JPH05283149A - 表面絶縁性に優れたヒーター材料とその製造方法 - Google Patents

表面絶縁性に優れたヒーター材料とその製造方法

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JPH05283149A
JPH05283149A JP10595692A JP10595692A JPH05283149A JP H05283149 A JPH05283149 A JP H05283149A JP 10595692 A JP10595692 A JP 10595692A JP 10595692 A JP10595692 A JP 10595692A JP H05283149 A JPH05283149 A JP H05283149A
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JP
Japan
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aluminum
stainless steel
less
oxide film
steel
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JP10595692A
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English (en)
Inventor
Atsushi Ando
敦司 安藤
Toshiharu Kikko
敏晴 橘高
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼の表面に鉄−クロム−アルミニ
ウム拡散層を介してアルミニウム酸化皮膜を形成した表
面の電気絶縁性に優れたヒーター材料。 【構成】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金被覆
したステンレス鋼を酸化性雰囲気下で加熱処理し、ステ
ンレス鋼の表面に鉄−クロム−アルミニウム拡散層を介
してアルミニウム酸化皮膜を形成したことを特徴とする
表面の電気絶縁性に優れたヒーター材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の電気絶縁性が高
く、加熱機器、電熱器などに取り付ける際の加工性に優
れたアルミニウムあるいはアルミニウム合金被覆ステン
レス鋼ヒーター材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヒーター材料としては電気抵抗の
比較的高いニクロム合金やAl含有ステンレス鋼などが
用いられ、これらの材料が接触する箇所や取り付け部な
どではヒーターがショートし破損するのを防止するため
に、高い電気絶縁性を有するセラミックスやアスベスト
などで保護している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒーター材料は
酸化加熱時にその表面に電気絶縁性を有するCrあるい
はAlの酸化物を主体とする酸化物皮膜を形成する。し
かし、この酸化物皮膜は鋼中のCrあるいはAlの酸化
により形成されるため、酸化物皮膜直下のCrあるいは
Alの濃度が低下し、酸化物皮膜が局部的に剥離した場
合そこから急激に酸化が進行し、電気絶縁性の低いFe
系酸化物が異常成長する。さらに、酸化雰囲気や酸化前
の表面状態により加熱時に表面に均一に絶縁性を有する
酸化物皮膜が形成されない場合もある。したがって、従
来のヒーター材料では表面の電気絶縁性を安定して得ら
れなかった。このため、従来のヒーター材料を用いた加
熱機器や電熱器などは、ヒーターの接触する箇所などを
絶縁材料で保護しており、昇温に比較的長時間を要す
る。しかも絶縁材料として用いられているセラミックス
は衝撃に対して脆いため取り扱いに難点があり、切断や
加工ができない、あるいはセラミックスシートのように
薄くすると加熱冷却を繰り返すような使用環境下では破
損しやすく絶縁不良になり易い。さらに、高温の燃焼排
ガス中ではアスベストなども比較的短時間で劣化し、電
気絶縁性を喪失してしまうという問題があった。このよ
うな事情のもとに、本発明は、それ自体に通電して発熱
させることができ、しかも素地鋼との密着性に優れた電
気絶縁性の高い皮膜を表面に有するヒーター材料を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段、発明の構成】上記の問題
を解決するために、本発明は、Cr:10〜30wt%
(以下の記載において単に%と記す)、Ti、Nb、
V、Zrのうち少なくとも1種類:0.6wt%以下、
C:0.1wt%以下、N:0.05wt%以下、S
i:2.0wt%以下、Mn:2.0wt%以下、残部が
鉄および不可避的不純物からなるステンレス鋼の基材
と、鉄−クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡
散層と0.3〜5.0μm厚のアルミニウム酸化物皮膜
とからなる表面絶縁性に優れたヒーター材料を提供す
る。アルミニウム拡散層は基材の全域に及んでいてもよ
い。さらに、(a)上記ステンレス鋼が、希土類元素、
Yのうち少なくとも1種類:0.2%以下含有するヒー
ター材料、(b)上記ステンレス鋼が、Al:6.0%
以下含有するヒーター材料、(c)上記ステンレス鋼
が、Mo:2.0%以下含有するヒーター材料をも提供
する。また、本発明はアルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金で少なくとも片面が0.5μm以上被覆されたス
テンレス鋼材を酸化性雰囲気下で800〜1200℃の
温度で1分間以上加熱処理することからなる前記表面絶
縁性に優れたヒーター材料の製造方法を提供する。
【0005】
【作用】以下、本発明の特徴を、その作用とともに具体
的に説明する。本発明のヒーター材料にはステンレス鋼
が用いられる。鋼中のCr量は10〜30%である。1
0%未満のCr量では母材の耐高温酸化性が劣り、表面
に電気絶縁性の低いFe、Cr、Al系複合酸化物を形
成しやすい。Crの添加は母材の電気抵抗を高める。し
かし、Cr量が30%を越えても母材の電気抵抗や耐高
温酸化性を顕著に向上させる効果は認められず、Crが
高価な金属であることを考えると経済的にもCr量は3
0%以下であることが好ましい。鋼中のTi、Nb、
V、Zrはいずれも鋼中のCおよびNと化合物を形成し
固定する。この結果、Alめっき層中のAlが鋼中に拡
散する際、鋼中のC、NによりAlの拡散が阻害される
のを防止する。また、これらの元素はステンレス鋼の圧
延性および加工性を向上させる効果を有する。したがっ
て、これらの元素は鋼中のC、Nと結合するのに充分な
量(C+Nの約4倍量以上)であることが望ましく、こ
の観点から上記元素の含有量は0.6%以下で足りる。
鋼中のCはAlめっき層から鋼中にAlが拡散するのを
阻害する。また、一般的に耐高温酸化性を高めるために
は鋼中のC量は少ないことが望ましい。このような観点
から鋼中のC量は0.1%以下が好ましい。鋼中のNは
Alめっき層から鋼中に拡散したAlと結合してAlN
を形成し、Alの拡散を阻害することから、その含有量
は少ない方が望ましく、鋼中のN量は0.05%以下が
好ましい。また、上記ステンレス鋼はSi、Mnを含有
するものであってもよい。Si、Mnは不可避的不純物
としてステンレス鋼に一般的に含有されており、その含
有量はそれぞれ約0.8%以下であるが、Siは耐高温
酸化性および高温強度を高め、またMnは高温強度を高
める効果を有する。しかし、Si:2%およびMn:2
%を越えるとステンレス鋼の圧延性および加工性が低下
するので好ましくない。したがって、Si:2%以下、
Mn:2%以下を含有するステンレス鋼が好ましい。そ
の他、上記ステンレス鋼には不可避的不純物として、
P、Sなどが含まれるが、これらは通常の混入量以下で
あれば支障ない。
【0006】以下のようなステンレス鋼の他に、希土類
元素とYのうち少なくとも1種類を含有するもの、Al
を含有するもの、Moを含有するもの、およびこれらの
成分を同時に含有するステンレス鋼をそれぞれ用いるこ
とができる。鋼中に含まれる希土類元素あるいはYは、
加熱処理により生成するアルミニウム酸化物皮膜と鉄−
クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡散層との
密着性を向上させる。さらに、ステンレス鋼の高温クリ
ープ特性を向上させる。しかし、その添加量が0.2%
を越えると鋼中の介在物として析出し、耐高温酸化性を
低下させる。したがって、上記元素の含有量は0.2%
以下が好ましい。本発明は鋼中のAlを利用してアルミ
ニウム酸化物皮膜を形成するものではないのでAl含有
ステンレス鋼である必要はない。但し、鋼中にAlを含
有するものは電気抵抗が高く、耐高温酸化性が良好なの
でこの観点からAl含有ステンレス鋼が用いられる。し
かし、鋼中のAl量が6%を越えると母材の衝撃じん性
が低下し、製造しにくくなるので好ましいAl量は6%
以下である。次に、鋼中に含まれるMoは母材の高温強
度および耐高温酸化性を向上させる。しかし、Mo量が
2%を越えると圧延性が低下し製造しにくくなるので好
ましいMo量は2%以下である。
【0007】本発明における、アルミニウムあるいはア
ルミニウム合金被覆は加熱処理時にアルミニウム酸化物
皮膜を形成し、かつステンレス鋼基材との間にアルミニ
ウム拡散層を形成するためのものである。上記アルミニ
ウム酸化物皮膜はAl23を主体とした酸化物からな
り、電気絶縁性を付与するためには0.3〜5.0μm
の皮膜厚さが必要である。0.3μmよりも薄いと高絶
縁性が得られず、5.0μmよりも厚いと加工の際に酸
化物皮膜内部で割れが生じ易く剥離するおそれがある。
アルミニウム拡散層はステンレス鋼中にアルミニウムが
約13%以下の濃度に固溶した層であり、アルミニウム
酸化物皮膜直下のAl濃度が高いので酸化物皮膜の密着
性を向上させ、さらに母材の電気抵抗を向上させる効果
がある。上記アルミニウム系被覆はステンレス鋼とアル
ミニウム拡散層を形成し、この拡散層の表面に均一にア
ルミニウム酸化物皮膜を形成する程度でよい。しかし、
ヒーター材料として高温になり、加熱冷却を繰り返し受
ける環境で用いることから、アルミニウム系被覆膜厚は
0.5μm以上が好ましい。アルミニウム系被覆として
は、純Alのほか、AlにSi、Mn、Mg、Fe、C
r、Ni、Tiのうち少なくとも1種類を含有するAl
合金が適用できる。その被覆法としては、アルミニウム
系被覆とステンレス鋼との密着性が得られる蒸着めっ
き、溶融めっき、電気めっき、クラッド法など通常の被
覆方法でよい。アルミニウム系被覆ステンレス鋼の加熱
処理はアルミニウム拡散層およびアルミニウム酸化物皮
膜が形成される酸化性雰囲気下で行う。加熱処理温度が
800℃未満ではステンレス鋼とアルミニウムの相互拡
散が十分に進行せず、硬くて脆い鉄−クロム−アルミニ
ウム金属間化合物から成る合金層が形成されるために加
工時の剥離の原因となりやすい。また、この温度域では
アルミニウム酸化物皮膜の成長が遅く、十分な電気絶縁
性を得られない。1200℃を越えるとアルミニウム酸
化物皮膜は厚く成長するが、ステンレス鋼の結晶粒が粗
大化し、材質が劣化するので好ましくない。したがっ
て、加熱処理温度は800〜1200℃の範囲が好まし
い。加熱処理時間は1分間未満では硬くて脆い鉄−クロ
ム−アルミニウム合金層が残存しやすく加工時に剥離す
るおそれがあり、アルミニウム酸化物皮膜の成長も不十
分になりやすいために、高い電気絶縁性を安定して得ら
れない。これらのことから、加熱処理時間は1分間以上
必要である。
【0008】
【発明の具体的開示】図面を参照して、本発明を具体的
に説明する。本発明のヒーター材料は図1に示すよう
に、ステンレス鋼1上に鉄−クロム−アルミニウムから
なるアルミニウム拡散層2ならびにアルミニウム酸化物
皮膜3からなる断面構造を有している。この断面構造に
より加工後も高い電気絶縁性を有する。また、アルミニ
ウム系被覆ステンレス鋼板の板厚が薄く、かつ加熱処理
温度が高くて処理時間が長い場合、ステンレス鋼の断面
全体にAlが拡散固溶し、図2に示すように鉄−クロム
−アルミニウムからなるアルミニウム拡散層2とアルミ
ニウム酸化物皮膜3からなる断面構造を有している。
【0009】実施例1 表1に示す組成のステンレス鋼を真空溶解炉で100k
gの鋼塊を溶製し、これを鍛造して厚さ35mmとし、
ついでこれを熱間圧延して3mm厚の熱延板として、さ
らに焼鈍、冷間圧延を繰り返して0.3mm厚の冷延板
コイルを製造した。これらのコイルの表面に真空蒸着め
っきラインで約3μmの膜厚の純Al被覆を施した。こ
のコイルから20mm巾×100mm長の寸法に切り出
したアルミニウム被覆ステンレス鋼板を大気雰囲気中で
1000℃、1時間の加熱処理し、表面にアルミニウム
拡散層ならびにアルミニウム酸化物皮膜を形成させて試
験に供した。これらの試験片の両端を交流電源に接続し
て100Vの電圧を印加し、試験片を800℃まで急速
加熱した後、電源を切り室温まで冷却する工程を1サイ
クルとして、加熱冷却を100サイクルまで実施した。
そして、100サイクル後の試験片表面を走査型電子顕
微鏡で観察して、酸化物皮膜の割れ、剥離の有無を調査
した。また、100サイクル後の試験片の表面に銅電極
を接触させ、ステンレス鋼と電極との間の電気絶縁抵抗
を測定した。これらの結果を表1に併記した。この表の
結果から明らかなように、本発明例は加熱冷却繰り返し
100サイクル後もアルミニウム酸化物皮膜の割れや剥
離は認められず、試験前と同様に優れた電気絶縁性を示
す。これに対して、鋼中のCr量の少ないNo.1やT
i、Nb、V、Zr未添加のNo.3や高C量のNo.5あ
るいは高N量のNo.8などの本発明外のステンレス鋼
を母材に用いた場合、いずれも加熱冷却繰り返しにより
アルミニウム酸化物皮膜に割れが生じたり、皮膜が剥離
するために、優れた表面の電気絶縁性を安定して得られ
ない。
【0010】実施例2 表1に示すNo.10のステンレス鋼(板厚0.4mm)
に種々のめっき膜厚の溶融合金アルミニウムめっき(A
l−9%Si)を施した後、これを冷間圧延して0.4
〜20μmの膜厚のAl合金被覆を有する板厚0.09
mmの溶融アルミニウムめっきステンレス鋼箔を作製し
た。このアルミニウム被覆ステンレス鋼箔を種々の条件
で加熱し、表面に鉄−クロム−アルミニウム拡散層なら
びにアルミニウム酸化物皮膜を形成させた後、20mm
巾x100mm長の寸法に切り出して試験に提供した。
これらの試験片を実施例1と同様の試験方法で酸化物皮
膜の割れ、剥離の有無ならびに表面の電気絶縁性を評価
した。なお、加熱処理後の表面の酸化物皮膜厚さは試験
片断面を捜査型電子顕微鏡で観察して求めた。表2にこ
れらの結果をまとめて示す。本表の結果から明らかなよ
うに、本発明例はいずれもアルミニウム酸化物皮膜の剥
離は認められず、加熱冷却繰り返し100サイクル後も
優れた絶縁抵抗を有していた。この優れた特性を得るた
めにはアルミニウム拡散層上に0.3〜5.0μmの厚
さのアルミニウム酸化物皮膜を形成させることが重要で
あり、その処理条件としてはアルミニウム被覆ステンレ
ス鋼を酸化性雰囲気下で800〜1200℃の温度で1
分間以上加熱処理すればよく、アルミニウム被覆膜厚と
しては0.5μm以上であればよいといえる。本実施例
で用いた溶融めっき法によるAl−9%Si合金被覆に
かえて、電気めっき法によるAl−15%Mn合金被覆
あるいはクラッド法によるAl合金被覆を施した場合に
も表2と同様の結果が得られた。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金被覆したステンレス鋼材
を酸化性雰囲気下で加熱処理し、ステンレス鋼材の表面
に鉄−アルミニウム拡散層を介してアルミニウム酸化物
皮膜を形成すれば素地鋼との密着性に優れた電気絶縁性
の高い皮膜を有するヒーター材料となることから、本発
明により、ヒーター材料の高性能化と信頼性向上に寄与
し、その産業上の利益はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ステンレス鋼基材、鉄−クロム−アルミニウ
ムからなるアルミニウム拡散層ならびにアルミニウム酸
化物皮膜からなる本発明のヒーター用材料の断面構造を
示す模式図である。
【図2】 鉄−クロム−アルミニウムからなるアルミニ
ウム拡散層とアルミニウム酸化物皮膜からなる本発明の
ヒーター用材料の断面構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼 2 鉄−クロム−アルミニウム拡散層 3 アルミニウム酸化物皮膜
【表1】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の電気絶縁性が高
く、加熱機器、電熱器などに取り付ける際の加工性に優
れたアルミニウムあるいはアルミニウム合金被覆ステン
レス鋼ヒーター材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヒーター材料としては電気抵抗の
比較的高いニクロム合金やAl含有ステンレス鋼などが
用いられ、これらの材料が接触する箇所や取り付け部な
どではヒーターがショートし破損するのを防止するため
に、高い電気絶縁性を有するセラミックスやアスベスト
などで保護している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒーター材料は
酸化加熱時にその表面に電気絶縁性を有するCrあるい
はAlの酸化物を主体とする酸化物皮膜を形成する。し
かし、この酸化物皮膜は鋼中のCrあるいはAlの酸化
により形成されるため、酸化物皮膜直下のCrあるいは
Alの濃度が低下し、酸化物皮膜が局部的に剥離した場
合そこから急激に酸化が進行し、電気絶縁性の低いFe
系酸化物が異常成長する。さらに、酸化雰囲気や酸化前
の表面状態により加熱時に表面に均一に絶縁性を有する
酸化物皮膜が形成されない場合もある。したがって、従
来のヒーター材料では表面の電気絶縁性を安定して得ら
れなかった。このため、従来のヒーター材料を用いた加
熱機器や電熱器などは、ヒーターの接触する箇所などを
絶縁材料で保護しており、昇温に比較的長時間を要す
る。しかも絶縁材料として用いられているセラミックス
は衝撃に対して脆いため取り扱いに難点があり、切断や
加工ができない、あるいはセラミックスシートのように
薄くすると加熱冷却を繰り返すような使用環境下では破
損しやすく絶縁不良になり易い。さらに、高温の燃焼排
ガス中ではアスベストなども比較的短時間で劣化し、電
気絶縁性を喪失してしまうという問題があった。このよ
うな事情のもとに、本発明は、それ自体に通電して発熱
させることができ、しかも素地鋼との密着性に優れた電
気絶縁性の高い皮膜を表面に有するヒーター材料を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段、発明の構成】上記の問題
を解決するために、本発明は、Cr:10〜30wt%
(以下の記載において単に%と記す)、Ti、Nb、
V、Zrのうち少なくとも1種類:0.6wt%以下、
C:0.1wt%以下、N:0.05wt%以下、S
i:2.0wt%以下、Mn:2.0wt%以下、残部
が鉄および不可避的不純物からなるステンレス鋼の基材
と、鉄−クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡
散層と0.3〜5.0μm厚のアルミニウム酸化物皮膜
とからなる表面絶縁性に優れたヒーター材料を提供す
る。アルミニウム拡散層は基材の全域に及んでいてもよ
い。さらに、(a)上記ステンレス鋼が、希土類元素、
Yのうち少なくとも1種類:0.2%以下含有するヒー
ター材料、(b)上記ステンレス鋼が、Al:6.0%
以下含有するヒーター材料、(c)上記ステンレス鋼
が、Mo:2.0%以下含有するヒーター材料をも提供
する。また、本発明はアルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金で少なくとも片面が0.5μm以上被覆されたス
テンレス鋼材を酸化性雰囲気下で800〜1200℃の
温度で1分間以上加熱処理することからなる前記表面絶
縁性に優れたヒーター材料の製造方法を提供する。
【0005】
【作用】以下、本発明の特徴を、その作用とともに具体
的に説明する。本発明のヒーター材料にはステンレス鋼
が用いられる。鋼中のCr量は10〜30%である。1
0%未満のCr量では母材の耐高温酸化性が劣り、表面
に電気絶縁性の低いFe、Cr、Al系複合酸化物を形
成しやすい。Crの添加は母材の電気抵抗を高める。し
かし、Cr量が30%を越えても母材の電気抵抗や耐高
温酸化性を顕著に向上させる効果は認められず、Crが
高価な金属であることを考えると経済的にもCr量は3
0%以下であることが好ましい。鋼中のTi、Nb、
V、Zrはいずれも鋼中のCおよびNと化合物を形成し
固定する。この結果、Alめっき層中のAlが鋼中に拡
散する際、鋼中のC、NによりAlの拡散が阻害される
のを防止する。また、これらの元素はステンレス鋼の圧
延性および加工性を向上させる効果を有する。したがっ
て、これらの元素は鋼中のC、Nと結合するのに充分な
量(C+Nの約4倍量以上)であることが望ましく、こ
の観点から上記元素の含有量は0.6%以下で足りる。
鋼中のCはAlめっき層から鋼中にAlが拡散するのを
阻害する。また、一般的に耐高温酸化性を高めるために
は鋼中のC量は少ないことが望ましい。このような観点
から鋼中のC量は0.1%以下が好ましい。鋼中のNは
Alめっき層から鋼中に拡散したAlと結合してAlN
を形成し、Alの拡散を阻害することから、その含有量
は少ない方が望ましく、鋼中のN量は0.05%以下が
好ましい。また、上記ステンレス鋼はSi、Mnを含有
するものであってもよい。Si、Mnは不可避的不純物
としてステンレス鋼に一般的に含有されており、その含
有量はそれぞれ約0.8%以下であるが、Siは耐高温
酸化性および高温強度を高め、またMnは高温強度を高
める効果を有する。しかし、Si:2%およびMn:2
%を越えるとステンレス鋼の圧延性および加工性が低下
するので好ましくない。したがって、Si:2%以下、
Mn:2%以下を含有するステンレス鋼が好ましい。そ
の他、上記ステンレス鋼には不可避的不純物として、
P、Sなどが含まれるが、これらは通常の混入量以下で
あれば支障ない。
【0006】以下のようなステンレス鋼の他に、希土類
元素とYのうち少なくとも1種類を含有するもの、Al
を含有するもの、Moを含有するもの、およびこれらの
成分を同時に含有するステンレス鋼をそれぞれ用いるこ
とができる。鋼中に含まれる希土類元素あるいはYは、
加熱処理により生成するアルミニウム酸化物皮膜と鉄−
クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡散層との
密着性を向上させる。さらに、ステンレス鋼の高温クリ
ープ特性を向上させる。しかし、その添加量が0.2%
を越えると鋼中の介在物として析出し、耐高温酸化性を
低下させる。したがって、上記元素の含有量は0.2%
以下が好ましい。本発明は鋼中のAlを利用してアルミ
ニウム酸化物皮膜を形成するものではないのでAl含有
ステンレス鋼である必要はない。但し、鋼中にAlを含
有するものは電気抵抗が高く、耐高温酸化性が良好なの
でこの観点からAl含有ステンレス鋼が用いられる。し
かし、鋼中のAl量が6%を越えると母材の衝撃じん性
が低下し、製造しにくくなるので好ましいAl量は6%
以下である。次に、鋼中に含まれるMoは母材の高温強
度および耐高温酸化性を向上させる。しかし、Mo量が
2%を越えると圧延性が低下し製造しにくくなるので好
ましいMo量は2%以下である。
【0007】本発明における、アルミニウムあるいはア
ルミニウム合金被覆は加熱処理時にアルミニウム酸化物
皮膜を形成し、かつステンレス鋼基材との間にアルミニ
ウム拡散層を形成するためのものである。上記アルミニ
ウム酸化物皮膜はAlを主体とした酸化物からな
り、電気絶縁性を付与するためには0.3〜5.0μm
の皮膜厚さが必要である。0.3μmよりも薄いと高絶
縁性が得られず、5.0μmよりも厚いと加工の際に酸
化物皮膜内部で割れが生じ易く剥離するおそれがある。
アルミニウム拡散層はステンレス鋼中にアルミニウムが
約13%以下の濃度に固溶した層であり、アルミニウム
酸化物皮膜直下のAl濃度が高いので酸化物皮膜の密着
性を向上させ、さらに母材の電気抵抗を向上させる効果
がある。上記アルミニウム系被覆はステンレス鋼とアル
ミニウム拡散層を形成し、この拡散層の表面に均一にア
ルミニウム酸化物皮膜を形成する程度でよい。しかし、
ヒーター材料として高温になり、加熱冷却を繰り返し受
ける環境で用いることから、アルミニウム系被覆膜厚は
0.5μm以上が好ましい。アルミニウム系被覆として
は、純Alのほか、AlにSi、Mn、Mg、Fe、C
r、Ni、Tiのうち少なくとも1種類を含有するAl
合金が適用できる。その被覆法としては、アルミニウム
系被覆とステンレス鋼との密着性が得られる蒸着めっ
き、溶融めっき、電気めっき、クラッド法など通常の被
覆方法でよい。アルミニウム系被覆ステンレス鋼の加熱
処理はアルミニウム拡散層およびアルミニウム酸化物皮
膜が形成される酸化性雰囲気下で行う。加熱処理温度が
800℃未満ではステンレス鋼とアルミニウムの相互拡
散が十分に進行せず、硬くて脆い鉄−クロム−アルミニ
ウム金属間化合物から成る合金層が形成されるために加
工時の剥離の原因となりやすい。また、この温度域では
アルミニウム酸化物皮膜の成長が遅く、十分な電気絶縁
性を得られない。1200℃を越えるとアルミニウム酸
化物皮膜は厚く成長するが、ステンレス鋼の結晶粒が粗
大化し、材質が劣化するので好ましくない。したがっ
て、加熱処理温度は800〜1200℃の範囲が好まし
い。加熱処理時間は1分間未満では硬くて脆い鉄−クロ
ム−アルミニウム合金層が残存しやすく加工時に剥離す
るおそれがあり、アルミニウム酸化物皮膜の成長も不十
分になりやすいために、高い電気絶縁性を安定して得ら
れない。これらのことから、加熱処理時間は1分間以上
必要である。
【0008】
【発明の具体的開示】図面を参照して、本発明を具体的
に説明する。本発明のヒーター材料は図1に示すよう
に、ステンレス鋼1上に鉄−クロム−アルミニウムから
なるアルミニウム拡散層2ならびにアルミニウム酸化物
皮膜3からなる断面構造を有している。この断面構造に
より加工後も高い電気絶縁性を有する。また、アルミニ
ウム系被覆ステンレス鋼板の板厚が薄く、かつ加熱処理
温度が高くて処理時間が長い場合、ステンレス鋼の断面
全体にAlが拡散固溶し、図2に示すように鉄−クロム
−アルミニウムからなるアルミニウム拡散層2とアルミ
ニウム酸化物皮膜3からなる断面構造を有している。
【0009】実施例1 表1に示す組成のステンレス鋼を真空溶解炉で100k
gの鋼塊を溶製し、これを鍛造して厚さ35mmとし、
ついでこれを熱間圧延して3mm厚の熱延板として、さ
らに焼鈍、冷間圧延を繰り返して0.3mm厚の冷延板
コイルを製造した。これらのコイルの表面に真空蒸着め
っきラインで約3μmの膜厚の純Al被覆を施した。こ
のコイルから20mm巾×100mm長の寸法に切り出
したアルミニウム被覆ステンレス鋼板を大気雰囲気中で
1000℃、1時間の加熱処理し、表面にアルミニウム
拡散層ならびにアルミニウム酸化物皮膜を形成させて試
験に供した。これらの試験片の両端を交流電源に接続し
て100Vの電圧を印加し、試験片を800℃まで急速
加熱した後、電源を切り室温まで冷却する工程を1サイ
クルとして、加熱冷却を100サイクルまで実施した。
そして、100サイクル後の試験片表面を走査型電子顕
微鏡で観察して、酸化物皮膜の割れ、剥離の有無を調査
した。また、100サイクル後の試験片の表面に銅電極
を接触させ、ステンレス鋼と電極との間の電気絶縁抵抗
を測定した。これらの結果を表1に併記した。この表の
結果から明らかなように、本発明例は加熱冷却繰り返し
100サイクル後もアルミニウム酸化物皮膜の割れや剥
離は認められず、試験前と同様に優れた電気絶縁性を示
す。これに対して、鋼中のCr量の少ないNo.1やT
i、Nb、V、Zr未添加のNo.3や高C量のNo.
5あるいは高N量のNo.8などの本発明外のステンレ
ス鋼を母材に用いた場合、いずれも加熱冷却繰り返しに
よりアルミニウム酸化物皮膜に割れが生じたり、皮膜が
剥離するために、優れた表面の電気絶縁性を安定して得
られない。
【0010】実施例2 表1に示すNo.10のステンレス鋼(板厚0.4m
m)に種々のめっき膜厚の溶融合金アルミニウムめっき
(Al−9%Si)を施した後、これを冷間圧延して
0.4〜20μmの膜厚のAl合金被覆を有する板厚
0.09mmの溶融アルミニウムめっきステンレス鋼箔
を作製した。このアルミニウム被覆ステンレス鋼箔を種
々の条件で加熱し、表面に鉄−クロム−アルミニウム拡
散層ならびにアルミニウム酸化物皮膜を形成させた後、
20mm巾x100mm長の寸法に切り出して試験に提
供した。これらの試験片を実施例1と同様の試験方法で
酸化物皮膜の割れ、剥離の有無ならびに表面の電気絶縁
性を評価した。なお、加熱処理後の表面の酸化物皮膜厚
さは試験片断面を捜査型電子顕微鏡で観察して求めた。
表2にこれらの結果をまとめて示す。本表の結果から明
らかなように、本発明例はいずれもアルミニウム酸化物
皮膜の剥離は認められず、加熱冷却繰り返し100サイ
クル後も優れた絶縁抵抗を有していた。この優れた特性
を得るためにはアルミニウム拡散層上に0.3〜5.0
μmの厚さのアルミニウム酸化物皮膜を形成させること
が重要であり、その処理条件としてはアルミニウム被覆
ステンレス鋼を酸化性雰囲気下で800〜1200℃の
温度で1分間以上加熱処理すればよく、アルミニウム被
覆膜厚としては0.5μm以上であればよいといえる。
本実施例で用いた溶融めっき法によるAl−9%Si合
金被覆にかえて、電気めっき法によるAl−15%Mn
合金被覆あるいはクラッド法によるAl合金被覆を施し
た場合にも表2と同様の結果が得られた。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金被覆したステンレス鋼材
を酸化性雰囲気下で加熱処理し、ステンレス鋼材の表面
に鉄−アルミニウム拡散層を介してアルミニウム酸化物
皮膜を形成すれば素地鋼との密着性に優れた電気絶縁性
の高い皮膜を有するヒーター材料となることから、本発
明により、ヒーター材料の高性能化と信頼性向上に寄与
し、その産業上の利益はきわめて大きい。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の電気絶縁性が高
く、加熱機器、電熱器などに取り付ける際の加工性に優
れたアルミニウムあるいはアルミニウム合金被覆ステン
レス鋼ヒーター材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヒーター材料としては電気抵抗の
比較的高いニクロム合金やAl含有ステンレス鋼などが
用いられ、これらの材料が接触する箇所や取り付け部な
どではヒーターがショートし破損するのを防止するため
に、高い電気絶縁性を有するセラミックスやアスベスト
などで保護している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒーター材料は
酸化加熱時にその表面に電気絶縁性を有するCrあるい
はAlの酸化物を主体とする酸化物皮膜を形成する。し
かし、この酸化物皮膜は鋼中のCrあるいはAlの酸化
により形成されるため、酸化物皮膜直下のCrあるいは
Alの濃度が低下し、酸化物皮膜が局部的に剥離した場
合そこから急激に酸化が進行し、電気絶縁性の低いFe
系酸化物が異常成長する。さらに、酸化雰囲気や酸化前
の表面状態により加熱時に表面に均一に絶縁性を有する
酸化物皮膜が形成されない場合もある。したがって、従
来のヒーター材料では表面の電気絶縁性を安定して得ら
れなかった。このため、従来のヒーター材料を用いた加
熱機器や電熱器などは、ヒーターの接触する箇所などを
絶縁材料で保護しており、昇温に比較的長時間を要す
る。しかも絶縁材料として用いられているセラミックス
は衝撃に対して脆いため取り扱いに難点があり、切断や
加工ができない、あるいはセラミックスシートのように
薄くすると加熱冷却を繰り返すような使用環境下では破
損しやすく絶縁不良になり易い。さらに、高温の燃焼排
ガス中ではアスベストなども比較的短時間で劣化し、電
気絶縁性を喪失してしまうという問題があった。このよ
うな事情のもとに、本発明は、それ自体に通電して発熱
させることができ、しかも素地鋼との密着性に優れた電
気絶縁性の高い皮膜を表面に有するヒーター材料を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段、発明の構成】上記の問題
を解決するために、本発明は、Cr:10〜30wt%
(以下の記載において単に%と記す)、Ti、Nb、
V、Zrのうち少なくとも1種類:0.6wt%以下、
C:0.1wt%以下、N:0.05wt%以下、S
i:2.0wt%以下、Mn:2.0wt%以下、残部
が鉄および不可避的不純物からなるステンレス鋼の基材
と、鉄−クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡
散層と0.3〜5.0μm厚のアルミニウム酸化物皮膜
とからなる表面絶縁性に優れたヒーター材料を提供す
る。アルミニウム拡散層は基材の全域に及んでいてもよ
い。さらに、(a)上記ステンレス鋼が、希土類元素、
Yのうち少なくとも1種類:0.2%以下含有するヒー
ター材料、(b)上記ステンレス鋼が、Al:6.0%
以下含有するヒーター材料、(c)上記ステンレス鋼
が、Mo:2.0%以下含有するヒーター材料をも提供
する。また、本発明はアルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金で少なくとも片面が0.5μm以上被覆されたス
テンレス鋼材を酸化性雰囲気下で800〜1200℃の
温度で1分間以上加熱処理することからなる前記表面絶
縁性に優れたヒーター材料の製造方法を提供する。
【0005】
【作用】以下、本発明の特徴を、その作用とともに具体
的に説明する。本発明のヒーター材料にはステンレス鋼
が用いられる。鋼中のCr量は10〜30%である。1
0%未満のCr量では母材の耐高温酸化性が劣り、表面
に電気絶縁性の低いFe、Cr、Al系複合酸化物を形
成しやすい。Crの添加は母材の電気抵抗を高める。し
かし、Cr量が30%を越えても母材の電気抵抗や耐高
温酸化性を顕著に向上させる効果は認められず、Crが
高価な金属であることを考えると経済的にもCr量は3
0%以下であることが好ましい。鋼中のTi、Nb、
V、Zrはいずれも鋼中のCおよびNと化合物を形成し
固定する。この結果、Alめっき層中のAlが鋼中に拡
散する際、鋼中のC、NによりAlの拡散が阻害される
のを防止する。また、これらの元素はステンレス鋼の圧
延性および加工性を向上させる効果を有する。したがっ
て、これらの元素は鋼中のC、Nと結合するのに充分な
量(C+Nの約4倍量以上)であることが望ましく、こ
の観点から上記元素の含有量は0.6%以下で足りる。
鋼中のCはAlめっき層から鋼中にAlが拡散するのを
阻害する。また、一般的に耐高温酸化性を高めるために
は鋼中のC量は少ないことが望ましい。このような観点
から鋼中のC量は0.1%以下が好ましい。鋼中のNは
Alめっき層から鋼中に拡散したAlと結合してAlN
を形成し、Alの拡散を阻害することから、その含有量
は少ない方が望ましく、鋼中のN量は0.05%以下が
好ましい。また、上記ステンレス鋼はSi、Mnを含有
するものであってもよい。Si、Mnは不可避的不純物
としてステンレス鋼に一般的に含有されており、その含
有量はそれぞれ約0.8%以下であるが、Siは耐高温
酸化性および高温強度を高め、またMnは高温強度を高
める効果を有する。しかし、Si:2%およびMn:2
%を越えるとステンレス鋼の圧延性および加工性が低下
するので好ましくない。したがって、Si:2%以下、
Mn:2%以下を含有するステンレス鋼が好ましい。そ
の他、上記ステンレス鋼には不可避的不純物として、
P、Sなどが含まれるが、これらは通常の混入量以下で
あれば支障ない。
【0006】以下のようなステンレス鋼の他に、希土類
元素とYのうち少なくとも1種類を含有するもの、Al
を含有するもの、Moを含有するもの、およびこれらの
成分を同時に含有するステンレス鋼をそれぞれ用いるこ
とができる。鋼中に含まれる希土類元素あるいはYは、
加熱処理により生成するアルミニウム酸化物皮膜と鉄−
クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡散層との
密着性を向上させる。さらに、ステンレス鋼の高温クリ
ープ特性を向上させる。しかし、その添加量が0.2%
を越えると鋼中の介在物として析出し、耐高温酸化性を
低下させる。したがって、上記元素の含有量は0.2%
以下が好ましい。本発明は鋼中のAlを利用してアルミ
ニウム酸化物皮膜を形成するものではないのでAl含有
ステンレス鋼である必要はない。但し、鋼中にAlを含
有するものは電気抵抗が高く、耐高温酸化性が良好なの
でこの観点からAl含有ステンレス鋼が用いられる。し
かし、鋼中のAl量が6%を越えると母材の衝撃じん性
が低下し、製造しにくくなるので好ましいAl量は6%
以下である。次に、鋼中に含まれるMoは母材の高温強
度および耐高温酸化性を向上させる。しかし、Mo量が
2%を越えると圧延性が低下し製造しにくくなるので好
ましいMo量は2%以下である。
【0007】本発明における、アルミニウムあるいはア
ルミニウム合金被覆は加熱処理時にアルミニウム酸化物
皮膜を形成し、かつステンレス鋼基材との間にアルミニ
ウム拡散層を形成するためのものである。上記アルミニ
ウム酸化物皮膜はAlを主体とした酸化物からな
り、電気絶縁性を付与するためには0.3〜5.0μm
の皮膜厚さが必要である。0.3μmよりも薄いと高絶
縁性が得られず、5.0μmよりも厚いと加工の際に酸
化物皮膜内部で割れが生じ易く剥離するおそれがある。
アルミニウム拡散層はステンレス鋼中にアルミニウムが
約13%以下の濃度に固溶した層であり、アルミニウム
酸化物皮膜直下のAl濃度が高いので酸化物皮膜の密着
性を向上させ、さらに母材の電気抵抗を向上させる効果
がある。上記アルミニウム系被覆はステンレス鋼とアル
ミニウム拡散層を形成し、この拡散層の表面に均一にア
ルミニウム酸化物皮膜を形成する程度でよい。しかし、
ヒーター材料として高温になり、加熱冷却を繰り返し受
ける環境で用いることから、アルミニウム系被覆膜厚は
0.5μm以上が好ましい。アルミニウム系被覆として
は、純Alのほか、AlにSi、Mn、Mg、Fe、C
r、Ni、Tiのうち少なくとも1種類を含有するAl
合金が適用できる。その被覆法としては、アルミニウム
系被覆とステンレス鋼との密着性が得られる蒸着めっ
き、溶融めっき、電気めっき、クラッド法など通常の被
覆方法でよい。アルミニウム系被覆ステンレス鋼の加熱
処理はアルミニウム拡散層およびアルミニウム酸化物皮
膜が形成される酸化性雰囲気下で行う。加熱処理温度が
800℃未満ではステンレス鋼とアルミニウムの相互拡
散が十分に進行せず、硬くて脆い鉄−クロム−アルミニ
ウム金属間化合物から成る合金層が形成されるために加
工時の剥離の原因となりやすい。また、この温度域では
アルミニウム酸化物皮膜の成長が遅く、十分な電気絶縁
性を得られない。1200℃を越えるとアルミニウム酸
化物皮膜は厚く成長するが、ステンレス鋼の結晶粒が粗
大化し、材質が劣化するので好ましくない。したがっ
て、加熱処理温度は800〜1200℃の範囲が好まし
い。加熱処理時間は1分間未満では硬くて脆い鉄−クロ
ム−アルミニウム合金層が残存しやすく加工時に剥離す
るおそれがあり、アルミニウム酸化物皮膜の成長も不十
分になりやすいために、高い電気絶縁性を安定して得ら
れない。これらのことから、加熱処理時間は1分間以上
必要である。
【0008】
【発明の具体的開示】図面を参照して、本発明を具体的
に説明する。本発明のヒーター材料は図1に示すよう
に、ステンレス鋼1上に鉄−クロム−アルミニウムから
なるアルミニウム拡散層2ならびにアルミニウム酸化物
皮膜3からなる断面構造を有している。この断面構造に
より加工後も高い電気絶縁性を有する。また、アルミニ
ウム系被覆ステンレス鋼板の板厚が薄く、かつ加熱処理
温度が高くて処理時間が長い場合、ステンレス鋼の断面
全体にAlが拡散固溶し、図2に示すように鉄−クロム
−アルミニウムからなるアルミニウム拡散層2とアルミ
ニウム酸化物皮膜3からなる断面構造を有している。
【0009】実施例1 表1に示す組成のステンレス鋼を真空溶解炉で100k
gの鋼塊を溶製し、これを鍛造して厚さ35mmとし、
ついでこれを熱間圧延して3mm厚の熱延板として、さ
らに焼鈍、冷間圧延を繰り返して0.3mm厚の冷延板
コイルを製造した。これらのコイルの表面に真空蒸着め
っきラインで約3μmの膜厚の純Al被覆を施した。こ
のコイルから20mm巾×100mm長の寸法に切り出
したアルミニウム被覆ステンレス鋼板を大気雰囲気中で
1000℃、1時間の加熱処理し、表面にアルミニウム
拡散層ならびにアルミニウム酸化物皮膜を形成させて試
験に供した。これらの試験片の両端を交流電源に接続し
て100Vの電圧を印加し、試験片を800℃まで急速
加熱した後、電源を切り室温まで冷却する工程を1サイ
クルとして、加熱冷却を100サイクルまで実施した。
そして、100サイクル後の試験片表面を走査型電子顕
微鏡で観察して、酸化物皮膜の割れ、剥離の有無を調査
した。また、100サイクル後の試験片の表面に銅電極
を接触させ、ステンレス鋼と電極との間の電気絶縁抵抗
を測定した。これらの結果を表1に併記した。この表の
結果から明らかなように、本発明例は加熱冷却繰り返し
100サイクル後もアルミニウム酸化物皮膜の割れや剥
離は認められず、試験前と同様に優れた電気絶縁性を示
す。これに対して、鋼中のCr量の少ないNo.1やT
i、Nb、V、Zr未添加のNo.3や高C量のNo.
5あるいは高N量のNo.8などの本発明外のステンレ
ス鋼を母材に用いた場合、いずれも加熱冷却繰り返しに
よりアルミニウム酸化物皮膜に割れが生じたり、皮膜が
剥離するために、優れた表面の電気絶縁性を安定して得
られない。
【0010】実施例2 表1に示すNo.10のステンレス鋼(板厚0.4m
m)に種々のめっき膜厚の溶融合金アルミニウムめっき
(Al−9%Si)を施した後、これを冷間圧延して
0.4〜20μmの膜厚のAl合金被覆を有する板厚
0.09mmの溶融アルミニウムめっきステンレス鋼箔
を作製した。このアルミニウム被覆ステンレス鋼箔を種
々の条件で加熱し、表面に鉄−クロム−アルミニウム拡
散層ならびにアルミニウム酸化物皮膜を形成させた後、
20mm巾x100mm長の寸法に切り出して試験に提
供した。これらの試験片を実施例1と同様の試験方法で
酸化物皮膜の割れ、剥離の有無ならびに表面の電気絶縁
性を評価した。なお、加熱処理後の表面の酸化物皮膜厚
さは試験片断面を捜査型電子顕微鏡で観察して求めた。
表2にこれらの結果をまとめて示す。本表の結果から明
らかなように、本発明例はいずれもアルミニウム融化物
皮膜の剥離は認められず、加熱冷却繰り返し100サイ
クル後も優れた絶縁抵抗を有していた。この優れた特性
を得るためにはアルミニウム拡散層上に0.3〜5.0
μmの厚さのアルミニウム酸化物皮膜を形成させること
が重要であり、その処理条件としてはアルミニウム被覆
ステンレス鋼を酸化性雰囲気下で800〜1200℃の
温度で1分間以上加熱処理すればよく、アルミニウム被
覆膜厚としては0.5μm以上であればよいといえる。
本実施例で用いた溶融めっき法によるAl−9%Si合
金被覆にかえて、電気めっき法によるAl−15%Mn
合金被覆あるいはクラッド法によるAl合金被覆を施し
た場合にも表2と同様の結果が得られた。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金被覆したステンレス鋼材
を酸化性雰囲気下で加熱処理し、ステンレス鋼材の表面
に鉄−アルミニウム拡散層を介してアルミニウム酸化物
皮膜を形成すれば素地鋼との密着性に優れた電気絶縁性
の高い皮膜を有するヒーター材料となることから、本発
明により、ヒーター材料の高性能化と信頼性向上に寄与
し、その産業上の利益はきわめて大きい。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:10〜30wt%、Ti、Nb、
    V、Zrのうち少なくとも1種類:0.6wt%以下、
    C:0.1wt%以下、N:0.05wt%以下、S
    i:2.0wt%以下、Mn:2.0wt%以下、残部
    が鉄および不可避的不純物からなるステンレス鋼の基材
    と、鉄−クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡
    散層と0.3〜5.0μm厚アルミニウム酸化物皮膜と
    からなる表面絶縁性に優れたヒーター材料。
  2. 【請求項2】 Cr:10〜30wt%、Ti、Nb、
    V、Zrのうち少なくとも1種類:0.6wt%以下、
    C:0.1wt%以下、N:0.05wt%以下、S
    i:2.0wt%以下、Mn:2.0wt%以下、残部
    が鉄および不可避的不純物からなるステンレス鋼の基材
    と、鉄−クロム−アルミニウムからなるアルミニウム拡
    散層と0.3〜5.0μm厚アルミニウム酸化物皮膜と
    からなり、アルミニウが基材の全域に拡散している表面
    絶縁性に優れたヒーター材料。
  3. 【請求項3】 ステンレス鋼が、希土類元素、Yのうち
    少なくとも1種類:0.2wt%以下含有する請求項1
    または2に記載のヒーター材料。
  4. 【請求項4】 ステンレス鋼が、Al:6.0wt%以
    下含有する請求項1ないし3のいずれかの項に記載のヒ
    ーター材料。
  5. 【請求項5】 ステンレス鋼が、Mo:2.0wt%以
    下含有する請求項1ないし4のいずれかの項に記載のヒ
    ーター材料。
  6. 【請求項6】 アルミニウムあるいはアルミニウム合金
    を0.5μm以上被覆したステンレス鋼材を酸化性雰囲
    気下で800〜1200℃の温度で1分間以上加熱処理
    することからなる請求項1ないし5のいずれかの項に記
    載の表面絶縁性に優れたヒーター材料の製造方法。
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