JPH05271267A - Fr901459物質、その製法及び用途 - Google Patents

Fr901459物質、その製法及び用途

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JPH05271267A
JPH05271267A JP4125445A JP12544592A JPH05271267A JP H05271267 A JPH05271267 A JP H05271267A JP 4125445 A JP4125445 A JP 4125445A JP 12544592 A JP12544592 A JP 12544592A JP H05271267 A JPH05271267 A JP H05271267A
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substance
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stachybotrys
production
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JP4125445A
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Inventor
Shizue Izumi
泉 静 枝 和
Eisaku Tsujii
井 栄 作 辻
Michiyo Miyauchi
内 三 千 世 宮
Tomoko Nakanishi
西 智 子 中
Shigehiro Takase
瀬 茂 弘 高
Michio Yamashita
下 道 雄 山
Masakuni Okuhara
原 正 国 奥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スタキボトリス(Stachybotry
s)属に属する微生物を培養して、融点156〜158
℃を有する中性の無色粉末物質、FR901459物質
を製造する。 【効果】 この物質は、すぐれた免疫抑制作用を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFR901459物質、
その製造及び用途に関するものである。FR90145
9物質は、スタキボトリス属菌の培養物から分離採取さ
れた従来未知の新規物質であり、すぐれた免疫抑制作用
を示し、臓器移植等に伴う拒絶反応の抑制剤、自己免疫
疾患の予防治療剤等各種医薬として有用である。
【0002】
【従来の技術】生体には自己成分に対する免疫応答を抑
制する機構があるが、この抑制機構が障害を受けると、
自己成分に対する免疫応答がおこり、抗原抗体反応によ
る病理的変化に基づく自己免疫疾患と称する症状が種々
現われてくる。この自己免疫疾患としては、例えば溶血
性貧血、ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲
状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糠尿病、リ
ウマチ様関節炎、リウマチ熱等が挙げられるが、これら
は比較的重篤な症状を示すものが多いことは良く知られ
ているところである。
【0003】しかしながら、これらの自己免疫疾患は、
難病と一般的にいわれるように、有効な治療法がないの
が現状である。
【0004】また一方、生体臓器移植や体内埋込型人工
臓器には、免疫応答の結果により拒絶反応が常に付随し
ており(例えば、心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚等の臓
器あるいは組織の移植に対する拒絶反応、骨髄移植によ
って起る移植片対宿主反応等)、この拒絶反応を抑制し
なければ臓器移植や人工臓器の埋込みは不可能となり、
尊い人命が失なわれることにもなる。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は、生体臓器移植等に
伴う拒絶反応の抑制、自己免疫疾患の予防、治療等各種
医療の分野において、すぐれた免疫抑制剤の開発が強く
望まれていることに鑑みてなされたものであって、既知
のものとは異なるタイプの新規な免疫抑制物質を更に開
発する目的でなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためになされたものである。
【0007】そこで本発明者らは、安全性の面から天然
物に着目し、微生物の発酵生産物に注目するに至り、各
種微生物を検索した結果、小笠原で採取された土壌から
新たに分離した不完全菌No.19392株が培養液中
に目的物質を蓄積することを発見した。そして更にこの
物質についてその理化学的性質を詳細に研究したとこ
ろ、従来未知の新規物質であることを確認し、この物質
を新たにFR901459物質と命名し、そして更に研
究の結果、その工業的製法を確立し、本発明を完成する
に至った。
【0008】本発明に係るFR901459物質は、下
記表2に示される理化学的性質を有している。
【0009】
【表2】
【0010】以上のような理化学的性質ならびにその他
の研究から、FR901459物質の化学構造式は、下
記化1に示されるとおりのものであることが判明した。
【0011】
【化1】
【0012】本発明に係るFR901459物質は、例
えば本発明者らが東京都小笠原諸島母島で採取した土壌
サンプルから新たに分離した不完全菌No.19392
株によって生産される。
【0013】不完全菌No.19392株は、各種培地
上で抑制的に広がり、茶色からオリーブ色の集落を形成
する。No.19392株は、各種培地上で、栄養菌糸
との区別が明瞭な分生子柄と、その頂端を覆う分生子形
成細胞及び分生子塊から成るアナモルフを形成した。そ
の分生子形成様式は、フィアロ型であった。またテレオ
モルフは形成しなかった。これらの形態的特徴から、N
o.19392株は不完全菌類スタキボトリス属(th
e genus StachybotrysCorda
1873)に所属すると思われる。以下に本菌の菌学
的性質を示す。
【0014】
【(1)培養性状】各種培地上での培養性状を下記の表
3に示した。コーン・ミール寒天培地の中心に接種し、
25℃で14日間培養した時の生育は抑制的で、直径
1.5−2.0cmに拡がった。集落の表面は平坦、粉
状で、黄色味茶色であった。また、赤色の可溶性色素を
生産した。集落裏面は茶色味灰色であった。アナモルフ
を豊富に生じた。同様の培養をポテト・デキストロース
寒天培地上で行った時は、生育は抑制的であった(直径
2.0−2.5cm)。集落表面は***し、フェルト状
で、茶色味灰色であった。また、赤色の可溶性色素を生
産した。集落裏面は茶色であった。アナモルフが豊富に
見られた。
【0015】
【表3】
【0016】
【(2)形態的特徴】形態的特徴の観察は、コーン・ミ
ール寒天培地上での生育をもとに行った。分生子構造は
単立または群生で、直立し、隔壁を持つ。分生子柄は栄
養菌糸との区別が明瞭で、基部は無色、先端は暗オリー
ブ色となり、上部はしばしば細かな粗面であった。これ
らは長さ70μmまで、巾2.5−3.5μmで、先端
はわずかにふくらみ、5−9本のフィアライドを着生し
た。フィアライドは倒卵形、初期は無色で後に暗オリー
ブ色、滑面、長さ7.5−11.5μm、巾4.5−
5.5μmで、明瞭なカラーを持ち、分生子を形成し
た。分生子は1細胞、初期は無色で成熟すると暗オリー
ブ色味灰色、滑面または帯状***、だ円形で、6.5−
8.5×3.0−4.0μmで、フィアライド先端に分
生子塊を形成した。栄養菌糸は隔壁をもち、無色、滑
面、分枝する。菌糸細胞は円筒形で、巾1.0−4.5
μmである。
【0017】No.19392株は8−35℃で生育可
能で、最適生育温度は28−32℃である(ポテト・デ
キストロース寒天培地上で測定した)。
【0018】No.19392株はスタキボトリス属の
分類基準に従えば、スタキボトリス・チャルタルム(S
tachybotrys chartarum Hug
hes1958)と類似している。さらに、上記のN
o.19392株の特徴はジョング及びディビス(Jo
ng and Davis)の記載(参考文献(1))
と、コロニーの大きさと可溶性色素の生産を除いて一致
した。従って、この生産株をスタキボトリス・チャルタ
ルム・No.19392(Stachybotrys
chartarum No.19392)と命名した。
【0019】No.19392株は、通産省工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託されている(受託番号 F
ERM BP−3364,寄託日:1991年4月16
日)。
【0020】FR901459物質の生産は、単に説明
を目的として挙げただけの本明細書書記載の特定の微生
物の使用に限定されるものではないことを理解すべきで
ある。この発明は、記載の微生物からX線照射、紫外線
照射、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン、2−アミノプリン等の変異処理により取得できる
人工変異株並びに自然変異株を含めてFR901459
物質を生産しうる全ての変異株の使用をも包含するもの
である。
【0021】本発明に係るFR901459物質は、ス
タキボトリス属に属する該物質生産菌(例えばStac
hybotrys chartarum No.193
92)を資化しうる炭素及び窒素源を含む栄養培地中に
接種し、好気条件下で培養することにより(例えば、振
とう培養、通気撹拌培養等)、生産せしめることができ
る。
【0022】炭素源としては、グルコース、シュークロ
ース、澱粉、変性澱粉、フラクトース、グリセリンその
他の炭水化物を使用するのが好ましい。
【0023】窒素源としては、オートミール、イースト
エキストラクト、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、
綿実油粕、大豆粉、コーンスティープリカー、乾燥酵
母、小麦胚芽、落花生粉、チキン骨肉ミール等を使用す
るのが好ましいが、アンモニウム塩(例えば、硝酸アン
モニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)
尿素、アミノ酸等の無機及び有機の窒素化合物も有利に
使用することができる。
【0024】これらの炭素源及び窒素源は、併用するの
が有利であるが、純粋なものを必らずしも使用する必要
はない。不純なものには、生長因子や微量要素が含まれ
ている場合などもあり、有利な場合があるからである。
【0025】必要ある場合には、例えば次のような無機
塩類を培地に添加してもよい:炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ
ウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩等。
【0026】特に、培地が強く発泡するのであれば、必
要あるときに、液体パラフィン、動物油、植物油、鉱物
油、シリコン等を添加してもよい。
【0027】目的物質を大量に工業生産するには、他の
発酵生産物の場合と同様に、通気撹拌培養するのが好ま
しい。少量生産の場合は、フラスコを用いる振とう培養
が好適である。
【0028】また、培養を大きなタンクで行う場合、F
R901459物質の生産工程において菌の生育遅延を
防止するため、はじめに比較的少量の培地に生産菌を接
種培養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移して
そこで生産培養するのが好ましい。この場合、前培養に
使用する培地及び生産培養に使用する培地の組成は、両
者ともに同一であってもよいし必要あれば両者を変えて
もよい。
【0029】培養は通気撹拌条件で行うのが好ましく、
例えばプロペラやその他機械による撹拌、ファーメンタ
ーの回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹込み等既
知の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌したも
のを用いる。
【0030】培養温度は、本FR901459物質生産
菌が本物質を生産する範囲内で適宜変更しうるが、通常
は1〜40℃、好ましくは14〜36℃で培養するのが
よい。培養時間は、培養条件や培養量によっても異なる
が通常は約1日〜1週間である。
【0031】発酵終了後、培養物から目的とするFR9
01459物質を回収する。すなわち、菌体は、直接水
及び/又は有機溶媒による抽出、あるいは、これを機械
的に又は超音波等既知の手段を用いて破壊した後、水及
び/又は有機溶媒で抽出した後、常法にしたがって回
収、精製する。培養液の場合は、直接、常法にしたがっ
て回収、精製すればよい。
【0032】回収、精製方法としては、例えば、水、有
機溶媒、これらの混合溶媒による溶媒抽出;クロマトグ
ラフィー;単一溶媒又は混合溶媒からの再結晶等常法が
適宜単独であるいは組合わせて使用できる。
【0033】FR901459物質の回収、精製は上記
のように既知の方法を適宜利用して行うが、例えば次の
ようにしてもよい。まず、培養物のアセトン抽出液を、
酢酸エチル、ヘキサン、またはこれらの混合溶媒で抽出
し、抽出液を蒸発又は蒸留して濃縮する。濃縮残渣をク
ロマトグラフィ又は再結晶処理して、必要あれば更に凍
結乾燥してもよい。
【0034】本発明に係る薬剤組成物は、FR9014
59物質及び/又はその塩を有効成分としてこれに常用
される無機又は有機の担体を加えて、固体、半固体又は
液体の形で、経口投与剤のほか、外用剤等の非経口投与
剤に製剤化する。
【0035】経口投与のための製剤としては、錠剤、丸
剤、顆粒剤、軟・硬カプセル剤、散剤、細粒剤、粉剤、
乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤、エリキシル
剤等が挙げられる。非経口投与のための製剤としては、
注射剤、点滴剤、輸液、軟膏、ローション、トニック、
スプレー、懸濁剤、油剤、乳剤、坐剤等が挙げられる。
本発明の有効成分を製剤化するには、常法にしたがえば
よく、界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、
安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張剤その他常用される佐薬
を適宜使用する。
【0036】本発明に係る薬剤組成物の投与量は、その
種類、治療ないし予防対象疾病の種類、投与方法、患者
の年令、患者の症状、処理時間等によって相違するが、
静脈投与の場合は成人ひとり当り1日に有効成分(FR
901459物質)を0.01〜1000mg/kg、
好ましくは0.1〜100mg/kg投与し、筋肉投与
の場合は同じく0.01〜1000mg/kg、好まし
くは0.1〜100mg/kg投与し、経口投与の場合
も同じく0.5〜2000mg/kg、好ましくは1〜
1000mg/kgの範囲内で投与する。
【0037】以下、本発明を実施例について更に詳しく
説明する。
【0038】
【実施例1】
【0039】
【(1)FR901459物質の発酵生産】シュークロ
ース4%、綿実油粕2%、乾燥酵母1%、ペプトン1
%、KH2PO4 0.2%、CaCO3 0.2%、ツ
ィーン(Tween)80 0.1%、アデカノール
(Adekanol)LG−109(旭電化製)0.2
5%からなる前培養培地を500ml容エルレンマイヤ
ーフラスコ10本にそれぞれ120mlずつ分注し、1
25℃で30分間滅菌した。この各々の培地に、NO.
19392株(Stachybotrys chart
arum No.19392株(FERM BP−33
64))の斜面培養物を1白金耳ずつ接種し、25℃で
3日間の振とう培養した。
【0040】次に、変性澱粉(Modified st
arch、MS 3600(日本食品加工製))6%、
小麦胚芽2%、コーンスチープリカー2%、大豆粉2
%、(NH42SO4 1%、NaNO3 0.2%、C
aCO3 0.2%、アデカノール(Adekano
l)LG−109 0.025%、シリコン(Sili
cone)KM70 0.025%からなる培地のpH
を6.1に調整し、本培養培地を調製しておき、この本
培養培地150lを200l容ジャーファーメンターに
注入した。これを125℃で30分間滅菌した後、先に
得た前培養物を全量接種し、25℃で4日間培養した。
攪拌は200rpm、通気量は100l/minで行っ
た。
【0041】培養物中のFR901459物質の量は、
HPLC〔カラム:YMC AM−303(S−5、1
20A、4.6mmID×250mm) YMC C
o.,LTD(Kyoto,Japan); 溶媒:9
0%メタノール、2.5mMKH2PO4緩衝液、pH
7.0; 検出:UV 210nm; 流速1ml/m
in〕で定量した。検定サンプルは、全ブロスに等量の
アセトンを添加し、濾過した後、適量まで濃縮したもの
を用いた。
【0042】
【(2)FR901459物質の抽出、精製】下記表4
のフローにしたがって、FR901459物質の抽出及
び精製を行った。
【0043】
【表4】
【0044】上記によって得た発酵ブロス50lを6N
NaOHでpH8.9に調整し、これに等量のアセト
ン(40l)を添加して十分に攪拌した。これを一昼
夜、室温で放置後、ラジオライト(西和化学工業社製)
2Kgを加えて、フィルタープレスで濾過した。得られ
た濾液(80l)をDIAION HP−20(三菱化
成製)5lのカラムに付し(SV=5)、50%アセト
ン水15lで洗浄後、90%アセトン水15lで溶出し
た。この溶出区に脱イオン水5lを加えて希釈した。こ
れを、50%アセトン水で充てんした4lの活性炭(和
光純薬工業製)カラムに付し、50%アセトン水20
l、脱イオン水20lで洗浄後、40lの酢酸エチルで
溶出した。溶出区を減圧下で濃縮し、硫酸ナトリウムで
脱水後、乾固した。残渣をヘキサンとアセトンの混液
(11:2)1.2lに溶解し、ヘキサンとアセトンの
混液(5:1)で充填したシリカゲルカラム1.4lに
付した。ヘキサン:アセトン=3:1、4.5lで展開
後、ヘキサン:アセトン=2:1、10lで溶出した。
活性区を濃縮乾固し、酢酸エチルに溶解後ヘキサンを添
加し、粉末化を行なった。その結果、目的物質の白色粉
末34gを取得した。
【0045】
【(3)FR901459物質の物理化学的性質】この
ようにして得られたFR901459物質の物理化学的
性質は、表2に示したとおりである。なお、アミノ酸分
析は次のようにして行った。まず、FR901459物
質1mgを、6N HCl(1ml)を用いて封管中1
10℃で20時間加水分解した。加水分解終了後、反応
混合物を蒸発乾固し、これをアミノ酸分析器(Hita
chi 835 Automatic Amino−A
cid Analyzer)により分析した。その結果
は、Thr(1)、Sar(1)、Ala(2)、Le
u(2)であった。そしてその化学構造は化1であるこ
とが判明した。
【0046】
【実施例2:試験管内混合リンパ球反応(MLR)にお
けるFR901459物質の抑制効果】各ウェルにC5
7BL/6応答細胞(H−2b)5×105個と、マイト
マイシンC処理(マイトマシシンC258μg/mlで
37℃で30分間処理しRPMI1640培地で3回洗
浄する)したBALB/C刺激細胞(H−2d)5×1
5個を0.2mlの10%牛胎仔血清加PRMI16
40培地〔炭酸水素ナトリウム2mM、ペニシリン(5
0単位/ml)およびストレプトマイシン(50μg/
ml)を添加〕に加えたマイクロタイタープレート中で
MLR試験を行う。湿度100%、二酸化炭素5%、空
気95%に保った培養器内で、37℃で、68時間、細
胞を培養し、4時間3H−チミジン(0.5μCi)で
パルスして、細胞を集める。この発明の目的化合物をエ
タノールに溶解し、RPMI1640培地に希釈し、培
養物に添加し最終濃度を0.1μg/ml以下になるよ
うにする。
【0047】結果を下記の表5に示す。この発明のFR
901459物質は、マウスMLRを抑制することが実
施された。
【0048】
【表5】
【0049】
【実施例3:ラットにおける同種皮膚移植
片生存に対するFR901459物質 【実施例3:ラットにおける同種皮膚移植片生存に対す
るFR901459物質の効果】ドナー(フィッシャ
ー)ラットの腹部皮膚移植片をレシピエント(WKA)
ラットの外側胸部に移植する。5日目に包帯を除去す
る。移植片上皮の90%以上が壊死する拒絶反応がある
まで、移植片を毎日検査する。
【0050】FR901459物質をオリーブ油に溶解
し、移植日より毎日14日間連続筋肉内投与する。
【0051】下記の表6に示すように、オリーブ油を1
4日間連続筋肉内投与したラットにおいて、皮膚同種移
植片は8日以内にすベて拒絶されるが、FR90145
9物質で毎日処置したものは、皮膚同種移植片生存が明
らかに延長した。
【0052】
【表6】
【0053】以上の結果から、FR901459物質は
免疫抑制作用を有することが判明し、FR901459
物質は、例えば移植に伴う拒絶反応の抑制および自己免
疫疾患の予防治療等に有用であることがわかった。
【0054】なおddyマウスにおける腹腔内投与によ
るFR901459物質の急性毒性に関する試験を行な
ったところ、投与量100mg/kgで死亡は観察され
ず、安全性の高いことが確認された。
【0055】
【実施例4:注射剤の製造】 (1)実施例1で製造した物質 5g (2)食 塩 9g (3)クロロブタノール 5g (4)炭酸水素ナトリウム 1g
【0056】(1)〜(4)の全成分を蒸留水100m
lに溶解した後、アンプルに1mlずつ分注して、注射
剤1000本を製造した。
【0057】
【発明の効果】本発明はFR901459物質を提供す
るものであるが、この物質は従来未知の新規薬理活性物
質であって、すぐれた免疫抑制作用を示し、医薬、例え
ば臓器移植等に伴う拒絶反応の抑制剤、自己免疫疾患等
の予防及び/又は治療剤として、非常に有用である。
【0058】また、本発明に係る有効成分の構造も明ら
かにされたので、微生物による工業的製造のほかに有機
合成による製造も可能となり、その結果各種の誘導体の
製造も可能となるので、新規化合物の製造及び新規用途
の開発もおおいに期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FR901459物質の13C核磁気共鳴スペ
クトルを示す図面である。
【図2】FR901459物質の1H核磁気共鳴スペク
トルを示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645) (72)発明者 高 瀬 茂 弘 茨城県石岡市総社 1−12−10 (72)発明者 山 下 道 雄 茨城県つくば市並木 3−11−11 (72)発明者 奥 原 正 国 茨城県つくば市梅園 2−14−10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記表1に示される物性を有することを
    特徴とするFR901459物質。 【表1】
  2. 【請求項2】 スタキボトリス(Stachybotr
    ys)属に属するFR901459物質生産菌を培養し
    てFR901459物質を生成せしめ、これを採取する
    ことを特徴とするFR901459物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 FR901459物質を有効成分とする
    免疫抑制剤。
JP4125445A 1991-04-23 1992-04-20 Fr901459物質、その製法及び用途 Pending JPH05271267A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008520543A (ja) * 2004-11-22 2008-06-19 アステラス製薬株式会社 新規環状ペプチド化合物
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