JPH0526243Y2 - - Google Patents

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JPH0526243Y2
JPH0526243Y2 JP1638488U JP1638488U JPH0526243Y2 JP H0526243 Y2 JPH0526243 Y2 JP H0526243Y2 JP 1638488 U JP1638488 U JP 1638488U JP 1638488 U JP1638488 U JP 1638488U JP H0526243 Y2 JPH0526243 Y2 JP H0526243Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、密封型ラツシユアジヤスタに関す
る。
(従来の技術) 吸排気弁を有する一般の内燃機関においては、
作動時の熱によるシリンダヘツドの膨脹と動弁系
要素の膨脹との差を考慮して、吸排気弁の適切な
シールを行うため、所定のバルブクリアランスが
あらかじめ設定してある。
ところが、長時間の使用により動弁系要素各部
の摩滅等が生じ、初期設定したバルブクリアラン
スが大きくなることがある。バルブクリアランス
の増大は内燃機関の性能を低下させ騒音を増大さ
せ、場合によつては有害な排気ガスの濃度をも増
大しかねない。従つて、上記不具合を防止するた
めに、バルブクリアランスの点検調整という時間
のかかる作業が定期的に必要とされていた。
この内燃機関における、所定のバルブクリアラ
ンスにするための点検調整の煩雑さという問題を
根本的に解決したのが、ラツシユアジヤスタであ
る。ラツシユアジヤスタは自動的にバルブクリア
ランスを適正な、通常は略零とするものである。
ラツシユアジヤスタを使用する動弁系には様々
の形式が存在するが、例えば、第10図に示すよ
うな形式の動弁系におけるラツシユアジヤスタの
一般的な作用について、エンドピボツト型の密封
型ラツシユアジヤスタを例にとり説明する。
第10図は一般的なOHC形式の内燃機関のシ
リンダヘツドの一部を切断して得られた図であ
る。
第10図において、ラツシユアジヤスタ10が
シリンダヘツド1001内の所定位置に配置され
ている。ラツシユアジヤスタ10の頭部にはスイ
ングアーム1003の一端が当接しており、内燃
機関稼働時にはスイングアーム1003はラツシ
ユアジヤスタ10の頭部を支点として揺動するこ
とになる。
スイングアーム1003の他端の下面には吸排
気弁1002の上端が当接しており、この吸排気
弁1002はバネ1004で上方へ、すなわち吸
排気弁1002を閉じる方向へ付勢されている。
カム1005はカム軸1004に固定されてお
り、カム軸1004の回転にともなつてカム10
05が回転する。スイングアーム1003はカム
1005との間で両者が接触する接触面1007
を有している。
ラツシユアジヤスタ10は後述する構成を有し
ているため、伸びる方向には自ら素早く伸長し、
縮む方向には強い外力が加わつても若干しか縮小
しない。
第10図において、スイングアーム1003は
ラツシユアジヤスタ10とバルブ1002とによ
つて、カム1005に向かつて押圧されており、
従つて、各接触面間のクリアランスは零となつて
いる。
この第10図の状態からエンジンが始動される
と、カム1005は回動して、カム1005のベ
ース円1010からカムノーズ1006まで接触
面に対して移動する。カムノーズ1006はスイ
ングアーム1003の接触面1007を押圧する
が、ラツシユアジヤスタ10は上述したように外
力が加わつても縮小しないので、スイングアーム
1003はラツシユアジヤスタ10の頭部を支点
として回動する。回動したスイングアーム100
3の他端がバルブ1002を押し下げて、バルブ
の開弁動作を行う。更に、カム1005が回動し
第10図の位置にカムノーズ1006が戻ると、
スイングアーム1003はバルブ1002を介し
て、バネ1004の付勢力によりカム1005に
向かつて押圧されているので、スイングアーム1
003の他端はカムノーズ1006の移動ととも
に上方に移動し、これによりバルブの閉弁動作を
行うことになる。
そしてラツシユアジヤスタ10は、動弁系各部
の熱膨張や摩耗による各部の変化を吸収し、これ
により、スイングアーム1003の接触面100
7とカム1005との間の間隙は零となり、異音
等の不具合を防止することができる。
密封型ラツシユアジヤスタについて簡単に説明
する。密封型ラツシユアジヤスタは、シリコン油
やエンジンオイル等の封入油を内部に封入してお
り、また、互いに隔壁によつて隔置された封入油
のリザーバ室と高圧室とを有している。封入油は
リザーバ室から高圧室に向かつては移動自在であ
り、その場合、高圧室が拡張してラツシユアジヤ
スタは自身を伸長させる。しかし、封入油が高圧
室からリザーバ室に向かつて逆に移動することを
妨害する一方向移動防止機構を有しているので、
ラツシユアジヤスタは外力が加わつても急激に縮
小することはない。こうして上記のような伸長自
在だが縮小は抑止されるという、密封型ラツシユ
アジヤスタの機能が達成されることになる。
上述したように高圧室は、封入油が侵入してく
るのに伴つて容積が拡脹する。従つて、従来の密
封型ラツシユアジヤスタにおいては、高圧室の容
積変化分に相当するだけの、リザーバ室内油量変
化を吸収するゴム製の容積可変チヤンバを別に設
けて、封入油を内蔵し、ラツシユアジヤスタの伸
縮に伴う封入油の移動に対処していた。
(解決しようとする課題) しかしながら、このようなゴム製の容積可変チ
ヤンバはゴム製であるがため、耐油性に劣つてお
り、封入油であるエンジンオイルの洩れを招来す
る。また、ラツシユアジヤスタの作動に伴う熱や
機械的運動(例えば屈曲運動)等にも弱く破れや
すい。更に、容積可変チヤンバのゴム部を金属部
(ボデイ等)に、かしめや圧着などの方法で取り
付けなければならないが、その際、取り付け部分
の密封性に不安が残る。以上のような封入油の洩
れに関する問題点は、容積可変チヤンバがゴム製
であるということに起因している。
従つて、本考案はよる封入油の洩れを根本的に
解消した、信頼性及び耐久性を有する密封型ラツ
シユアジヤスタを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本考案による密封型ラツシユアジヤスタは、開
端部と閉端部とを有する円管状となつている本体
と、該本体に収容され、該本体の軸線方向に摺動
移動可能な移動部材と、該本体と該移動部材との
間に画成された空間を二分する流体高圧室及び流
体リザーバ室と、該流体高圧室及び該流体リザー
バ室に充填された流体と、該流体高圧室と該流体
リザーバ室との間に設けられた流体一方向移動防
止手段と、該流体リザーバ室内の流体を密封する
ように該流体リザーバ室が外気に対して開放する
部分に設けられた密封手段とから成つていて、 該密封手段が磁石から成つていて、該流体が磁
性流体から成つているか、該密封手段が磁石と磁
性流体から成つている構成としたのである。
(作用) 該密封手段が磁石から成つていて、該流体が磁
性流体から成つているか、該密封手段が磁石と磁
性流体から成つているので、該密封手段近傍にお
いて、磁石の画成する磁界により該流体の粘度が
著しく上昇し、その作用により流体の密封を高い
信頼性の下に行うことができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳
細に説明する。
第1図は、本考案の第1実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ100の軸線方向断面図であ
る。ラツシユアジヤスタ100は、内部に略円筒
状の内室、すなわち空間を有する略円筒状のカツ
プ形本体1を備えている。本体1の内部空間の底
部近傍には軸線方向断面が略H形で、内部空間を
2つの室に分割する円筒状のプランジヤ本体3が
本体1内に軸線方向に摺動自在に嵌合されてい
る。
プランジヤ本体3の軸線方向上方には、各々円
筒状の大径部分2aと小径部分2bとからなるプ
ランジヤキヤツプ2が大径部分2aで本体1の内
周面に摺動自在に嵌合している。プランジヤキヤ
ツプ2の大径部分2aの下端はプランジヤ本体3
の上端に当接しており、略一体状態で軸線方向に
摺動移動する。なお、該プランジヤ本体3と該プ
ランジヤキヤツプ2とでプランジヤ23を形成し
ている。プランジヤ23は一体でもかまわない。
本体1の上部開放端部にはキヤツプリテナ9が形
成されていて、ラツシユアジヤスタ100の組み
付け時にプランジヤ本体3及びプランジヤキヤツ
プ2が本体1から脱落しないように保持してい
る。
プランジヤ本体3は円筒部分3bと、それと一
体になつた内部の隔壁3aとからなり、隔壁3a
によつて、本体1内の空間を2つの室に分割して
いる。隔壁3aと本体1の底部に設けられた凹部
との間には高圧室Bが、また隔壁3aとプランジ
ヤキヤツプ2の大径部分2aとの間には、高圧室
Bへ導入するための磁性流体Aが貯蔵されたリザ
ーバ室Cが各々画成されている。磁性流体Aは、
高圧室Bからプランジヤキヤツプ2の大径部分2
aまで満たされており、また、プランジヤキヤツ
プ2の小径部分2b内の空間Dは、空気によつて
満たされている。
プランジヤ本体3の隔壁3aの中央には貫通口
3cが設けられており、高圧室B内へリザーバ室
Cから磁性流体が流入できるようになつている。
高圧室B内には、貫通口3cに着座するチエツク
バルブボール4が、チエツクバルブリテナ5上に
保持されたチエツクバルブスプリング6によつ
て、上方にすなわち貫通口3cに着座する方向に
付勢されている。また、チエツクバルブリテナ5
は、プランジヤ本体3を上方へ付勢するプランジ
ヤスプリング7により支持されて、隔壁3aの周
縁部に当接している。
プランジヤキヤツプ2の大径部分2aには、半
径方向に周壁を貫通する連通口2cが設けられて
いる。該連通口2cに対向して、本体1の内周に
は内周方向に溝1cが設けられている。更に、本
体1の溝1cの上方には、溝1cに類似した形状
のシール溝1bが、大径部分2aによつてシール
溝1bの開口部を塞がれるような位置に設けられ
ている。シール溝1b内には該シール溝1bの形
状にほぼ等しい環状の磁石8が設けられている。
磁石8は、この実施例においてはS極を内側とし
ているが、N極を内側としても良い。また、S極
N極がラツシユアジヤスタ100の軸線方向に延
在していても良い。
次に第1図を参照して本実施例の動作を説明す
る。第1図に示す状態において、ラツシユアジヤ
スタ100の頭部と図示しないスイングアームと
の間に間隙が生じたとすると、チエツクバルブス
プリング7の付勢力によりプランジヤ23は、本
体1に対して離隔する方向すなわち上方に移動さ
せられる。それにより、高圧室Bが拡張し、従つ
て、リザーバ室Cの磁性流体Aはプランジヤ本体
3の貫通口3cとチエツクバルブボール4とのあ
いだを通過して、高圧室Bに侵入する。リザーバ
室の磁性流体Aは、一部が高圧室Bに侵入したた
めその容量が減少することになるが、減少する分
はプランジヤキヤツプ2の小径部分2bに蓄えら
れていた空気が膨脹することによつて賄われる。
従つて、ラツシユアジヤスタ100の内部が閉鎖
空間であつても、ラツシユアジヤスタ100の伸
長が妨げられることはない。
ラツシユアジヤスタ100の頭部に、図示しな
いカム軸の回転による過大な押圧力が発生する
と、プランジヤ23は下方に押圧される。しか
し、チエツクバルブボール4が貫通口3cに隙間
無く当接しており、従つて、高圧室B内の磁性流
体Aは貫通口3cを介してリザーバ室Cに移動で
きない。そのため、ラツシユアジヤスタ100は
縮小することがない。
ところで、ラツシユアジヤスタ100の作動時
には、高圧室Bが高圧となるため、わずかではあ
るが高圧室Bから磁性流体Aが、本体1の内壁と
プランジヤ23の外壁とのわずかな隙間を伝わつ
て、上方にしみ出てゆく。この磁性流体Aは溝1
c内に侵入し、更に連通口2cを介してリザーバ
室Cに戻ることになる。高圧室Bからしみ出た分
だけ磁性流体Aは、リザーバ室Cから貫通口3c
を介して、即座に補給される。
溝1cの上方にも本体1とプランジヤ23との
間に隙間があるため、磁性流体Aは溝1cを通過
して、さらに上方に向かつて移動し、磁石8に達
する。ところが、磁性流体は磁界中においては非
常に高粘度となる性質を有するため、磁石8の磁
界により、磁性流体Aはその近傍で高粘度とな
る。従つて、磁石8より上方へは移動できなくな
り、これにより密封機能が達成されることにな
る。
なお、本体1に配置した磁石8は、それに対向
するプランジヤキヤツプ2の外周面に配置しても
良い。
第2図は、本考案の第2実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ200の一部を示す軸線方向断
面図である。第1実施例に対し、第2実施例は高
圧室周辺の構成が同一であるため、ラツシユアジ
ヤスタ下部の図示を省略した。更に、同一部品に
関しては、同一符号を付している。
第2図の構成において、第1実施例と異なるの
はプランジヤキヤツプ2の小径部分2bの先端に
開口202dが設けられ、更に小径部分2bの内
側において、開口202dを取り巻いて磁石20
9が設けられている点である。
上述の構成により、ラツシユアジヤスタ200
においては、小径部分2b内の空間Dは外気と連
通しており、開口202dを介して外気は出入り
自在である。従つて、第1実施例では必要であつ
た内部空気が不要となり、リザーバ室C内の磁性
流体Aの容量に関係なく、ラツシユアジヤスタ2
00は伸長可能となる。しかしながら、リザーバ
室C内の磁性流体Aは、振動等によつて開口20
2dに向かつてはねかけられるような状態にあつ
ても、磁石209が上述した密封機能を有するの
で、開口202dが外方に洩れることはない。
第3図は、本考案の第3実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ300の一部を示す軸線方向断
面図である。第1実施例に対し、第3実施例も高
圧室周辺の構成が同一であるため、ラツシユアジ
ヤスタ下部の図示を省略した。更に、同一部品に
関しては、同一符号を付している。
第3図の構成において、第1実施例と異なる点
はプランジヤキヤツプ2の大径部分2aと小径部
分2bとの連結部の外周に第2のシール溝302
eを設け、更に、該第2のシール溝302e内に
リツプ付シール体310を設けている点である。
第3の実施例のリツプ付シール体310の機能
は、プランジヤキヤツプ2と本体1とが摺動する
時に、本体1の内周面等に付着した磁性流体Aが
外に洩れ出ようするのを阻止することである。プ
ランジヤキヤツプ2と本体1との摺動時には、磁
石8によつて磁性流体Aの移動は抑止されるもの
の、壁面に付着した磁性流体Aを下方に移動させ
ることはできない。そのため、磁石8の近傍の壁
面に付着した磁性流体Aは、毛管現象や振動等に
よつて外方に洩れ出ようとする。第3実施例のラ
ツシユアジヤスタ300は、この磁性流体Aを上
記のリツプ付シール体310で捕捉し、それ以上
の外方への移動を阻止する機能を有している。リ
ツプ付シール体310は、従来から使用されてい
るタイプでよく、特に詳細は記載しない。
なお、リツプ付シール体310は加圧流体に対
しては密封機能を維持できないため、磁性流体A
の液面は、リツプ付シール体310より下方とな
つている。
第4図は、本考案の第4実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ400の一部を示す軸線方向断
面図である。第3実施例に対し、第4実施例も高
圧室周辺の構成が同一であるため、ラツシユアジ
ヤスタ下部の図示を省略した。更に、同一部品に
関しては、同一符号を付している。
第4図の構成において、第3実施例と異なる点
はプランジヤキヤツプ2の小径部分2bの先端に
開口402dが設けられ、更に、小径部分2b内
にスプリング412及び分離プレート411が設
けられている点である。
第4図において、スプリング412の上端は小
径部分2bの上方端の下面402gに当接し、更
に、スプリング412の下端は分離プレート41
1の上面に当接している。分離プレート411
は、小径部分2bの内周部402fよりわずかに
小さい外径を有する円盤状の磁石から構成されて
いる。分離プレート411の下面は磁性流体Aに
接触している。
上述したように分離プレート411は磁石であ
るので、スプリング412の付勢によつて分離プ
レート411が磁性流体Aを押圧しても、分離プ
レート411の外周部と小径部分2bの内周部4
02fとの隙間を、磁性流体Aは通過することが
できない。また、小径部分2bの先端の開口40
2dによつて、外気はスプリング412及び分離
プレート411とで画成される空間Dに出入り自
在である。従つて、第1実施例の説明で述べた、
高圧室の拡張に伴うリザーブ室C内の磁性流体A
の容量減少に対し、空間Dの容量を可変として、
ラツシユアジヤスタ400の確実な作動を可能と
している。
なお、第4実施例においても3実施例と同じよ
うに、磁性流体Aの液面の位置は、リツプ付シー
ル体310の下方であることが望ましい。
第5図は、本考案の第5実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ500の一部を示す軸線方向断
面図である。今まで述べてきた本考案の実施例に
対し、第5実施例は従来の密封型ラツシユアジヤ
スタそのものに本考案を適用した点が異なつてい
る。しかしながら、今までの実施例に対し、第5
実施例も高圧室周辺の構成に関しては同一である
ため、ラツシユアジヤスタ下部の図示を省略し
た。
第5図の構成において、円筒状の本体501の
内部に摺動自在にプランジヤ502が設けられて
いる。プランジヤ502は中空の大径部分502
bと、本体501の上端501dより上方に長く
伸びた、中実の頭部502aとから成つている。
更に頭部502aは中間部に円盤部502hを設
けている。該本体501の上端501dから円盤
部502hにかけて円筒状のゴムシール503が
設けられており、本体501の上端501dにお
いては、かしめ体504によつて、また円盤部5
02hにおいては締結体505及び506(本実
施例においては座がね505と薄ナツト506)
によつて、それぞれ緊締結合されている。本体5
01、頭部502a及びゴムシール503とで環
状のチヤンバEを画成している。チヤンバEは頭
部502aを半径方向に横切つている通路520
に連結しており、更に、通路520は縦穴521
に連通し、該縦穴521はリザーバ室Cと連通し
ている。チヤンバE、通路520,521及びリ
ザーバ室Cには全て磁性流体Aが充填されてい
る。以上の構成は従来の密封型ラツシユアジヤス
タと共通している点であり、以下に異なる点を述
べる。
頭部502aの円盤部502hにおいて、上方
環状溝502bが設けられ、上方環状溝502b
内には上方ゴム磁石508が、円盤部502hの
外周に対してわずかに突出するように配置されて
いる。更に、本体501の上端501dの外周近
傍には下方環状溝502cが設けられ、下方環状
溝502C内には同様に下方ゴム磁石508が、
上端501dの外周に対してわずかに突出するよ
うに配置されている。
密封型ラツシユアジヤスタ500の動作につい
て、以下に簡単に説明する。図示しない高圧室の
拡張に伴つて、リザーバ室Cの磁性流体Aは高圧
室に向かつて流入する。リザーバ室Cは容積が不
変であるため、通路520,521を介してチヤ
ンバEから磁性流体Aが補充される。チヤンバE
は、可撓性のゴムシール503を一構成体として
いるので可変容積となつており、従つて、リザー
バ室Cに対して充分な磁性流体Aを供給すること
ができる。
ところで、従来の密封型ラツシユアジヤスタに
おいては、ゴムシール503の締結部の封入油洩
れという問題、例えば、静的に洩れを防止できて
も、ラツシユアジヤスタ作動時にわずかに洩れる
というような問題を、簡単かつ有効に対処できる
手段がほとんど無かつた。本実施例の密封型ラツ
シユアジヤスタにおいては、ゴムシール503の
締結部にゴム磁石508,509を設けており、
更に、封入油として磁性流体を用いているため
に、ラツシユアジヤスタ作動時にゴムシール50
3の締結部にわずかな隙間等が生じても、締結部
から磁性流体Aが洩れることを防止できる。
第6図は、本考案の第6実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ600の一部を示す軸線方向断
面図である。第1図に示した第1実施例に対し、
第6実施例も高圧室周辺の構成が同一であるた
め、ラツシユアジヤスタ下部の図示を省略した。
更に、同一部品に関しては、同一符号を付してい
る。但し本実施例においては、封入油としてシリ
コン油やエンジン油を使用し、磁性流体は磁石8
と環状磁石608との間にシール部材として使用
している。
第6図の構成においては、第1図に示した第1
実施例と非常に類似しており、第1実施例と異な
るのは、本体1の内周に設けられた環状の溝1b
に対向して、プランジヤキヤツプ2の大径部分2
aの外周に環状の溝602iを設け、更に、磁石
8に対向して、環状の溝602i内に環状の磁石
608を配置している点である。
第7図に第6図の密封型ラツシユアジヤスタ6
00の磁石608周辺を拡大して、更に磁石の極
性を図解的に示している。第7図において判るよ
うに、磁石8はN極を外側に、S極を内側にして
配置されている。一方、磁石608もN極を外側
に、S極を内側にして配置されている。この配置
によつて、磁石8,608間の磁界が強まり、更
に強力な密封効果が期待できる。磁石8はN極を
内側に、S極を外側にして配置されてもよく、そ
の場合、磁石608もN極を内側に、S極を外側
にして配置されることになる。
第8図は、本考案の第7実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ800の一部を示す軸線方向断
面図である。第1図に示した第1実施例に対し、
第7実施例も高圧室周辺の構成が同一であるた
め、ラツシユアジヤスタ下部の図示を省略した。
更に、同一部品に関しては、同一符号を付してい
る。但し本実施例においては、封入油としてシリ
コン油やエンジン油を使用し、磁性流体は磁石8
と環状磁石808との間にシール部材として使用
している。
第8図の構成においては、第3図に示した第3
実施例と非常に類似しており、第3実施例と異な
るのは第6実施例と同様に、本体1の内周に設け
られた環状の溝1bに対向して、プランジヤキヤ
ツプ2の大径部分2aの外周に環状の溝802i
を設け、更に、磁石8に対向して、環状の溝80
2i内に環状の磁石808を配置している点であ
る。第7実施例の密封型ラツシユアジヤスタ80
0の機能は、第3実施例の密封型ラツシユアジヤ
スタ300に対して、第6実施例の説明で述べた
構成によつて、密封効果を更に高めている。
第9図は、本考案の第8実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ900の一部を示す軸線方向断
面図である。第1図に示した第1実施例に対し、
第8実施例も高圧室周辺の構成が同一であるた
め、ラツシユアジヤスタ下部の図示を省略した。
更に、同一部品に関しては、同一符号を付してい
る。
第9図の構成においては、第4図に示した第4
実施例と類似しているが、第4実施例とは以下に
示すように異なつている。
第9図において、プランジヤキヤツプ2の小径
部分2bの先端に開口902dが設けられ、更
に、小径部分2b内にスプリング912、上方分
離プレート911及び下方分離プレート913が
設けられ、上方分離プレート911と下方分離プ
レート913とにより画成される空間Gには磁性
流体Aが充填されている。スプリング912の上
端は小径部分2bの上方端の下面902gに当接
し、更に、スプリング912の下端は上方分離プ
レート911の上面に当接している。分離プレー
ト911及び913は、小径部分2bの内周部9
02fよりわずかに小さい外径を有する円盤状の
磁石から構成されている。下方分離プレート91
3の下面はリザーバ室Cのシリコン油やエンジン
油等の封入油Hに接触している。
上述したように分離プレート911及び913
は磁石であるので、スプリング912の付勢によ
つて上方分離プレート911が磁性流体Aを押圧
しても、上方分離プレート911の外周部と小径
部分2bの内周部902fとの隙間を、磁性流体
Aは通過することができない。同様に、下方分離
プレート913の外周部と小径部分2bの内周部
902fとの隙間を、磁性流体Aは通過すること
ができない。更に、小径部分2bの先端の開口9
02dを介して、外気はスプリング912及び上
方分離プレート911とで画成される空間Dに出
入り自在である。従つて、第1実施例の説明で述
べた、高圧室の拡張に伴うリザーバ室C内の封入
油Hの容積減少に対し、空間Dの容量を可変とし
て、ラツシユアジヤスタ900の確実な作動を可
能とし、同時に、2つの磁石により得られる強い
磁界により、分離プレート913近傍で第4実施
例よりも強大な密封効果を得ることができる。
また、本体1の内周に設けられた環状の溝90
1bに対向して、プランジヤキヤツプ2の大径部
分2bの外周に環状の溝902iを設け、更に、
磁石8に対向して、環状の溝902iに環状の磁
石908を配置しているので、磁石8近傍におい
ても磁性流体を介在させることにより、第4実施
例よりも強大な密封効果を得ることができる。
以上、本考案による密封型ラツシユアジヤスタ
の実施例を図面を参照して説明してきたが、本考
案は、上記実施例に限定して解釈されるべきでは
なく、その趣旨を損ねない範囲で変更、改良が可
能であることは勿論である。例えば、ラツシユア
ジヤスタは実施例で示したエンドピボツト型だけ
でなく、ロツカーアーム内蔵型、逆バケツト型あ
るいはバレル型密封型である全てのラツシユアジ
ヤスタに適用可能である。
(考案の効果) 以上、詳細に述べた本考案による密封型ラツシ
ユアジヤスタによれば、次のような効果が得られ
る。
密封型ラツシユアジヤスタの密封手段が磁石
と、封入されている流体が磁性流体から成つてい
るか、該密封手段が磁石と磁石近傍のシールの為
の磁性流体から成つているので、磁石の画成する
磁界により該密封手段近傍において、該流体の粘
度が著しく上昇し、その作用により流体の密封を
高い信頼性の下に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の第1実施例を示す密封型ラ
ツシユアジヤスタ100の軸線方向断面図であ
る。第2図は、本考案の第2実施例を示す密封型
ラツシユアジヤスタ200の一部を示す軸線方向
断面図である。第3図は、本考案の第3実施例を
示す密封型ラツシユアジヤスタ300の一部を示
す軸線方向断面図である。第4図は、本考案の第
4実施例を示す密封型ラツシユアジヤスタ400
の一部を示す軸線方向断面図である。第5図は、
本考案の第5実施例を示す密封型ラツシユアジヤ
スタ500の一部を示す軸線方向断面図である。
第6図は、本考案の第6実施例を示す密封型ラツ
シユアジヤスタ600の一部を示す軸線方向断面
図である。第7図は、第6図の密封型ラツシユア
ジヤスタ600の磁石608周辺を拡大して、更
に磁石の極性を図解的に示している図である。第
8図は、本考案の第7実施例を示す密封型ラツシ
ユアジヤスタ800の一部を示す軸線方向断面図
である。第9図は、本考案の第8実施例を示す密
封型ラツシユアジヤスタ900の一部を示す軸線
方向断面図である。第10図は一般的なOHC形
式の内燃機関のシリンダヘツドの一部を切断して
得られた図である。 主要部分の符号の説明、1……本体、2……プ
ランジヤキヤツプ、8,608,808,908
……磁石、508,509……ゴム磁石、41
1,911,913……分離プレート。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 開端部と閉端部とを有する円管状となつてい
    る本体と、該本体に収容され、該本体の軸線方
    向に摺動移動可能な移動部材と、該本体と該移
    動部材との間に画成された空間を二分する流体
    高圧室及び流体リザーバ室と、該流体高圧室及
    び該流体リザーバ室に充填された流体と、該流
    体高圧室と該流体リザーバ室との間に設けられ
    た流体一方向移動防止手段と、該流体リザーバ
    室内の流体を密封するように該流体リザーバ室
    が外気に対して開放する部分に設けられた密封
    手段とから成る密封型ラツシユアジヤスタにお
    いて、 該密封手段が磁石から成つていて、該流体が
    磁性流体から成つていることを特徴とする密封
    型ラツシユアジヤスタ。 2 開端部と閉端部とを有する円管状となつてい
    る本体と、該本体に収容され、該本体の軸線方
    向に摺動移動可能な移動部材と、該本体と該移
    動部材との間に画成された空間を二分する流体
    高圧室及び流体リザーバ室と、該流体高圧室及
    び該流体リザーバ室に充填された流体と、該流
    体高圧室と該流体リザーバ室との間に設けられ
    た流体一方向移動防止手段と、該流体リザーバ
    室内の流体を密封するように該流体リザーバ室
    が外気に対して開放する部分に設けられた密封
    手段とから成る密封型ラツシユアジヤスタにお
    いて、 該密封手段が磁石と磁性流体とから成つてい
    ることを特徴とする密封型ラツシユアジヤス
    タ。 3 前記密封手段の磁石は環状となつており、該
    本体と該移動部材とに配置されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の密封型ラツシ
    ユアジヤスタ。 4 前記密封手段の磁石は複数個設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の密封
    型ラツシユアジヤスタ。 5 前記密封手段の磁石のうちの少なくとも一対
    の磁石が対向して設けられていることを特徴と
    する請求項4記載の密封型ラツシユアジヤス
    タ。 6 前記流体リザーバ室には外気連通口が形成さ
    れていて、また前記密封手段の磁石は、少なく
    とも1つが該外気連通口に設けられており、該
    流体の該連通口における外方への移動を制限し
    ていることを特徴とする請求項4または5記載
    の密封型ラツシユアジヤスタ。 7 前記外気連通口の近傍に設けられ、前記リザ
    ーバ室の断面形状にほぼ一致した断面形状を有
    する該磁石と弾性手段とからなつていて、該磁
    石を該リザーバ室内の流体に向かつて付勢する
    流体付勢手段を備えていることを特徴とする請
    求項4または5記載の密封型ラツシユアジヤス
    タ。 8 前記密封手段が補助密封体を有していること
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに
    記載の密封型ラツシユアジヤスタ。
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