JPH05293105A - 超音波診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】超音波プローブと被検部との間に所定の間隔を
容易に確保することができ、使い易くて安全に使用する
ことができる超音波診断装置を提供すること。 【構成】被検部の超音波断層像を得るために挿入部２０
の先端１に設けられて超音波を発受信する超音波プロー
ブ２と、挿入部２０の先端１を囲むように配置された膨
縮自在なバルーン６と、超音波プローブ２の前後両側に
おいてバルーン６を挿入部２０の先端１に押圧固定する
ための一対のバルーン押さえ部７ａとその一対のバルー
ン押さえ部７ａを超音波プローブ２の超音波発受信方向
と異なる向きの位置で連結する連結部７ｂとを有してい
て挿入部２０の先端１に対して着脱自在に設けられたバ
ルーン固定部材７とを設け、バルーン６の膨らみがバル
ーン固定部材７によって妨げられてその方向へのバルー
ン６の膨らみが規制されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、被検部の超音波断層
像を得るための超音波プローブを挿入部の先端に設けた
超音波診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】超音波プローブで体腔内の断層像を得よ
うとする場合、超音波プローブの焦点深度等との関係か
ら、超音波プローブと被検部との間には、一般に少なく
とも２〜３cm程度の間隔をとる必要がある。

【０００３】また、超音波は液体中は伝わり易いが空気
中は伝わり難いので、超音波プローブと被検部との間
を、超音波伝達性のよい脱気水等の液体で充満させる必
要がある。

【０００４】そこで超音波内視鏡においては一般に、超
音波プローブが設けられた挿入部の先端を囲むように膨
縮自在なバルーンを設け、液体を注入して膨らませたバ
ルーンを被検体に押しあてて用いるようにしている。

【０００５】そのような超音波内視鏡として、従来は、
図７に示されるように、挿入部の先端９１に被せたサッ
ク状のバルーン９２の口元部分だけをＯリング９３で挿
入部の先端９１に係止したもの（実開平３−１１６８１
７号）や、図８に示されるように、バルーン９２の前後
両端部を２つのＯリング９３，９４で挿入部の先端９１
に係止したもの（特開平２−２８６１４３号）などがあ
った。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図９に示され
るように、バルーン９２の口元部だけを挿入部の先端９
１に係止したものでは、バルーン９２は、被検部１００
に押し付けられると挿入部の先端９１に対して容易に移
動してしまい、超音波プローブ９０と被検部１００との
間を適当な距離に保つことができない。

【０００７】そこで、図８に示されるようなバルーン９
２の両端部を挿入部先端９１に係止したものを用いれ
ば、バルーン９２が挿入部先端９１に対して移動しな
い。しかしこの場合には、バルーン９２が全方向に均等
に膨らんで挿入部の先端９１が必ずその中央に位置する
ので、例えば食道のような管腔内では、図１０に示され
るように被検部１００との間隔をとろうとしてもそれが
不可能だったり、気管内ではバルーンで気道を塞いでし
まうような危険性も大きい。

【０００８】また、２つのＯリング９３，９４の相違が
使用者に解り難くて間違い易いので、Ｏリング９３，９
４を逆に装着して、バルーンの破損、脱落や液漏れ等が
発生したり、無理な装着をすると、場合によっては超音
波プローブを破損してしまう場合もある。

【０００９】そこで本発明は、超音波プローブと被検部
との間に所定の間隔を容易に確保することができ、また
使い易くて誤使用なく安全に使用することができる超音
波診断装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の超音波診断装置は、被検部の超音波断層像
を得るために挿入部の先端に設けられて超音波を発受信
する超音波プローブと、上記挿入部の先端を囲むように
配置された膨縮自在なバルーンと、上記超音波プローブ
の前後両側において上記バルーンを上記挿入部の先端に
押圧固定するための一対のバルーン押さえ部とその一対
のバルーン押さえ部を上記超音波プローブの超音波発受
信方向と異なる向きの位置で連結する連結部とを有して
いて上記挿入部の先端に対して着脱自在に設けられたバ
ルーン固定部材とを設け、上記バルーンの膨らみが上記
バルーン固定部材によって妨げられてその方向への上記
バルーンの膨らみが規制されるようにしたことを特徴と
する。

【００１１】なお上記バルーン固定部材の一対のバルー
ン押さえ部を略同形状に形成してもよく、また、上記バ
ルーン固定部材を弾性材によって形成してもよい。

【００１２】

【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図２は超
音波内視鏡の全体的構成を示しており、患者の体腔内に
挿入される可撓性の挿入部２０の先端に、先端部本体１
が設けられている。

【００１３】先端部本体１には被検部表面の光学像を得
るための対物光学系と、被検部の超音波断層像を得るた
めの超音波プローブとが併設されている。また、挿入部
２０の先端側には、遠隔操作により屈曲自在な湾曲部２
１が形成されている。

【００１４】挿入部２０の基端側には、操作部３０が連
結されている。操作部３０には、湾曲部２１の屈曲状態
を遠隔操作するための湾曲操作ノブ３１、鉗子チャンネ
ルへ処置具を挿入するための処置具挿入口３ａ、図示さ
れていない送気ノズル及び送水ノズルから空気及び水を
噴出させる操作を行う送気送水スイッチ３２、鉗子チャ
ンネルなどを経由して吸引操作を行う吸引スイッチ３３
などが設けられている。

【００１５】３４は、先端部本体１にバルーンを取り付
けたときに脱気水等の液体をバルーン内に送り込むため
の注水口。３５は、吸引管路を、鉗子チャンネルとバル
ーンからの排水管路（図示せず）とのどちらかに切り換
えるための吸引管路切換レバーである。

【００１６】操作部３０には接眼レンズを内蔵した接眼
部４０が突設されており、内視鏡挿入部２０内に挿通さ
れたイメージガイドファイババンドルの基端側がその観
察位置に配置されている。したがって、対物光学系によ
って結像された被検部表面の光学像を、接眼部４０を通
して観察することができる。

【００１７】５０は、照明用ライトガイドファイババン
ドルの入射端を光源装置に接続するためのコネクタであ
り、５１は送気送水ソケット、５２は通気口金、５３は
吸引ニップル、５４は機能接地端子である。

【００１８】また、６０は、超音波プローブに対する電
気的処理を行う処理回路。６１は、超音波断層像を表示
して観察するためのＣＲＴモニタである。図１は、先端
部本体１付近を示している。２はコンベックスタイプの
超音波プローブであり、電子走査によって先端部本体１
の側方が走査される。３はその走査範囲（即ち、超音波
の発受信方向）である。

【００１９】光学的な観察窓と照明窓は、超音波プロー
ブ２のすぐ後側の斜面４に配置されており、その後側の
部分１ａに対物光学系等が内蔵されている。超音波プロ
ーブ２が設けられた部分の先端部本体１を囲むように、
例えば薄いシリコンゴム等からなる膨縮自在なバルーン
６が着脱自在に取り付けられている。６ａはバルーン６
の頭部、６ｂはバルーン６の口元部である。

【００２０】バルーン６は、図３に示されるようにサッ
ク状に形成されていて、図４に示されるような、先端部
本体１に着脱自在な例えばゴム製の弾力性のあるバルー
ン固定部材７によって先端部本体１に固定される。

【００２１】バルーン固定部材７は、バルーン６を先端
部本体１に弾力的に締め付けるように押圧固定するため
の環状の一対のバルーン押さえ部７ａが、間隔をあけて
対向するように両端に形成され、そのバルーン押さえ部
７ａと同材料で一体に形成された連結部７ｂによって、
両端のバルーン押さえ部７ａが連結されている。バルー
ン固定部材７の材質としては例えばシリコンゴム等を用
いることができる。

【００２２】図５は、バルーン６及びバルーン固定部材
７が取り付けられていない状態の先端部本体１を示して
いる。８は、超音波プローブ２を挟んでその前後に先端
部本体１に形成された一対の環状溝であり、バルーン固
定部材７のバルーン押さえ部７ａがここにきつく係合す
る。

【００２３】なお、一対の環状溝８は互いに同形状同寸
法に形成され、また、バルーン固定部材７の一対のバル
ーン押さえ部７ａも互いに同形状同寸法に形成されてい
る。したがって、バルーン固定部材７は、一対のバルー
ン押さえ部７ａのどちらをどちらの環状溝８に係合させ
てもよい。

【００２４】９は、バルーン６を膨らませるための液体
が送り出されてくる通液口であり、先端部本体１の逆サ
イド側には、空気を出入りさせるための通気孔（図示せ
ず）が形成されている。

【００２５】このように形成された実施例の先端部本体
１にバルーン６を取り付けるには、まず、先端部本体１
に先端側からバルーン６を被せる。これによって、超音
波プローブ２とその前後の環状溝８にバルーン６が被せ
られる。

【００２６】次に、バルーン固定部材７のバルーン押さ
え部７ａを拡げながら、バルーン６が被せられた先端部
本体１をバルーン押さえ部７ａ内に差し込んでいく。そ
して、バルーン６を間に挟んで、各バルーン押さえ部７
ａを、先端部本体１の環状溝８に各々係合させる。これ
により、バルーン押さえ部７ａの収縮力によってバルー
ン６が超音波プローブ２の前後２カ所で先端部本体１に
押圧固定される。

【００２７】なお、この装着に際して、バルーン固定部
材７の連結部７ｂは、超音波プローブ２の発受信方向３
の裏側に位置するように向きを合わせておく。このよう
にしてバルーン６が先端部本体１に装着されたら、注水
口３４からバルーン６内に脱気水を注入してバルーン６
を膨らませる。

【００２８】するとバルーン６は、図６に示されるよう
に、超音波の発受信方向である超音波プローブ２の前方
に大きく膨らむ。しかし、その裏側では、バルーン６は
バルーン固定部材７の連結部７ｂと先端部本体１との間
に挟まれているので、連結部７ｂによって外側から押さ
えられていて、その方向には膨らまない。

【００２９】したがって、バルーン６を被検部１００に
強く押し付けてもバルーン６と先端部本体１との位置関
係が変化せず、被検体１００と超音波プローブ２との間
に所定の間隔を確実に確保することができる。

【００３０】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば超音波プローブ２はコンベックスタ
イプ以外のどのようなものでもよい。また、バルーン固
定部材７の連結部７ｂは、バルーン６の膨らみ方向が使
用者の希望に沿うように、形状及び寸法を自由に設定す
ることができる。

【００３１】また、本発明の挿入部は硬性のものであっ
てもよく、本発明を光学的観察装置（内視鏡）の併設さ
れていない超音波挿触子に適用してもよい。

【００３２】

【発明の効果】本発明の超音波診断装置によれば、超音
波発受信方向以外へのバルーンの膨らみがバルーン固定
部材の連結部によって規制され、バルーンと挿入部先端
とが相対的に移動しないので、超音波プローブと被検部
との間に所定の間隔を容易に確保してよくフォーカスさ
れた超音波断層像を得ることができる。

【００３３】そして、バルーンを膨らませる大きさが小
さくて済むので、検査時の気道の確保等も容易であり、
またバルーンを膨らませるのに要する時間が短くなるの
で検査がスピーディーになり、安全かつ容易に体腔内等
の検査を行うことができる。

【００３４】また、バルーン固定部材の一対のバルーン
押さえ部を略同形状に形成することによって、バルーン
固定部材を前後どちらの向きから装着してもバルーンが
安定して固定され、破損、脱落又は液漏れ等の事故発生
を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の挿入部先端の側面図である。

【図２】実施例の超音波内視鏡の斜視図である。

【図３】実施例のバルーンの側面斜視図である。

【図４】実施例のバルーン固定部材の側面斜視図であ
る。

【図５】実施例の挿入部先端の側面図である。

【図６】実施例の使用状態の挿入部先端の側面図であ
る。

【図７】従来例の挿入部先端の側面図である。

【図８】従来例の挿入部先端の側面図である。

【図９】従来例の使用状態の挿入部先端の側面図であ
る。

【図１０】従来例の使用状態の挿入部先端の側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 先端部本体 ２ 超音波プローブ ６ バルーン ７ バルーン固定部材 ７ａ バルーン押さえ部 ７ｂ 連結部 ８ 環状溝 ２０ 挿入部 １００ 被検部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被検部の超音波断層像を得るために挿入部
   の先端に設けられて超音波を発受信する超音波プローブ
   と、 上記挿入部の先端を囲むように配置された膨縮自在なバ
   ルーンと、 上記超音波プローブの前後両側において上記バルーンを
   上記挿入部の先端に押圧固定するための一対のバルーン
   押さえ部とその一対のバルーン押さえ部を上記超音波プ
   ローブの超音波発受信方向と異なる向きの位置で連結す
   る連結部とを有していて上記挿入部の先端に対して着脱
   自在に設けられたバルーン固定部材とを設け、 上記バルーンの膨らみが上記バルーン固定部材によって
   妨げられてその方向への上記バルーンの膨らみが規制さ
   れるようにしたことを特徴とする超音波診断装置。
2. 【請求項２】上記バルーン固定部材の一対のバルーン押
   さえ部が略同形状に形成されている請求項１記載の超音
   波診断装置。
3. 【請求項３】上記バルーン固定部材が弾性材によって形
   成されている請求項１又は２記載の超音波診断装置。