JPH05279826A - インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方法 - Google Patents
インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方法Info
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- JPH05279826A JPH05279826A JP4081106A JP8110692A JPH05279826A JP H05279826 A JPH05279826 A JP H05279826A JP 4081106 A JP4081106 A JP 4081106A JP 8110692 A JP8110692 A JP 8110692A JP H05279826 A JPH05279826 A JP H05279826A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 零相変流器等の磁心材に要求される商品周波
数でのインピーダンス比透磁率の優れた製品を得る製造
法。 【構成】 ＰＣ１種、２種パーマロイの磁性焼鈍工程の
後段の６００℃〜３００℃間の冷却速度を、従来要求さ
れていた直流の最大比透磁率を最大にする条件とは異な
り、５０℃／ｈ以上の急冷処理を施す。 【効果】 上記磁性焼鈍急冷処理を施すことにより、従
来製造では得られない商用周波数インピーダンス比透磁
率が５５，０００以上の極めて優れた製品が得られる。
数でのインピーダンス比透磁率の優れた製品を得る製造
法。 【構成】 ＰＣ１種、２種パーマロイの磁性焼鈍工程の
後段の６００℃〜３００℃間の冷却速度を、従来要求さ
れていた直流の最大比透磁率を最大にする条件とは異な
り、５０℃／ｈ以上の急冷処理を施す。 【効果】 上記磁性焼鈍急冷処理を施すことにより、従
来製造では得られない商用周波数インピーダンス比透磁
率が５５，０００以上の極めて優れた製品が得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、Ｎｉ−Ｆｅ系合金、特
に高Ｎｉ−Ｆｅ系合金、所謂ＪＩＳ−ＰＣパーマロイの
製造方法に関する。さらに詳しくは、磁気特性、就中イ
ンピーダンス比透磁率が改善されたパーマロイの製造方
法に関するものである。
に高Ｎｉ−Ｆｅ系合金、所謂ＪＩＳ−ＰＣパーマロイの
製造方法に関する。さらに詳しくは、磁気特性、就中イ
ンピーダンス比透磁率が改善されたパーマロイの製造方
法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】Ｎｉ−Ｆｅ系磁性合金はパーマロイと呼
ばれ、磁気シールド、磁気ヘッド等の軟質磁性材料とし
て多くの分野で使用されている。これらの用途に供され
る材料に要求される特性は、直流での初比透磁率、最大
比透磁率若しくは高周波でのインダクタンス比透磁率で
ある。然るに、最近、零相変流器等へパーマロイの用途
が広がるにつれて新しい特性が要求されるようになり、
先頃ＪＩＳにも商用周波数でのインピーダンス比透磁率
が規定されるようになったのは記憶に新しい処である。
ばれ、磁気シールド、磁気ヘッド等の軟質磁性材料とし
て多くの分野で使用されている。これらの用途に供され
る材料に要求される特性は、直流での初比透磁率、最大
比透磁率若しくは高周波でのインダクタンス比透磁率で
ある。然るに、最近、零相変流器等へパーマロイの用途
が広がるにつれて新しい特性が要求されるようになり、
先頃ＪＩＳにも商用周波数でのインピーダンス比透磁率
が規定されるようになったのは記憶に新しい処である。
【０００３】従来、パーマロイの磁気特性改善の試みは
多数なされてきているが、その殆どは直流比透磁率或い
はインダクタンス比透磁率の改善に関するものであっ
て、インピーダンス比透磁率の改善に関するものは見当
たらない。発明者等の検討の結果、従来の直流比透磁率
や高周波域でのインダクタンス比透磁率と、新しい要求
特性である商用周波数インピーダンス比透磁率は必ずし
も特性の関わりはなく、従来の特性値を最大にする条件
で製造されたものが、インピーダンス比透磁率はあまり
良くない結果がしばしば見られた。而して、インピーダ
ンス比透磁率を良好ならしめるパーマロイの製造手段の
確立が望まれていた処である。
多数なされてきているが、その殆どは直流比透磁率或い
はインダクタンス比透磁率の改善に関するものであっ
て、インピーダンス比透磁率の改善に関するものは見当
たらない。発明者等の検討の結果、従来の直流比透磁率
や高周波域でのインダクタンス比透磁率と、新しい要求
特性である商用周波数インピーダンス比透磁率は必ずし
も特性の関わりはなく、従来の特性値を最大にする条件
で製造されたものが、インピーダンス比透磁率はあまり
良くない結果がしばしば見られた。而して、インピーダ
ンス比透磁率を良好ならしめるパーマロイの製造手段の
確立が望まれていた処である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベストのイ
ンピーダンス比透磁率を有するパーマロイの製造手段を
提供することを目的とする。
ンピーダンス比透磁率を有するパーマロイの製造手段を
提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とする処
は、次の通りである。
は、次の通りである。
【０００６】１）重量％で、Ｎｉ：７５％以上，８５％
以下、Ｍｏ：４％以上，６％以下、残部：Ｆｅおよび不
可避不純物からなる合金を溶製し、鋳造してインゴット
としこれを熱間圧延して薄板とするか或いは溶融合金を
鋳造して直接的に薄板を得る急冷凝固法によって薄板と
し、次いで薄板表面の酸化物を除去した後、１回或いは
中間焼鈍を介挿する２回以上の冷間圧延工程によって最
終板厚とし、然る後、焼鈍分離剤を塗布し、１０００℃
以上の温度域で磁性焼鈍を施すに際し、該磁性焼鈍工程
後段の６００℃〜３００℃の間の冷却速度を１００℃／
ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御することを特徴とする
インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方
法。
以下、Ｍｏ：４％以上，６％以下、残部：Ｆｅおよび不
可避不純物からなる合金を溶製し、鋳造してインゴット
としこれを熱間圧延して薄板とするか或いは溶融合金を
鋳造して直接的に薄板を得る急冷凝固法によって薄板と
し、次いで薄板表面の酸化物を除去した後、１回或いは
中間焼鈍を介挿する２回以上の冷間圧延工程によって最
終板厚とし、然る後、焼鈍分離剤を塗布し、１０００℃
以上の温度域で磁性焼鈍を施すに際し、該磁性焼鈍工程
後段の６００℃〜３００℃の間の冷却速度を１００℃／
ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御することを特徴とする
インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方
法。
【０００７】２）重量％で、Ｎｉ：７０％以上，８０％
以下、Ｍｏ：３％以上，５％以下、Ｃｕ：４％以上，６
％以下、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からなる合金を
溶製し、鋳造してインゴットとしこれを熱間圧延して薄
板とするか或いは溶融合金を鋳造して直接的に薄板を得
る急冷凝固法によって薄板とし、次いで薄板表面の酸化
物を除去した後、１回或いは中間焼鈍を介挿する２回以
上の冷延圧延工程によって最終板厚とし、然る後、焼鈍
分離剤を塗布し１０００℃以上の温度で磁性焼鈍を施す
に際し、該磁性焼鈍工程後段の６００℃〜３００℃の間
の冷却速度を５０℃／ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御
するようにしたことを特徴とするインピーダンス比透磁
率の優れたパーマロイの製造方法。本発明は薄板表面の
酸化物を除去するに先だって９００℃以上の温度域での
焼鈍を材料に施すことができる。
以下、Ｍｏ：３％以上，５％以下、Ｃｕ：４％以上，６
％以下、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からなる合金を
溶製し、鋳造してインゴットとしこれを熱間圧延して薄
板とするか或いは溶融合金を鋳造して直接的に薄板を得
る急冷凝固法によって薄板とし、次いで薄板表面の酸化
物を除去した後、１回或いは中間焼鈍を介挿する２回以
上の冷延圧延工程によって最終板厚とし、然る後、焼鈍
分離剤を塗布し１０００℃以上の温度で磁性焼鈍を施す
に際し、該磁性焼鈍工程後段の６００℃〜３００℃の間
の冷却速度を５０℃／ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御
するようにしたことを特徴とするインピーダンス比透磁
率の優れたパーマロイの製造方法。本発明は薄板表面の
酸化物を除去するに先だって９００℃以上の温度域での
焼鈍を材料に施すことができる。
【０００８】以下本発明の詳細について説明する。発明
者等は、従来、必ずしもインピーダンス比透磁率をベス
トにする製造条件でパーマロイが製造されていなかった
点に対して、磁性焼鈍における材料の冷却速度を従来と
は異なった観点から見直した結果、最適冷却速度を見出
しインピーダンス比透磁率の極めて優れた製品を得るこ
とを可能にしたものである。
者等は、従来、必ずしもインピーダンス比透磁率をベス
トにする製造条件でパーマロイが製造されていなかった
点に対して、磁性焼鈍における材料の冷却速度を従来と
は異なった観点から見直した結果、最適冷却速度を見出
しインピーダンス比透磁率の極めて優れた製品を得るこ
とを可能にしたものである。
【０００９】本発明における成分組成の限定理由を説明
する。Ｎｉは本発明の磁性合金の基本成分であり、第１
発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｆｅ合金即ちＪＩＳ−ＰＣ２種合金
においては、７５％未満では優れたインピーダンス比透
磁率の製品が得ることができない。一方、８５％を超え
るＮｉ含有量では、製品の飽和磁束密度が低下するのみ
ならずインピーダンス比透磁率も低下する。
する。Ｎｉは本発明の磁性合金の基本成分であり、第１
発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｆｅ合金即ちＪＩＳ−ＰＣ２種合金
においては、７５％未満では優れたインピーダンス比透
磁率の製品が得ることができない。一方、８５％を超え
るＮｉ含有量では、製品の飽和磁束密度が低下するのみ
ならずインピーダンス比透磁率も低下する。
【００１０】第２発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｃｕ−Ｆｅ合金即
ちＪＩＳ−ＰＣ１種合金においては、７０％未満のＮｉ
含有量では優れたインピーダンス比透磁率を有する製品
を得ることができない。一方、８０％を超えるＮｉ含有
量では、製品の飽和磁束密度が低下するのみならずイン
ピーダンス比透磁率も低下する。
ちＪＩＳ−ＰＣ１種合金においては、７０％未満のＮｉ
含有量では優れたインピーダンス比透磁率を有する製品
を得ることができない。一方、８０％を超えるＮｉ含有
量では、製品の飽和磁束密度が低下するのみならずイン
ピーダンス比透磁率も低下する。
【００１１】Ｍｏは、ＰＣパーマロイにおいて、磁気異
方性定数をコントロールし磁気特性を左右する重要な元
素であり、第１発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｆｅ合金即ちＪＩＳ
−ＰＣ２種合金においては４％以上，６％以下添加す
る。４％に満たないＭｏ含有量では製品に所望の磁気特
性を発現せしめることができず、一方、６％を超えて含
有せしめてもコスト上昇に見合う効果を得ることができ
ない。
方性定数をコントロールし磁気特性を左右する重要な元
素であり、第１発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｆｅ合金即ちＪＩＳ
−ＰＣ２種合金においては４％以上，６％以下添加す
る。４％に満たないＭｏ含有量では製品に所望の磁気特
性を発現せしめることができず、一方、６％を超えて含
有せしめてもコスト上昇に見合う効果を得ることができ
ない。
【００１２】第２発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｃｕ−Ｆｅ合金即
ちＪＩＳ−ＰＣ１種合金においては、第１発明における
と同様の理由によって３％以上，５％以下添加する。
ちＪＩＳ−ＰＣ１種合金においては、第１発明における
と同様の理由によって３％以上，５％以下添加する。
【００１３】Ｃｕは、磁歪定数を通じて磁気特性に関係
し、第２発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｃｕ−Ｆｅ合金即ちＪＩＳ
−ＰＣ１種合金においては、４％以上，６％以下添加す
る。この添加量範囲外では、製品の磁気特性が劣化して
くる。残部はＦｅである。
し、第２発明のＮｉ−Ｍｏ−Ｃｕ−Ｆｅ合金即ちＪＩＳ
−ＰＣ１種合金においては、４％以上，６％以下添加す
る。この添加量範囲外では、製品の磁気特性が劣化して
くる。残部はＦｅである。
【００１４】Ｃ，Ｓ，Ｎ，Ｏは不純物元素であり、可及
的に少ない方がよい。また、介在物も少ない方が好まし
く、そのための脱酸剤として若干のＳｉ，Ａｌ，Ｍｎ等
を添加してもかまわない。
的に少ない方がよい。また、介在物も少ない方が好まし
く、そのための脱酸剤として若干のＳｉ，Ａｌ，Ｍｎ等
を添加してもかまわない。
【００１５】次に、製造プロセスについて説明する。溶
解方法は特に限定しないが、不純物や介在物を低減する
ために、ＡＯＤ精錬法や真空誘導加熱溶解法を適用する
ことが好ましい。冷間圧延原板は、溶融合金を鋳造して
インゴットとし、これを熱間圧延して熱延板とするプロ
セス或いは溶融合金を急冷凝固法によって直接的に薄帯
を得るプロセスによって製造することができる。
解方法は特に限定しないが、不純物や介在物を低減する
ために、ＡＯＤ精錬法や真空誘導加熱溶解法を適用する
ことが好ましい。冷間圧延原板は、溶融合金を鋳造して
インゴットとし、これを熱間圧延して熱延板とするプロ
セス或いは溶融合金を急冷凝固法によって直接的に薄帯
を得るプロセスによって製造することができる。
【００１６】得られた熱延板或いは鋳造薄帯に、必要に
応じて９００℃以上の温度域での焼鈍を施した後、酸洗
或いはメカニカル・デスケーリングたとえば高圧水に砂
鉄を混合したジェットを適用する方法等によって表面酸
化物除去処理を施す。こうして得られたストリップを１
回或いは中間焼鈍を介挿する２回以上の冷間圧延工程に
よって最終板厚とする。
応じて９００℃以上の温度域での焼鈍を施した後、酸洗
或いはメカニカル・デスケーリングたとえば高圧水に砂
鉄を混合したジェットを適用する方法等によって表面酸
化物除去処理を施す。こうして得られたストリップを１
回或いは中間焼鈍を介挿する２回以上の冷間圧延工程に
よって最終板厚とする。
【００１７】次いで、材料に焼鈍分離材を塗布し、水素
或いは水素含有雰囲気中、１０００℃以上の温度域に材
料を加熱する冷却過程を含む磁性焼鈍を施す。本発明
は、この磁性焼鈍工程における過程で、６００℃から３
００℃の間の冷却速度を制御するようにした点に特徴が
ある。
或いは水素含有雰囲気中、１０００℃以上の温度域に材
料を加熱する冷却過程を含む磁性焼鈍を施す。本発明
は、この磁性焼鈍工程における過程で、６００℃から３
００℃の間の冷却速度を制御するようにした点に特徴が
ある。
【００１８】ＰＣパーマロイ１種および２種において、
たとえば直流比透磁率を最大にするためには、規則格子
変態度を制御し磁気異方性定数および磁歪定数を適度に
すべく、磁性焼鈍工程における材料の冷却速度が２０℃
／ｈ程度のゆっくりした冷却を行うのが適当とされてい
る。事実、実施例において説明するが、直流最大比透磁
率は、２０℃／ｈの冷却速度で材料が冷却されたときに
最大値をとっている。しかしながらこの条件下では、本
発明の目的であるインピーダンス比透磁率は最大値をと
らず、通常の概念とは異なりもっと速い冷却速度のとこ
ろに最適条件が存在することを、発明者等は見出し本発
明を完成させた。
たとえば直流比透磁率を最大にするためには、規則格子
変態度を制御し磁気異方性定数および磁歪定数を適度に
すべく、磁性焼鈍工程における材料の冷却速度が２０℃
／ｈ程度のゆっくりした冷却を行うのが適当とされてい
る。事実、実施例において説明するが、直流最大比透磁
率は、２０℃／ｈの冷却速度で材料が冷却されたときに
最大値をとっている。しかしながらこの条件下では、本
発明の目的であるインピーダンス比透磁率は最大値をと
らず、通常の概念とは異なりもっと速い冷却速度のとこ
ろに最適条件が存在することを、発明者等は見出し本発
明を完成させた。
【００１９】第１発明における成分系即ち、ＪＩＳ−Ｐ
Ｃ２種合金においては１００℃／ｈ以上、４００℃／ｈ
以下の冷却速度で材料を冷却する。１００℃／ｈに満た
ない冷却速度ではインピーダンス比透磁率が劣化する。
一方、４００℃／ｈを超える冷却速度で材料を冷却する
には、冷却のための設備が大量生産に向かなくなる。ま
た、第２発明における成分系即ち、ＪＩＳ−ＰＣ１種合
金においては、５０℃／ｈ以上、４００℃／ｈ以下の冷
却速度で材料を冷却する。５０℃／ｈに満たない冷却速
度ではインピーダンス比透磁率が劣化する。
Ｃ２種合金においては１００℃／ｈ以上、４００℃／ｈ
以下の冷却速度で材料を冷却する。１００℃／ｈに満た
ない冷却速度ではインピーダンス比透磁率が劣化する。
一方、４００℃／ｈを超える冷却速度で材料を冷却する
には、冷却のための設備が大量生産に向かなくなる。ま
た、第２発明における成分系即ち、ＪＩＳ−ＰＣ１種合
金においては、５０℃／ｈ以上、４００℃／ｈ以下の冷
却速度で材料を冷却する。５０℃／ｈに満たない冷却速
度ではインピーダンス比透磁率が劣化する。
【００２０】商用周波数でのインピーダンス比透磁率が
最大値を示すＰＣパーマロイを製造するための磁性焼鈍
における材料の冷却速度が、直流最大比透磁率が最大を
示す製品を得るための冷却速度と何故異なるのか必ずし
も明確ではないが、本発明者等は、磁化機構に関し最適
規則度が関係しているものと考えている。
最大値を示すＰＣパーマロイを製造するための磁性焼鈍
における材料の冷却速度が、直流最大比透磁率が最大を
示す製品を得るための冷却速度と何故異なるのか必ずし
も明確ではないが、本発明者等は、磁化機構に関し最適
規則度が関係しているものと考えている。
【００２１】
（実施例１）Ｎｉ：７９．８％，Ｍｏ：５．１３％，残
部Ｆｅおよび不可避不純物からなる成分の合金を真空誘
導加熱溶解炉で溶製し、スラブ状に鋳造し、ブレークダ
ウン、熱延により５．１mm厚の熱延板を作製した。表面
研削により表面酸化物を除去後０．５mmまで冷延し、冷
延後脱脂し、９００℃で２分間の中間焼鈍を行い、酸洗
後０．１mmまで冷延した。
部Ｆｅおよび不可避不純物からなる成分の合金を真空誘
導加熱溶解炉で溶製し、スラブ状に鋳造し、ブレークダ
ウン、熱延により５．１mm厚の熱延板を作製した。表面
研削により表面酸化物を除去後０．５mmまで冷延し、冷
延後脱脂し、９００℃で２分間の中間焼鈍を行い、酸洗
後０．１mmまで冷延した。
【００２２】冷延板から外径４５mm、内径３３mmのＪＩ
Ｓリング試験片を加工し、焼鈍分離剤として、アルミナ
のアルコールスラリーを塗布し、ドライ水素雰囲気で１
１００℃×３時間の磁性焼鈍を行った。その際６００℃
から３００℃の間の冷却速度を１０℃／ｈから４００℃
／ｈまで変化させて行った。得られた結果を表１に示
す。
Ｓリング試験片を加工し、焼鈍分離剤として、アルミナ
のアルコールスラリーを塗布し、ドライ水素雰囲気で１
１００℃×３時間の磁性焼鈍を行った。その際６００℃
から３００℃の間の冷却速度を１０℃／ｈから４００℃
／ｈまで変化させて行った。得られた結果を表１に示
す。
【００２３】
【表１】
【００２４】表１に示すように、直流最大比透磁率は冷
却速度２０℃／ｈ近傍に最適点があるが、商用周波数の
インピーダンス比透磁率は、１００℃／ｈ以上の冷却速
度に最適点があり、その値は５５，０００以上の極めて
優れた製品が得られることがわかる。
却速度２０℃／ｈ近傍に最適点があるが、商用周波数の
インピーダンス比透磁率は、１００℃／ｈ以上の冷却速
度に最適点があり、その値は５５，０００以上の極めて
優れた製品が得られることがわかる。
【００２５】（実施例２）Ｎｉ：７７．１％、Ｍｏ：
３．９２％、Ｃｕ：５．０８％、残部Ｆｅおよび不可避
不純物からなる成分の合金を真空誘導加熱溶解炉で溶製
し、スラブ状に鋳造し、ブレークダウン、熱延により
５．１mm厚の熱延板を作製した。表面研削により表面酸
化物を除去後０．５mmまで冷延し、冷延後脱脂し、９０
０℃で２分間の中間焼鈍を行い、酸洗後０．１mmまで冷
延した。
３．９２％、Ｃｕ：５．０８％、残部Ｆｅおよび不可避
不純物からなる成分の合金を真空誘導加熱溶解炉で溶製
し、スラブ状に鋳造し、ブレークダウン、熱延により
５．１mm厚の熱延板を作製した。表面研削により表面酸
化物を除去後０．５mmまで冷延し、冷延後脱脂し、９０
０℃で２分間の中間焼鈍を行い、酸洗後０．１mmまで冷
延した。
【００２６】冷延板から外径４５mm、内径３３mmのＪＩ
Ｓリング試験片を加工し、焼鈍分離剤として、アルミナ
のアルコールスラリーを塗布し、ドライ水素雰囲気で１
１００℃×３時間の磁性焼鈍を行った。その際６００℃
から３００℃の間の冷却速度を１０℃／ｈから４００℃
／ｈまで変化させて行った。得られた結果を表２に示
す。
Ｓリング試験片を加工し、焼鈍分離剤として、アルミナ
のアルコールスラリーを塗布し、ドライ水素雰囲気で１
１００℃×３時間の磁性焼鈍を行った。その際６００℃
から３００℃の間の冷却速度を１０℃／ｈから４００℃
／ｈまで変化させて行った。得られた結果を表２に示
す。
【００２７】
【表２】
【００２８】表２に示すように、直流最大比透磁率は冷
却速度２０℃／ｈ近傍に最適点があるが、商用周波数の
インピーダンス比透磁率は、５０℃／ｈ以上の条件に最
適点があり、その値は５５，０００以上の極めて優れた
製品が得られることがわかる。
却速度２０℃／ｈ近傍に最適点があるが、商用周波数の
インピーダンス比透磁率は、５０℃／ｈ以上の条件に最
適点があり、その値は５５，０００以上の極めて優れた
製品が得られることがわかる。
【００２９】
【発明の効果】本発明の磁性焼鈍法によると極めて優れ
たインピーダンス比透磁率の製品が得られ、工業的に有
益な製造法である。
たインピーダンス比透磁率の製品が得られ、工業的に有
益な製造法である。
【手続補正書】
【提出日】平成４年４月３０日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項２
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００７
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００７】２）重量％で、Ｎｉ：７０％以上，８０％
以下、Ｍｏ：３％以上，５％以下、Ｃｕ：４％以上，６
％以下、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からなる合金を
溶製し、鋳造してインゴットとしこれを熱間圧延して薄
板とするか或いは溶融合金を鋳造して直接的に薄板を得
る急冷凝固法によって薄板とし、次いで薄板表面の酸化
物を除去した後、１回或いは中間焼鈍を介挿する２回以
上の冷間圧延工程によって最終板厚とし、然る後、焼鈍
分離剤を塗布し１０００℃以上の温度で磁性焼鈍を施す
に際し、該磁性焼鈍工程後段の６００℃〜３００℃の間
の冷却速度を５０℃／ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御
するようにしたことを特徴とするインピーダンス比透磁
率の優れたパーマロイの製造方法。本発明は薄板表面の
酸化物を除去するに先だって９００℃以上の温度域での
焼鈍を材料に施すことができる。
以下、Ｍｏ：３％以上，５％以下、Ｃｕ：４％以上，６
％以下、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からなる合金を
溶製し、鋳造してインゴットとしこれを熱間圧延して薄
板とするか或いは溶融合金を鋳造して直接的に薄板を得
る急冷凝固法によって薄板とし、次いで薄板表面の酸化
物を除去した後、１回或いは中間焼鈍を介挿する２回以
上の冷間圧延工程によって最終板厚とし、然る後、焼鈍
分離剤を塗布し１０００℃以上の温度で磁性焼鈍を施す
に際し、該磁性焼鈍工程後段の６００℃〜３００℃の間
の冷却速度を５０℃／ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御
するようにしたことを特徴とするインピーダンス比透磁
率の優れたパーマロイの製造方法。本発明は薄板表面の
酸化物を除去するに先だって９００℃以上の温度域での
焼鈍を材料に施すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 庸宏 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内
Claims (3)
- 【請求項１】 重量％で、Ｎｉ：７５％以上，８５％以
下、Ｍｏ：４％以上，６％以下、残部：Ｆｅおよび不可
避不純物からなる合金を溶製し、鋳造してインゴットと
しこれを熱間圧延して薄板とするか或いは溶融合金を鋳
造して直接的に薄板を得る急冷凝固法によって薄板と
し、次いで薄板表面の酸化物を除去した後、１回或いは
中間焼鈍を介挿する２回以上の冷間圧延工程によって最
終板厚とし、然る後、焼鈍分離剤を塗布し、１０００℃
以上の温度域で磁性焼鈍を施すに際し、該磁性焼鈍工程
後段の６００℃〜３００℃の間の冷却速度を１００℃／
ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御することを特徴とする
インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方
法。 - 【請求項２】 重量％で、Ｎｉ：７０％以上，８０％以
下、Ｍｏ：３％以上，５％以下、Ｃｕ：４％以上，６％
以下、残部：Ｆｅおよび不可避不純物からなる合金を溶
製し、鋳造してインゴットとしこれを熱間圧延して薄板
とするか或いは溶融合金を鋳造して直接的に薄板を得る
急冷凝固法によって薄板とし、次いで薄板表面の酸化物
を除去した後、１回或いは中間焼鈍を介挿する２回以上
の冷延圧延工程によって最終板厚とし、然る後、焼鈍分
離剤を塗布し１０００℃以上の温度で磁性焼鈍を施すに
際し、該磁性焼鈍工程後段の６００℃〜３００℃の間の
冷却速度を５０℃／ｈ以上，４００℃／ｈ以下に制御す
るようにしたことを特徴とするインピーダンス比透磁率
の優れたパーマロイの製造方法。 - 【請求項３】 薄板表面の酸化物を除去するに先だって
９００℃以上の温度域での焼鈍を材料に施す請求項１ま
たは２に記載のインピーダンス比透磁率の優れたパーマ
ロイの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4081106A JPH05279826A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4081106A JPH05279826A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05279826A true JPH05279826A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13737134
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4081106A Withdrawn JPH05279826A (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | インピーダンス比透磁率の優れたパーマロイの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05279826A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100250810B1 (ko) * | 1997-09-05 | 2000-04-01 | 이종훈 | 내식성 향상을 위한 니켈기 합금의 열처리방법 |
| JP2002198684A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-12 | Kyocera Corp | 電磁波吸収体 |
| CN101948968A (zh) * | 2010-09-26 | 2011-01-19 | 南京工业大学 | 一种电磁波吸收剂及其制备方法 |
| CN106170567A (zh) * | 2014-01-17 | 2016-11-30 | 艾普伦 | 具有厚度变化的带材的制造方法以及相应的带材 |
-
1992
- 1992-04-02 JP JP4081106A patent/JPH05279826A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100250810B1 (ko) * | 1997-09-05 | 2000-04-01 | 이종훈 | 내식성 향상을 위한 니켈기 합금의 열처리방법 |
| JP2002198684A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-12 | Kyocera Corp | 電磁波吸収体 |
| CN101948968A (zh) * | 2010-09-26 | 2011-01-19 | 南京工业大学 | 一种电磁波吸收剂及其制备方法 |
| CN106170567A (zh) * | 2014-01-17 | 2016-11-30 | 艾普伦 | 具有厚度变化的带材的制造方法以及相应的带材 |
| US10526680B2 (en) | 2014-01-17 | 2020-01-07 | Aperam | Method for manufacturing a strip having a variable thickness and associated strip |
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