JPH05272733A - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次燃焼領域における完全燃焼の促進を可能
とする焼却炉の提供を目的とする。 【構成】 投入された被燃焼物を攪拌搬送しながら燃焼
させる一次燃焼領域Ｒ１と、その一次燃焼領域Ｒ１で発
生した燃焼ガスに二次燃焼ガスを供給して完全燃焼させ
る二次燃焼領域Ｒ２とを備えた還元二段燃焼方式の焼却
炉であって、前記二次燃焼領域Ｒ２の上流側と下流側に
それぞれ温度検出手段Ｔ１，Ｔ２を設けて、下流側の温
度検出手段Ｔ２による検出温度が上流側の温度検出手段
Ｔ１による検出温度より高い場合に二次燃焼ガスの供給
量を増加する供給量調節手段を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、投入された被燃焼物を
攪拌搬送しながら燃焼させる一次燃焼領域と、その一次
燃焼領域で発生した燃焼ガスに二次燃焼ガスを供給して
完全燃焼させる二次燃焼領域とを備えた還元二段燃焼方
式の焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】還元二段燃焼方式の焼却炉は、ＮＯｘの
発生を低減する目的で構成されたものであり、一次燃焼
領域での高温（約１０００℃近傍）燃焼により発生する
ＮＯｘを還元しながら、一次燃焼領域より低温（約８０
０℃近傍）の二次燃焼領域でその還元反応等で発生した
未燃ガスをＮＯｘが発生しないように酸化する焼却炉で
ある。しかし、近年、ダイオキシン発生量と正の相関関
係があるといわれる一酸化炭素の発生量を低減する必要
があるために、比較的低温度でガスセンサ設置可能な煙
突の前段領域に排ガスの一酸化炭素含有量を計測する一
酸化炭素濃度計を設けて、その値により二次燃焼ガスの
供給量を調節することが考えられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した焼却
炉では、一般に被焼却物の質（ゴミ質）により一酸化炭
素濃度が頻繁に増減することがあり、一酸化炭素濃度計
の値により二次燃焼ガスの供給量を調節する場合には、
その距離的原因で応答の遅れが発生して、一酸化炭素濃
度が高くなる初期には燃焼ガスが不足してダイオキシン
発生量が多くなったり、一酸化炭素濃度が低くなる初期
には逆にＮＯｘが発生するというおそれがあった。本発
明の目的は、上述した従来欠点を解消する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明による焼却炉の特徴構成は、二次燃焼領域の上流
側と下流側にそれぞれ温度検出手段を設けて、下流側の
温度検出手段による検出温度が上流側の温度検出手段に
よる検出温度より高い場合に二次燃焼ガスの供給量を増
加する供給量調節手段を設けてある点にある。

【０００５】

【作用】二次燃焼領域の上流側と下流側にそれぞれ設け
た温度検出手段による検出温度に基づき燃焼ガス中の一
酸化炭素濃度を間接的に検出して、供給量調節手段によ
り間接的に検出された一酸化炭素濃度に基づき二次燃焼
ガスの供給量を加減調節するのである。例えば、燃焼ガ
ス中の一酸化炭素等の未燃ガス濃度が高くなると、二次
燃焼領域において頻繁に酸化反応が行われ下流側の温度
が上流側の温度より高くなることに着目して、この場合
に供給量調節手段により二次燃焼ガスの供給量を増加調
節して酸化反応を促進して完全燃焼させるのである。

【０００６】

【発明の効果】本発明の焼却炉によれば、特殊で効果な
ガスセンサを用いることなく熱電対等の汎用の温度セン
サを用いることで容易に、且つ、応答遅れなく二次燃焼
ガスの供給量調節を行いうる焼却炉を提供できるように
なった。

【０００７】

【実施例】以下に実施例を説明する。都市ゴミ用の焼却
炉は、図１に示すように、投入されたゴミを焼却する燃
焼室１と、その燃焼室１への投入ゴミを一時的に溜める
ホッパ３と、ホッパ３の下部に設けられゴミを前記燃焼
室１へ少量づつ投入するプッシャ２と、燃焼室１で焼却
された灰を集める灰ピット４等を備えて構成してある。

【０００８】燃焼室１は、投入されたゴミを攪拌搬送し
ながら乾燥させる乾燥帯Ａ、燃焼させる燃焼帯Ｂ、灰化
する後燃焼帯Ｃへと順次搬送しながら被焼却物を灰ピッ
ト４へ落下させる搬送手段５を設け、その左右側壁６の
下部に搬送手段５の中央に向かい送風することで火炎を
前記側壁６から遠ざけて側壁６を冷却する送風手段７
と、搬送手段５の下方から燃焼用の空気を供給する燃焼
空気供給手段８を設けてある。詳述すると、前記搬送手
段５は、固定火格子に対して移動火格子を油圧シリンダ
（図示せず）で斜め上下方向に摺動することで、燃焼空
気供給手段８からの燃焼用空気とゴミを攪拌しながら灰
ピット４方向へ搬送する。

【０００９】燃焼帯Ｂの近傍空間が被焼却物を８００℃
から１０００℃で燃焼する一次燃焼領域Ｒ１となり、そ
の一次燃焼領域Ｒ１の上方空間が、乾燥帯Ａで発生する
還元性ガスと燃焼帯Ｂでの燃焼ガスとを混合して燃焼ガ
ス中に含まれるＮＯｘを還元する還元領域Ｒ３となり、
さらにその上方空間で幅狭の煙道を形成する領域が、一
酸化炭素等の未燃ガスを前記一次燃焼領域Ｒ１よりも低
温の８００℃近傍で燃焼させる二次燃焼領域Ｒ２とな
る。二次燃焼領域Ｒ２を構成する前記煙道の側壁の上流
側と下流側にそれぞれ熱電対でなる燃焼ガス温度検出手
段Ｔ１，Ｔ２を設けるとともに、二次燃焼ガスとしての
空気を外部から吸引するブロアファンＦと二次燃焼ガス
の供給量を調節するダンパ機構Ｄと煙道側壁の複数箇所
に設けたノズルＮとでなる二次燃焼ガス供給手段を設け
てある。前記二次燃焼ガス供給手段には、前記燃焼ガス
温度検出手段Ｔ１，Ｔ２の検出温度に基づいてダンパ機
構Ｄの開度調節を行う供給量調節手段を設けてある。詳
述すると、二次燃焼による発生熱量を考慮しても常温外
気を供給するために、上流側の温度検出手段Ｔ１による
検出温度に対して下流側の温度検出手段Ｔ２による検出
温度は通常数十度低い。しかし、ゴミ質の変動等により
二次燃焼領域Ｒ２における一酸化炭素濃度が大である場
合には燃焼反応が異常に促進され、上流側の温度検出手
段Ｔ１による検出温度に対して下流側の温度検出手段Ｔ
２による検出温度の方が高くなる場合があり、この場合
には、供給量調節手段はダンパ機構Ｄの開度を大にして
空気供給量を増加する。逆に、二次燃焼領域Ｒ２におけ
る一酸化炭素濃度が小である場合には燃焼反応が低減
し、上流側の温度検出手段Ｔ１による検出温度に対して
下流側の温度検出手段Ｔ２による検出温度の方が異常に
低くなる場合があり、この場合には、低温による燃焼反
応の停滞を防止すべく供給量調節手段はダンパ機構Ｄの
開度を小にして空気供給量を減少する。通常、二次燃焼
空気の供給量は、燃焼に必要な空気量の約１．７倍を標
準設定とし、１．５から２．０の範囲で増減制御する。

【００１０】前記煙道の下流には廃熱ボイラ１２を設け
てあり、燃焼室１で発生した燃焼熱エネルギィが蒸気の
形で取り出され発電機１３のエネルギィに供される。さ
らに、排ガスは電気集塵機等からなる排ガス処理設備１
４によりばいじんや有害ガスが除去されて煙突１５から
排気される。

【００１１】以下に別実施例を説明する。先の実施例で
は、二次燃焼ガスとして空気を用いた場合を説明した
が、二次燃焼ガスとしては、空気以外に、例えば酸素冨
化ガスや燃料ガスであってもよい。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】焼却炉の概略構成図

【符号の説明】

Ｒ１ 一次燃焼領域 Ｒ２ 二次燃焼領域 Ｔ１，Ｔ２ 温度検出手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入された被燃焼物を攪拌搬送しながら
   燃焼させる一次燃焼領域（Ｒ１）と、その一次燃焼領域
   （Ｒ１）で発生した燃焼ガスに二次燃焼ガスを供給して
   完全燃焼させる二次燃焼領域（Ｒ２）とを備えた還元二
   段燃焼方式の焼却炉であって、 前記二次燃焼領域（Ｒ２）の上流側と下流側にそれぞれ
   温度検出手段（Ｔ１),（Ｔ２）を設けて、下流側の温度
   検出手段（Ｔ２）による検出温度が上流側の温度検出手
   段（Ｔ１）による検出温度より高い場合に二次燃焼ガス
   の供給量を増加する供給量調節手段を設けてある焼却
   炉。