JPH05258213A - デジタル磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル磁気記録再生装置において、低消費
電力構成の記録再生増幅器で、アフレコ・インサートを
可能にする。 【構成】 インサート時、インサート用の信号を記録増
幅器２で増幅しロータリトランス４を介して回転磁気ヘ
ッド６で記録する。この時スイッチ２３をＯＦＦしスイ
ッチ８をＯＮするよう制御する。次の磁気トラックにイ
ンサート記録する時は、インサート用の信号を記録増幅
器３で増幅し、ロータリトランス５を介して回転磁気ヘ
ッド７で記録する。この時スイッチ２４をＯＦＦしスイ
ッチ９をＯＮするよう制御する構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、映像信号、音声信号を
デジタル信号に変換して、時分割で磁気テープに記録す
るデジタル磁気記録再生装置に関し、特に、音声信号の
みを記録するアフターレコーディング（以下アフレコと
略称）や、映像信号のみを記録するインサートを可能と
する回転磁気ヘッドの記録・再生増幅器を提供するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の家庭用ＶＴＲは、アナログ記録の
ため、映像信号および音声信号の時分割記録はなされて
おらず、高音質化のために、音声信号は、磁気テープの
深層部に周波数変調して記録する方式が導入されてい
る。そのため音声信号のみのアフレコや映像信号のみの
インサート記録は不可能であった。

【０００３】近年デジタル技術の発展により映像信号お
よび音声信号をデジタル信号に変換して、ヘリカルスキ
ャンで記録されるトラック上に、映像信号と音声信号を
時分割で記録する技術が知られている。このような記録
方式であれば、映像信号と音声信号が分割されているた
め、アフレコやインサートが可能である。しかしこのよ
うなことが可能なデジタル磁気記録再生装置は、電力的
な心配をあまりしなくて良い据置用タイプや、性能重視
の放送用のカメラ一体型の磁気記録再生装置であって、
家庭用のカメラ一体型磁気記録再生装置において、小型
で低消費電力でデジタル記録された映像信号および音声
信号のアフレコやインサートが可能な記録再生増幅器は
知られていない。

【０００４】図４に従来の家庭用のカメラ一体型磁気記
録再生装置の記録再生増幅器を示す。

【０００５】図４において、３０が記録する信号の入力
端子であり、記録増幅器３７，４０に入力されている。

【０００６】記録増幅器３７および４０の出力は、それ
ぞれロータリトランス４９，５０に接続されている。

【０００７】３４は、電源端子であり、スイッチ４３、
ダイオード４７および４８を介してロータリトランス４
９，５０の一方の端子に接続されている。

【０００８】したがって記録増幅器３７，４０の出力に
は、電源電圧からダイオードの電圧降下を引いた電圧を
中心とした記録波形の振幅を得ることができる。またこ
の記録波形振幅に見合った電流がロータリトランス４
９，５０のコイルに流れ、ロータリトランス４９，５０
を介して回転磁気ヘッド５１，５２に記録電流が流れて
図５に示す磁気テープ５４上に記録する。

【０００９】記録増幅器３７，４０の出力には、スイッ
チ４２，４４が接続されており、再生制御信号入力端子
３１の入力信号により再生時にＯＮして接地される。

【００１０】３５は記録制御信号の入力端子であり記録
時スイッチ４３をＯＮするよう制御信号が入力される。

【００１１】３２，３６は記録増幅器３７，４０で記録
電流を流すか、流さないかを制御する信号の入力端子で
ある。

【００１２】３８，３９は再生増幅器であり、ロータリ
トランスのコイルと結合コンデンサ４５，４６を介して
接続されている。

【００１３】再生増幅器３８，３９の出力は、スイッチ
４１を介して再生信号出力端子３４に出力される。

【００１４】この時の回転磁気ヘッドおよび磁気テープ
の配置を図５に示す。図５において５１，５２は記録再
生のための回転磁気ヘッドであり、５３は回転磁気ヘッ
ドを搭載している回転シリンダであり、５４は磁気テー
プであり回転シリンダ５３に約１８０゜巻きつけられ、
それぞれ矢印の方向に回転送行する。

【００１５】本来は、カメラ一体型の回転磁気ヘッド
は、映像用に４個、音声用に４個の計８個であり、また
磁気テープの巻きつけ角度も約２７０゜であるが、従来
例の説明に対し本質ではないので回転磁気ヘッドを２個
の構成とした。

【００１６】ここで図４における記録および再生の動作
について説明する。記録時は、記録制御信号入力端子３
５の信号によりスイッチ４３がＯＮする。記録信号が入
力端子３０より入力され、記録増幅器３７，４０で増幅
され、ロータリトランス４９，５０を介して回転磁気ヘ
ッド５１，５２で磁気テープに記録する。この時ロータ
リトランス４９，５０は、ダイオード４７，４８を介し
て電源電圧に接続しているため、低い電源電圧で大きな
振幅を得ることができるため、低消費電力化が可能であ
る。なお、磁気テープに回転磁気ヘッドが当接している
期間あるいは必要な期間だけ記録電流を流すようにする
ために、入力端子３２，３６の信号で、記録増幅器３
７，４０のＯＮ／ＯＦＦ制御を行なう。

【００１７】再生時は、回転磁気ヘッド５１，５２から
の再生信号がロータリトランス４９，５０を介し、結合
コンデンサ４５，４６を通して再生増幅器３８，３９に
入力される。再生増幅器３８，３９で増幅された再生信
号は、スイッチ４１で再生信号が得られている期間だけ
取り出すようスイッチされて出力端子３４に出力され
る。

【００１８】この時スイッチ４３はＯＦＦされてダイオ
ード４７，４８は非導通の状態であり、スイッチ４２，
４４はＯＮされて接地されている。

【００１９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な構成においては、記録時は記録のみ、再生時は再生の
み行なう構成であるため、インサートやアフレコのよう
な部分的な記録に対しては対応できない。

【００２０】本発明は上記従来の問題点を解決する、低
消費電力の構成でしかもアフレコ、インサートの可能な
デジタル磁気記録再生装置を提供するのを目的とする。

【００２１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のデジタル磁気記録再生装置は、映像信号と
音声信号をデジタル信号に変換して、複数の回転磁気ヘ
ッドでデジタル信号を時分割で記録再生するデジタル磁
気記録再生装置であって、複数の回転磁気ヘッドに対応
した、複数の記録増幅手段と複数の再生増幅手段と、記
録増幅手段のＯＮ／ＯＦＦを制御する第１のスイッチ手
段と、記録増幅手段の出力段を接地する第２のスイッチ
手段と、記録増幅手段の出力段からロータリトランスの
コイルを介して電源に接続するための第３のスイッチ手
段と、この第３のスイッチ手段のコイル側から容量を介
して再生増幅手段の入力に接続するよう構成したもので
ある。

【００２２】

【作用】本発明は、上記構成により、低消費電力な記録
再生増幅器構成でアフレコ、インサートが可能となる。

【００２３】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照しながら
その構成と動作を説明する。

【００２４】図１は本発明の一実施例を示すブロック
図、図２は本実施例において磁気テープに記録されたト
ラックパターン図、図３は図１における主要波形図であ
る。

【００２５】図１において１は記録する信号の入力端子
であり、記録増幅器２，３に入力されている。記録増幅
器２，３の出力は、ロータリトランス４，５を介して、
回転磁気ヘッド６，７で磁気テープ（図示せず）に記録
される。

【００２６】ロータリトランス４，５の一方の端子は、
スイッチ８，９が接続されており、スイッチ８，９は、
電源端子１８に接続されている。１６および１７がスイ
ッチ８，９の制御信号の入力端子である。

【００２７】入力端子１９および２１が記録増幅器２お
よび３をＯＮ／ＯＦＦする制御信号の入力端子である。

【００２８】スイッチ２３および２４は、再生時にＯＮ
して記録時にＯＦＦするよう制御され、制御信号は入力
端子２０および２２から入力される。

【００２９】再生時、再生信号は、回転磁気ヘッド６お
よび７で再生され、ロータリトランス４および５を介
し、結合コンデンサ１０および１１を通して再生増幅器
１２および１３で増幅される。

【００３０】再生増幅器１２および１３の出力は、スイ
ッチ１４で切り換えられて、再生信号出力端子１５に出
力される。２５はスイッチ１４を切り換える制御信号の
入力端子で、回転シリンダに同期した制御信号が入力さ
れる。

【００３１】図２に磁気テープ上に記録された信号の一
例を示す。図２において、２６は、回転磁気ヘッド６で
記録された映像信号であり、２７は、回転磁気ヘッド６
で記録された音声信号である。同様に２８および２９
は、回転磁気ヘッド７で記録された映像信号および音声
信号である。

【００３２】ヘリカルスキャン記録の場合、記録された
トラックパターンは縦方向に並ぶが、図２は説明の便宜
上、横に並べている。６０および６１は、磁気テープの
端や、映像信号と音声信号のギャップ部分で信号が何も
記録されていない。

【００３３】デジタル変換した信号の場合このように時
分割記録が可能である。図１の本発明の一実施例におい
て、図２のような記録トラックパターンの、映像信号の
みの書き換え、すなわちインサートを行なった場合の動
作について図３の波形を用いて説明する。

【００３４】インサートやアフレコは、基本的には再生
状態で記録しなおしたい期間だけを記録に切り換えれば
良い。

【００３５】図２においてインサートの場合は映像信号
部分２６，２８を新しい映像信号に記録しなおせば良
い。

【００３６】図３において（ａ）は、回転シリンダに同
期したスイッチング信号であり、Ｈｉｇｈの期間図１の
再生増幅器１２の再生信号を取り出し、Ｌｏｗの期間再
生増幅器１３の再生信号を取り出すようスイッチ１４を
制御する。（ｂ）がインサートで記録したい新しい映像
信号の入力信号であり、（ｃ）は記録増幅器２を制御す
る信号であり、Ｈｉｇｈの期間、記録増幅器２を動作さ
せる。（ｄ）はスイッチ２３の制御信号であり、Ｌｏｗ
の期間スイッチ２３はＯＦＦする。（ｅ）はスイッチ８
の制御信号でありＨｉｇｈの期間スイッチ８がＯＮし
て、この期間ロータリトランス４の一方の端子は電源電
圧電位となる。

【００３７】このようにして、インサートのために入力
された映像信号（ｂ）は、記録増幅器２で増幅され、ロ
ータリトランス４を介して回転磁気ヘッド６で、図２の
トラックパターン２６の期間に記録される。

【００３８】同様に（ｆ）は、記録増幅器３を制御する
信号であり、Ｈｉｇｈの期間、記録増幅器３を動作させ
る。（ｇ）は、スイッチ２４の制御信号であり、Ｌｏｗ
の期間スイッチ２４はＯＦＦする。（ｈ）はスイッチ９
の制御信号であり、Ｈｉｇｈの期間スイッチ９がＯＮし
て、この期間ロータリトランス５の一方の端子は電源電
圧電位となる。

【００３９】このようにして、インサートのために入力
された映像信号（ｂ）は、記録増幅器３で増幅され、ロ
ータリトランス５を介して回転磁気ヘッド７で、図２の
トラックパターン２８の期間に記録される。

【００４０】これを繰り返すことにより、映像信号のイ
ンサートが可能となる。（ｉ）は音声信号の再生信号で
あり、インサート記録の場合音声信号に何ら影響するこ
とはない。

【００４１】アフレコの場合も同様に、図２の記録トラ
ックパターン２７，２９の音声信号部分のみ記録するよ
う各制御信号のタイミングを変えれば簡単に実現でき
る。

【００４２】このように従来は、それぞれの回転磁気ヘ
ッドを低消費電力構成で独立して記録、再生制御するこ
とができず、アフレコ、インサートができなかったが、
本発明によれば、それぞれの回転磁気ヘッドを、低消費
電力構成で独立して記録、再生の制御が可能である。

【００４３】なお、図１におけるスイッチ２３，２４は
ＮＰＮ型トランジスタで、スイッチ１８，１９はＰＮＰ
型トランジスタで簡単に構成できる。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように、映像信号と音声信
号をデジタル信号に変換して、磁気テープ上に時分割で
記録された信号のアフレコおよびインサートを行なう場
合、記録のための電源電圧を高くとれる場合は可能であ
るが、家庭用のカメラ一体型磁気記録再生装置のよう
に、小型でしかも低消費電力を必要とする場合において
も、本発明によれば、アフレコ、インサートが可能であ
り、低消費電力のカメラ一体型磁気記録再生装置が実現
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の記録再生増幅器のブロック
図

【図２】同実施例の磁気テープに記録された映像信号お
よび音声信号のトラックパターン図

【図３】同実施例のインサート時における図１の主要波
形図

【図４】従来例の記録再生増幅器のブロック図

【図５】同従来例の回転磁気ヘッドおよび磁気テープを
示す図

【符号の説明】

２ 記録増幅器 ３ 記録増幅器 ４ ロータリトランス ５ ロータリトランス ６ 回転磁気ヘッド ７ 回転磁気ヘッド ８ スイッチ ９ スイッチ ２３ スイッチ ２４ スイッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】映像信号と音声信号をデジタル信号に変換
   して、複数の回転磁気ヘッドで前記デジタル信号を時分
   割で記録再生するデジタル磁気記録再生装置であって、 前記複数の回転磁気ヘッドに対応した、複数の記録増幅
   手段と複数の再生増幅手段と、前記記録増幅手段のＯＮ
   ／ＯＦＦを制御する第１のスイッチ手段と、前記記録増
   幅手段の出力段を接地する第２のスイッチ手段と、前記
   記録増幅手段の出力段からロータリトランスのコイルを
   介して電源に接続するための第３のスイッチ手段と、前
   記第３のスイッチ手段のコイル側から容量を介して前記
   再生増幅手段の入力に接続するよう構成したことを特徴
   とするデジタル磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】第２のスイッチ手段はＮＰＮ型のトランジ
   スタで、第３のスイッチ手段はＰＮＰ型のトランジスタ
   で構成したことを特徴とする請求項１記載のデジタル磁
   気記録再生装置。
3. 【請求項３】複数の回転磁気ヘッドに対応した、複数の
   記録増幅手段と複数の再生増幅手段は、それぞれ独立し
   て制御するよう構成したことを特徴とする請求項１記載
   のデジタル磁気記録再生装置。