JPH05264055A - 空気調和機のファンモータ固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファンモータ９やファン１４の振動がある程
度存在していても、筺体へ振動を伝えることを防ぐとと
もに、軸流ファン１４の首振りを防ぎファン外周部への
当たりによる破損、変形を防止する。 【構成】 モータ支持板１０に、板バネ２１を適宜配設
し、板バネ特性による振動方向を一方向又は複数方向に
限定、あるいは特定方向のみ規制し、この板バネ２１に
ファンモータ９、さらにそのシャフト１３へ軸流ファン
１４を取り付けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、空気調和機のファン
モータ固定装置に係るもので、特にその防振構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】図６，７は例えば実開平３−６２４０号
公報に示された従来のファンモータ固定装置であり、図
８には、そのモータ取付部詳細を示す。この従来例は、
空気調和機の室外ユニットのファンモータ固定装置を示
す。図において、熱交換器２頂部には上面２ａ、背面２
ｂ、前面２ｃと嵌合する上部コ字状リブ３を形成したモ
ータサポート４を配し、熱交換器２下部には背面２ｂと
嵌合するためのベース凸部５と、熱交換器２下部の前面
２ｃと嵌合するモータサポート４の案内板６の舌部７を
設けている。

【０００３】ファンモータ９は、モータ支持板１０にフ
ァンモータ９のフランジ１１を密接するようモータ固定
ネジ１２で固定している。さらにファンモータ９のシャ
フト１３の先端部には軸流ファン１４を取り付けファン
固定ネジ１５で固定している。

【０００４】次に動作について説明する。ファン及びフ
ァンモータの固定装置の組み立てに際しては、ベース１
に一体にスポット溶接されたモータサポート案内部６の
舌部７とベース凸部５の間に熱交換器２下部を押し込
む。次にモータサポート下部側面４ａを案内板６の左右
フランジ８内側へ収めるよう上から押し下げながらモー
タサポート上部コ字状リブ３を熱交換器上部２ａにはめ
込んでモータサポート下面を案内板６に押し下げる。そ
の後上からネジ１６によりモータサポート４を案内板６
に取り付ける。

【０００５】固定されたモータサポート４のファンモー
タ挿入穴１７へファンモータ９の反シャフト側胴部１８
をファンモータフランジ部１１がモータサポート４のモ
ータ支持板１０に接するまで挿入し、ファンモータフラ
ンジ部１１と、モータ支持板１０をネジ１２で固定す
る。

【０００６】軸流ファン１４は、ファンモータ９のシャ
フト１３先端部でＤカット部により回転方向にモータと
同期せしめ、さらにシャフト１３より抜けることを防ぐ
ためシャフト先端のファン固定ネジ１５により、モータ
シャフトへ固定している。

【０００７】また、軸流ファン１４送風運転時には、電
源からのモータ動力は、ファンモータ９のシャフト１３
を伝達し、軸流ファン１４を駆動する。軸流ファン１４
の回転により発生した風は、室外ユニット前面より吹き
出されると共に、吸込側では熱交換器２を通過する風を
発生させて空調サイクルに必要な熱交換を行う。

【０００８】一方、ファンモータ９の運転に伴う電磁加
振力等による振動及び軸流ファン１４のふれ回り等によ
る振動は、モータフランジ部１１からモータ支持板１０
を介してモータサポート４に伝達し熱交換器２やベース
１を振動させビビリや騒音振動の原因となる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来のファンモータ固
定構造は以上のように構成されているので、ファンモー
タ９より伝達される振動が大きい場合や、モータサポー
ト４との共振が発生する場合には、振動、騒音の原因と
なる。また近年空力に係るファン騒音や機械室より発生
伝達する振動騒音が著しく低減化されておりファンモー
タ系のさらなる防振も望まれている。さらに、ファンモ
ータ９の速度制御を目的とした電源正弦波の操作や、効
率改善を目的とした直流モータの導入により、トルクリ
ップルが原因となり、ユニットへの振動伝達量が増大す
るためファンモータ９からモータサポート４を介して伝
達する振動伝達力を低減する必要がある。また、ゴム材
使用の場合には、振動方向を特定できないことや、バネ
定数を任意に設定できないという問題点があった。

【００１０】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ファンモータより伝達する加振
力が、モータサポートを介してユニット本体に伝達する
ことを防ぐとともに、垂直に保持されたモータ支持板
に、ファンモータのシャフトを水平に取り付ける場合に
おいても、ファンモータのシャフトを水平に維持し、衝
撃荷重等が発生しても、シャフトに取り付けられた軸流
ファンが外周部に接触し、破損変形することを防ぐファ
ンモータ固定装置を得ることを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明に係る空気調和
機のファンモータ固定装置は、本体に固定され、ファン
モータ支持部を有するモータサポートと、前記ファンモ
ータ支持部とファンモータの間に設けられ、前記ファン
モータの軸方向又は軸方向及び回転方向に振動可能なば
ね部材とを備えたものである。

【００１２】

【作用】この発明に係る空気調和機のファンモータ固定
装置は、ファンモータやファンの振動の本体への伝達を
防止すると共に、ファンの首振りを防止する。

【００１３】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図１において、１９はモータ支持板１０に設けら
れた切り欠きで、ばね振動部２３及び固定ネジ１２に相
対した位置でファンモータ挿入穴１７と一体に明けられ
ている。２０は円ボスでモータ支持板１０の適宜位置に
配設されている。２１は三日月状板バネで左右にそれぞ
れ配してあり、位置決め穴２２とモータ支持板１０の円
ボス２０とがはめ合わさり三日月状バネ２１の位置を設
定する。三日月状板バネ２１はスポット溶接でモータ支
持板１０へ固定する。バネ振動部２３は、モータ支持板
１０の切り欠き部１９の正面に配置する。また絞り部２
４は、ファンモータ挿入穴１７の周囲の位置決め穴２２
とスポット溶接部以外の所に設ける。ファンモータ９は
三日月状板バネ２１へ、ネジ１２により固定される。軸
流ファン１４は従来例と同様に固定される。

【００１４】前記のように構成されたファンモータ固定
装置において、バネ振動部２３は切り欠き部１９に相対
しているため、ファンモータフランジ１１を介して伝達
するファンモータ９及び軸流ファン１４の振動は、バネ
振動部２３を自由に振動させる。このとき、絞り部２４
は形状に拘束され振動することができない。また、この
絞り部２４により、バネ振動部２３もファンモータ９の
シャフト方向の振動以外は規制される。このためファン
モータ９及び軸流ファン１４へ、シャフト１３に直交す
る方向の荷重が掛かった場合にも、三日月状板バネ２１
のバネ性により軸流ファン１４が大きく首振りすること
はない。

【００１５】実施例２．また、シャフト方向振動のバネ
定数を柔らかくした時には、衝撃荷重による過大変位を
防止するための邪魔板を設けてよい。

【００１６】実施例３．なお、空気調和機の室外ユニッ
トに限らず室内ユニットでも良い。

【００１７】実施例４．またファンモータに軸流ファン
を装着する例を示したが、他のファン形態であっても良
い。

【００１８】実施例５．図２は、モータ支持板１０に板
バネを取付け振動方向を限定する場合の実施例２を示
す。２５は台形状板バネで、ファンモータ挿入穴１７の
周囲で非振動方向がシャフト方向に直交する向きに配設
され、モータ固定ネジ１２へ対向した位置へ設けられて
いる。図３に台形状板バネの詳細形状を示す。２６ａ及
び２６ｂは脚であり、モータ支持板１０へスポット溶接
にて取り付けられる。ファンモータフランジ１１を介し
て台形状板バネ２５は組立状態においてシャフト方向振
動及び回転方向振動が可能である。シャフト方向振動の
際、主に天井板部２７が変形しバネ性状を示す。また円
周方向振動の際は、主にコーナー部２８ａ〜２８ｄが角
度変形を起こしバネ性状を示す。２９は固定穴であり、
ファンモータフランジ１１をモータ固定ネジ１２で固定
する部分である。

【００１９】実施例６．図４は、図２に示した板バネに
よるモータ固定構造で、他の板バネ形状の実施例を示
す。３０はコーナー部絞り加工型台形状板バネである。
２６〜２９は、図３と同一である。３１ａ〜３１ｄはコ
ーナー部絞りである。このように構成された板バネ３０
へファンモータ９を固定し振動を伝達させる場合には２
８ａ〜２８ｄのコーナー部は３１ａ〜３１ｄのコーナー
部絞りに動き阻害され、角度変形におけるバネ定数が硬
くなり、シャフト方向振動は図３に示す例とほぼ同様の
まま、円周方向振動についてはバネ定数を硬くできる。

【００２０】実施例７．図５に示す例は、図２に示した
板バネによるモータ固定構造で、さらに他の板バネ形状
の実施例を示す。３２は、片持ち台形状板バネである。
脚は２６ａの１ケ所のみで天井板２７は、コーナー部２
８ａを支点とした自由端となっている。この実施例の場
合、天井２７の一端が自由端で構成されているのでファ
ンモータを固定した時のシャフト方向振動は、バネ定数
を柔らかく取ることができる。また円周方向振動も２８
ａ〜２８ｂのコーナー部においてバネ定数を柔らかくと
ることができる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、本体
に固定され、ファンモータ支持部を有するモータサポー
トと、前記ファンモータ支持部とファンモータの間に設
けられ、前記ファンモータの軸方向又は軸方向及び回転
方向に振動可能なばね部材とを備えた構成にしたので、
ファンモータやファンの振動の本体への伝達を防止する
と共に、ファンの首振りを防止する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１による空気調和機のファン
モータ固定装置を示す分解斜視図である。

【図２】この発明の実施例５による空気調和機のファン
モータ固定装置を示す分解斜視図である。

【図３】この発明の実施例５による空気調和機のファン
モータ固定装置のモータ取付部材の斜視図である。

【図４】この発明の実施例６による空気調和機のファン
モータ固定装置のモータ取付部材の斜視図である。

【図５】この発明の実施例７による空気調和機のファン
モータ固定装置のモータ取付部材の斜視図である。

【図６】従来の空気調和機のファンモータ固定装置を示
す分解斜視図である。

【図７】従来の空気調和機のファンモータ固定装置を示
す横断面図である。

【図８】従来のファンモータ固定装置のモータ取付部詳
細を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ベース ４ モータサポート ９ ファンモータ ２１ 三日月状板バネ ２５ 台形状板バネ ３０ コーナー部絞り加工型台形状板バネ ３２ 片持ち台形状板バネ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体に固定され、ファンモータ支持部を
   有するモータサポートと、前記ファンモータ支持部とフ
   ァンモータの間に設けられ、前記ファンモータの軸方向
   又は軸方向及び回転方向に振動可能なばね部材とを備え
   たことを特徴とする空気調和機のファンモータ固定装
   置。