JPH05283169A - 有機薄膜el素子 - Google Patents

有機薄膜el素子

Info

Publication number
JPH05283169A
JPH05283169A JP4074894A JP7489492A JPH05283169A JP H05283169 A JPH05283169 A JP H05283169A JP 4074894 A JP4074894 A JP 4074894A JP 7489492 A JP7489492 A JP 7489492A JP H05283169 A JPH05283169 A JP H05283169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
layer
transporting
organic
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4074894A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritoshi Tomikawa
典俊 富川
Yuichi Ito
祐一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP4074894A priority Critical patent/JPH05283169A/ja
Publication of JPH05283169A publication Critical patent/JPH05283169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/805Electrodes
    • H10K50/82Cathodes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/844Encapsulations

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】基板、陽極、正孔注入輸送層、有機電子輸送発
光層、陰極の順、あるいは、基板、陽極、正孔注入輸送
層、有機発光層、電子注入輸送層、陰極の順で構成され
る有機薄膜EL素子において、陰極がMgを主成分とす
る金属を用いたイオンプレーティング膜で形成される。 【効果】本発明による、低仕事関数で密着性が高く、均
一で平滑なアモルファス様のMg陰極を用いれば、発光
面全域で均一な高輝度EL発光を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的な発光、すなわ
ちエレクトロルミネセンス(以下単にELという)を用
いたEL素子に関するものであり、更に詳しくは陽極、
正孔注入輸送層、有機電子輸送発光層、陰極、もしくは
陽極、正孔注入輸送層、有機発光層、電子注入輸送層、
陰極の順で構成される有機薄膜EL素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のEL素子は、電極間に高抵抗な絶
縁層を設けた交流駆動型のものが主流で、それらは分散
型EL素子と薄膜型EL素子に分類される。分散型EL
素子の構造は、樹脂バインダー中に分散させた高誘電率
のチタン酸バリウム等の粉末を背面電極となるアルミ箔
上に数10μmの厚さにコーティングして絶縁層とし、
その上に樹脂バインダー中に分散した硫化亜鉛系の発光
体層を設け、更にその上に透明電極を積層したものであ
る。この型の素子は、安価で大面積、厚さ1mm以下の
面発光体を得られ、液晶表示装置用のバックライト等の
用途があるが、少なくとも輝度が低下しやすい。
【0003】薄膜EL素子は、ガラス板に酸化インジウ
ム錫(以下ITO)等を被覆した透明電極基板上に、絶
縁層としてスパッタリング法等により酸化イットリウム
等の誘電体薄膜層を数百nm形成し、その上にZnS
系、ZnSe系、SrS系、CaS系等の蛍光体薄膜を
電子ビーム蒸着、スパッタリング法等で数百nm程度積
層し、更に誘電体薄膜層、アルミ等の背面電極の順に積
層された構造になっている。電極間の膜厚は1〜2μm
以下である。薄膜型EL素子は長寿命で高精細な表示が
可能でポータブル型コンピュータ用ディスプレー等の用
途に適しているが高価である。
【0004】どちらの型のEL素子の場合も十分な輝度
を得るためには100V以上の交流高電圧を要する。例
えば、電池でEL素子を発光させる際には昇圧トランス
を要するためEL素子が1mm以下の薄型であっても組
み込まれた機器全体の厚さを薄くするのは困難であっ
た。
【0005】そこで近年、昇圧トランス等の不要な低電
圧直流駆動のEL素子を目指した研究が行われており、
その一つとして有機薄膜EL素子の研究が行われてい
る。特開昭57−51781号公報、特開昭59−19
4393号公報、特開昭63−264692号公報、特
開昭63−295695号公報、ジャパニーズ.ジャー
ナル.オブ.アプライド.フィジックス第25巻第9号
773頁(1986年)、アプライド.フィジックス.
レター第51巻第12号913頁(1987年)、ジャ
ーナル.オブ.アプライド.フィジックス第65巻第9
号3610頁(1989年)等によれば、従来、この種
の有機薄膜EL素子は以下のように作られている。
【0006】まず、ガラス等の透明絶縁基板上に蒸着ま
たはスパッタリング法等で形成した金やITOの透明導
電性皮膜の陽極上に、まず正孔注入輸送層として銅フタ
ロシアニン、ポリ3−メチルチオフェン、もしくは(化
1)で示される、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリル
アミノフェニル)シクロヘキサン(融点181.4℃〜
182.4℃)、または(化2)で示される、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(融点1
59℃〜163℃)等のテトラフェニルジアミン誘導体
の層を蒸着や電解重合法等で1μm程度以下の厚さに単
層または積層して形成する。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】次に正孔注入輸送層上に、テトラフェニル
ブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12
−フタロペリノン誘導体、トリス(8−キノリノ−ル)
アルミニウム等の有機蛍光体を蒸着、または樹脂バイン
ダ−中に分散させてコ−ティングすることにより電子輸
送発光層を1.0μm程度以下の厚さで形成する。最後
に、その上に陰極としてMg,In,Alの単体金属、
またはMgとAgの合金(原子比10:1)等を蒸着す
る。
【0010】以上のように作られた素子は、透明電極側
を陽極として20〜30V以下の直流低電圧を印加する
ことにより発光層に正孔と電子が注入され、その再結合
により発光する。
【0011】また、アプライド.フィジックス.レタ−
第57巻第6号531頁(1990年)等によると、安
達らは、ITOの陽極上に、正孔注入輸送層としてN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、有
機発光層として1−[4−N,N−ビス(P−メトキシ
フェニル)アミノスチリル]ナフタレン、電子注入輸送
層として2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチ
ルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル(以下単
にBPBDという)、陰極としてMgAg合金を順に積
層して得た有機薄膜EL素子を作り、同様に20〜30
V以下の直流低電圧で1000cd/m 2 以上のEL発
光を得ている。
【0012】しかし、この種の有機薄膜EL素子におい
ては、10V程度以下の低電圧で1000cd/m2
上の高輝度を得るためには、陰極から有機電子輸送発光
層へ効率的に電子を注入する必要がある。そのために
は、有機電子輸送発光層に用いている有機蛍光体の最低
空被占軌道(以下単にLUMOという)のエネルギ−レ
ベル以上の高いフェルミレベルを有する低仕事関数の陰
極を用いる必要がある。
【0013】従来、最も高輝度が得られる代表的な有機
電子輸送発光材料として知られているトリス(8−キノ
リノール)アルミニウムのLUMOのエネルギーレベル
は、大気下で光電子放出法で測定した仕事関数の値から
光学的エネルギーギャップ(2.75eV)を引いて求
めると約3.1eVである。また、電子注入輸送材料と
して使われているBPBDの場合は2.7eVである。
仕事関数が3.1eV以下で、高いフェルミレベルを持
つ低仕事関数の金属としては、Li(仕事関数2.4e
V)、Na(同2.3eV)、K(同2.3eV)等の
アルカリ金属、Mg(同3.2eV),Ca(同2.9
eV)、Sr(同2.7eV)、Ba(同2.5eV)
等のアルカリ土類金属等があるが、Mgを除いて、空気
中では極めて酸化し易く不安定であるため、単体金属と
しては陰極として用いることができなかった。
【0014】Mgは低仕事関数ながら比較的高い安定性
をもつため、封止層を設けることで、単体金属として陰
極に用いることが可能である。しかし、有機薄膜への密
着性が悪く、均一な薄膜形成能を持たないため、発光面
全域で均一な発光を再現性良く得ることが困難であっ
た。
【0015】C.W.Tangらは、MgAg合金(原
子比10:1、仕事関数 3.8eV)を陰極として用
い、10V程度の直流印加電圧で1000cd/m2
上の輝度の有機薄膜EL素子を実現した。しかし、Ag
と合金化することでMgの有機薄膜への密着性の悪さや
薄膜形成の均一性の悪さは改善されたものの、Ag(仕
事関数4.6eV)を混ぜることで、MgAg合金の仕
事関数はトリス(8−キノリノール)アルミニウムのL
UMOのエネルギーレベルより低くなるため電子が注入
されにくくなる欠点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するために、従来使用されたMgAg合金よりも
低仕事関数で、比較的安定で均一性の高い陰極材料を用
い、発光面全域で均一な高輝度有機薄膜EL素子を提供
することを目的としてなされたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、少
なくとも陽極、正孔注入輸送層、有機電子輸送発光層、
陰極、もしくは少なくとも陽極、正孔注入輸送層、有機
発光層、電子注入輸送層、陰極の順で構成される有機薄
膜EL素子において、前記陰極がMgを主成分とする金
属を用いたイオンプレーティング膜で形成されてなるこ
とを特徴とするものである。
【0018】以下、本発明における有機薄膜EL素子
を、図1に示すように、基板1上に陽極2、正孔注入輸
送層3、有機電子輸送発光層4、陰極7の順に構成する
場合について説明するが、同様の構成を基板1上に陰極
7から順に構成することもできる。
【0019】また、図2に示すように、有機電子輸送発
光層4を有機発光層5と電子注入輸送層6とに機能分離
し、基板1上に陽極2、正孔注入輸送層3、有機発光層
5、電子注入輸送層6、陰極7の順に構成することもで
きる。
【0020】陽極2は、ガラス等の透明絶縁性の基板1
上にITOや酸化亜鉛アルミニウムのような透明導電性
物質を真空蒸着やスパッタリング法等で被覆した表面抵
抗10〜50Ω/平方、可視光線透過率80%以上の透
明電極、または金やプラチナを薄く蒸着した半透明電極
が望ましい。
【0021】しかし、別の場合には、陽極2は不透明
で、電子輸送発光層へ正孔注入し易い仕事関数の大きい
金、プラチナ、ニッケル等の金属板、シリコン、ガリウ
ムリン、アモルファス炭化シリコン等の仕事関数が4.
8eV以上の半導体基板、またはそれらの金属や半導体
を絶縁体基板1上に被覆した陽極2を用い、陰極を透明
電極または半透明電極とすることもできる。陰極7も不
透明である場合、発光層4の少なくとも一端が透明であ
る必要がある。
【0022】次に透明な陽極2上に正孔注入輸送層3を
形成するが、正孔注入輸送材料の好ましい条件は、酸化
に対して安定で正孔移動度が大、イオン化エネルギ−が
陽極材料と発光層材料の中間にあり、成膜性が良く、少
なくとも発光層材料の蛍光波長領域において実質的に透
明である必要がある。銅フタロシアニン、無金属フタロ
シアニン等のフタロシアニン類またはテトラフェニルジ
アミン誘導体等を単層または積層して使用する。
【0023】テトラフェニルジアミン誘導体の代表的な
材料としては、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリルア
ミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−
ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニ
ル−N,N’−ビス(パラ−トリル)−1,1’−ビフ
ェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’N’−テト
ラ(パラ−トリル)−4,4’−ジアミノビフェニル等
があげられるが、上記例に特に限定されるものではな
い。
【0024】これらの化合物を用いた正孔注入輸送層3
の成膜は、透明電極の陽極2上に主に蒸着により形成さ
れるが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチル
フェニルシラン等の樹脂中に、分散させてスピンコート
等の方法でコーティングすることによって形成すること
も可能である。
【0025】正孔注入輸送層3の膜厚は、単層または積
層により形成する場合においても1μm以下であり、好
ましくは0.03〜0.1μmである。テトラフェニル
ジアミン誘導体のように加熱により溶融する正孔注入輸
送材料を用いた場合には、正孔注入輸送材料の蒸着中ま
たは蒸着後に、真空中または不活性ガス雰囲気下で、蒸
着膜の欠陥を除くため、融点程度以下の温度で基板加熱
処理を行なってもよい。
【0026】また、銅フタロシアニンのように結晶性で
蒸着膜表面が凹凸になり易い正孔注入輸送材料を用いた
場合には、蒸着中に基板冷却を行ない非晶質な蒸着膜を
得ることもできる。
【0027】次に正孔注入輸送層3上に、有機電子輸送
発光層4を形成するが、有機電子輸送発光層4に用いる
蛍光体には、可視領域に蛍光を有し適当な方法で成膜で
きる任意の蛍光体が使用可能である。例えば、アントラ
セン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン、ペリレン、テ
トラフェニルブタジエン、9,10−ビス(フェニルエ
チニル)アントラセン、トリス(8−キノリノール)ア
ルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛、トリス
(5−フルオロ−8−キノリノール)アルミニウム錯
体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛
及びカドミウム錯体等があげられる。
【0028】有機電子輸送発光層4中の蛍光体は、発光
波長変換、発光効率向上のために2種類以上の蛍光体を
混合するか、多種類の蛍光体の発光層を2層以上積層し
てもよく、そのうちの一方は赤外域または紫外域に蛍光
を示すものであってもよい。有機電子輸送発光層4の成
膜方法は、真空蒸着法、累積膜法、または適当な樹脂バ
インダー中に分散させてスピンコートなどの方法でコー
ティングすることにより行なわれる。
【0029】有機電子輸送発光層4の膜厚は、単層また
は積層により形成する場合においても1μm以下であ
り、好ましくは0.03〜0.1μmである。次に、図
2に示すように有機電子輸送発光層4を有機発光層5と
電子注入輸送層6とに機能分離して配する場合、電子注
入輸送材料の好ましい条件は、電子移動度が大きく、L
UMOのエネルギーレベルが有機発光材料のLUMOの
エネルギ−レベルと陰極材料のフェルミレベルの中間に
あり、成膜性が良いことである。更に陽極2が不透明
で、透明もしくは半透明の陰極7から光を取り出す構成
の素子においては、少なくとも有機発光層材料の蛍光波
長領域において実質的に透明である必要がある。例とし
ては、BPBD、3,4,9,10−ペリレンテトラカ
ルボキシル−ビス−ベンズイミダゾールなどがあげられ
るが、上記例に特に限定されるものではない。
【0030】電子注入輸送層6の成膜方法は、真空蒸着
法、累積膜法、または適当な樹脂バインダー中に分散さ
せてスピンコートなどの方法でコーティングすることに
より行なわれる。電子注入輸送層6の膜厚は、1μm以
下であり、好ましくは0.01〜0.1μmである。
【0031】また、有機電子輸送発光層4または有機発
光層5及び電子注入輸送層6を真空蒸着法により形成す
る際、蒸着中または蒸着後直ちに、水素、アンモニア等
の非電子吸引性または電子供与性のガスを真空チェンバ
ーに導入し、有機分子に吸着させ、有機分子が空気中の
酸素を吸着して膜の電気抵抗が増大することを防ぐこと
もできる。
【0032】次に、本発明による陰極7を有機電子輸送
発光層4または電子注入輸送層6上に形成する。本発明
による陰極の主成分は、Mgであるが、主成分以外に
も、例えばAg,Al,In,Sn,Li,Na,C
a,Sr,Ba等の不純物、添加物が含まれていてもよ
いが、特に上記例に限定されるものではない。
【0033】陰極7の形成方法を図3のイオンプレーテ
ィング装置の説明図に従い説明する。チェンバー11内
を一旦10-6Torrオーダー以下の真空まで排気した
後、ガス導入弁12を通してAr,Ne等の不活性ガス
を導入し、10-4〜10-3Torrの圧力で安定させ
る。RF電源13から整合回路14を介してコイル電極
15に高周波電力を投入することにより、プラズマを発
生させる。水晶振動子式膜厚計でモニターしながら、抵
抗加熱蒸着源16から基板17へ蒸着を行ない、0.1
〜0.3μm程度の膜厚でイオンプレーティング膜を形
成するが、電子ビーム蒸着源やマイクロ波電源を用いれ
ば、10-5Torr台でもプラズマの生成は可能であ
る。また、基板バイアス電源18から基板17へ負の電
圧を印加することで、Mgイオン等の正の荷電粒子の打
ち込みを促進することができるが、積極的にバイアスを
印加しなくても、基板17近傍に生じるシースバイアス
による打ち込み効果が期待できる。
【0034】また、有機層材料がプラズマにより分解さ
れるのを防ぐため、基板17近傍での電子温度は10e
V程度以下、シースバイアス電圧は10V程度以下とな
るように、投入パワーを制御することが重要であるが、
イオンプレーティング法においては、コイル電極15と
基板17の幾何学的配置により制御することも、比較的
容易である。
【0035】最後に素子の有機層、電極の酸化を防ぐた
めに、素子上に封止層8を形成する。封止層8は、陰極
7の形成後直ちにSiO2 ,SiO,GeO,MoO3
等の酸化物、MgF2 ,LiF,BaF2 ,AiF3
FeF3 等のフッ化物等の無機物を蒸着、スパッタリン
グ法等により形成し、更に水分の浸入を防ぐために低吸
湿性の紫外線硬化接着剤、エポキシ系接着剤等を用い
て、ガラス板等を接着密封する。
【0036】以上のように構成した有機薄膜EL素子
は、陽極2を正として直流電圧を印加することにより発
光するが、交流電圧を印加した場合にも陽極2が正に電
圧印加されている間は発光する。
【0037】
【作用】真空蒸着において、Mgは昇華性の金属である
ため蒸着源の投入パワーが少ないと比較的大きなクラス
ターとして蒸着される。またMg粒子はたいていの基板
上で移動し易く、不均一で非平滑な多結晶薄膜となり易
いため、発光面全域で均一な発光を再現性良く得ること
が困難であった。
【0038】そこで、本発明ではMgのイオンプレーテ
ィング薄膜を陰極に用いることにより、発光面全域で均
一な発光を実現した。プラズマ中の電子衝撃によりMg
クラスタ−は分解され、基板上では結晶成長が抑制され
る。またバイアス電界によりMgイオンが加速されるた
め、打ち込み効果により密着性が高く均一で平滑なアモ
ルファス様のMg薄膜陰極が得られる。更にMg単体で
用いることができるためMgAg合金よりも低仕事関数
の陰極となる。
【0039】
【実施例】
<実施例1>以下、本発明のEL素子の実施例を図1に
従って説明する。まず、透明絶縁性の基板1として厚さ
1.1mmのガラス板を用い、この上に0.12μmの
ITOを被覆して陽極2とした。この透明導電性ガラス
基板をアルコ−ルで洗浄後、約400℃で10分間加熱
し脱脂を行なった。次に正孔注入輸送層3として、N,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを
0.05μm蒸着した。
【0040】次に有機電子輸送発光層4としてトリス
(8−キノリノール)アルミニウムを0.05μm蒸着
し、その上面に陰極7としてMgのイオンプレーティン
グ膜を0.2μm成膜した。プラズマ条件は雰囲気圧力
5×10-4Torr、RFパワー0.3WのArプラズ
マであった。陰極7の仕事関数は光電子放出法により測
定したところ約3.2eVであった。最後に封止層8と
してGeOを2μm蒸着した。
【0041】この素子は、2.4V以上の直流電圧印加
により黄緑色に発光し、最高輝度は16Vにおいて69
48cd/m2 、電流密度は241mA/cm2 であ
り、発光面全域で均一な高輝度発光を得られた。
【0042】<実施例2>実施例1と同様に透明導電性
ガラス基板上に正孔注入輸送層3、有機電子輸送発光層
4を順に蒸着した上に陰極7としてMgのイオンプレー
ティング膜を0.2μm成膜した。プラズマ条件は雰囲
気圧力5×10-4Torr、RFパワー1WのArプラ
ズマであった。陰極7の仕事関数は光電子放出法により
測定したところ約3.2eVであった。最後に封止層8
としてGeOを2μm蒸着した。
【0043】この素子は2.4V以上の直流電圧印加に
より黄緑色に発光し、最高輝度は16Vにおいて608
0cd/m2 、電流密度は223mA/cm2 であり、
発光面全域で均一な高輝度発光を得られた。
【0044】<比較例1>実施例1と同様に、透明導電
性ガラス基板上に正孔注入輸送層3、有機電子輸送発光
層4を順に蒸着した上に陰極7としてMgAg合金を共
蒸着により形成した。陰極5の仕事関数は光電子放出法
により測定したところ約3.8eVであった。最後に封
止層8としてMgF2 を0.33μm蒸着した。
【0045】この素子は3V以上の直流電圧印加により
黄緑色に発光し、最高輝度は17Vにおいて5990c
d/m2 、電流密度は268mA/cm2 であり、発光
面全域で均一な高輝度発光を得られた。
【0046】<比較例2>比較例1と同様に透明導電性
ガラス基板上に正孔注入輸送層3、有機電子輸送発光層
4を順に蒸着した上に陰極7としてMgを0.2μm蒸
着した。陰極5の仕事関数は光電子放出法により測定し
たところ約3.2eVであった。最後に封止層8として
GeOを2μm蒸着した。
【0047】この素子は2.4V以上の直流電圧印加に
より黄緑色に発光し、最高輝度は16Vにおいて252
0cd/m2 、電流密度は252mA/cm2 であった
が、発光面に輝度むらが生じ、発光面全域で均一な発光
は得られなかった。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、有機薄膜EL素子の
陰極としてMgを主成分とする金属を用いたイオンプレ
ーティング膜を用いることにより、従来使用されたMg
Ag合金よりも低仕事関数で、密着性が高く、均一で平
滑なアモルファス様のMg薄膜陰極が得られるため、発
光面全域で均一な高輝度有機薄膜EL素子を再現性よく
得ることに効果がある。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜EL素子の一実施例を示す説
明図である。
【図2】本発明の有機薄膜EL素子の他の実施例を示す
説明図である。
【図3】本発明の有機薄膜EL素子におけるイオンプレ
ーティング薄膜陰極を成膜する装置の説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 正孔注入輸送層 4 有機電子輸送発光層 5 有機発光層 6 電子注入輸送層 7 陰極 8 封止層 11 チェンバー 12 ガス導入弁 13 RF電源 14 整合回路 15 コイル電極 16 抵抗加熱蒸着源 17 基板 18 基板バイアス電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも陽極、正孔注入輸送層、有機電
    子輸送発光層、陰極、もしくは少なくとも陽極、正孔注
    入輸送層、有機発光層、電子注入輸送層、陰極の順で構
    成される有機薄膜EL素子において、前記陰極がMgを
    主成分とする金属を用いたイオンプレーティング膜で形
    成されてなることを特徴とする有機薄膜EL素子。
JP4074894A 1992-03-31 1992-03-31 有機薄膜el素子 Pending JPH05283169A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4074894A JPH05283169A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 有機薄膜el素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4074894A JPH05283169A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 有機薄膜el素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05283169A true JPH05283169A (ja) 1993-10-29

Family

ID=13560554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4074894A Pending JPH05283169A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 有機薄膜el素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05283169A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003051380A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 有機電界発光素子を用いた線状光源及びその製造方法
CN108336109B (zh) * 2018-01-02 2021-02-02 厦门天马微电子有限公司 有机发光显示面板、显示装置和有机发光显示母板

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62243289A (ja) * 1986-04-16 1987-10-23 関西日本電気株式会社 薄膜elパネルの製造方法
JPH0337994A (ja) * 1989-06-30 1991-02-19 Nec Corp 有機薄膜発光素子
JPH03141588A (ja) * 1989-10-27 1991-06-17 Ricoh Co Ltd 電界発光素子
JPH0428197A (ja) * 1990-05-22 1992-01-30 Ricoh Co Ltd 端面発光型電界発光素子およびその駆動方法
JPH04363896A (ja) * 1991-06-07 1992-12-16 Nec Corp 有機薄膜el素子とその製造方法
JPH0521165A (ja) * 1991-07-12 1993-01-29 Ricoh Co Ltd 電界発光素子
JPH05101890A (ja) * 1991-10-08 1993-04-23 Tdk Corp 電界発光素子の電極作製方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62243289A (ja) * 1986-04-16 1987-10-23 関西日本電気株式会社 薄膜elパネルの製造方法
JPH0337994A (ja) * 1989-06-30 1991-02-19 Nec Corp 有機薄膜発光素子
JPH03141588A (ja) * 1989-10-27 1991-06-17 Ricoh Co Ltd 電界発光素子
JPH0428197A (ja) * 1990-05-22 1992-01-30 Ricoh Co Ltd 端面発光型電界発光素子およびその駆動方法
JPH04363896A (ja) * 1991-06-07 1992-12-16 Nec Corp 有機薄膜el素子とその製造方法
JPH0521165A (ja) * 1991-07-12 1993-01-29 Ricoh Co Ltd 電界発光素子
JPH05101890A (ja) * 1991-10-08 1993-04-23 Tdk Corp 電界発光素子の電極作製方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003051380A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 有機電界発光素子を用いた線状光源及びその製造方法
CN108336109B (zh) * 2018-01-02 2021-02-02 厦门天马微电子有限公司 有机发光显示面板、显示装置和有机发光显示母板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2776040B2 (ja) 有機薄膜el素子
JPH06325871A (ja) 有機電界発光素子
JP2004319424A (ja) 有機電界発光ディスプレイ装置
JPH04212287A (ja) 有機薄膜el素子
JP2797905B2 (ja) 有機薄膜el素子
JPH0696858A (ja) 有機薄膜el素子
JP2001297883A (ja) 有機電界発光素子
JPH1140365A (ja) 有機el素子およびその製造方法
JPH1126167A (ja) 有機電界発光素子
JPH0487187A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3651347B2 (ja) 有機電界発光素子
JPH1140352A (ja) 有機el素子およびその製造方法
EP0880304A2 (en) Luminescent device
JPH07166160A (ja) 有機薄膜el素子
JP2902745B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH11242994A (ja) 発光素子およびその製造方法
JPH11329746A (ja) 有機el素子
JPH05283169A (ja) 有機薄膜el素子
JP3972584B2 (ja) 有機電界発光素子及びその製造方法
JPH03269084A (ja) 有機薄膜el素子
JPH04132191A (ja) 有機薄膜el素子
JPH11121172A (ja) 有機el素子
JP2000133466A (ja) 表面改質ito膜、その表面処理方法およびそれを用いた電荷注入型発光素子
JP3736881B2 (ja) 有機薄膜el素子
US20010051487A1 (en) Method for making organic luminescent device