した際は、レールに形成された前部のストッパー凸部に抽斗のス トッパーが当接し、抽斗の抜け落ちが防止され、抽斗を押し込んだ際は、レール に形成された後部のストッパー凸部に抽斗のストッパーが当接することによって 、抽斗の前板が家具等の本体に直接衝突するのを防ぐことができる。また、レー ルはストッパー凸部と傾斜部とを前後対称に有しているので、これ等のレールは 全て左右両方に利用できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図１には、レールの斜視図が、図２には、抽斗の一部斜視図が、図３には、本 体内に抽斗を押し込んだ状態の断面図が、図４には、本体から抽斗を引き出した 状態の断面図が、さらに図５には、図３のＡ−Ａ断面図が示されている。

【００１０】 図１のようにレール(１)は、その上面端部に左右対称になるようにストッパー 凸部(２)が突設され、その両端下面には傾斜部(３)が形成されている。また、レ ール(１)側面にはやはり左右対称にネジ孔(４)が穿設されている。

【００１１】 図２の抽斗(５)は、正面に前板(６)が、また側部には水平に案内溝(７)が形成 され、引き出し枠(８)の後部上方にはストッパー(９)が突設されている。 図１のレール(１)は、ネジ孔(４)を利用して本体(10)内部の側面(11)に両者向 い合うように取り付けられ、図３、図５に示されるように抽斗(５)の案内溝(７) にこのレール(１)が嵌込まれ、抽斗(５)は摺動自在支持される。

【００１２】 このようにして形成される引き出し装置は、図３のように抽斗(５)を押し込ん だ際、ストッパー(９)は後部のストッパー凸部(２)に当接し、これ以上の動きが 規制される。このため、ストッパー(９)の位置とストッパー凸部(２)の位置とを 予め設定しておくことにより、抽斗(５)の前板(６)が家具等の本体(10)に直接衝 突するのを防ぐことができる。

【００１３】 次に図４のように抽斗(５)を引き出した際、今度は抽斗(５)のストッパーが( ９)レール(１)の前方に位置するストッパー凸部(２)に当接しこれ以上の動きが 規制され、抽斗(５)の抜け落ちが防止される。

【００１４】 抽斗(５)を本体(10)から取り出す際は、抽斗(５)のストッパー(９)がレール( １)の前方に位置するストッパー凸部(２)に当接するまで引き抜いた状態で、抽 斗(５)の前板(６)を傾斜部(３)を利用して、上方に持ち上げると、ストッパー( ９)とストッパー凸部(２)との係止が外れる。このまま抽斗を引いていくと、抽 斗(５)を本体(10)から容易に抜き出すことができる。

【００１５】 すなわち、レール(１)の上面には、前後対称となるように前後両端にストッパ ー凸部(２)が突設されるとともに、レール(１)の下面には、前後対称となるよう に前後両端に傾斜部(３)が形成されているので、レール(１)はストッパー凸部( ２)と傾斜部(３)を前後対称に有することになる。そのため、これ等のレール(１ )は同形状で、左右両方に利用でき、レール(１)を製造するために２種類の金型 を用意する必要が無く、生産効率が向上する。また、レール(１)の取り付けに際 して、形状の異なるレールを間違わずに１セットとして用意する必要がなく、単 に２本の同じレール(１)を１セットとして用意すれば足りる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は、次の効果を奏する。 (a) レールはストッパー凸部と傾斜部を前後対称に有しているので、これ等の レールは全て左右両方に利用でき、レールを製造するために２種類の金型を用意 する必要が無いばかりか、取り付けが容易になる。 (b) 抽斗を引き出した際は、レールに形成された前部のストッパー凸部に抽斗 のストッパーが当接し、抽斗の抜け落ちが防止され、抽斗を押し込んだ際は、レ ールに形成された後部のストッパー凸部に抽斗のストッパーが当接することによ って、抽斗の前板が家具等の本体に直接衝突するのを防ぐことができ、家具等の 本体への損傷を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例であるレールの斜視図である。

【図２】本考案の実施例である抽斗の一部斜視図であ
る。

【図３】本体内に抽斗を押し込んだ状態の断面図であ
る。

【図４】本体から抽斗を引き出した状態の断面図であ
る。

【図５】図３のＡ−Ａ断面図である。

【図６】図３に対応する従来技術の断面図である。

【図７】図１に対応する従来のレールの斜視図である。

【符号の説明】

(１)レール (２)ストッパー凸部 (３)傾斜部 (４)ネジ孔 (５)抽斗 (６)前板 (７)案内溝 (８)引き出し枠 (９)ストッパー (10)本体 (11)側面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具等の本体の各内側面に、前後方向に
   わたって取り付けられる合成樹脂のレールと、この各レ
   ールに外嵌する抽斗の引き出し枠に形成された前後方向
   の案内溝よりなる引き出し装置であって、前記レールの
   上面には、前後対称となるように前後両端にストッパー
   凸部を突設するとともに、レールの下面には、前後対称
   となるように前後両端に傾斜部を形成し、前記抽斗の引
   き出し枠の適所にはレール前後の両ストッパー凸部と当
   接しうるストッパーを設けたことを特徴とする引き出し
   装置。