JPH05272618A - 変速機の軸受構造 - Google Patents

変速機の軸受構造

Info

Publication number
JPH05272618A
JPH05272618A JP4100257A JP10025792A JPH05272618A JP H05272618 A JPH05272618 A JP H05272618A JP 4100257 A JP4100257 A JP 4100257A JP 10025792 A JP10025792 A JP 10025792A JP H05272618 A JPH05272618 A JP H05272618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral surface
transmission
shaft
holding body
transmission case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4100257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3008662B2 (ja
Inventor
Masa Nakamura
雅 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP4100257A priority Critical patent/JP3008662B2/ja
Publication of JPH05272618A publication Critical patent/JPH05272618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3008662B2 publication Critical patent/JP3008662B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シール部材のシールが損なわれる不都合を防
止し、摺動抵抗を低減し得て、作業性を向上し得る変速
機の軸受構造を実現する。 【構成】 太軸部46に遊嵌される略円筒状の保持体4
8を設け、この保持体の内周面の軸方向一側端に前記太
軸部の直径よりも大径且つ歯車の直径よりも小径の突縁
部52を中心側に突出させて設けるとともに円周方向に
連続する環状溝部56を設け、一対のシール部材66を
保持体の内周面の軸方向各側端に離間位置させて取付け
て設けるとともに、空間72と環状溝部とを連通する連
通孔74を設け、回転軸の軸方向中間部位が挿通位置さ
れる変速機ケース4の内側に保持体の嵌挿される嵌挿部
76を回転軸の軸方向他側に指向させて開口して設け、
この嵌挿部に嵌挿された保持体の外周面の環状溝部に指
向させて変速機ケースにねじ孔86を設け、このねじ孔
に螺合される抜け止めボルト88を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は変速機の軸受構造に係
り、特に変速機の変速機ケース内の空間を区画するシー
ル部材のシールが損なわれる不都合を防止し得て、摺動
抵抗を低減し得て、組付け・取外し時のシール部材の損
傷を防止し得て作業性を向上し得る変速機の軸受構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、内燃機関の発生する
駆動力を走行状態に応じて適切に取り出すために、変速
機を設けている。この変速機には、内燃機関の駆動力を
変換する変速機構を設けるとともに、この変速機構によ
り変換して取り出された駆動力を分配する分配機構を設
けたものがある。
【0003】このような変速機としては、例えば、図5
に示すものがある。図において、102は変速機、10
4は変速機ケース、106は変速機用空間である。変速
機構を構成するトルクコンバータ108及び補助変速機
構110は、変速機ケース104に軸支される変速機入
力軸112及び変速機出力軸114に夫々回転可能に設
けられている。
【0004】図示しない内燃機関の駆動力は、変速機入
力軸112からトルクコンバータ108及び補助変速機
構110により運転状態に応じて変換して変速機出力軸
114に取り出され、中間駆動歯車116及び中間被動
歯車118により中間軸120に伝達され、終減速駆動
歯車122及び終減速被動歯車124により例えば前側
差動機126を介して前側左右車軸128−1・128
−2に伝達され、前側左右車輪(図示せず)を駆動す
る。
【0005】また、この変速機102は、変速機ケース
104内の分配機構用空間130に分配機構132を設
けている。この分配機構132は、変速機ケース104
に軸支された分配機構入力軸134及び分配機構出力軸
136を設けている。前記終減速被動歯車124に伝達
された図示しない内燃機関の駆動力は、分配歯車138
により分配して分配機構入力軸134に取り出され、分
配機構入力歯車140及び分配機構出力歯車142によ
り分配機構出力軸136に伝達され、継手144により
図示しない推進軸から例えば後側差動機を介して後側左
右車軸に伝達され、後側左右車輪を駆動する。
【0006】この変速機102は、変速機用空間106
と分配機構用空間130とを区画すべく、変速機ケース
104に軸支される回転軸たる分配機構入力軸134の
軸方向中間部位に太軸部146を設け、この太軸部14
6の外周面148に摺接されるシール部材150を前記
変速機ケース104の内側に設けた取付部152に取付
けて設けている。
【0007】このシール部材150は、図4に示す如
く、2つのリップ部154・154を設けている。シー
ル部材150は、この2つのリップ部154・154を
太軸部146の外周面148に摺接してシールする。こ
のとき、シール部材150は、太軸部146の外周面1
48に摺接してシールする2つのリップ部154・15
4間に、空間156を形成している。
【0008】これにより、シール部材150は、変速機
ケース104内を変速機用空間106と分配機構用空間
130とに区画し、変速機用空間106と分配機構用空
間130とに夫々異なるオイルであるオートマチックト
ランスミッション用オイルとギヤ用オイルとを充填して
いる。
【0009】このような変速機の軸受構造としては、例
えば、実公昭55−19355号公報や実公昭59−2
2336号公報に開示されているものがある。実公昭5
5−19355号公報に開示のものは、変速機の出力軸
にスプライン嵌合する推進軸のスリーブヨークをブッシ
ュにより変速機のエクステンションハウジングに軸支
し、スリーブヨークとエクステンションハウジングとの
間をオイルシールによりシールして軸支するものであ
り、エクステンションハウジング内周面に環状溝を形成
することによりこの環状溝をオイル溜として機能させる
とともに、前記環状溝とオイルシール室とを連通するこ
とにより前記環状溝にオイルを流れ易くしたものであ
る。実公昭59−22336号公報に開示のものは、ス
ペーサの両側に夫々配設したローラベアリングにより軸
部に歯車を回転可能に軸支するものであり、スペーサを
歯車のボス部内径よりも小径としてボス部内面とスペー
サとの間にオイル溜を形成するとともにスペーサの両端
を拡開して軸部への挿入を容易とした物である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図4・
図5に示す変速機102においては、シール部材150
の2つのリップ部154・154を分配機構入力軸13
4に設けた太軸部146の外周面148に摺接してシー
ルし、変速機ケース104内を変速機用空間106と分
配機構用空間130とに区画している。これにより、変
速機用空間106と分配機構用空間130とには、夫々
異なるオイルであるオートマチックトランスミッション
用オイルとギヤ用オイルとを充填している。このとき、
分配機構入力軸134の太軸部146の外周面148に
摺接される2つのリップ部154・154間には、小さ
い空間156が形成されている。
【0011】ところが、前記シール部材150は、変速
機102の作動時の分配機構入力軸134の回転によ
り、リップ部154・154間の空間156の空気を外
部に吸い出す作用がある。このため、2つのリップ部1
54・154間の空間156は、変速機102の作動時
の空気の吸い出しにより負圧状態になる。このような状
態においては、2つのリップ部154・154間のいず
れか一方に異物の咬み込みが惹起されると、空間156
が小さいことにより2つのリップ部154・154間の
圧力バランスが容易に崩れ、シールが損なわれてオイル
が一方から他方に流れる不都合がある。
【0012】また、シール部材150は、変速機ケース
104の内側に設けた取付部152に取付けられ、2つ
のリップ部154・154を分配機構入力軸134に設
けた太軸部146の外周面148に摺接してシールして
いる。この太軸部146の直径は、分配機構入力軸13
4に設けた分配歯車138の直径に対して、略同等以上
に形成している。このため、太軸部146の直径が大き
いことにより外周面148の周速度が大きくなり、この
外周面148に摺接するシール部材150の摺動抵抗が
大きくなる不都合がある。
【0013】さらに、変速機ケース104の内側の取付
部152に取付けられたシール部材150に対して、こ
のシール部材150の摺接される分配機構入力軸134
の太軸部146の直径が分配機構入力軸134の分配歯
車138の直径に対して略同等以上に形成されているこ
とにより、分配機構入力軸134を変速機ケース104
に組付け・取外しする際に、分配歯車138によりシー
ル部材150のリップ部152・152が損傷される不
都合があり、作業性を低下させる不都合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、変速機の変速機ケースに
軸支される回転軸の軸方向中間部位にこの回転軸の軸方
向一側に設けられた歯車の直径よりも小径の太軸部を設
け、この太軸部に遊嵌される略円筒状の保持体を設け、
この保持体の内周面の軸方向一側端に前記太軸部の直径
よりも大径且つ前記歯車の直径よりも小径の突縁部を中
心側に突出させて設けるとともにこの保持体の外周面の
軸方向中間部位に円周方向に連続する環状溝部を設け、
前記太軸部の外周面に摺接される一対のシール部材を前
記保持体の内周面の軸方向各側端に離間位置させて取付
けて設けるとともにこの一対のシール部材間の空間と前
記環状溝部とを連通する連通孔を前記保持体に設け、前
記回転軸の軸方向中間部位が挿通位置される前記変速機
ケースの内側に前記保持体の嵌挿される嵌挿部を前記回
転軸の軸方向他側に指向させて開口して設け、この嵌挿
部に嵌挿された前記保持体の外周面の環状溝部に指向さ
せて前記変速機ケースの外側から内側に貫通するねじ孔
を設け、このねじ孔に螺合されて前記環状溝部に嵌合さ
れる抜け止めボルトを設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】この発明の構成によれば、回転軸の軸方向一側
に設けられた歯車の直径よりも小径の太軸部を設け、こ
の太軸部の外周面に摺接される一対のシール部材を保持
体の内周面の軸方向各側端に離間位置させて設けている
ことにより、シール部材間に大きな空間を形成してい
る。この空間は、連通孔により環状溝部から変速機ケー
スのねじ孔を介して変速機ケースの外側に連通している
ので、空間を大気圧に開放することができる。
【0016】また、シール部材の摺接される回転軸の太
軸部は、この回転軸に設けられた歯車の直径よりも小径
にしていることにより、外周面の周速度を小さくするこ
とができる。
【0017】さらに、シール部材を取付けた保持体の内
周面の軸方向一側端に太軸部の直径よりも大径且つ歯車
の直径よりも小径の突縁部を中心側に突出させて設けて
いることにより、回転軸を変速機ケースに組付ける際に
予め太軸部に保持体を遊嵌してシール部材を摺接させた
状態で保持体を変速機ケースの嵌挿部に嵌挿することに
より歯車がシール部材に当接されることがなく、また、
回転軸を変速機ケースから取外す際に歯車が保持体の突
縁部に当接することにより歯車がシール部材に当接され
ることがない。
【0018】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。図1〜図3は、この発明の実施例を示すも
のである。図3において、2は変速機、4は変速機ケー
ス4、6は変速機用空間である。変速機構を構成するト
ルクコンバータ8及び補助変速機構10は、変速機ケー
ス4に軸支される変速機入力軸12及び変速機出力軸1
4に夫々回転可能に設けられている。
【0019】図示しない内燃機関の駆動力は、変速機入
力軸12からトルクコンバータ8及び補助変速機構10
により運転状態に応じ変換して変速機出力軸14に取り
出され、中間駆動歯車16及び中間被動歯車18により
中間軸20に伝達され、終減速駆動歯車22及び終減速
被動歯車24により例えば前側差動機26を介して前側
左右車軸28−1・28−2に伝達され、前側左右車輪
(図示せず)を駆動する。
【0020】また、この変速機2は、変速機ケース4内
の分配機構用空間30に分配機構32を設けている。こ
の分配機構32は、変速機ケース4に軸支された分配機
構入力軸34及び分配機構出力軸36を設けている。前
記終減速被動歯車24に伝達された図示しない内燃機関
の駆動力は、分配歯車38により分配して分配機構入力
軸34に取り出され、分配機構入力歯車40及び分配機
構出力歯車42により分配機構出力軸36に伝達され、
継手44により図示しない推進軸から例えば後側差動機
を介して後側左右車軸に伝達され、後側左右車輪を駆動
する。
【0021】この変速機2は、変速機用空間6と分配機
構用空間30とを区画すべく、図1・図2に示す如く、
変速機ケース4に軸支される回転軸たる分配機構入力軸
34の軸方向中間部位に、この分配機構入力軸34の軸
方向一側に設けられた分配歯車38の直径D1よりも小
径の直径D2を有する太軸部46を設けている。この太
軸部46には、略円筒状の保持体48が遊嵌される。
【0022】太軸部46に遊嵌される保持体48は、内
周面50の軸方向一側端に突縁部52を中心側に突出さ
せて設けている。突縁部52は、太軸部46の直径D2
よりも大径且つ前記分配歯車38の直径D1よりも小径
の直径D3を有している。また、この保持体48は、外
周面54の軸方向中間部位に円周方向に連続する環状溝
部56を設けている。
【0023】この実施例においては、外周面54の軸方
向中間部位に段差部58を設け、この段差部58により
形成される段差面60を挟んで、外周面54を軸方向一
側の径小の一側外周面54−1と軸方向他側の径大の他
側外周面54−2とに形成している。前記環状溝部56
は、一側外周面54−1の軸方向中間部位側に位置させ
て設けている。なお、符号62・62は、各側外周面5
4−1・54−2の円周方向に夫々設けられた円環状の
シール溝部である。このシール溝部62・62には、O
リング64・64が装着される。
【0024】前記保持体48の内周面50には、軸方向
各側端に離間位置させて一対のシール部材66・66を
取付けている。一方のシール部材66は、内周面50の
軸方向一側端の突縁部52に当接して取付けられる。他
方のシール部材66は、内周面50の軸方向他側端に位
置させて取付けられる。この一対のシール部材66・6
6は、夫々単一のリップ部68・68を有している。リ
ップ部68・68は、太軸部46の外周面70に摺接さ
れる。また、保持体48には、この一対のシール部材6
6・66間の空間72と前記環状溝部56とを連通する
連通孔74を設けている。
【0025】前記変速機ケース4の内側には、分配機構
入力軸34の軸方向中間部位が挿通位置される部位に、
保持体48の嵌挿される嵌挿部76を分配機構入力軸3
4の軸方向他側に指向させて開口して設けている。嵌挿
部76は、内周面78を設け、この内周面78の軸方向
中間部位に設けた段差部80の段差面82により、前記
保持体48の一側外周面54−1及び他側外周面54−
2と段差部58及び段差面60とに対応して、夫々径小
の一側内周面78−1及び径大の他側内周面78−2と
段差部80及び段差面82とを設けている。
【0026】前記変速機ケース4には、ボルトボス部8
4を設け、このボルトボス部84に前記嵌挿部76に嵌
挿された保持体48の外周面54の環状溝部56に指向
させて、外側から内側に貫通するねじ孔86を設けてい
る。このねじ孔86には、抜け止めボルト88が螺合さ
れる。抜け止めボルト88は、ねじ軸90の後端に頭部
92を設けるとともにねじ軸90の先端に当接部94を
設けている。当接部94は、環状溝部56に嵌合して溝
壁96に当接され、保持体48の嵌挿部76からの抜け
を阻止する。また、抜け止めボルト88の頭部92の頭
部側当接面92aが当接されるボルトボス部84のボス
部側当接面84aには、ねじ孔86から頭部92の外側
に達する連絡溝98を設けている。
【0027】次に作用を説明する。
【0028】この変速機2は、回転軸である分配機構入
力軸34を変速機ケース4に組付ける際に、先ず、保持
体48の内周面50の軸方向各側端に離間位置させて一
対のシール部材66・66を取付ける。このとき、一方
のシール部材66を内周面50の軸方向一側端の突縁部
52に当接して取付けるとともに、他方のシール部材6
6を内周面50の軸方向他側端に位置させて取付け、一
対のシール部材66・66間に空間72を形成する。ま
た、各側外周面54−1・54−2に夫々設けられたシ
ール溝部62・62にOリング64・64を装着する。
【0029】一対のシール部材66・66を組付けた保
持体48は、分配機構入力軸34の太軸部46に遊嵌さ
れる。このとき、保持体48は、矢印Aに示す方向に分
配機構入力軸34の軸方向他側から一側に向かって、つ
まり、分配機構入力歯車40の組付けられる側から分配
歯車38の設けられた側に向かって組付け、太軸部46
に遊嵌する。これにより、シール部材66・66のリッ
プ部68・68は、太軸部46の外周面70に摺接され
る。
【0030】このように、分配機構入力軸34を変速機
ケース4に組付ける前に、保持体48を分配機構入力軸
34の太軸部46に遊嵌しておくことにより、組付時の
作業性が良く、シール部材66・66のリップ部68・
68を傷付けることもない。
【0031】保持体48を太軸部46に遊嵌された分配
機構入力軸34は、矢印Aに示す方向に分配機構入力軸
34の軸方向一側から、つまり、分配歯車38の設けら
れた側から変速機ケース4の内側に挿入し、分配機構入
力軸34の軸方向他側に指向させて開口した嵌挿部76
に保持体48を嵌挿する。なお、このとき、分配歯車3
8は、終減速被動歯車24に噛合される。
【0032】この嵌挿により、保持体48の一側外周面
54−1及び他側外周面54−2と段差部58の段差面
60とは、嵌挿部76の一側内周面78−1及び他側内
周面78−2と段差部80の段差面82とに夫々密着当
接される。保持体48の一側外周面54−1及び他側外
周面54−2と嵌挿部76の一側内周面78−1及び他
側内周面78−2とは、Oリング64・64によりシー
ルされる。
【0033】変速機ケース4のねじ孔86には、抜け止
めボルト88のねじ軸90が螺合される。螺合された抜
け止めボルト88は、先端の当接部94を嵌挿部76に
嵌挿された保持体48の環状溝部56に嵌合して溝壁9
6に当接され、保持体48の嵌挿部76からの抜けを阻
止する。なお、この抜け止めボルト88は、シールを施
すことなく、ねじ孔86に螺合して締付ける。これによ
り、シール部材66・66間の空間72は、連通孔74
により環状溝部56から抜け止めボルト88の螺合され
たねじ孔86及びねじ軸90の噛合すきまを介し連絡溝
98を経て、変速機ケース4の外側に連通させることが
できる。
【0034】これにより、分配機構入力軸34は、変速
機2の変速機ケース4に組付けられる。シール部材66
・66は、太軸部46の外周面70にリップ部68・6
8を夫々摺接してシールするとともにリップ部68・6
8間に空間72を形成し、変速機ケース4内を変速機用
空間6と分配機構用空間30とに区画することができる
ので、変速機用空間6と分配機構用空間30とに夫々異
なるオイルであるオートマチックトランスミッション用
オイルとギヤ用オイルとを充填することができる。
【0035】分配機構入力軸34を変速機ケース4から
取外す際には、抜け止めボルト88をねじ孔86から抜
脱し、ねじ軸90先端の当接部94を嵌挿部76に嵌挿
された保持体48の環状溝部56から離脱させ、保持体
48の嵌挿部76からの抜けを許容する。
【0036】分配機構入力軸34は、矢印Bに示す方向
に軸方向他側に、つまり、変速機ケース4の外側に向か
って抜脱すると、分配歯車38がこの分配歯車38の直
径D1よりも小径の直径D3の保持体48の突縁部52
に当接することになる。したがって、分配歯車38は、
シール部材66・66に当接されることがない。このた
め、分配機構入力軸34に設けた分配歯車38によりシ
ール部材66・66のリップ部68・68が損傷される
不都合を防止することができる。
【0037】この状態から、分配機構入力軸34を矢印
Bに示す変速機ケース4の外部に向かってさらに抜脱す
ると、突縁部52に当接された分配歯車38により保持
体48が押されて嵌挿部76から外れる。これにより、
分配機構入力軸34は、変速機2の変速機ケース4から
取外される。
【0038】このように、この変速機2は、分配機構入
力軸34の軸方向一側に設けられた分配歯車38の直径
D1よりも小径の直径D2の太軸部46を設け、この太
軸部46の外周面70に摺接される一対のシール部材6
6・66を保持体48の内周面50の軸方向各側端に離
間位置させて設けていることにより、シール部材66・
66間に大きな空間72を形成している。この空間72
は、連通孔74により環状溝部56から変速機ケース4
のねじ孔86及びねじ軸90の噛合すきまを介し連絡溝
98を経て変速機ケース4の外側に連通しているので、
空間72を大気圧に開放することができる。
【0039】このため、たとえ変速機2の作動時に空間
72の空気が吸い出されても、空間72が負圧状態にな
ることがなく、一対のシール部材66・66のいずれか
一方に異物を咬み込んだとしても、空間72の圧力バラ
ンスがくずれることがなく、シールが損なわれる不都合
を防止することができる。
【0040】また、シール部材66・66の摺接される
分配機構入力軸34の太軸部46は、この分配機構入力
軸34に設けられた分配歯車38の直径D1よりも小径
の直径D2にしていることにより、シール部材66・6
6の内径が小さくなり、太軸部46の外周面70の周速
度を小さくすることができる。このため、太軸部46の
外周面70の周速度が小さいことにより、太軸部46に
摺接されるシール部材66・66の摺動抵抗を小さくす
ることができる。
【0041】さらに、シール部材66・66を取付けた
保持体48の内周面50の軸方向一側端に、太軸部46
の直径D2よりも大径且つ分配歯車38の直径D1より
も小径の直径D3となる突縁部52を中心側に突出させ
て設けている。これにより、分配機構入力軸34を変速
機ケース4に組付ける際には、予め太軸部46に保持体
48を遊嵌してシール部材66・66を摺接させた状態
として、保持体48を変速機ケース4の嵌挿部76に嵌
挿することにより、分配歯車38がシール部材66・6
6に当接されることがない。また、分配機構入力軸34
を変速機ケース4から取外す際には、分配歯車38が保
持体48の突縁部76に当接することにより、分配歯車
38がシール部材66・66に当接されることがない。
【0042】このため、分配機構入力軸34を変速機ケ
ース4に組付け・取外しする際に、分配機構入力軸34
の分配歯車38によりシール部材66・66のリップ部
68・68が損傷される不都合を防止し得て、作業性を
向上することができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなように、こ
の発明によれば、回転軸の太軸部の外周面に摺接される
一対のシール部材間に大きな空間を形成し、この空間を
連通孔により環状溝部から変速機ケースのねじ孔を介し
て変速機ケースの外側に連通していることにより、空間
を大気圧に開放することができる。このため、たとえ変
速機の作動時に空気が吸い出されても、負圧状態になる
ことがなく、一対のシール部材のいずれか一方に異物を
咬み込んだとしても、空間の圧力バランスがくずれるこ
とがなく、シールが損なわれる不都合を防止し得る。
【0044】また、シール部材の摺接される回転軸の太
軸部は、この回転軸に設けられた歯車の直径よりも小径
にしているので、外周面の周速度を小さくすることがで
きる。このため、太軸部の外周面の周速度が小さいこと
により、太軸部に摺接されるシール部材の摺動抵抗を小
さくすることができる。
【0045】さらに、シール部材を取付けた保持体の内
周面の軸方向一側端に、太軸部の直径よりも大径且つ歯
車の直径よりも小径の突縁部を中心側に突出させて設け
ていることにより、回転軸を変速機ケースに組付ける際
や回転軸を変速機ケースから取外す際に歯車がシール部
材に当接されることがない。このため、回転軸を変速機
ケースに組付け・取外しする際に、回転軸に設けた歯車
によりシール部材のリップ部が損傷される不都合を防止
し得て、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す変速機の軸受構造の要
部拡大断面図である。
【図2】図1の〓−〓線断面図である。
【図3】この発明の実施例を示す変速機の断面図であ
る。
【図4】従来例を示す変速機の軸受構造の要部拡大断面
図である。
【図5】従来例を示す変速機の断面図である。
【符号の説明】
2 変速機 4 変速機ケース 6 変速機用空間 30 分配機構用空間 32 分配機構 34 分配機構入力軸 38 分配歯車 46 太軸部 48 保持体 50 内周面 52 突縁部 54 外周面 56 環状溝部 58 段差部 64 Oリング 66 シール部材 68 リップ部 70 外周面 72 空間 74 連通孔74 76 嵌挿部 78 内周面 80 段差部 84 ボルトボス部 86 ねじ孔 88 抜け止めボルト 98 連絡溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機の変速機ケースに軸支される回転
    軸の軸方向中間部位にこの回転軸の軸方向一側に設けら
    れた歯車の直径よりも小径の太軸部を設け、この太軸部
    に遊嵌される略円筒状の保持体を設け、この保持体の内
    周面の軸方向一側端に前記太軸部の直径よりも大径且つ
    前記歯車の直径よりも小径の突縁部を中心側に突出させ
    て設けるとともにこの保持体の外周面の軸方向中間部位
    に円周方向に連続する環状溝部を設け、前記太軸部の外
    周面に摺接される一対のシール部材を前記保持体の内周
    面の軸方向各側端に離間位置させて取付けて設けるとと
    もにこの一対のシール部材間の空間と前記環状溝部とを
    連通する連通孔を前記保持体に設け、前記回転軸の軸方
    向中間部位が挿通位置される前記変速機ケースの内側に
    前記保持体の嵌挿される嵌挿部を前記回転軸の軸方向他
    側に指向させて開口して設け、この嵌挿部に嵌挿された
    前記保持体の外周面の環状溝部に指向させて前記変速機
    ケースの外側から内側に貫通するねじ孔を設け、このね
    じ孔に螺合されて前記環状溝部に嵌合される抜け止めボ
    ルトを設けたことを特徴とする変速機の軸受構造。
JP4100257A 1992-03-27 1992-03-27 変速機の軸受構造 Expired - Lifetime JP3008662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4100257A JP3008662B2 (ja) 1992-03-27 1992-03-27 変速機の軸受構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4100257A JP3008662B2 (ja) 1992-03-27 1992-03-27 変速機の軸受構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05272618A true JPH05272618A (ja) 1993-10-19
JP3008662B2 JP3008662B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=14269171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4100257A Expired - Lifetime JP3008662B2 (ja) 1992-03-27 1992-03-27 変速機の軸受構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3008662B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100704499B1 (ko) * 2005-11-30 2007-04-09 현대자동차주식회사 변속기의 베어링서포터 어셈블리구조

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100704499B1 (ko) * 2005-11-30 2007-04-09 현대자동차주식회사 변속기의 베어링서포터 어셈블리구조

Also Published As

Publication number Publication date
JP3008662B2 (ja) 2000-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4498353A (en) Air breather structure for oil seals in an automatic transmission
US5961388A (en) Seal for slip yoke assembly
US4378858A (en) Driven steering shaft assembly
JP2532211B2 (ja) 車両用自動変速機
US20060094558A1 (en) Pinion housing with contaminant deflector
JPH05272618A (ja) 変速機の軸受構造
JP2011190880A (ja) 動力伝達装置
JPH09267651A (ja) トランスファの潤滑構造
JP3100921B2 (ja) 自動二輪車のシャフトドライブ装置
US4899605A (en) Starter with planet gear speed reducer
JPS63235748A (ja) デフアレンシヤル装置
JPH0451239Y2 (ja)
CN211737960U (zh) 一种变速箱和传动箱的配合结构
US4630705A (en) Transmission for a four-wheel drive motor vehicle
CN210920039U (zh) 一种拖拉机动力输出结构及拖拉机
JP4313578B2 (ja) トルク伝達装置
JPS625386Y2 (ja)
JP4351877B2 (ja) 補機駆動アダプタ
JP2592305Y2 (ja) 歯車変速装置
JPH10159952A (ja) 動力伝達機器の油漏れ防止構造
JPH0613002Y2 (ja) 2輪・4輪切換え装置
JPS6253846B2 (ja)
JPS6244200Y2 (ja)
JPH06137408A (ja) トランスファ装置
JPS6015967Y2 (ja) 差動制限装置